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留学成果報告書

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留学成果報告書
平成 27 年度派遣留学生
留学成果報告書
中国人民大学(中国)
経済学部経済学科
12EE711
河野
璃奈
『私の留学生活』
長いようで短い私の留学生活が終りました。約5ヶ月間、留学を通して、私
は楽しんだり、悲しんだり、悩んだりと、本当にいろいろありました。
留学前は、中国のことを全く知らなかったし、知ろうとも思いませんでした。
なぜなら、中国があまり好きではなかったからです。中国は、うるさく、自由
で、汚いイメージがあり、また、空気が汚くて、他の事でも日本と揉めていま
す。実際に住んだことはない、私のイメージは良くはありませんでした。しか
も留学が決まった日、友人や家族も喜んでくれる様子はなく、彼らの表情が、
もっと私を不安にさせました。
ではなぜこんなにもイメージが悪い中国に私が留学したいと思ったかという
と理由は2つあります。1つは、中国で生活したこともないのに悪いイメージ
を持つのはよくないと思ったからです。中国は沢山の人が住んでいていろいろ
な考えや価値観を持っている人がいるはず。優しい人もいれば、そうでない人
もいて、生まれた場所が中国というだけで中国人全員に悪いイメージを持つの
はよくないと思ったからです。
もう1つの理由は、中国人観光客が増加しているからです。現在、日本に来
る中国人は年々増加しています。そのため、道を尋ねられた場合や困っている
場合に話せたらいいなと思ったからです。以前、私が歩いているとき道を聞か
れたことがありましたが、その頃まったく中国語が話せなかったため答えるこ
とができず、すごくもどかしい気持ちになりました。この2つの理由で私は留
学を希望しました。
留学中、中国語が思うほど伸びないことに悩みました。留学しているからす
ぐ話せたり聞きとれたりするわけではなく、せっかく覚えた単語も、恥かしが
り屋の性格もあり、使わずに忘れてしまうことが沢山ありました。しかし、あ
る時を境に、「変わろう!」と思い、1人旅に出ました。北京から列車に乗っ
て約12時間かかる大連という街で、私の性格が変わったような気がします。
1人旅は、誰にも頼ることができないため、普段話さない私でも積極的に話し
かけました。そこで、わからない事はきちんと理解するまで聞かなくてはなら
ない、語学を伸ばす良いチャンスだったと思います。
留学後半、私は中国にまだいたいという気持ちになっていました。半年とい
う期間は短い気がします。ある程度会話が聴き取れるようになり、中国人とも
会話ができるようになったのに日本に帰らないといけない、しかも中国での生
活も慣れてきて面白くなってきたときでした。本当に時間が過ぎるのはあっと
いう間だなと感じました。
私が留学して1番気に入ったのは、交通機関の運賃がとても安いことです。
北京の場合、1時間地下鉄に乗っていても、約5元(日本円で約85円)で
す。日本の場合、同じ時間地下鉄に乗ると約千円はかかるでしょう。運賃が高
いと少し躊躇するところですが、安いので行きたいところに行けます。色々な
ところに行きたくなった私は、土日のどちらかは行ったことがない所に行くと
いうルールを決めて生活しました。毎日授業があり、気分転換したいときはど
こかに行くことをお勧めします。
1番驚いたことは、中国人同士なのに会話が成り立たないことでした。例え
ば、福岡県と栃木県とでは、多少方言があるものの、大体意味は分かり、会話
をすることができます。しかし中国の場合、国土が広いのでいろいろな言語が
あり、共通語が話せなかったら意思の疎通ができない可能性があります。福建
省では、山を越えたら違う言語になるので出身地が同じでも言葉が通じないこ
とがあるとのことで、本当に驚きました。改めて、広い国だなと思いました。
私は留学して本当に良かったと思います。最初あんなに悩んでいた自分が馬
鹿らしく思えてきました。行ってみないとこの良さは分かりません。留学する
のに迷っているなら留学して後悔すればいいと思います。
以前の私は、テレビや新聞の情報のみを鵜呑みにしていたかもしれません。
事実を伝えているのかもしれませんが、少し批判しすぎていると思います。中
国の人口は多いので、一部の人が起こした行動を、あたかも全員がしています
みたいな言い方はするべきではないと思います。中国人全員がそうとも限らな
いし、決してみなさんが思っている以上に悪い国ではないと思います。私が言
いたいのは、中国を好きになってほしいということではありません。ただ、
今、中国が嫌いだなと思っている方に、視点を変えてほしいということです。
人それぞれの意見なので、嫌いな人にも嫌いである理由があっていいと思いま
す。ただ、行ったこともなく中国のことを知らない人に悪いイメージをもって
ほしくはないです。なぜなら、以前の私がそうだったからです。
これからも中国と日本の関係は続くと思います。それなのにいつまでも仲が
悪いままでいいのかな?と疑問です。ただ住んでいる所が違うだけで、同じ人
間です。お互い助け合いながら親しい関係であってほしいと願うばかりです。
まずは、中国に行ってみてください。私はこの留学生活で大きく変わること
ができました。一歩踏み出したら何かが変わるかもしれません。
以上
平成 27 年度派遣留学生
留学成果報告書
中国人民大学(中国)
経営学部国際経営学科
13MI171
松本
詩歩
『生活してみて見えてくる中国の実情』
周りの人に「中国へ留学に行く」と言うと、珍しいのか「どうして中
国?」と、驚いた顔で、私に聞いてきました。私の中国との出会いは小学
生の頃の家族旅行でした。母が中国好きな影響もあり、それからも何度か
中国を訪れ、日本にいた時も中国雑技団の鑑賞、中国料理教室等のイベン
トへの参加など、自然と中国という国が身近にありました。大学入学以
降、九産大の留学生や国際交流のイベントで中国人の友達ができ、初めて
国籍を越えた友達ができた、そのときの喜びをまだ覚えています。その
後、第二外国語で中国語を選択し、語学の勉強も始める中で、留学をし
て、もっと身を持って中国の文化を体験したい、中国語を話せるようにな
り、交友関係を広げたいと強く思うようになり、留学を決意しました。
小さい頃から中国が身近にあったとはいえ、中国語はあまり得意ではあ
りませんでした。1人で中国に行く事も、海外で生活する事も初めてで、
沢山の期待と色々な不安を胸に、留学生活がスタートしました。
中国人民大学へ語学留学に来ている日本人は他にも 13 人いました。そ
れぞれ、色々な想いを持ち中国へ来ているので、興味深く、本科生として
留学している日本人もいたことから、困った事などがあるとすぐに尋ねる
ことができました。
そのクラスは高級 1・2 班、中級 1〜5 班、初級班と分かれており、各ク
ラス、様々な国から来ている語言留学生が 10 人程度いました。クラス
は、筆記と口述試験で決まります。その結果、私は中2班に振り分けられ
ましたが、授業で先生が言っている事があまり聞き取れず、周りのレベル
も高く、ついていくことに必死で、自分のレベルに合わず戸惑いました。
しかし、クラス変更が可能な期間が設けられていたため、下のクラスの授
業を受けてみることができました。クラスによって、先生や授業の進め
方、また生徒の積極的な発言が多いなど雰囲気が全く違います。私は、自
分に合ったレベルで、なおかつクラスの雰囲気が好きだなと感じた、中4
班で半期授業を受けることにしました。
北京に着いたばかりの頃は、現地の方が話す中国語が思っていたよりも
早かったため、聞き取れない事が多く、とても大変でした。先生からの質
問を聞き取れても、答える表現の仕方が分からず、悔しい思いをしたり、
自分の気持ちを相手にうまく伝えられずに、もどかしさを感じたりする場
面が何度もありました。その悔しさから、分からない単語はその場で調べ
てメモをして覚えることを習慣付け、映画のセリフや、生活の中で、周り
の人が話している言葉を真似して覚える努力をしました。そのおかげで、
だんだんと「前に分からなかった言葉が今は分かる」と思うことが増え、
耳が慣れてきたのか、後半の授業はほとんど理解できるようになっていま
した。また、文法を気にせずに大胆に話していくことも大切だと考えまし
た。出会う人みな、私が「分からない」と言うと、理解できるまで丁寧に
説明してくれて、伝えようとすると根気強く耳を傾けてくれるので、中国
人の方の暖かさを感じました。
中国人は自分の意思をストレートに言葉にするため、人と人との距離が
とても近く、隣に座っている人と話していても、実は初対面だったり、店
員さんと仲良く話しているのもよく見かけました。道を歩いていると「○
○はどこ?」と、1日に何度も声をかけられることが日常でした。
ところが、日本人は空気を読み、自分の意見を言えずにいる人が多いの
で、先ほども言ったように、意思表示がストレートな中国人との接し方と
して、自分も強く意思表示をしていかなければなりません。中国での生活
で、しっかりと自己主張をする強さを持つことができたと思います。要ら
ない物を勧められたら「はっきり断る」、少しでも分からないことがあっ
たり、何か約束をするときは「再度確認」することが大切です。また、交
渉することの重要さも学びました。王府井のような市場では、値切り交渉
は必ずできます。
一方で、異国での生活は、日本の良さを改めて実感することができまし
た。一番は、おもてなしの素晴らしさです。休みには北京、西安、兰州、
敦煌、嘉峪関、吐魯蕃、烏魯木斉、北京というルートで、旅をしました。
移動手段は「火车」、日本での寝台列車です。そこでは、「日本人です
か?」と流暢な日本語で話しかけてくれた方や、日本に興味を持っている
大学生と出会いました。やはり日本のアニメや漫画、アイドルが好きで日
本に興味を持った人が多く、反対に日本人が中国に興味を持つきっかけと
なるようなモノは何があるだろうと考えました。
日本のニュースなどで見る中国の情報は、負の面ばかりを取り上げられ
ているように感じていたため、周りの友達も中国と聞くだけで反応があま
り良くない事が多いと感じました。実際に私が現地で生活していて出会っ
た中国人は、みなさん暖かく迎えてくれて、日本に興味を持っている人が
とても多かったです。中華料理も美味しく、きれいな景色もたくさんあり
中国はとても広く、今回の旅行で訪れた新疆ウイグル自治区は、北京とは
全く違う風景が広がっていました。先入観だけで留まっていてほしくはな
い、中国での実際の経験を情報発信していくことも重要だと考えていま
す。
この留学を通して、多くの出会いがありました。ルームメイトになった
韓国人のお姉さん。東京、大阪、名古屋、埼玉、京都、兵庫の大学から来
ている日本人留学生。万里の長城で出会った外国人観光客。さまざまな理
由で留学していた日本人本科生の方々。北京で仕事をされている日本人、
福岡出身の他大学に通っている学生。ロシア人、アメリカ人、イギリス
人、フランス人、ベトナム人、ジンバブエ人、ポーランド人などの留学生
たち。
語学にゴールはないと考えています。今後も、中国語の学習を根気強く
続けていきたいと思います。また中国の歴史についてもより一層知識を深
め、留学での経験をこれからの生活に活かしていきたいです。
毎日が新鮮だったからか、この5ヶ月はあっという間でしたが、この留
学の機会に感謝しています。
以上
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