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Vol.135~マイナス金利下における東京不動産市場
MIDORI MONEY REPORT みどり マネー 通信 株式会社みどり財産コンサルタンツ Vol.135 (2016年4月号) マイナス金利下における東京不動産市場 平成28年3月22日、国土交通省より公示地価が発表されました。東京・ 銀座の一部では公示地価として過去最高値を更新する一方で、地方では下 落傾向が続いています。ヒト・モノ・カネ・情報等、あらゆるものが東京 に一極集中する傾向が続く中、オリンピックへ向けた再開発が進むなど、 東京の、街としての価値はさらに高くなっています。加えてマイナス金利 政策の影響もあり、東京の不動産市場は活況を呈することが期待されま す。今回は東京不動産市場について、幾つかの面から検証していきます。 ■東京不動産の所有はハードルが高いのか 東京都内5区の一等地の物件は希少性が高く、相当に高価なものとなっています。しかし、区分所有投資・ 集団投資案件への投資であれば、1,000万円程度から投資可能で、ポートフォリオに東京都心の不動産を組み込 むことが可能となります。また、複数の物件に時期をずらして投資することで、物件・時間のリスクの分散が 可能となります。また、現物の資産保有をすることでインフレリスクを回避することに繋がります。さらに、 不動産は株式等と比べると値動きの振れ幅は小さく、超長期投資を前提とすれば、比較的安定的な投資と考え られます。したがって、30~50代の現役世代の方にもお勧めできます。マイナス金利と賃料上昇という好状況 を踏まえ、超長期投資として、“都心不動産“という資産をポートフォリオに組み入れることをご検討されてみ てはいかがでしょうか。 ■マイナス金利下の不動産市場 平成28年2月16日に日本金融史上初のマイナス金利が導入されて数ヶ月経ちます。預金金利や生命保険等、 各方面において影響が表れていますが、日本より先にマイナス金利を導入したヨーロッパでは下表の例の通り 不動産価格の上昇が確認されています。日本においては、年金積立金を管理運用するGPIFがJ-REITを買い増し ていたり、国土交通省が不動産投資の市場規模を30兆円程度に倍 増させる中期目標を打ち出すなど、マイナス金利政策導入により 運用難に陥った投資マネーが不動産に向かっていく、あるいは向 かわせていくような状況が確認できます。したがって不動産価格 の上昇が期待できますが、不動産投資は“どこの“不動産であるか (出所:国際貿易投資研究所 ITI調査シリーズNo.15) が重要になります。 ■東京都心不動産の優位性 不動産投資は東京都心がより有利であると考えられます。先にも述べた通り、日本国内における東京一極集 中の傾向は留まることなく、ヒト・モノ・カネ・情報のあらゆるものが集積しています。それゆえに2016年の 公示地価は過去最高の値を付けました。また今後の人口減少社会において、2035年時点で2016年現在と同水準 の人口を維持しているとの統計もあり(東京都HP)、この状況が一変することは考えにくいでしょう。一方 で、国際的に比較すれば、ロンドンや香港といった他都市に比べ割安となっています(右項の図参照)。そう いった事情もあってか、ノルウェー政府年金基金は東京の不動産に6,000億円投資することを昨年10月時点で 決定しています。 ■2020年東京オリンピック!その後は? 2020年の東京オリンピック開催に向けた再開発が、東京の各地で進んでいます。数年間は不動産市場が活 況を呈することが見込まれる一方で、オリンピックが終わればそれまで、といった見方もあります。しか し、過去にオリンピックのあった都市の中で、先進国として日本により近い位置づけであるロンドンは、オ リンピック後も不動産価格は上昇しています。オリンピック後に東京は、世界の中で最先端の不動産インフ ラが整った世界一安全な都市になると言われています。こういった環境が不動産市場に好影響をもたらすこ とが期待されます。 ■東京都内でも都心5区!賃貸オフィスがほぼフル稼働 東京都の中でも特に中心5区(千代田区・中央区・港区・渋谷区・ 新宿区)は、いずれの区も賃貸オフィスの空室率が5%を下回ってい ます。空室率が5%を下回るとオフィス賃料は上昇局面に入ります。 空室率は賃料の先行指標であり、オフィス賃料の目安となる5%を下 回っているため、中心5区は今後の賃料の上昇が見込まれます。その 中でも渋谷は空室率2%を下回っており、不動産価格の上昇が特に期 待できます。また、東京の物件価格は賃料収入を期待利回りで除し て決まることから(右図参照)、期待利回りが同一であれば物件価 格は上昇するということになります。 (出所:日本不動産研究所 2015年国際不動産価格賃料指数) 株式会社 2016年4月10日現在の法令に基づき制作しています。 今後、税制改正等が行われた場合には、その限りではありません。 また、本資料に記載された情報に関しては信頼ある情報源から入手したものではありますが、 その正確性は弊社で保証するものではありません。 みどり財産コンサルタンツ 760-0062 高松市塩上町3-1-1 TEL 087-834-0122 http://www.midori-zc.co.jp/