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議事録 - 北海道

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議事録 - 北海道
平成27年度北海道職業病対策懇談会議事録
日時:平成28年3月24日(木)13:30~15:00
場所:北海道庁 本庁舎9階 経済部1号会議室
(事務局)
・皆様、お集まりになりましたので、ただ今から平成27年度北海道職業病対策懇談会を開催さ
せていただきます。
・私、北海道経済部労働政策局雇用労政課の富永と申します。よろしくお願いいたします。開会
に当たりまして、労働政策局長の松下よりご挨拶を申し上げます。
(松下労働政策局長)
・本日は、年度末のお忙しい中、皆様方には本年度の北海道職業病対策懇談会にご出席いただき
誠にありがとうございます。また、皆様方には、常日頃より道の労働行政の推進に当たりまし
て、格別のご理解ご協力をいただいておりますことを、この場をお借りして厚くお礼申し上げ
ます。
・また、それぞれのお立場から、働く方々の職業病の防止対策をはじめとする健康確保や労働安
全などの確保に、ご尽力いただいておりますことに深く敬意を表する次第です。
・さて、北海道経済につきましては、緩やかに持ち直しているものの一部に弱い動きもみられ、
雇用情勢を見ますと有効求人倍率は1倍を超える状況にあり、一部の業種では人出不足が続い
ていることから、中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。
・ここ近年、仕事や職業生活に関して強い不安、悩み又はストレスを感じている労働者が5割を
超える状況にある中、積極的に心の健康の保持増進を図ることが重要となっております。
・国におきましては、一昨年の11月に過労死等防止対策推進法が施行され、昨年12月から「ス
トレスチェックの実施」が50人以上の事業場で義務化されるなど、働く人たちが健康で生き
生きと働くことができる職場づくりのためにも、仕事と生活の調和の取れた働き方が求められ
ております。
・道といたしましても、国や関係機関と一層、連携を図りながら、長時間労働が是正されるよう、
働き方の見直しに向けた普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
・本日の懇談会では、行政や医療機関、労使などの皆さんによる、働く方々の「ストレスチェッ
クの実施」について、様々な観点からの意見交換を予定しているとこでございます。
・道といたしましては、今後とも関係機関の皆様方のご協力をいただきながら、職業病の防止等
に向けた施策の推進を引き続き図って参りたいと考えております。
・本日は限られた時間となりますが、本懇談会が実りあるものとなりますよう、皆様方におかれ
ましては忌憚のないご意見をいただきますようお願いいたします。
(事務局)
・松下局長はこの後、他の用務がございますので、退席させていただきます。
・続いて、昨年6月の人事異動で着任にしました、両立支援担当課長の針山でございます。
(針山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。)
・本日の懇談会には、構成員12名中11名の方々に、ご出席いただいております。
・道経連 稲葉部長から時計回りで、順に自己紹介をお願いいたします。
(出席者による自己紹介)
・本日の資料につきましては、私どもからは資料1から4と、当日配布となりましたカウンセラ
ー協会さんから封筒にはいったもの、中災防の「研修会のご案内」、連合さんからのA3の折
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ったものです。不足がありましたら、お知らせください。
・座長の選出についてですが、北海道職業病対策懇談会開催要項第4条により学識経験者である
構成員から座長を選出いただきますが、ご意見がございますでしょうか。
・特に、ご意見もないようですので、旭川医科大学の吉田教授に座長をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
・では、これから議事に入りますが、議事の進行は、座長である吉田教授にお願いいたします。
(吉田座長)
・それでは、次第に沿って進行させていただきます。本日は、全体で2時間を予定していますが、
せっかくの機会ですので、活発な意見交換についてご協力をお願いします。
・最初に、「道における職業病に対する取組状況について」、事務局から報告をお願いします。
(事務局)
・ 資料1にあります「道における職業病に対する取組状況について」ご説明いたします。本日の
職業病対策懇談会は、 昨年までは協議会ということで開催しておりましたが、全庁的な会議の
見直しがありまして、協議会という名称を使う場合は、法律、条例に基づいて行うものという
決めがございましたので、協議会という名称が使えなくなりました。それで改正をいたしまし
て懇談会という形にさせていただきました。
・次に職業病・労働災害予防対策事業への補助ということで、北海道医師会に対して産業医の養
成・研修に係る事業費の一部を補助しております。27年度の開催実績ですが、北見、帯広、
旭川、札幌の4ヵ所で開催しております。北海道医師会からお聞きしました産業医、つまり道
内における産業医の数ですが、日本医師会認定産業医として今年の2月末では2,281名の
方が登録されているということでございます。
・3番目として、労働問題セミナーの開催ですが、14の総合振興局、振興局で開催しておりま
して、このようにメンタルヘルスの関係とか労働法規のセミナーを労働者、経営者の方々に行
っております。
・最後に労働相談ホットラインなんですが、平成26年度から労働問題の専門家でございます社
会保険労務士さんの集まりである北海道社会保険労務士会に業務を委託しております。月曜日
から土曜日ということで行っていますが、相談実績として26年度は、1,273件 、今年
27年度2月末では 1,169件とほぼ去年と同じ件数で推移しております。ただ、ご覧にな
っておわかりと思いますが、土曜日はやはり増えてきております。去年が224件であったも
のが、2月末で222件。この土曜日というのは仕事がお休みの日に相談を受けようというも
ので、26年度から始めたものでございます。この土曜日の相談というものは、国の相談窓口
でも行っておりません。道だけが、土曜日に開設したことになっております。 相談内容につい
てですが、今回のメンタルチェックの関係だけとらえたのですが、やはりメンタルヘルスは減
っていません。パワハラ、セクハラそれでメンタルの不調になっている方が多くなっています。
・それから、長時間労働、長時間勤務、残業が続いているお休みもない中で体調を崩されうつ病
になっている方は、減ってはおりません。 相談簿だけで見たよりも実際の件数は多いのかもし
れません。現実はこういう状況になっております。
(吉田座長)
・ご説明ありがとうございました、只今のご説明につきまして何かご質問等がございますでしょ
うか。
・最初の説明は懇談会に名称が変わったこと。2番目の職業病・労働災害予防対策への補助での
産業医に対する研修では、私は、2000年に北海道に来る前は神奈川にいたのですが、東京、
神奈川ですと産業医の研修会への出席も大変なぐらい混むのですけれども、ところが北海道は
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混まない、企業の数が少ないためかその違いを実感しておりますが、すでに十数年たつがあま
り変わらない。
・ただ今、2,281名が産業医。そのほかにも昔のように労働衛生コンサルタントや経過措置
で産業医の資格を持っている人がおり実際にはもう少しいるのかなと思うが、その数が多いの
かどうかについては、私にはわからない。
・3番目の労働問題セミナーは振興局単位で開催されているということ。
・4番目の労働相談ホットラインは、相談される方はどちらかというと働いている方ですけれど
も、月曜日から金曜日までの時間帯には、勤務されていることが多いのでたぶん相談が少ない
だろうということで、土曜日も行われている。北海道独自の取り組みである。そのほかにも、
中央産業保険センターが夜間相談も行っている。これは、全道的に行われているが、どちらか
というと会社側の相談が多く、働いている人も相談できるのですけれどもあまり相談には来ら
れない、電話でも来られない。
・何かございますか。
(永田組織労働局長)
・2の職業病労働災害予防対策事業への補助ですが、今日は残念ながら医師会が参加していない
が、これからストレスチェック制度を進めるに当たって産業医、労働衛生コンサルタントを含
めて2,281名について、中小企業は今、道内に15万社あるうち、50人以上の事業所が
どれだけあるかわからないですけど、産業医の育成について問題提起したいと思います。2~
3年前にも申し上げたんですけど産業医の報酬が年間3万とか5万円とか、会社専属であれば、
月にいくらとか更にありますが、2~3年前に提起したときは最低でも年間100万円位ない
と中小企業にとっては厳しいということはあるのですけど、なかなか産業医の成り手がいない。
ストレスチェック制度を進めるに当たって、嫌ですとなりかねないので、ここで産業医の育成、
研修ということについて、北海道庁や労働局としてどう受け止めているかをお伺いしたい。 医
師会にも伺いたかったのですけれど、欠席しているので。私、個人的には少ないという思いが
ある。そういった意味で産業医の育成と報酬について、2~3年前に述べたときはスルーして
しまったのですけど、報酬を含めて少し考える必要があるのではないか。行政的にどう考える
のかを問題提起させて頂く。
(木村健康課長)
・データは今ないんですが、実際100%ではございませんですけども、ほぼ50人以上の事業
場には産業医はいる。一部産業医がいない事業所は法律違反になりますので、地元の監督署が
指導をしている。数ですけど50人以上の事業場は道内に大体約5,000社ございます。
5,000社に対して2,281名では単純に足りないと思いますけれど、産業医の資格を持
っている先生は一人で1社だけではなくて、2社3社と複数持っている先生もかなりいらっし
ゃるので、足りないという認識はございません。先生方にはストレスチェックの部分も協力し
てもらえると考えております。
(永田組織労働局長)
・私が述べたかったのは、産業医嘱託で従業員300人以下なら月6万から8万円という相場が
あるのですけど、会社に毎月来ないことが前提の名義貸しみたいなものについては月3万円前
後、常勤と常勤じゃないということもあるのですけど。2年前、連合から産業医の報酬問題と
言うことで、少し上げていかなけらばだめじゃないかという提起をさせてもらった。年前の労
働局の安全衛生専門家会議に出たときに、今後ストレスチェック制度を議論する上で、産業医
の方が受けたくないという話をよく聞いているんです。産業医がストレスチェック制度を抱え
込んで、それを克服するためにどうしていくかという問題提起を敢えてさせてもらいたいと思
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います。数字的な部分で伺いましたけど、述べられた考えだとかなり今後は厳しいかなと思っ
ております。
・ストレスチェック制度の中で議論を深めていきたいと思いますけども、もう少し行政として考
えていただきたいということを前提として申し上げておきたいと思っております。
(吉田座長)
・先ほどの研修ですけど、委託を受けている北海道医師会で、数年前から1日3コマですが、1
コマが労働法律系の話を監督署の署長に行っていただく、有害健康管理という観点で1つ、も
う1コマが精神科の先生がストレスチェックの導入とか長時間労働による問題を行うようにな
っていて、少しはこういう対応を始めているのも事実。全ての医師がなかなかそうではないと
いうのが問題なのかなと私も思っておりまして、
・先ほどの説明に、他にご質問とかご意見とかございませんでしょうか。
・なければ、次に私の「講話」に進めさせていただきます。
(吉田座長)
・本日の意見交換のメーンのテーマは「ストレスチェック制度の実施」ということですので、意
見交換に入る前に私から、働いている方の心の健康がいかに大切かという話をしていく。私は
このテーマでいろんな立場の方に話す機会がありまして、企業を経営されている方にとって、
健康管理は適切でなければいけませんよという話しであったり、指導する産業医に対しても
そういう観点で話をしています。
・あと、働いている方にご自分の健康について知っておいてください。いろんな観点から拾って
きたような話です。時間をいただいて、簡単にご説明します。
・まず、資料2の2というところを見ていただきたい。ここに示したものは、一般の方とか労働
されている方、まあ、人間全てに見られる病気を分類したものです。3つに分けることができ
ます。これは色々な分け方ができますけれども、労働するしないということで関わっている分
け方だと思います。 一番上にあるのは、一般人としての病気で、これは仕事をしてようがして
まいが 、一般人としての生活習慣病、個人の体質、遺伝的なものもありますが、アレルギーと
いったものです。それから 外因による病気で、今、インフルエンザがはやっていますが感染症
だったり、だれでもするケガだったり、環境の汚染による公害であったり、何らかの中毒であ
ったり、これらは誰でも起こることですので、ご説明するまでもないと思います。
・2番目、3番目ですけれども、3番目を先に話します。3番目に書きましたのは労働者に特有
の病気ということで、これは作業する環境、これはその仕事をする人しか起こらない病気、そ
の環境に身を置くことによって起こってくる病気。そこの環境の中には物理的なエネルギー、
温度の問題だとか騒音だとか放射線といったものが物理的というもの。それから、化学的とは
使っている化学物質などになります。有機溶剤があったり、金属があります。生物的なものと
は一つは病原体のものもありますし、その他、家畜の病原体もありますし、家畜等からの糞尿
によるアレルギーもありますし、ハウス栽培をしている方がハウスの中が花粉が増えるので花
粉症が起こるものがあります。時間的な要因というのは、 三交代勤務とか四交代勤務や深夜業
務だけをやっている人がいたり、それが時間的な要因です。
・人間的関係、精神的な要因とは、どうしても会社の中で集団で仕事をしますので、上司とか同
僚といった人間関係による原因で起こることがあります。そのほか、ケガということになれば、
高い所で仕事しているといったものがあります。
・作業そのものに原因があって起こる病気としては、これは物理エネルギーでもないし、科学的
でも生物的でもなく、体を動かすときの動作が原因で起きる腰痛などを起こす。精神的な病気
とは、意欲ですね、やりたくない仕事を嫌々やっている人と、 楽しく一生懸命やっている場合
とでは全然メンタル的に違ってくる。
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・真ん中の作業関連要因というのは何かと申しますと、一般人でも普通に起こる病気たとえば腰
痛が起こる頻度は、働いている場合、重たいものを持つ、重たくなくてもそれを動かす移動の
回数が多い、働いている環境が寒いところでは、仕事が誘因とする一般的な条件があります。
・それから、仕事をすることによって悪くなる病気、たとえば、高血圧などは生活習慣病の一つ
ではありますが、非常に暑いところとか寒いところで作業する人は悪くなりやすい。そのよう
なものを作業に関連する病気といいます。
・3番目として労働者にみられる疾病として拡大したものがありますが、労働災害ないし産業災
害、略して労災といいます。さらに、そこが2つに分かれまして、外力が作用して起こるもの、
簡単に言うとケガです。下の方は有害因子へ曝されることにより起こる病気です。 上の方はケ
ガですので事故的に急激に起こりますが、下の方は、慢性的にじわじわと起こるという違いが
あります。上の方は労働安全といわれて一般の方に理解されやすいけれども、下の方は理解さ
れにくい。これは、原因が例えば有機溶剤があって、これが神経をおかすといっても、一般の
人はよくわからない。上の方は、穴があれば落ちるとわかりやすい。下の方をさらに分けると、
作業環境因子、作業様態因子といったようにここに細かく書いてあります。
・4番目に移りまして、職場におけるメンタルヘルスが増加してる背景が何かというのを示して
いる。まずは、社会全体での精神障害の増加、自殺者が増えております。職業性ストレスの増
加で、様々なことが言われています。精神障害に関わる労働災害補償状況の変化、過重労働、
長時間労働とメンタルヘルス不全このような問題が心の健康、メンタルヘルスという表現を使
いますが、労働者本人や家族、職場や社会に与える影響が非常に大きくなってきている。自殺
者が出ますと会社にとっても大変だし、長期間、メンタルヘルス不全によって休職しますと、
まわりの方に負担もかかります。
・企業に求められる安全配慮義務、健康配慮義務の明文化と訴訟リスクの増大ですけれども、あ
とから出てきますけれども、こういう問題が起きてきております。それによって、労働者のメ
ンタルヘルスの保持増進が、産業保健の重要な課題となってきています。
・5番目にいきます。安全配慮義務の根拠の変遷で、安全配慮義務の解釈がどのように変わって
きているかを示しています。
「不法行為」に根拠を求めていた時代があります。これが、労働の
提供にあたって、労働者の生命・健康等を危険から保護するよう配慮すべき使用者の義務のこ
とを安全配慮義務といいます。従来は、労災事故等の損害賠償責任を求める法的根拠が、不法
行為とすることが多かったそうです。ところが、現在は、債務不履行に根拠を求めることに変
わってきた。労働契約法が平成19年に施行されている。使用者は労働契約により、労働者が
その生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとす
るということがここで明文化されました。
・この明文化されていることをしなければ、民法415条の債務不履行になりますと解釈します。
それを補足するような通達として平成20年に出ました。使用者は労働契約上の付随的義務と
して当然に安全配慮義務を負うと決められ、ここで、次の6ページを見ていただきますが安全
配慮義務の範囲も変遷してきている。昔の場合は、どちらかというとケガが中心になっており
ます。
・機械にはさみこまれた巻き込まれたとか、高いところから作業して落ちたといった物質面の安
全環境、これに対して安全配慮義務、だれが聞いても見てもわかりやすいところから始まって
いるのに対し、化学物質による発がんなどの健康障害、化学物質面の衛生環境、化学物質と健
康障害は結びつけにくいけれども、さらにそれが長時間労働による健康障害や働き方が原因で
起こることまで安全配慮が必要になっている。さらにそれが長時間労働、健康障害としての精
神障害へと働き方が原因で起こるところまで広まった。ケガからはじまったものが病気までい
って、それがさらに働き方が原因で起こってくる精神障害まで安全配慮義務が広まった。それ
が、最近では職場におけるいじめ 、嫌がらせとか受動喫煙による健康被害のところまできてい
ます。
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・これをまとめますと、機械や設備といった物質面での安全環境から出発した安全配慮義務が、
メンタルヘルスも対象へと拡大した。これを受けて、労働者の心の健康の保持増進のための指
針とか改正労働安全衛生法で、長時間労働と過重労働による健康障害への配慮への強化された
という流れです。
・次の7ですけれども、一次予防、二次予防、三次予防というものがありまして、問題が起きる
前に防ぐということだと思いますけれども、そういう意味では、本当の予防は一次予防で、 二
次予防は問題の早期発見、早期対策で、三次予防はそういった方を職場復帰させることになり
ます。
・8番目の職場におけるメンタルヘルス対策の基本ですけれども、従来的にはどちらかというと
治療、職場復帰、再発予防といったことに目をうばわれることが多かったけれども、どうして
かというと非常に時間もかかり、スタッフの負担もかかり、さらに時間もかかり、再発も非常
に多く、難しいということで、以前のメンタルヘルスはこういったところに話題が集中してい
ました。
・さきほど話したように 病気になる前に対策をする方がよいに決まっておりますので、一次予防
に心がけましょう。もし、一次予防がうまくいけば、費用対効果が高いです。メンタル不全は、
メンタル疾患を起こす前にメンタル不全を初期に見出し発症予防につなげる。そのためには、
個人的なコミニュケーションを良くし職場全体の状態を把握し、風通し良くし、メンタル的な
快適職場の形成を目指す。快適職場の形成は、労働安全衛生法にでていますけれども柱のうち
の二つ目ですけども、こういったものが以前は温度環境が良いとか騒音がないとかだったんで
すが、今では精神的にも快適職場の形成が必要となっている。
・9番目です。今お話ししたことがありまして、ストレスチェック義務化に至っております。労
働することによって外部からストレスを受ける、どのようなときに受けるかというと、作業内
容が急に変わった、社外対応が大変だ、従来はどちらかというとこういうことが多かったんだ
と思います。
・例えば、納期に追われているとか、仕事量が急激に増えたとかいったことで、長時間仕事しな
いといけない。それに加えて、最近は職場内の人間関係の不調和、上司とか同僚との軋轢、セ
クシャルハラスメント、パワーハラスメントなど。それから長時間労働、特に最近では景気が
良くないとか、人件費が減ったりすると、一人あたりの産業医がかなりな負担となっている。
こういったことが先ほど局長さんの話にあったような、北海道は長時間労働が多い。業務上の
心理的負荷を誘因とした精神障害の発生を労災認定の請求件数も増えているし、及び労災とし
て認定される件数も増加傾向にあります。
・このような状態を踏まえて、未然に防ぎましょうと言うことで、労働者メンタルヘルス不調を
未然に防止する必要性が増してきた。そのためにストレスチェック制度というものを導入する
背景になっています。
・仕事上の強いストレスが精神障害の発病に繋がる、それから、労働者のメンタルヘルス不調を
未然に防止することが課題となっている。これが背景となって、2014年6月19日の労働
安全衛生法の一部改正に労働者の安全と健康を確保するための諸改正が行われて、そこの改正
にはいっぱいありまして、化学物質管理のあり方の見直しとか、受動喫煙防止対策の推進です
とか、重大な労働災害を繰り返す企業への対応等の上に、ストレスチェック制度の創設が行わ
れました。これが昨年の12月1日から施行されたということです。
・最後のまとめ、11と12になります。職場でのメンタルヘルス不全がもたらす悪い面から見
ていくと、メンタルヘルス不全が起こってしまうと当然メンタル不全による欠勤が増え、体調
不良になる。メンタル疾患による休職期間が非常に長い、うつの場合は通常3か月から6か月。
それから医療費の負担も増えます。保険料も半分会社が出します。
・それから、労働の質の低下、事故が起こりやすくなるし、そうなりますと労働災害に繋がる。
それからミスとか、能率低下が起こると会社にとって、品質低下にもなる。モラルの低下、問
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題行為が増えてくる、業務起因性の精神疾患、自殺が増えてしまう。このような自殺まで至っ
た場合、適切な予防対策が取られなかった場合、安全配慮義務が問われ、労働災害認定訴訟、
社会的な信用失墜に繋がるんだと。こういう状況になりますと、企業収益の損失にもなります
し、上の方ではメンタル不全、メンタル疾患による労働損失が増えますし、傷病手当も増える。
下の方の質の低下の方は、労働損失が増え、収益性が下がる。これも全部企業収益が下がる。
これはどちらかというと企業に係わる。
・12番の健康に働くことができれば、住民・国民が健康に生きらればとも読み替えられますけ
れども、本人の満足度・充実した人生が送れれば、社会活動が活性化し、各種産業が振興し、
家族にとってもよいことで医療費が減少し、健康保険組合の経営は改善し それから欠勤率の低
下、勤労モラルの向上、産業能率の向上といったものが収益性の向上につながるでしょう。そ
うしますと地域の労働災害も減少する。労働災害の減少、これは労働災害補償の負担を減らす
ということです。そうしますと、会社にとっても従業員の健康は最も大事な資源であるとご理
解できると思います。
・持続的な発展が可能な社会の達成ができる。社会活動が活発化して、病気も減って収益性も増
えて税収が増えて、どこに向いてもいいことであろうといえます。働く人の健康ということは、
社会にとっても大事なことだという説明になるかと思います。
・これで終わりますが、ご質問ありますでしょうか。これからのディスカッション、意見交換の
呼び水になっていければと思います。
・次に、意見交換にはいらせていただきたいと思いますが 、先ほど私が話しましたように、昨年
の12月1日から従業員50人以上の事業場ではストレスチェックが義務化されました。12
月1日からはじまりまして、今年11月30日まで必ずやらなければならない。 このストレス
チェック制度の実施について、どのように普及・啓発に努めて、有効に活用していくか、様々
な観点から御意見を頂戴したいと思います。
・それでは、最初に議論の中心となりますストレスチェック制度の概要とか義務化になっていな
い50人未満の事業場におけるストレスチェックの普及などについて、北海道労働局の木村健
康課長から説明をお願いします。
(木村健康課長)
・資料3をご覧になってください。「ストレスチェック制度導入マニュアル」というものです。
みなさんご存じかと思いますけれども、ストレスチェック制度の概要についてご説明させてい
ただきます。開いていただきまして、ストレスチェックって何ですかということですが、スト
レスチェックとは、ストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで、
自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査でございます。
・例として5ページに57項目の質問票これは国が推奨している簡易な調査票でございます。こ
ういった質問票を用いまして検査をいたします。吉田先生がお話しされたように26年6月か
ら法律が改正されまして、昨年の12月から毎年1回この検査をすべての事業場で実施するこ
とが義務づけられました。ただ、今現在は50人以上の事業場が義務づけられておりまして、
50人未満の事業場については、当分の間 、猶予されていることになります。しかし、いずれ
は、すべての事業場は検査を実施しなければいけないという状況になります。
・1ページの下の方に、何のためにやるのでしょうかと書いてあります。われわれ説明会で、ま
ず最初に強調するのは、この説明でございます。一体この検査を何のためにするのかを、もう
一度皆様に理解していただくことになります。
・労働者が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ス
トレスが高い状態の場合は医師の面接を受けてもらって助言をもらったり、会社側に仕事の軽
減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、うつなどのメンタ
ルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです。
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・さきほどご説明があったとおり、労働者自身のストレスの気づきを促すものでございまして、
事業者がメンタルヘルス不調を早期に発見し 適切な対応を行う2次予防ではないということ
を、まず、事業主の皆さんにご理解をいただいております。場合によっては、この検査でうつ
病の有無を行うと勘違いをしている会社がありますので、まずそこは違いますよということで
す。
・2ページ目の、いつまでに何をやればいいのでしょうかということですが、昨年の12月1日
から施行されております。1年に1回することになっておりますので、今年の11月30日ま
での間に1回のストレスチェックを実施する義務がございます。ですから、今現在、ストレス
チェックをやっていなくても法律違反にはなりません。われわれが、事業場に行きまして、や
っていますかという問いに、やっていませんと言うならば、11月30日までにまず1回やっ
てくださいという説明をしているところでございます。
・それから、ストレスチェック制度の実施の手順でございます。順を追って説明いたしますと、
導入前の準備、実施方法など社内ルールの策定、具体的には3ページに導入前の準備という項
目がございます。
・まずは、事業場の衛生委員会等で、ストレスチェック制度の実施方法などを話し合いをしてく
ださいということをお願いをしています。具体的な内容につきましては、ストレスチェックは
いつ実施するのかとか、どんな質問票を使ってストレスチェックを実施するのかですとか、ど
んな方法でストレスの高い人を選ぶのかなど、会社内のルールを決めてくださいということで
す。ルールが決まりましたら、社内規定として明文化してください。それを労働者に周知して
くださいということでございます。社内規定の例につきましては、厚生労働省のホームページ
で公開をしてますので参考にしてくださいと説明しているところであります。
・2ページの質問票の配布・記入ですけれども、ストレス状況の評価、医師の面接指導の要否の
判定になります。これにつきましては、4ページを見てください。質問票を労働者に配って、
記入してもらいましょうということで、質問票でございますけれども、特に指定などはありま
せん。何を使えばわからない場合は、国が推奨します57項目の質問票、先ほど見ていただい
たページにありますので、それを使いましょうということです。ただ、注意していただきたい
のは、必ず3つの項目が入っていなければいけません。
・3つの項目というのは、①ストレスの原因に関する質問項目、57項目の質問票で言いますと
Aの内容になります。②ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目、57項目の質問票
で言いますとBの項目になります。③労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目、57
項目の質問票で言いますとCの項目になります。どの質問票を使ってもよろしいのですけれど
も、この3つの項目を含んでいることが必須です。
・記入が終わりました質問票は、医師などの実施者が回収しましょうということです。実施者は、
必ずしも先ほど聞きました産業医でなくても法律上はよいことになっております。50人以上
は、必ず産業医を選任しなければならないことになっておりますけれども、この実施者は、お
医者さんなどと書いているのは、保健師でもよい。そのほか、研修を受けた看護師さん、精神
保健福祉士さんでもよいということになります。 医師に限らないということです。回収した質
問票をもとに、医師などの実施者がストレスの程度を評価し、高ストレスで医師の面接指導が
必要な者を選びます。面接指導につきましては、お医者さんでなければいけないということに
なっております。
・結果ですけれども、ストレスの程度の評価結果、高ストレスか否か、医師の面接指導が必要か
否かは、実施者から直接本人に伝えます。注意と書いてありますが、結果は企業には帰ってき
ません。ここで注意しなければいけないのは、労働者の同意がなければ、事業主に対して結果
を知らせてはいけないということになります。私の結果は知られたくないということであれば、
会社に知られることはないということで、本人の同意が必要となります。結果につきましては、
医師などの実施者が保存します。
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・5ページを見ていただきますと、本人に通知するストレスチェック結果のイメージと書いてあ
りますけれども、必ずしもこういう様式でなくてもよいのですけれども、例えば、あなたのス
トレスプロフィール、これは個人ごとのストレスの特徴や傾向を数値等で示したものです。
・それから、右側の評価結果、点数ですけれども、3つ項目ありましたけれども、それぞれの点
数、合計何点ですよ、それを踏まえて、あなたのストレスの程度について、例えばこの例です
と、あなたは、ストレスは高い状態、高ストレスに該当しますという内容です。
それから面接指導の要否について、医師の面接指導を受けていただくことをお勧めします。そ
の評価結果の点数とストレスの程度を、面接指導の要否については、必ず盛り込まなければい
けないことになっております。
・2ページにちょっと戻りまして、下に面接指導と書いていますが、本人から面接指導の申出、
これは高ストレスの結果を受けても、私は面接指導を受けませんというのであれば、それは、
それで終わってしまう。高ストレスの判定を受けた人は、必ず面接指導を受けなければいけな
いという義務はございません。
・就業上の措置の要否・内容について医師から意見聴取ですけれども、6ページをご覧いただき
たいと思います。さきほど申し上げたように、あくまで労働者から申し出があった場合、医師
に依頼して面接指導を実施することになっています。それから、面接指導を実施した医師から、
就業上の措置の必要性の有無とその内容について、意見を聴き、それを踏まえて、労働時間の
短縮などの必要な措置を実施しましょうということです。具体的には、通常勤務でよろしいで
すとか、就業制限、労働時間が長いので、時間を短くしてくださいとか、休みをもっと増やし
てくださいといったそういう指導、要休養というのもございます。休んだほうがいいですよと
いうことになります。それを踏まえて、事業主が就業上の措置を決める。面接指導の結果につ
きましては、事業場で5年間保存しなければならないという義務がございます。
・ストレスチェックの目的として、もう一つございます。2ページに戻りまして、ストレスチェ
ック状況の評価・医師の面接指導の要否の判定の下に矢印が2つありますが、左側につきまし
ては説明をしました。もう一つ、個人の結果を一定規模のまとまりの集団ごとに集計・分析を
する。それによって職場環境の改善を行うということがございます。これは、努力義務となっ
ております。
・次に6ページの下の方見ていただきたいのですが、職場分析と職場環境の改善ということで、
ストレスチェックの実施者に、ストレスチェックの結果を一定規模の集団、部、課、グループ
ごとに集計・分析してもらい、その結果を提供してもらいましょう。
・たとえば会社にA課B課C課という課があるとします。A課の人に対しては、ストレスチェッ
クの結果がそんなにもストレスが高くないという結果があるとします。また、B課は逆に高ス
トレスの人が多いとなりますと、B課について何らかの職場環境の改善が必要ではないかとい
う判断があるわけでございます。こういう職場環境の改善を行うためにストレスチェックを実
施してほしいと思います。要するに、労働者自身もセルフケアを進めるとともに、職場環境の
改善に取り組むことが重要であると思っています。
・最後に7ページですけれども、何に気をつければいいのでしょうかということで、この制度で
すけれども、労働者の個人情報が適切に保護され、不正な目的で利用されないようにすること
で、労働者も安心してストレスチェックを受け、適切な対応や改善につなげられる仕組みでご
ざます。このことを念頭において、情報の取扱いに留意するとともに、不利益な取扱いを防止
しましょうということになっております。
・一つはプライバシーの保護でございます。事業者がストレスチェック制度に関する労働者の秘
密を不正に入手するようなことがあってはなりません。ストレスチェックや面接指導で個人の
情報を取り扱った者、実施者とその補助をする実施事務従事者には、法律で守秘義務が課され
おります。具体的には労働安全衛生法104条になります。違反した場合は刑罰の対象となっ
ております。情報提供する場合でも、必要最小限の範囲にとどめていただきたいと思います。
- 9 -
・最後に、不利益取扱いの防止ですけれども、事業者が以下の行為を行うことが禁止されており
ます。これも、労働安全衛生法の66条の10で規定されております。次のことを理由に労働
者に対して不利益な取扱いを行うこと、例えば、面接指導を受けないとか、ストレスチェック
を受けないとか、ストレスチェックの結果の事業者への提供に同意しないことに対して不利益
な取扱いを禁止しております。当然ですけれども、面接指導の結果を理由として、解雇、雇い
止め、退職勧奨、不当な動機・目的による配置転換・職位の変更を行うことはいけません。
・ストレスチェックですけれども、労働者が受ける義務は、法律上は実はありません。健康診断
は法律で受ける義務が書かれていますけれども、最初の段階で、私はストレスチェックを受け
ませんという権利も実はございます。と申しますのは、あくまで1次予防ですので、自分がス
トレスを受けいるということに気づくのが目的でございますので、例えば、始めからメンタル
で病院に行っている、それは受けても結果は当然、明らかでありまして、私は受けませんとい
う権利は、当然保障されているわけでございます。
・以上で簡単ですけれども、ストレスチェックの概要を説明させていただきました。
(吉田座長)
・ありがとうございました。この後、経営者側とか労働者側からご意見を伺うのですけれども、
このストレスチェック制度自体に何かご質問ございますでしょうか。私から一つ確認ですけれ
ども、派遣先が行うという考えでいいんでしょうか。
(木村健康課長)
・派遣元ですね。
(吉田座長)
・一般健康診断と同じ扱いということですか。
(木村健康課長)
・そうです。労働者を雇用している事業場がストレスチェックを行う義務があります。
(吉田座長)
・労働者が、違う所に行ってたとしても。
(木村健康課長)
・派遣先が、ストレスチェックをするのが望ましいとなっています。あくまで、雇用している義
務として、ストレスチェックをする義務があるということです。
(吉田座長)
・費用の問題になった場合には、派遣元が費用を負担して派遣先がまとめて実施するという形で
すか。
(木村健康課長)
・義務はありません。当然、派遣元は自分のお金でとなります。
(永田組織労働局長)
・関連して、集団分析は派遣先でやりますよね。これの費用は派遣先で負担するのではないです
か。派遣元が負担するというわけではないですね。
- 10 -
(木村健康課長)
・そういうことになりますね。
(吉田座長)
・他にご質問はないですか。
(永田組織労働局長)
・1点いいですか。一番最後7ページの「プライバシーの保護」で、真ん中に3つあると思いま
すが、2つめの「面談指導で個人の情報を取り扱った者には、法律で守秘義務があって、違反
した場合は刑罰の対象になります。」と書いてあります。この上の白丸の方はこれはどうなるの
でしょうか。
(木村健康課長)
・真ん中は守秘義務ということで、秘密を漏らした者ということになりますけど。
(永田組織労働局長)
・あくまでも、これは実施者ということなんで、産業医とかになるのですね、事業主ではなくて。
(木村健康課長)
・その補助をする会社の中の事務従事者も対象となっている。
(永田組織労働局長)
・刑罰はどうなのですか。真ん中はそうだけれども、プライバシーの保護の1つ目の白丸と3つ
目の白丸はどうですか。
(木村健康課長)
・最後の白丸でいいますと、社内での共有は必要最小限なものに留めましようということで、刑
罰的なのはないと思います。
・上もそうですね。不正があってはなりません。労働安全衛生法上はということになりますけど。
例えば、他の法律ではお医者さんの守秘義務っていうはありますね。労働安全衛生法上は真ん
中だけです。
(吉田座長)
・守秘義務とか個人の秘密というのは、他の法律に重なっているんですね。
・
「ストレスチェックの制度」について木村健康からご説明いただきましたので、次に、道内企業
への周知や企業における取組み、実施におけるメリットや問題点について、道経連の稲葉さん
からご意見をお願いします。
(稲葉部長)
・道経連では、会員の企業の数は大体480社ほどあります。その会員向けに2か月に1回発行
している「道経連会報」というものと、労働政策局が毎月発行している「労働政策局だより」
という広報誌で周知なり当会の活動状況を会員企業にお知らせする機会がある。毎月発行して
いる「労働政策局だより」に、一昨年の11月と昨年の3月と11月の3回にわたってストレ
スチェック制度に関する記事を掲載して、会員の皆様にお知らせしております。
・会員の取組み状況ですが、全ての会員に確認するのは時間的にも余裕がなかったので、労働政
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策局の労働政策幹事会という組織がございまして、会員企業から14社ほど選定して、色々労
働政策局の行う事業活動等に助言指導をしている、その幹事会社からご意見を頂戴し、回答し
た企業から上がってきた意見。結論から言いますと、まだこれからという企業がほとんどでし
た。実際には、作業を進行中であるという企業がほとんどでした。まだ11月30日まで間が
あるということもあって、のんびりしているところももしかしたら道内の企業ではあるのかも
しれません。
(吉田座長)
・ほとんどのところが行われていないということは、何か行うに当たって障壁はあるでしょうか。
(稲葉部長)
・実際に声を聞いたわけではないので推測の部分もありますが、やはりマンパワー的なものもあ
るんじゃないかと。道内の企業は、大きな企業であれば人的なこともありますけど、色々費用
的な面もありますし、道内の企業は中小企業が多く存在している実態もありますので、そうい
ったなかで一人何役もこなさなければならないことが多くて、進んでない部分もあろうかなと
いうことです。
(吉田座長)
・ありがとうございます。次に、商工会議所連合会の安宅さん、お願いします。
(安宅総務担当部長)
・ストレスチェック制度の導入に関して全道の商工会議所を集めまして、説明会を一応やりまし
た。商工会議所というのは中小企業の集まりですので、全道的に見ましても、札幌だとか旭川
のように1,000人以上の企業さんもありますけど、小さな商工会議所では、なかなか50
人以上の企業さんてないんですね。そういう面で今回、地方では冷ややかというか、まだ、そ
んなに切羽詰まっているという感覚はないみたいです。
・札幌商工会議所の方で保険会社の東京海上日動を紹介して、ストレスチェックカードと会議所
の会員で低価格で業務災害プランとかいう保険会社と提携して、ストレスチェックを受けて結
果を出すまでは、出来ることをやろうとして進んでいます。
・地方では産業医とか心療内科の先生が見つからない。お医者さんの境界があるから、なかなか
難しい問題があって、そこら辺のところを、どう進めていくか検討中です。
・50人以下でもストレスチェックを格安で受けることが出来る方法を検討しています。
(吉田座長)
・ありがとうございます。次に、商工会連合会の横島さん、お願いします。
(横島参事)
・商工会は、会員の95%が小規模な事業所となっています。大切な制度だとは認識してはいる
んですが、なかなか取り組んでいないといった状況です。
(吉田座長)
・ありがとうございました。それでは次に労働者側では「ストレスチェック制度」をどのように
とらえていますか。例えば、労働者にはどのようなメリットであるとか、問題点などについて
連合北海道の永田組織労働局長にご意見をお願いします。
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(永田組織労働局長)
・私も理事をやっております、
「北海道勤労者安全衛生センター」というNPO法人がありまして、
ジャーナルを出していて、そこで道経連さんと同じように法律になる前の段階から、いろんな
問題点があるということで、昨年のこの協議会の中でも問題提起をさせていただいたのですけ
れども、ジャーナルは55の産別・単組を含めて、約2千組合に対してジャーナルを送り込んで
います。
・昨年6月19日に衆議院本会議で労安法の一部改正法案が通ったんですけど、連合としては本
来三者構成の労働政策審議会、これは東京ですけれども、そこで出した方針が本来法律案にな
っていくのですけれども、実は国会に法案が提出される前に、与党の部会審査において、従業
員50人未満の事業所については、ストレスチェック制度の実施が努力義務に変更されたこと
に、まず、強い遺憾の念を発しています。併せて、労働者の受診義務に関する規定も、当初労
働政策審議会に載っていたのですけれど、労働者の受診義務も規定から削除されて、最終的に
法案になったという部分については残念ながら不満と言うことです。
・連合としては、メンタルヘルス対策というのは、50人以上は安全衛生委員会を含めて、どう
いう形かは別として、安全衛生委員会の中でメンタルヘルス対策等を決められていますけれど、
やはり、50人未満の企業の安全衛生懇談の場があるのかどうかも含めて、ここの改革が極め
て重要であると考えております。そういった意味で、今年1月28日から2月12日の間で連
合として、全道で就職応援の関係で、商工会議所、商工会、建設業協会、学校等々回ってまし
て、その中で特に受診率の100%を目指してということを、要請書として商工会議所なり商
工会に提出してきています。併せて、努力義務とされております、50人未満の事業所におい
てもストレスチェック制度を実施できるよう体制整備を図ってほしいという要請を出していま
す。
・特に、なぜこういったことを連合として取り組んでいくかということなんですけど、ちょっと
次元が変わりますけれども、軽井沢のスキーツアーバスの事故以降、安全衛生の観点で十分な
健康診断がされなかったという部分を含めまして、道内で働こうとする高校卒業予定の人たち
が、従前は大卒中心だったのですけれど、今、高卒の人たちも大手指向になってきています。
つまり、中小企業に対する就職支援を促進する上で、快適な職場をどう作っていくのか、とい
う観点で、連合としても、地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠だという観点で、
安全衛生のからみの一つとしてストレスチェック制度の実施について、各団体に対して要請を
行っている。
・私の方から先ほどお話しした問題提起について、商工会議所連合会の方も発言されましたけれ
ども、まずは、メンタルヘルス対策の第一次予防を目指す制度としては良い制度だと考えてい
ます。ただ、問題は、先ほど申し上げました、産業医が何人いれば良いという問題ではないで
すよ。精神科医がどれだけいるか、対応できる数を考えていかないとまずいのではないでしょ
うかということです。産業医であれば、誰でも診れるというわけではないと思っています。
そういったことをまず考えて、ストレスチェックの実施者には研修を受けた看護師、精神保健
福祉士も含まれているという話は分かりますけれども、指導・相談を考えると、やはり専門の方
がどれだけいるのかということを考えると、対応できる産業医と専門科医が不足しているので、
冒頭やりとりしたときに、産業医の報酬という部分に行政としても考えて、場合によっては国
に対して要求をしていくべきではないかというのが1点目です。
・2点目の問題点として、ストレスチェックの検査結果の情報が労働者個人に行くのはいいので
すけれども、実施者が集団分析をして、仮に高ストレス者が多かった事業所でも、労働者本人
が必要な面談を申し出なかった場合についてはこれで終わり、となって意味がないものになっ
てしまいます。今、厚労省のQ&Aでは、勧奨を促すということになっているだけでありまし
て、事業所に対する受診勧奨を促すことはもちろんですけれど、安全衛生委員会を通じた対策
を図ることも、より一層アピールしていく必要があると思います。我々労働側としても労働安
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全委員会、今、申し上げた分についても取り組んでいきますが、全体で考えていった方がいい
といことが2点目です。
・3点目が、労働基準監督署に届出が義務付けされているのですけれども、例えば、仮にAとい
う事業所に100人の労働者がいて、80人が受診しない労働者であった場合、その旨を届け
出れば義務違反とはならない、80人受けなくても義務違反とはならない、つまり、受診しな
い労働者がいる、あるいは受診結果により、必要な面談を希望しない労働者がいる場合などの、
結果によって事業者が労働者の理解を得る勧奨をきちんと行ったかどうかが問われる。
・そこで1点、労働側として危惧しているのが、先ほど労働局から説明があった資料に関して、
プライバシーの保護のところもそうなのですけれども、たとえば4ページのところ、ストレス
チェックの実施の下の「結果」のところ、赤書きで「結果は企業には返ってきません。結果を
入手するのは、結果の通知後、本人の同意が必要です。」というふうになっています。これは、
罰則が本人の同意ということで、極めて危惧をしていることは、同意あるなしというか、企業
はある意味ブラック企業の問題にもなるのですけれど、必要のない労働者にこのストレスチェ
ック制度を悪用して、逆にそれを元に、今、厚労省で問題となっております労働移動助成金が、
人材会社によって退職に追いやられたという問題があったのですけれど、そういったことに使
われないかといった危惧があるということです。
・そういった意味で、ストレスチェック制度の意義が連合としても言っているのですけれども、
不利益取扱いの禁止という部分が記載されているのですけれども、なかなか会社側とうまくい
っていない労働組合においては、これを元にストレスチェックを使うことによって、会社にと
って必要のない労働者を逆に悪用して使われるのであれば受けない、ということも一方ではあ
りますので、こういった部分についてどう対応していくかというのが、一つ頭を痛めている部
分でもありますので、こういった問題があるということを問題提起させていただきたい。組合
的にはいろいろ聞いていますが、まずは、3月いっぱいまでは、マイナンバー制度が先だねと
いうことで、なかなか進んでいないところもありますし、すでにストレスチェック制度を、道
庁もそうですけれどもやっている会社もある。道庁でも4月からストレスチェック制度もどき
はやっていました。すでに、導入しているところも結構ありますし、われわれも、ストレスチ
ェック制度の推進と50人以下の企業に対する周知取り組みを進めていきたいと思っていま
す。労働組合全体として私の方でお話しましたので、他の労働側出席者は、それぞれの出身の
ところの状況を含めてお話をさせて頂きたいと思います。
(吉田座長)
・それでは、続きまして連合北海道女性委員会の山田さんいかがでしょうか。女性の立場でお願
いします。
(山田委員長)
・今、心配しているのは、私はアークスグループにいるんですけれども、従業員数1,000名
ぐらいいますので、そういう企業になるとストレスチェックを行って、もしも面接をする必要
があるとなると、今、かなりストレスを感じている人が結構いますので、面談が必要な人がた
くさんいた時に、産業医の対応が1人では、どうにもならなくなるのではないかという心配が
あります。本当にストレスチェック制度がうまく回っていけるのかなと心配しているところで
はあります。今、永田局長が言ったように企業側に情報が入るので、メンタルヘルスが当事者
の不利益につながるのではないかと感じます。
(吉田座長)
・それでは森林労連の小出さん、いかがですか。
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(小出執行委員長)
・冒頭に話ししたが、私どもの組合は、国家公務員の者と民間林業に働くものがおりますので、
国家公務員のところについては、当然、これから具体的になるのであろう思っていますけれど
も、現時点では、まだ、実施方法が具体的な指示がない状況です。ただ、私どもの職場は林野
庁があって部局があって、署があってという職場でありまして、署というところになりますと、
全道で24ぐらいの事業所みたいなものがあるんですが、産業医ということになると、どこそ
この町立病院の先生がお勤めいただけると、実際にストレスチェックをお願いしますと言った
ときに、そこがいいですよということになれば、当然やっていただけますけれども、そこが、
例えば断られたときは、次の選択肢はないですね。はっきり言って、産業医とかそういうこと
をやってくれる人が、その時にどうなるのかというのは、この会議があるので、うちの安全担
当とも話てきたのですけれども、ちょっといざ蓋を開けたときにどうなるのかな心配ですねと
か言う話はされていました。
・一方、民間の方々の所でいうと、今、林業事業所で50人以上いる事業所が、はたしてどれだ
けあるのかと言われると、ほとんどひっかからないと言葉が、適切かどうかわからないのです
けれども、最終的にはやっていかないのではないか。それが果たして、いいのか悪いのか、労
働者側からすればいいことでないので、そこがどうなるのか、林業という産業の中でのストレ
スチェックの実施に当たっての問題になるのかなと。いわゆる産炭へき地にいるので、そうい
ったところが大きな問題になるのではないかと思っています。
(吉田座長)
・次に、中央労働災害防止協会の池田さん、企業への「ストレスチェック制度」の周知はどのう
に行っていますか。
(池田所長)
・お配りしております資料の「2016研修会のご案内」ですけれども、実施数は、新年度も昨
年度と変わらない予定で、 概ね年間90回ほどやっています。安全管理者の選任研修とか職長
さんの研修会を、月例で開催しているのと合わせるとこのくらいの数字になるのですが、そん
な中で、心の健康問題をかなり大きめに扱っておりまして、実際、ストレスチェック制度が開
始されてから、お手元に配っておりますチラシですとか、ストレスチェックサービスと書いた
グリーンのものの裏側に「専門の相談室を設けましたので、何かあったら東京に電話をしてく
ださい」とういうものを記載しました。 今、現状で言いますとかなりのお問い合わせがありま
して、北海道からもお問い合わせがあります。産業医を紹介してくださいとか、そういう非常
に素朴なと言いましょうか、紹介してよかったのかなというように心配している状況です。
・うちもコンサルタントの職務を担う安全管理士・衛生管理士が9名いまして全道各地で診断です
とか講演ですとか行う際には、ストレスチェック、メンタルヘルスの話しを行い、ストレスチ
ェック制度が始まっています、今年の11月30日までには1回やらなければならないという
アナンスをしています。また現場へお邪魔し、中小企業の社長さん方々とお話しする中で耳を
傾けてもらうため、吉田先生も話されていたメンタルヘルス不全が、うっかり、ぼんやり事故
につながっていると話しますと、かなり興味をもってもらえるような、手応えを感じています。
もう一つ、精神科の専門家の先生のお話を伺って感じたのですけれども、集団分析のデータが
あると、面談の場合に掘り下げたアドバイスが出来るということも大切なポイントです。
(吉田座長)
・どうもありがとうございました。それでは引き続きまして、北海道労働保健管理協会の宮崎さ
んに、
「ストレスチェック制度」の実施に係る協会の対応ですとか、企業の取組はどのような様
な状況でしょうか。
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(宮崎次長)
・全道で働く方々の健康診断を中心にやっている機関ですが、ストレスチェックを実施する機関
ということでいろいろ周知を行っています。 二本立てで啓蒙をやっていまして、一つの柱は、
会社の方々、事業主さんを中心に今年の1月末に終了したのですけれども、労働衛生セミナー
という形で、毎年々法改正情報等をお伝えしていますが、今年と昨年の2回、ストレスチェッ
クをスムーズに進めましょうというセミナーを実施しましたところ、非常に反響がございまし
て、毎年、セミナーを開催していますが、今までにない参加率で非常に関心の高さがうかがわ
れました。
・もう一つの柱は、医師会さんの協力を得まして各地域医師会の先生方に実務研修会という形で
ストレスチェックの理解だとか実際に高ストレス者の面談をどんなふうに注意したらよいのか
という実務的な研修会をやっています。いろいろやってきて問題だなと感じている点を4点ほ
どお伝えしますと、うちの協会も実施機関でありますが、実施する側としてはある程度キャパ
がありますので、各企業さんからどこでストレスチェックができるのか、ストレスチェックを
できる機関がわからない、保健所さんに問い合わせたり病院、協会健保さんだったり、うちに
問い合わせてきたり、できれば公共の行政がどういうところでストレスチェックができますよ
うな情報提供ができれば、一部の医師会さんとか監督署の方で、各医療機関にアンケートをと
っている話を聞いたのですが、そういう企業からのお問い合わせにどこでできるといった説明
ができる体制があったらいいなと感じています。
・2つ目なんですけれども、先ほど産業医の先生について皆さんが心配していた、精神科の先生
ではどうなんだろうかと、精神科で産業医の先生は相当めずらしくて、そんなに数はいなくて、
今回の制度は企業の実態をよくわかってらしゃる産業医の先生が望ましいので、職場のことが
わかっている産業医が一番ベストだと認識しています。実務研修会でいろいろお話しましたが、
まず制度がむずかしく先生方に制度を理解していただき、もうちょっと実務的なというか面談
はどんなふうに気をつけなければいけないかとか、実務的な研修があると、別に精神科医でな
くてもセルフケアでいいのか、専門医に紹介しなけれなならないのかという見極めなのです。
産業医の先生もメンタルのことをたくさんやっている先生もいらしゃいますので、そういった
実務的な研修があればよいのかなと思います。産業保健総合支援センターで、実務的な研修を
進めると聞いています。
・3つ目なんですが、高ストレス者のケアについて企業さんと話していますと、高ストレス者イ
コールうつのようにご理解されているところがありまして、そうではないんですと、うつでは
ないんです。ストレスが高い状態なので、このまま放置するとうつになってしまうから、今回
の目的からいったら、この高ストレス者の状態、症状が出ている方々を、いかにそこで食い止
めるのかというのがこの制度の意味なので、そこがとても認識を持っていただくことと、先ほ
ど永田さんもおっしゃっていおりましたが、産業医の先生が、実施者になり高ストレス者にケ
アをすすめることが制度の成功につながるのではないかと思います。
・4つ目ですけれども、質問票に正しく書かないと何の意味のないもになってしまうので、安心
して正しく書けるんだという職場の環境が大切で、プライバシーが守られていますよとか、
不利益になりませんよといった周知がないと、特に1年目は大事ですよとセミナーで伝えてい
ます。そうでないと何の意味のないことになってしまうので、会社の方も従業員のため会社の
ためになるものなので、安全、安心な環境ということをきちんと意味も目的も説明することが
何よりもうまくいく秘訣かなと思います。
(吉田座長)
・ありがとうございました。続きまして、日本産業カウンセラー協会の山村さんに、
「ストレスチ
ェックの実施」における産業カウンセラーの関わりについてお願いします。
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(山村運営協議員)
・ 日本産業カウンセラー協会は個人のケアと個人が働く人を支える職場もケアしていく立ち位置
で活動させていただいております。全国で3万人ほどの有資格者が養成されており、北海道で
はまだ700名弱というところで活動がされています。 私たちがどんなところで、ストレスチ
ェックについて関われるかということは、指針が示されているところの範囲で活動していこう
ということになりますので、ストレスチェック制度の流れでおおきなA3版の用紙で、横に順
番に説明させていただきますけれども、ストレスチェックの面接指導の流れと書かれています
けれども、まず、私たちがどこで関われるかというと受検をされる方が、宮崎さんもおっしゃ
っていましたが、安心して自分の不利益がないんだということを、安心して受検していたがく
というところの勧奨する立場でさせていただければということと、本当のことを書かないので
あれば、本当は何にを書きたかったのかということ、あまり意識させないようなこともあるの
で、本当は書きたかったということを、お手伝いできるのではないか思うのと、先ほど話した
ように高ストレスであっても面接は申し出をしなければ、ここで止まってしまうのですから、
以前に実施した過重労働の面接指導というところが、同じやり方ですけれども、ユ-ザ-の方
に過重労働とやり方なんですよとお伝えしても、うち一度もありませんから、そういう事例が
ありませんでしたとおっしゃるので、本当に長時間労働はないのですかというと、実はあるん
です。申し出がないんですということを結構言われてしまいますので、そこのところはやはり
業務に差し支えるのか、そこは事業者も触れにくいところではありますけれども、そういうこ
とがありますので、何か高ストレスだったら未然予防が大事ですので、そこは面接指導を勧奨
していくよう、地域活動のお手伝いができるのではと思いながら相談対応をさせていただいて
いるところです。
・積極的に受検していただき積極的に医師の面談を受けるというところのサポートしていくとい
うこと、それから指針の中では、集団分析に基づく職場環境改善のところの助言指導というと
ころに謳っていただいておりますので、そういうことができるようになればかなり働く人達の
環境というのが働きやすいものになるかと思いますので、そのお手伝いをしたいと思います。
・私ども日常的に活動させていただいて、このストレスチェック制度が義務化されましたので、
やっと今まで、専門家もいないですしマンパワーもないですしといふうに、なかなか進まなか
ったお客さんでも、やっぱりやらなきゃいけないんだねということで、せっかくの義務化され
た制度を基にして、はじめてメンタルヘルス、総合対策をちょっとやらなければねという気持
ちが生まれてきたようなそんな感覚でさせていただいています。やらなければいけないんだけ
れども、何をしていいか正直わからなかった。このストレスチェック制度のおかかげで、やら
なければいけないという、そんな機運が高まってきているのかなと思います。
(吉田座長)
・ありがとうございました。一通り御意見をいただいたところですが、時間があまりないのです
けれども、私の方から、永田さんから特に産業医によるメンタルヘルスの実施について、宮崎
さんの方から実際には産業医の方が望ましいですよ、私も実際、産業医の方が現場を一番知っ
ているので、現場のことがわからなければ何が原因か話だけでは一方向の話で分かりにくい、
そういう意味で、産業医の質というかメンタル対応だけに限らず、なかなか言いにくいんです
けれども、本当に会社のこと、現場に行ってるのですかと、むずかしい問題なんですけれども。
・私自身危惧しているんですけれども、産業医自体は増えそうな気がします。そうなった時、本
当に産業医を一生懸命やられる方がちょっと勉強してくださって、まあ一人で何社やるという
ことになりますけれども、それは可能かと思いますが、ただしそうなると月1回行かなければ
ならないので、病院が例えば開業医の先生の場合に、週に1回、半日休みの日があればそちら
の方にまわって産業医の先生が増えるきっかけになればと思います。
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・研修機関等が行われている場合もありますし、私のところにも本州の方から新たに今回の機会
に精神科に強い産業医の先生が新しい会社をつくって売り込みに来ています。ただ、売り込む
先が実施するところで留まる。これいないので。そのために産業医を紹介してくれと来るんで
すけども、産業医がいないんです。困っているのが実情です。今後、ほとんどの会社がやって
いない状況で、大きい会社等が特に、全国規模の会社には注目して見ています。
何か、全体を通して追加とかご意見ありますか。
(池田所長)
・逆の発想といいましょうか、大企業に事例を聞いて参考にするのも必要だと思います。大企業
でも紆余曲折があったと思いますが、現在、根付いている場合もあって、知恵を出し合うとい
うことです。
(吉田座長)
・メンタルの場合は、セルフケア、ラインケア、専門ケア、スタッフケアといったものがありま
すけれどもセルフケアに関することは以前からやっていましたので、産業保健センターの委員
になっていますので、心の事例等の情報をお伝えいしたいと思います。
他に何か質問ありますでしょうか。
(山田女性委員長)
・たとえば、産業医は従業員数が何人何人で1人とか決まっていないんでよね。1企業に。
(吉田座長)
・専属産業医は、社員となる産業医の場合は、500人以上、1、000人以上で決まっていま
す。嘱託産業医の場合は50人以上で1人です。
・実は、ストレスチェックの項目は、57項目、集団で判定するに当たってはさらに80ぐらい
増やさないとできないということがわかっていますので今後、増えます。50人以上の企業に
は産業医をおかなければならない。産業医も、人手不足という状況があってなかなか進まない
というところです。
・ストレスチェックの意見交換は以上です。何かありますか。
(永田組織労働局長)
・ 「平成27年度北海道職業病懇談会 報告・提起(案)」と書いているもので、報告1なので
すけれども、大原記念労働科学研究所で、外食産業の働きやすさ向上シンポジウムが開催され
ました。特に今、サービス業を中心に第3次産業で、労働災害が20%増えている状況で、人
材育成といいますか、中段くらいに書いてあります(株)ワン・ダイニングが社員の定着率向
上を行ってメンタルヘルスケアとアフター制度の導入、さらには、賃金、今、春闘をやってい
ますけれども、5.7%のベースアップとか連休制度、モチベーションを上げるためのベース
アップとかリフレッシュの連休制度などをやることで職場定着率が24%改善しました。
・さらに、下段のダイナックスでは、
「新人パートナー制度」や「ファイブスター制度」によって
満足度を高める、こういったことがあって、特に非正規労働者、上に円グラフがありますけど
も、先ほど座長からありましたとおり、作業関連疾患とか、労働者特有の疾患ということで、
「転
倒」とか「切れ・こすれ」等が合わせると5割を超えているという状況にありますので、特に
外食産業における非正規の労働者が多いですから、2ページに行っていただきまして、社員教
育、人を育てるといった部分で、安全教育にも取り組んでいくというあたりを、注視していた
だきたいと思っています。
・昨年9月に「中災防」で、新人相談専門研修を東京でやったと思うんですけど、そこでも、
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人を大事にする組織はメンタル不調者は少ない、職場風土が快適であればメンタル不調者は出
てこない、そういったやりとりがございまして、そういった観点から、今日のストレスチェッ
ク制度の第一次予防に向けて、そういったことを安全と、危険を回避するための安全衛生教育
といったものに、力を入れていくことを一点報告させていただきたいと思います。
・3ページ目からは、2年前、4年前にアスベスト問題について提起させていただきましたが、
これからアスベストの中皮腫とか肺がんを発症する人が増えてきているということで、ページ
数で言いますと、5ページから、北海道庁でも道有の施設とか、紋別市の体育館と釧路の中学
校でもアスベストが出ておりますので、情報の共有という意味で、なかなかアスベスト問題に
ついては議論がしづらい面があるのですけれども、今日は労働局も来ておりますので、文書で
書いておりますので、是非次回の労働局の安全衛生専門家会議でご提案申し上げたいと思いま
すので、よろしくお願いします。
(吉田座長)
・他に何かございませんか。それでは、本日は様々なご意見ありがとうございました。本日の議
事は全て終了しました。事務局にお返しします。
(事務局)
・以上で、平成27年度北海道職業病対策懇談会を終了させていただきます。本日、皆さん方か
らいただいた貴重なご意見を基に、職業病疾病の防止対策などに一層取り組んで参りたいと考
えております。本日はお忙しいところありがとうございました。
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