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6
問題別の考察及び指導上の留意点
(1) 発音問題
出題のねらい:母音及び子音の正しい識別を測る
【1】 次の各組の語の下線部の発音が他と異なるものを一つ選び,記号で答えなさい。
(1) ア around
イ country
ウ found
エ mountain
オ shout
(2) ア child
イ decide
ウ drive
エ favorite
オ library
(3) ア example
イ exchange
ウ excited
エ excuse
オ explain
(4) ア change
イ meant
ウ said
エ says
オ sent
(5) ア communication イ pollution
ウ question
エ station
オ vacation
配点 10 点(各2点)
正解 (1) イ
(2) エ
(3) ア
(4) ア
(5) ウ
本年度は,小問 (1),(2),(4)を母音に関する問題,(3),(5)を子音に関する問題とした。本問に
おける調査校全体の抽出答案による正答率(以下,調査校全体の正答率)は 53.3%であった。
以下,平均点順位が中位にある全日制課程普通科生徒 100 名の答案(分析答案)を抽出して,小問
別に誤答分析を試みた。したがって,分析答案による誤答数は調査校全体の抽出答案による誤答率と
は異なる。なお,誤答分析に用いた分析答案は,設問【2】以降も同様の方法で抽出した。
〈過年度との正答率の比較(%)〉
小問
1
2
3
21 年度
42.4
70.1
65.3
過年度(出題年度)
53.9(H10)
78.5(H11)
60.8(H11)
差
-11.5
-8.4
4.5
小問
4
5
21 年度
15.6
73.3
小問
各誤答数
正答
46
18
11
16
91
3
11
正答
8
1
23
過年度(出題年度)
27.0(H11)
63.7(H11)
差
-11.4
9.6
〈分析答案による誤答数〉
小問
1
2
3
各誤答数
10
正答
6
9
37
62
10
8
5
正答
5
28
正答
2
22
11
16
51
記号
ア
イ
ウ
エ
オ
計
ア
イ
ウ
エ
オ
計
ア
イ
ウ
エ
オ
計
発音
around
country
found
mountain
shout
〔au〕
〔〕
〔au〕
〔au〕
〔au〕
child
decide
drive
favorite
library
〔ai〕
〔ai〕
〔ai〕
〔i〕
〔ai〕
example
exchange
excited
excuse
explain
4
5
記号
ア
イ
ウ
エ
オ
計
ア
イ
ウ
エ
オ
計
発音
change
meant
said
says
sent
〔ei〕
〔e〕
〔e〕
〔e〕
〔e〕
communication 〔n〕
pollution
〔n〕
question
〔tn〕
station
〔n〕
vacation
〔n〕
〔igz〕
〔iks〕
〔iks〕
〔iks〕
〔iks〕
〈 考察 〉
小問(1)は,-ou- の発音を問う問題で,調査校全体の正答率は 42.4%であった。誤答のうち オ shout
が 37 例を占めている。正答 イ country が比較的なじみのある語にもかかわらず,正答率が低くなっ
た原因としては,オ shout の誤答数が最も多いことから,この単語を正しく発音できてないことが考
えられる。
小問(2)は,-i- の発音を問う問題で,調査校全体の正答率は 70.1%と高かった。これは, ウ drive ,
エ favorite ,オ library が比較的なじみ深い単語であり区別が容易であったためと思われる。
小問(3)は,-ex- の発音を問う問題で,調査校全体の正答率は 65.3%であった。正答 ア example
は授業でよく使われる語で,定着率が高かったためと思われる。
小問(4)は,
〔ei〕と〔e〕の発音を区別する問題である。調査校全体の正答率は 15.6%とかなり
低かった。
平成 11 年に出題されたときも5問中最も低かった。この原因としては,イ meant ,
ウ said ,
エ says が原形の mean や say の発音に影響されて,正しく認識できてないことと,正答
ア change
〔ei〕を〔e〕と読んだことが考えられる。
小問(5)は,-tion の発音を問う問題で,比較的平易で調査校全体の正答率は 73.3%と本問中最も
高かった。これは,選択肢の多くがなじみ深い単語であるからと思われる。
〈指導上の留意点〉
〈過年度との比較〉
①
過年度に比べ,子音の正答率は上がったが,母音の正答率は 10%前後下がった。特に単母音
と二重母音の区別を正しく理解していない。
②
過年度同様,つづりや日常生活で見かける片仮名表記に惑わされ,正確な発音が身に付いて
いない。
〈今後の課題〉
教室内で行われるあらゆる活動を通して,正確な発音を身に付けさせる。
①
英語のスモール・トークとして「単母音と二重母音の違い」などを取り上げ,生徒に意識さ
せる。
②
AET を活用し,正確な発音を身に付けさせる機会を増やす。
(2) 語彙問題
出題のねらい:基本的な語彙が身に付いているかを測る。
【2】 次の(1)~(5)のCとDとの関係が,AとBとの関係と同じになるように,D欄に適当な
語を書きなさい。また,(6)~(10)は文中の(
)内に,与えられた文字で始まる適当な
語を一つ書きなさい。
A
B
C
D
(1)
two
second
five
(
)
(2)
fat
faster
good
(
)
(3)
easy
difficult
late
(
)
(4)
know
known
catch
(
)
(5)
farm
farmer
science
(
)
(6)
My friend lives in a big city and I live in a small ( v
).
(7)
Today is a ( h
). We don't have to go to school.
(8)
Mother is cooking in the ( k
).
(9)
A: What did you eat for ( b
) this morning?
B: I ate some bread.
(10)
A: How about this sweater?
B: I like it very much. May I ( t
) it on?
配点:10 点(各1点)
正解:(1) fifth
(6) village
(2) better
(3) early
(4) caught
(7) holiday
(8) kitchen
(9) breakfast
(5) scientist
(10) try
本問は,基本的な語彙力を見る問題である。調査校全体の正答率は 53.0%であった。
<過年度との正答率の比較(%)>
小問
21 年
過年度
差
度
(出題年度)
(1) fifth
69.8
69.9 (H12)
-0.1
(2) better
79.8
79.6 (H11)
(3) early
40.3
(4) caught
(5) scientist
小問
21 年
過年度
差
度
(出題年度)
(6) village
38.3
41.6 (H12)
-3.3
0.2
(7) holiday
47.3
53.7 (H11)
-6.4
39.2 (H12)
1.1
(8) kitchen
45.4
48.1 (H13)
-2.7
61.5
55.7 (H11)
5.8
(9) breakfast
71.8
69.4 (H11)
2.4
53.5
45.0 (H12)
8.5
(10) try
22.5
56.1 (H11)
-33.6
<分析答案による誤答数と主な誤答例>
小問
誤答数
つづりの誤り(数)
その他の誤り(数)
無
答
(1) fifth
26
0
なし
(2) better
11
3
beeter (1), beter (1) 等
(3) early
70
6
eary (4), eairy (1), ealrey (1)
54
fast (33), first (4) 等
(4) caught
36
22
cought (21), chought (1)
14
catched (7), bought (1) 等
0
(5) scientist
37
4
scientst (2), scienteist (1)等
32
sciencer (26), sciencist (2) 等
1
(6) village
64
27
villege (12), virage (5)等
25
vacation (6), very (6) 等
(7) holiday
58
16
horiday (7), holliday (3)等
37
hot (19), house (3) 等
5
(8) kitchen
62
57
kitchin (18), kichen (8)等
4
kace (1), kind (1) 等
1
(9) breakfast
21
12
brekefast (2), breackfast (1)等
7
bread (1), binner (1) 等
2
(10) try
85
1
tly (1)
24
8
74
fiveth (8),
fivth (3) 等
gooder (2), bad (1) 等
take (50), took (7), tell (3) 等
2
0
10
12
10
<考察>
小問 (1) は,five の序数 fifth を求める問題である。調査校全体の正答率は 69.8%であった。誤
答 26 例のうち 11 例が fiveth ,fivth など単純に語尾に th を付けようとしたものであった。
小問 (2) は,good の比較級である better を求める問題である。調査校全体の正答率は,79.8%で
本問中一番高く,よく定着している語だと言える。
小問 (3) は,late の反意語 early を求める問題である。調査校全体の正答率は 40.3%であった。
誤答のうち最も多かったのは fast (33 例) で,quick ,quicly などの誤答も5例あった。late と early ,
slow と fast の対義語の関係が理解できていない生徒が多いようである。
小問 (4) は,catch の過去分詞である caught を求める問題である。調査校全体の正答率は 61.5%
であった。誤答のうち catched が7例あったものの,cought が 21 例あり,音声面の影響を受けて,
正確につづることができなかったものと思われる。
小問 (5) は,farm と farmer の関係から scientist を求める問題である。調査校全体の正答率は,
53.5%であった。誤答のうち最も多かったのは sciencer (26 例) であった。scientist という単語を知
らず farm と farmer の関係から類推したものと思われる。
以下は適語補充問題である。
小問 (6) village の調査校全体の正答率は 38.3%であった。誤答のうち very ,vacation 等の無関
係な単語を答えた誤答が 15 例,
「無答」が 12 例など,village という単語を思いつかなかった誤答が
37 例と多かった。過年度においての誤答が「つづりの誤り」が大半であったことを考えると village の
定着度は低くなった。
小問 (7) holiday の調査校全体の正答率は 47.3%であった。平成 11 年度は「つづりの誤り」が半
数近くを占めていたが,本年度は「その他の誤り」
(37 例)と「無答」
(5例)が多かった。holiday と
いう単語があまり定着していないようだ。
小問 (8) kitchen の調査校全体の正答率は 45.4%であった。誤答のうち 57 例が「つづりの誤り」
であり,文の意味は理解できているようである。
小問 (9) breakfast の調査校全体の正答率は 71.8%と高かった。breakfast という単語はよく定着
している。
小問 (10) try の調査校全体の正答率は 22.5%で本問中最も低かった。誤答 85 例のうち take と答
えたものが最も多く 50 例あった。
「その他の誤り」と「無答」が 84 例あることから, try ~ on と
いう表現は定着していないと思われる。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
全体として正答率に大きな変化はなかった。小問 (6),(7),(10)では過去の誤答と比較して「そ
の他の誤り」が増えている。
<今後の課題>
文意にふさわしい適切な語を類推する力を付ける必要がある。基本的な語彙であっても,場面に
応じて活用できるように繰り返し練習させることが大切である。
(3) 文法・語法問題
出題のねらい:機能語の働きと基本的な文法事項の理解度を測る。
【3】
次の(1)~(5)がそれぞれ正しい文になるように,ア~エから最も適当な語(句)を選び,
記号で答えなさい。
(1)
( ア How
イ What
ウ Which
エ Whose ) computer may I use, the right one or
the left one?
(2)
It rained a lot in the morning, ( ア because
(3)
We don't go to school ( ア at
(4)
"Have you done your homework?"
"Yes, I
(5)
( ア was done
イ in
イ did
This is the picture ( ア sending
イ if
ウ on
ウ have done
イ sent
ウ or
エ so )
I stayed home.
エ to ) Sundays.
エ was doing ) it yesterday."
ウ that sent
エ was sent )
to my house yesterday.
配点:10 点(各2点)
正解 (1) ウ
(2) エ
(3) ウ
(4) イ
(5) イ
本問は,機能語の働きと基本的な文法事項が正しく理解されているかどうかを確かめる問題である。
調査校全体の正答率は 55.5%であった。
<過年度との正答率の比較 (%)>
小問
21 年度
過年度 (出題年度)
差
小問
21 年度
過年度 (出題年度)
差
(1)
79.8
76.7 (H11)
3.1
(4)
19.6
13.1 (H11)
6.5
(2)
61.7
76.7 (H11)
-15.0
(5)
32.9
34.8 (H11)
-1.9
(3)
83.7
89.7 (H12)
-6.0
<分析答案による誤答数>
小問
誤答数
ア
イ
ウ
エ
(1) Which
23
7
5
正答
11
(2) so
49
38
10
1
正答
(3) on
16
9
5
正答
2
(4) did
89
12
正答
65
12
(5) sent
71
14
正答
32
25
<考察>
小問 (1) は,選択疑問文の疑問詞を選ぶ問題である。調査校全体の正答率は 79.8%であった。文
末に the right one or the left one? とあるため,理解しやすかったようだ。
小問 (2) は,文脈に合う適切な接続詞の so を選ぶ問題である。調査校全体の正答率は 61.7%で
あった。誤答 49 例のうち 38 例が ア because であり,「結論を示す節」を導く so と,「原因を説明
する節」を導く because の使い分けが正確にできていない。
小問 (3) は,前置詞 on を選択する問題である。調査校全体の正答率は 83.7%と高かった。繰り
返し使われる表現であるので,定着率は非常に高かったと思われる。
小問 (4) は,現在完了と過去の使い分けを問う問題である。調査校全体の正答率は 19.6%であっ
た。問いに対する答えの文には, yesterday と過去の一時点を示す語があるので,過去形 イ did を
選ばなければならないが,問いの文が Have you で始まっているので,ウ have done を選択した例が
非常に多かった。
小問 (5) は,後置修飾の過去分詞 sent を選ぶ問題である。調査校全体の正答率は 32.9%であった。
誤答 71 例のうち,ウ that sent は 32 例,エ was sent は 25 例あり,それぞれ picture と send の関係
が正しく捉えられていないこと,文の構造を考えず the picture was sent だけにとらわれて解答したこ
とが原因と考えられる。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
① 小問 (2) に見られるように,主節と従節の関係を適切な接続詞で結ぶことが苦手な生徒が
増えている。
② 小問 (5) に見られるように,過去分詞の後置修飾を理解していない生徒が依然として多い。
<今後の課題>
基本的な文法事項を生徒に与え,機械的な反復練習だけでなく,その知識を活用できる具体的
な場面や状況を設定し,言語活動を通してその定着を図ることが必要である。例えば以下の例①
のように,二つの文がどのように関連し合っているかを考えさせたり,例②のように,修飾され
る語 (名詞) と修飾する語 (分詞) の関係を理解させ,実際のコミュニケーション活動で分詞を
使って物事を説明させたりする機会を設ける。
例① We didn’t go out ( because ) it rained a lot. / It rained a lot, ( so ) we didn’t go out.
例② The boy sitting next to me is Kenta.
This is a desk made of wood.
(4) 文法・表現問題
出題のねらい:基本的な文法事項の運用能力を測る。
【4】 次の(1)~(5)のアとイの内容がほぼ同じになるように,(
)内に最も適当な語を一
つずつ書きなさい。
ア
イ
ア
イ
ア
イ
ア
イ
ア
イ
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
This lake is not as large as that one.
This lake is (
)(
) that one.
I don't know what I should see in Kyoto.
I don't know (
)(
) see in Kyoto.
I've been in Japan for two months.
I came to Japan two months (
).
Do you know the girl who has long hair?
Do you know the girl (
) long hair?
Soccer is liked by many young people.
Soccer is (
) with many young people.
配点:15 点(各3点,部分点なし)
正解 (1) ( smaller )( than )
(2) ( what )( to )
(4) ( with )
(3) ( ago )
(5) ( popular )
本問は,文の書き換えによって,基本的な文法事項の理解に基づいた英語の運用力と表現力を確か
めることを目的としている。本年度の調査校全体の正答率は 42.6%であった。
<過年度との正答率の比較 (%) >
小問
21 年度 過年度(出題年度)
差
小問
21 年度
過年度(出題年度)
差
(1)
52.3
46.8 (H11)
5.5
(4)
28.8
25.5 (H12)
3.3
(2)
39.7
49.8 (H11)
-10.1
(5)
23.0
37.8 (H11)
-14.8
(3)
69.4
81.2 (H11)
-11.8
<分析答案による誤答数と主な誤答例>
小問
(1) smaller
誤答数
49
than
(2) what to
66
(3) ago
24
(4) with
83
(5) popular
86
誤答例(数)
larger than (10), not larger (6), smoller than (3), more smaller (3),
not largest (2), smaler than (2), その他 (20)
I should (15), have to (8), what I (6), how to (4), that should (3),
that to (2), that must (2), should I (2), I must (2), その他 (13)
yet (4), before (2), その他 (10)
has (21), that (20), is (8), who (4), for (2), have (2),
その他 (23)
liking (21), like (15), loved (10), liked (9), played (6),
playing (5), likes (3), best (2), その他 (10)
無答
3
9
8
3
5
<考察>
小問(1)は,否定語のある原級表現を比較級を用いて表現する問題である。調査校全体の正答率は
52.3%であった。
誤答 49 例のうち 26 例は large を用いようとしたものであり,うち 10 例は larger than
と答えていた。これは比較表現 A is not as ~ as B. の内容を正しくとらえられていなかったためと思
われる。
小問(2)は,疑問代名詞 what が導く節を,what + to 不定詞を用いて書き換える問題である。調
査校全体の正答率は 39.7%であった。 I should や have to など疑問詞を用いていない誤答が多く,疑
問詞 + to 不定詞を思いつかなかったようである。
小問(3)は,現在完了の文を動詞の過去形の動詞を用いて表現する時制に関する問題である。調査校
全体の正答率は 69.4%と本問中最も高かった。過去形と共に用いる ago を使用した表現は比較的定
着しているようである。
小問(4)は,付随・所有・属性などを表す前置詞 with の用法を問う問題である。調査校全体の正答
率は 28.8%と本問中で2番目に低かった。この用法の with は, NEW HORIZON 1 Unit 8 の Do
you see that woman with short hair? を始めとしてすべての学年で扱われているにもかかわらず,思いつ
かない生徒が多かった。
小問(5)は,形容詞 popular を答えさせる問題である。調査校全体の正答率は 23.0%と本問中最も
低かった。popular は NEW HORIZON 2 Unit 3 に In Korea they're very popular. また,NEW
HORIZON 3 Multi Plus 1 に It is as popular as baseball in Japan. と扱われている。しかし,誤答 86
例のうち 61 例は like や love の語形変化を用いて答えようとしていた。文意から popular を全く思
い付かなかったと考えられる。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
小問(2),(3),(5)の本年度正答率は,過年度を約 10~15%も下回っている。文意を正しく理
解した上で,類似した表現で言い換えることが苦手な生徒が増えている。
<今後の課題>
聞いたり読んだりして得た情報を,自分の言葉で言い換えたりまとめたりすることによって,
表現力や運用力を高める必要がある。
(5) 口語表現問題
出題のねらい:基本的な口語表現の理解度を測る。
【5】 次の英文は電話での対話です。(1)~(5)に入る適当な表現を下のア~コから選び,記号
で答えなさい。
Judy's mother:
Kate:
Judy's mother:
Kate:
Judy's mother:
Hello?
Hello, this is Kate.
Oh, hi, Kate. ( 1 )
Very well, thank you. ( 2 )
Sure. She is now in her room.
(
3
)
Judy, Kate is on the phone!
Judy: Hi, Kate.
Kate: Hi, Judy. Listen. I'll go shopping with Meg next Sunday.
with us?
Judy: ( 4 )
Kate: Good. Let's meet at my house at ten. ( 5 )
Judy: Goodbye.
ア
エ
キ
ケ
See you then.
How are you?
May I speak to Judy?
Just a minute, please.
How about going
イ I'm sorry but I can't.
ウ Nice to meet you.
オ Who's speaking, please?
カ Of course I will!
ク Would you like to leave a message?
コ What's the matter?
配点:10 点(各2点)
正解 (1) エ
(2) キ
(3) ケ
(4) ア
(5) カ
本問は, 基本的な口語表現を文脈に合わせてどの程度使えるかを確かめる問題である。調査校全体
の正答率は 86.4%と高かった。
<過年度の正答率との比較(%)>
小問
21 年度
過年度(H11)
差
小問
21 年度
過年度(H11)
差
(1)
73.3
75.3
-2.0
(4)
90.7
87.3
3.4
(2)
86.8
84.9
1.9
(5)
93.9
91.4
2.5
(3)
87.1
82.5
4.6
全体
86.4
84.3
2.1
<分析答案による誤答数>
小問
誤答数
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
キ
ク
ケ
コ
無答
(1) How are you?
31
0
0
6
正答
12
0
4
1
1
6
1
(2) May I speak to Judy?
11
0
0
0
2
4
0
正答
2
1
2
0
(3) Just a minute, please.
5
0
0
0
0
0
1
2
1
正答
1
0
(4) Of course, I will.
2
0
0
0
0
1
正答
0
0
0
0
1
(5) See you, then.
2
正答
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
<考察>
小問(1) は,あいさつの表現を問う問題である。調査校全体の正答率は 73.3%と本問中最も低かっ
た。誤答で最も多かったのは オ Who's speaking, please? であった。これは,次に続く Very well, thank
you. との適切な応答の関係を考えることができなかったためと思われる。
小問(2) は,"May I speak to Judy?" を求める問題である。調査校全体の正答率は 86.8%と高かった。
これは,これに対する Judy の母親の返答 Sure, she is now in her room. から,Kate の求めた内容が理解
できたためであろう。
小問(3) は,Judy の母親が Kate を呼び出す間,尐し待ってほしいことを伝える表現を問う問題で
ある。調査校全体の正答率は 87.1%と高かった。これは,次に続く Judy, Kate is on the phone! が,部
屋にいる Judy を呼び出している内容であることが理解できたためと考えられる。
小問(4) は,買い物に誘われた Judy の応答を問う問題である。調査校全体の正答率は 90.7%と非
常に高かった。これは,次に続く "Good." から,直前に Judy が同意を表す表現を用いたことが容易
に推測できたためと思われる。
小問(5) は,別れ際のあいさつの表現を問う問題である。調査校全体の正答率は 93.9%と本問中最
も高かった。別れ際の場面における表現については,よく定着している。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
調査校全体の正答率は 86.4%で,平成 11 年度(84.3%)と同様,よくできている。小問ごとの
正答率や誤答傾向には,大きな変化は見られなかった。
過年度,本年度とも,本問中で最も正答率の低かったのは,小問(1)の How are you? を選ぶ問題
であった。このように,基本的な口語表現を,会話の中で適切に使用できない生徒もいる。
<今後の課題>
日常よく使われる表現については,自然な呼応ができるように,その使用場面を設定したコミュ
ニケーション活動を繰り返し行い,定着を図る指導が必要である。
(例)
言語の使用場面
あいさつ
電話
英語表現
How are you?
What's the matter?
May I speak to Mary?
買い物
Who's speaking, please?
May I help you?
英語の呼応例
I'm fine. / Pretty good. / Very well.
I have a slight fever. / I've got a cold.
Speaking. / Sure, just a moment, please. / I'm
sorry, she is out.
This is ~ speaking.
Yes, I am looking for ~. / No, thank you.
(6) 整序・作文問題
出題のねらい:単語を並べ替えて正しい英文を構成する力,基本的な英語表現能力を測る。
(1) その鳥について知っている人はほとんどいません。(H10)
[about / bird / few / know / peolple / the]
(2) これらのプレゼントをもらって彼女はうれしかった。(H11)
[happy / her / made / presents / these]
(3) きのう私に電話をかけてきた友達はカナダに住んでいます。(H11)
[called / Canada / friend / in / lives / me / the / who / yesterday]
(4) 君たちにこの本を読んでもらいたい。 (H11)
(5) 英語はたくさんの国で使われています。(H10)
配点 15点(各3点 部分点なし)
正答 (1) Few people know about the bird.
(2) These presents made her happy.
(3) The friend who called me yesterday lives in Canada.
(4) I want you to read this book.
(5) English is used in many countries.
本問は基本的な英文による表現力を問う問題であり,小問(1)~(3)を整序問題,小問(4),(5)を日
本語の内容を英語で表現させる形式にした。調査校全体の正答率は 42.8%であった。
<過年度との正答率の比較(%)>
小問
21年度
過年度(出題年度)
差
小問
21年度
過年度(出題年度)
差
(1)
60.1
57.0 (H10)
3.1
(4)
28.9
22.9 (H11)
6.0
(2)
75.1
74.9 (H11)
0.2
(5)
24.9
20.5 (H11)
4.4
(3)
24.1
17.1 (H11)
7.0
<分析答案による誤答数>
小問
分析答案における誤答数
(1)
46
(2)
27
(3)
85
(4)
81
(5)
86
<考察>
小問(1)は,few の使い方が理解できているかを確かめる問題である。調査校全体の正答率は 60.6%で
あった。
小問(1) 誤答例
①
The bird know about few people.
7例
②
People know few about the bird.
5例
③
The bird about know few people.
4例
④
Few know people about the bird.
3例
⑤
The bird know few about people.
2例
誤答は多岐にわたっており,日本文に惑わされ The bird で書き出した誤答(16 例)や, few と
people の関係が理解できていない誤答が多かった。
小問(2)は,第5文型をつくる動詞 make の理解度を確かめる問題である。調査校全体の正答率は
75.1%であり,本問中最も高かった。
小問(2) 誤答例
①
These presents her made happy.
10例
②
Her made happy these presents.
4例
平成 19 年度の類題
「私の父はその知らせを聞いてとても悲しんだ」 The news made my father very sad.
の正答率が 53.9%であった。本年度は日本文を手掛かりとして主語を決めやすかったため,正答率が
上がったと思われる。
小問(3)は関係代名詞 who を用いた構文に関する問題である。調査校全体の正答率は 24.1%と本問
中最も低かった。
小問(3) 誤答例
①
The friend called me yesterday who lives in Canada.
21例
②
The friend lives in Canada who called me yesterday.
16例
誤答は 26 種類もの多岐にわたったが,そのうち最も多かったものが①と②である。いずれも関係代
名詞と先行詞の関係が明確に理解できず,
「昨日電話をかけてきた」と「カナダに住んでいる」という
2つの節を単に結びつけたと思われる。平成 13 年の類題 Yumi has a brother who is a teacher. の正答率
が 80.1%であったことを考えると,S と V の間に関係詞節を挿入する文構造を理解できない生徒が多い。
小問(4)は want + ~ to do の構文が理解できているかをどうかを見る問題である。調査校全体の
正答率は 28.9%であった。
小問(4) 誤答例
①
I want you read this book.
4例
②
I want to you read this book.
2例
③
I want to read this book for your.
2例
④
無答
24例
誤答 81 例のうち want to と書いた誤答が 17 例あり,これはなじみのある want to do に影響された
と考えられる。その他の誤答は多岐にわたり,無答も 24 例あることから,この表現はあまり定着して
いないと言える。
小問(5)は,受動態の理解度を見る問題である。調査校全体の正答率は 24.9%であった。
小問(5)誤答例
①
English is used by many country.
22例
②
English is used by many countries.
21例
③
English is used in many country.
10例
④
English is used many countries.
2例
誤答 86 例のうち English is used
まで書けたものが 62 例あり,受動態の形式は身に付いている。
しかし,そのうち by を続けた誤答が 46 例あり,これは be 動詞 + 過去分詞 + by ~ のパターン
で覚えてしまっているためと考えられる。また,country と単数形で答えた誤答も多かった。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
10年前と比較すると,全体の正答率はどの設問においても上がった。教科書で学習した表現を活用
できる生徒がやや増えたようである。
<今後の課題>
コミュニケーション活動を重視し,既習表現を活用する機会を増やすことによって,自己表現能力
を高めることが今後ますます必要となる。
具体的な方法としては以下の通りである。
①
内容確認の英問英答の際に,ねらいとする既習表現を用いて答えさせるよう,質問を工夫する。
②
授業の終わりで Journal writing を行うなどして,覚えた構文やイディオムを使う機会を増やす。
(7) 長文読解問題
出題のねらい:比較的長い英文を読み取る力を測る。
【7】次の英文を読んで,あとの問いに答えなさい。
When Jim was eighteen years old, he started to work in a post office. Every morning he had to go there
by bike because he couldn't buy a car. After a year he got some money and bought a very old (1)one. But
some times it was very difficult for him to start the engine in the morning. He sometimes took his car to the
garage and the people there looked at the engine, but they always said, "You must buy a new car or a new
engine!" But Jim did not have enough money to buy a new car, so he still used his old one.
One day when he was driving to his office, he came to a traffic light and stopped. The engine stopped,
too. (2)This made Jim angry and he tried to start the engine again, but nothing happened. The light turned
(
3
), but Jim's car was in front of other people's cars, so they couldn't move. They began to shout, but
(4)that did not help.
Then suddenly a girl who was driving near Jim's car came out and walked to him. (5)She had something
in her hand. Jim was a little (
6
) because he thought she was very angry. But she only put it on his
car. He got out of his car and he found it was a card which said, "FOR SALE." He was very surprised, but
the girl said to him, "Try to start your engine now."
Jim went into his car and the engine started soon. "My car always starts when I put this card on it. It
thinks I'm going to (
7
) it," the girl said and smiled.
(注) engine 「エンジン」
garage 「修理工場」
get out of 「~から出てくる」
angry 「怒って」
FOR SALE 「売り物」
問1
下線部(1)の one は何を表しますか,英語一語で書きなさい。
問2
下線部(2)の This の具体的内容として最も適当なものを下から選び,記号で答えなさい。
ア Jim came to a traffic light.
イ The engine stopped, too.
ウ Jim couldn't buy a new car.
エ The engine did not start again.
空所( 3 )に入る語として最も適当なものを下から選び,記号で答えなさい。
問3
ア
問4
イ
green
ウ
red
yellow
下線部(4)の that did not help の内容として最も適当なものを下から選び,記号で答えなさい。
ア
信号が変わっても Jim の車は動かなかった。
イ
Jim の後ろの人が叫んでも Jim の車は動かなかった。
ウ
Jim の後ろの人々は叫ぶだけで何も手伝ってくれなかった。
エ Jim の後ろの女性は何も手伝ってくれなかった。
下線部(5)に関して,次の英文の空所に入る語を書きなさい。
問5
"What did the girl have in her hand?"
問6
空所(
6
ア
問7
空所(
7
問8
"She had a (
)."
)に入る語として最も適当なものを下から選び,記号で答えなさい。
イ
afraid
ア
ウ
careful
エ glad
exciting
)に入る語として最も適当なものを下から選び,記号で答えなさい。
イ
buy
ウ
sell
エ
start
stop
次の英文の空所に入る語句として最も適当なものを下から選び,記号で答えなさい。
"What was Jim told at the garage?"
ア
"He was told to
イ
get a lot of money
."
work hard to buy a new car
ウ bring his car to the garage
エ buy a new engine or a new car
本文の内容と一致するものを下から二つ選び,記号で答えなさい。
問9
ア
Jim went to a post office by bike every morning because he didn't like cars.
イ
Jim bought a car for the first time when he was eighteen years old.
ウ
Jim had enough money to buy a new car, but was using the old bike.
エ
Sometimes Jim couldn't start his engine in the morning.
オ
The girl who was driving near Jim's car was really angry.
カ
The girl said to Jim, "I want to buy your car."
キ
After the girl put a card on Jim's car, she told him to start his engine.
配点:20 点(各2点,
正解
エ
white
問9は各2点)
問1 car
問2
イ
問3
ア
問4
イ
問6 ア
問7
イ
問8
エ
問9
エ,
問5 card
キ
本問は,一定の時間内に,273 語の比較的長い英文の内容を的確に把握する力を確かめる問題であ
る。調査校全体の正答率は 54.8%であった。
<過年度との正答率の比較 (%)>
小問
21年度
過年度 (H11)
差
小問
21年度
過年度 (H11)
差
問1
79.7
81.2
-1.5
問7
32.2
35.6
-3.4
問2
76.7
74.1
2.6
問8
55.7
55.8
-0.1
問3
69.4
68.0
52.2
50.3
1.9
1.4
問
エ
問4
7.8
7.7
0.1
9
キ
67.3
67.8
-0.5
問5
51.1
50.2
0.9
全
体
54.8
54.1
0.7
問6
56.3
50.7
5.6
<分析答案による誤答数>
小問
誤答数
ア
問1
19
誤答例
問2
21
5
正答
6
10
0
問3
28
正答
18
5
5
0
問4
94
9
正答
83
2
0
問5
59
問6
54
正答
24
8
21
問7
82
32
正答
39
11
0
問8
46
6
15
22
正答
3
問9
93
0
22
21
正答
誤答例
イ
ウ
15例
bike
hand
エ
2例
money
8例
angry
something 6例
オ
キ
1例
Jim
7例
その他
カ
engine
1
6例
12
20例
誤答例
24
eye
1例
20
無答
0
正答
6
<考察>
問1は,代名詞 one の指す内容を問う問題である。調査校全体の正答率は 79.7%と本問中最も高
かった。前文の内容から Jim の買ったものが車であることは,容易に理解できたためであろう。
問2は,代名詞 This が 具体的に指すものを問う問題である。調査校全体の正答率は 76.7%と高か
った。誤答は エ The engine did not start again. が最も多く,This は前の部分を指す,と理解できなか
ったためと思われる。
問3は,信号の色を問う問題である。調査校全体の正答率は 69.4%であった。誤答は イ red が最
も多く,これは空所 ( 3 ) の後に続く …, so they couldn’t move から誤って判断したためであろう。
問4は,「Jim の後ろの人々が叫んでみても,Jim の車は動き出さずに止まったままだった」とい
う下線部の内容を問う問題である。調査校全体の正答率は 7.8%と極端に低かった。誤答のほとんど
が ウ「Jim の後ろの人々は叫ぶだけで何も手伝ってくれなかった」(83 例)であった。これはこの
場面の help が「助ける」という意味ではなく,「役に立つ」という意味であることを思い付かなか
ったためと考えられる。
問5は,Jim の車の近くを運転していた女性が彼の方に歩いてきた時に手に持っていたものを問う
問題で,調査校全体の正答率は 51.1%であった。card という単語が離れて出てくるので,something が
何を指すかを読み取りにくかったと思われる。
問6は,女性がカードを持って近づいてきた際の Jim の様子を問う問題である。調査校全体の正答
率は 56.3%であった。これは,空所 ( 6 ) に続く because he thought she was very angry. と結びつけて
考えられなかったことによるものだろう。
問7は,この物語の面白味が理解できているかを問う問題である。調査校全体の正答率は 32.2%と
かなり低かった。車を擬人化したことに気が付かず,「売られてしまうのは嫌だから,頑張って動き
出した」という車の心情の理解にまで至っていなかったようである。
問8は,Jim が 修理工場で言われたことを問う問題である。調査校全体の正答率は 55.7%であっ
た。誤答 46 例のうち ウ (22 例) が最も多く,これは質問文の中にある garage という語の影響を受
けたためであろう。
問9は,本文の内容に一致するものを選択する問題である。調査校全体の正答率は エ が 52.2%で,
キ は 67.3 %であった。誤答は ア 以外に均一に分散している。部分的な内容を文脈に合わせて関連
付けて考えることができなかったためであろう。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
本問において,小問の正答率は過年度とよく似た結果が出ている。誤答の傾向が非常によく似
ており,内容を読み取る力にはあまり差が見られなかった。
<今後の課題>
物語文では状況と人物の心理をよく考えさせ,理解を深めることが大切である。そのためにペ
アやグループで要点をまとめたり,感想を述べ合ったりする機会を増やす。
(8) 聞き取り問題
出題のねらい:口頭による英語の聞き取りができるか。
【8】この問題は,先生又は放送の指示に従い,正しいものには○,そうでないものには×を
付けなさい。正しい答えはそれぞれ一つしかありません。
Tom : Hi, Mary. Next Sunday is Mother's birthday. What are you going to give her?
Mary : Well, Tom, last year I gave her a handkerchief, but I want to make something for her this year.
Tom : Oh, do you? Good! What are you going to make?
Mary : A birthday cake. How about you?
Tom : I'm going to give her a concert ticket. She likes music very much.
Mary : That's very nice. Our father likes music, too.
Tom : Oh, yes. You are right. I'll buy two concert tickets. They will be glad. When are you
going to make the birthday cake?
Mary : Next Saturday, on April 13.
Tom : O.K. Let's make it together.
Mary : Thank you very much.
Question 1 Who gave a handkerchief to their mother last year?
(a) Mary did.
(b) Tom did.
(c) Mary and Tom did.
(d) Mary's father did.
Question 2 What is Mary going to do for her mother this year?
(a) To play the piano for her mother.
(b) To buy something for her mother.
(c) To go shopping with her mother.
(d) To make something for her mother.
Question 3 How many concert tickets will Tom buy?
(a) One ticket.
(b) Two tickets.
(c) Three tickets.
(d) Four tickets.
Question 4 Do their parents like music?
(a) Yes, they do.
(b) No, they don't.
(c) Only their father does.
(d) Only their mother does.
Question 5 When are Mary and Tom going to make the cake?
(a) On April 23.
(b) On April 3.
(c) On April 13.
(d) On April 30.
配点10 点(各2点×なしでも正解とする)
正答
(1)
a(○) b(×) c(×) d(×)
(2)
a(×) b(×) c(×) d(○)
(3)
a(×) b(○) c(×) d(×)
(4)
a(○) b(×) c(×) d(×)
(5)
a(×) b(×) c(○) d(×)
本問は,会話文を聞いて,その内容をどの程度聞き取れたかを確かめる問題である。問題の提示
の仕方は「会話文→質問→会話文→質問→解答選択肢」の順とした。
内容は,母親の誕生日に何を贈るかを相談する姉の Mary と弟の Tom との会話である。問題文の
語数は107語で,やや短めであった。質問は Yes 又は No で答える疑問文を1問(Question 4)及び
疑問詞を使った疑問文を4問(Questions 1, 2, 3, 5)とした。会話の速さは自然な速さとし,解答
はすべての選択肢に○又は×を付けさせる形式とした。本問の調査校全体の正答率は72.1%であった。
<過年度との正答率の比較(%)>
21年度
過年度 (H11)
差
21年度
過年度 (H11)
差
Question 1
69.2
70.0
-0.8
Question 4
68.1
74.5
-6.4
Question 2
77.4
75.4
2.0
Question 5
59.6
64.6
-5.0
Question 3
86.3
79.2
7.1
全体
72.1
72.7
-0.6
<分析答案による誤答数>
小問
誤答数
(a)
(b)
(c)
(d)
Question 1
29
正答
11
10
8
Question 2
23
3
12
8
正答
Question 3
12
2
正答
3
7
Question 4
26
正答
4
15
7
Question 5
40
9
7
正答
24
<考察>
Question 1 は,「だれが昨年は母親の誕生日にハンカチを贈ったか」を問うものである。調査校全
体の正答率は69.2%であった。会話の冒頭で Mary が昨年母親にハンカチを贈ったと話しているので,
分かりやすかったと考えられる。
Question 2 は,「 Mary は今年は母親の誕生日に何をするか」を問うものである。調査校全体の正
答率は77.4%で,本問中2番目に高かった。誤答で最も多かったのは (b) To buy something for her
mother. であった。これは Tom が後で,両親にコンサートのチケットを買うことについて話している
ので,その内容と混同してしまったものと思われる。
Question 3 は,「Tom はコンサートのチケットを何枚買うか」を問うものである。調査校全体の正
答率は86.3%と本問中最も高かった。Tom が I'll buy two concert tickets. と言っているので,答え易
かったようだ。
Question 4 は,「彼らの両親が音楽が好きかどうか」を問うものである。調査校全体の正答率は 6
8.1%であった。(c) Only their father does. を選んだ誤答が,26例のうち15例と最も多かった。これは
Tom の She likes music very much. と,それに続く Mary の Our father likes music, too. を関連付
けて理解できなかったためと考えられる。
Question 5 は,「二人はいつケーキを作るか」を問うものである。調査校全体の正答率は59.6%で,
本問中最も低かった。誤答の半数以上が,(d) On April 30. であったが,これは音の似た13と 30を聞
き間違えたことが原因であろう。
<指導上の留意点>
<過年度との比較>
過年度と比較して,正答率に大きな差は見られなかった。しかし,Question 3 のような一つの文
の大意は聞き取れても,Question 4 のように,同じような情報が重なった時に,聞き取った情報を
整理して理解することができない生徒が見られる。また,過年度,今年度とも,Question 5 に見ら
れるように,音のよく似た数字の聞き取りが苦手である。
<今後の課題>
Teacher talk など,生徒が英語を聞く機会をできるだけ多く与ることによって,正確に音を理解さ
せることが必要である。また,聞き取れた個々の情報を相互に関連付けて理解することが大切なの
で,キーワードを与え関連する情報を聞き取らせるなど,方法を工夫する必要がある。
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