Comments
Description
Transcript
PowerPoint プレゼンテーション
“OTTはメディア産業をどう変えるのか” 3. 中国: OTT化するネット動画サイト ~自主制作化・課金化・モバイル化~ NHK放送文化研究所 副部長 山田 賢一 ■中国ネット動画サイトの歴史 2004.11 .12 2005.4 2006.6 世界のOTT 楽視(Letv)設立 捜狐寛頻(後の捜狐視頻=tv.sohu)設立 土豆(Tudou)設立 優酷(Youku)設立 →初期はUGCがベース テレビや映画コンテンツの違法アップロードも蔓延 2009.8 央視網、鳳凰網等が「ネット動画版権保護連盟」設立 .9 捜狐視頻などを中心に110社以上が共同で 「中国ネット動画反海賊版連盟」 →正規流通への移行開始 2 ■大手事業者の参入と寡占化の進展 世界のOTT 2010.4 奇芸(後の愛奇芸=iQIYI)サービス開始 →大手検索事業者「百度」(Baidu)系 2011.4 騰訊視頻(Tencent video)試験配信開始 →大手SNS事業者「騰訊」(Tencent)系 2012.3 優酷(シェア1位)と土豆(シェア2位)が合併で合意 2015.8 優酷土豆から合一(One Group)に名称変更 .11 大手電子商取引事業者「阿里巴巴」(Alibaba)が合一を買収 →BAT主導の寡占体制に 3 ■BATへの挑戦者たち① 楽視 世界のOTT 楽視・・・早い時期から課金モデルを志向 中国に知財の意識がなかった頃にコンテンツを安価で買い集める その後、捜狐・優酷・土豆等が相次いで米株式市場での上場目指す →正規版権の確保が不可欠に 2010~11 楽視が版権を各社に高値で売却 2012 各社が自主制作開始し、 版権価格が下落 →楽視、独占配信を開始すると ユーザーが急増 4 楽視(Le Eco) ■BATへの挑戦者たち① 楽視 世界のOTT ソフト・ハードの2正面作戦 ★ソフト・・・制作会社の買収、著名な制作者の囲い込み 2013.10 花儿影視を9億元(約170億円)で買収へ 花儿影視→連続テレビドラマ『後宮甄嬛伝』『芈月伝』が大ヒット 鄭暁龍、張芸謀、陸川らとも契約 ★ハード・・・テレビメーカーと提携し 「楽視超級テレビ」製造、 原価でネット直販 → 2014 150万台 2015 300万台 販売 楽視超級テレビ (楽視提供) 5 ■BATへの挑戦者たち② 芒果(マンゴー)TV 既存の放送局・・・ 世界のOTT 大部分の局はネット動画サイトに コンテンツを販売 湖南ラジオテレビ・・・ 衛星チャンネルが 全国で屈指の人気 →自前のサイト「芒果TV」だけで 配信する「独占配信」戦略開始 芒果TVの広告収入 2014 6000万元 → 2015 7億元 「湖南衛星チャンネルの 売り上げには影響せず」 湖南ラジオテレビ局 6 ■BATへの挑戦者たち③ 捜狐視頻(tv.sohu) 世界のOTT 捜狐視頻・・・ポータルサイト「捜狐」 (米ナスダック市場上場)系の老舗 アメリカのテレビドラマを積極的に輸入 →2014 国家新聞出版 ラジオ映画テレビ総局(SAPPRFT)が 規制強化措置 「外国作品は国内で購入した分の 30%以下とし、このうち米・韓の比率は それぞれ40%以下に」 →外国作品が減少し 版権費用は上昇のダブルパンチ 7 捜狐視頻 世界のOTT ■最近の中国OTTサービスの傾向① ★自主制作化 ・愛奇芸・・・ 2013.5 河南テレビと共同で『漢字英雄』制作 2014.7 「愛奇芸影業」設立 2015.6~ ネットドラマ『盗墓筆記』が大ヒット ・騰訊視頻・・・人物ドキュメンタリー『某某某』 →北京テレビや東方テレビに販売 ・合一・・・『週播自制劇場』で時代劇、 推理物、トレンディードラマなど展開 8 『盗墓筆記』 (愛奇芸提供) ■最近の中国OTTサービスの傾向② ★課金化 これまでの中国ネット動画サイト →基本的に広告収入に依存 背景・・・ ① 13億人超の「巨大市場」への期待 ② 各社が同じコンテンツを配信→課金は困難 →ほとんどの社が「焼銭」で赤字状態 自主制作コンテンツは独占配信 →課金しやすくなる 愛奇芸『盗墓筆記』の大ヒット →有料会員が倍増し“1000万人突破” 2015年が「課金化元年」に 9 世界のOTT ■最近の中国OTTサービスの傾向③ 世界のOTT ★モバイル化 モバイル向けコンテンツ・・・ 従来は短時間のコントやニュースが中心 大型の携帯が普及 →ドラマをモバイル機器で見る選択肢も 携帯のメリット ① 若い世代と相性が良い ② 課金がしやすい 楽視・・・2015.4「楽視超級携帯」発表会 →400万台販売 10 楽視超級携帯 (楽視提供) ■今後の展望 ★海外事業者の参入は可能か? 黄教授 「プラットフォーム事業は厳しい」 理由・・・「愛奇芸」「騰迅視頻」「合一」等の 国内事業者を保護するという 産業政策的な考慮 喩教授 「プラットフォーム事業は厳しい」 理由・・・政治的な考慮 (海外コンテンツが共産党政権の 統治を不安定化させるリスク) 11 世界のOTT 中国メディア大学 黄昇民教授 中国人民大学 喩国明教授