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GS 記録保管 日本語訳 - 日本証券アナリスト協会

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GS 記録保管 日本語訳 - 日本証券アナリスト協会
採 択 日: 2007 年 7 月
発 効 日: 2007 年 10 月 31 日
遡 及 適 用: 必須ではない
公開コメント期間:2004 年 10 月~12 月
GIPS の記録保管必須基準に関するガイダンス・ステートメント
序
論
GIPS® 基準 1.A.1 は、次のように規定している。「会社のパフォーマンス提示の根拠となるデータ
および情報、また、必須基準に要求される計算を行うために必要なデータおよび情報は、すべて確保
し、保管しなければならない。」
本ガイダンスは、GIPS の記録保管に関する必須基準を満たすために必要な記録のみを取り扱う。
すべての場合において、記録は、紙(ハードコピー)または電子媒体による記録のいずれでもよいも
のとする。電子媒体による場合には、記録は、アクセスが容易であり、必要に応じて印刷可能となっ
ていなければならない。ほとんどの会社は、パフォーマンス記録の再生可能性を含め、GIPS 基準に
準拠したパフォーマンス提示すべての根拠として最低限保管しなければならない文書の厳密なリス
トを求めているが、あらゆる状況を勘案した単一の記録リストというものは存在しない。
基本原則
1.
会社は、記録保管について、適用される法規制をすべて満たしていなければならない。
2.
会社は、GIPS 準拠資料で提示した各パフォーマンス期間について、ポートフォリオ・レベルの
リターンの再計算を可能とする十分な記録を保管しなければならない。会社は、ポートフォリ
オ・レベルのリターン計算に使用したシステムおよび方法によって、他の会社とは異なる記録が
必要となるかもしれない。ポートフォリオ・レベルのリターンの根拠となる記録には、次が含ま
れる(ただし、本リストはあらゆる事項を網羅したものではない)。
• 関係する銀行/カストディアンの取引明細書および勘定調整表
• 次のような証券の価格計算を含む、ポートフォリオの資産および評価に関する明細書
i.
すぐには価格が取得できない証券、または
ii. 取引が少ない証券
本資料は、GIPS Executive Committee が採択した 「GIPS の記録保管必須基準に関するガイダンス・ステートメント (Guidance
Statement on Recordkeeping Requirements of the GIPS Standards)」全文(英語)の日本語訳である。翻訳は、日本における GIPS
カントリー・スポンサーである(社)日本証券アナリスト協会が行った。本ガイダンス・ステートメントの日本語訳と原文である英語版との間に矛
盾があるときは、英語版を正本とする。本翻訳物の著作権は、(社)日本証券アナリスト協会に属する。
-1-
• ポートフォリオの取引報告書
• 未決済取引報告書
• コーポレート・アクション報告書
• 受取収益(利子・配当収入等)報告書
• 未収収益(利子・配当収入等)報告書
• 外国その他源泉税の還付請求報告書
• キャッシュフロー/加重平均キャッシュフロー報告書
• 使用した計算方法に関する情報
• 第三者(例えば、ラップフィー/SMA のスポンサー)から提供された情報。場合によって
は、会社は、第三者から提供された情報が、GIPS の必須基準を満たすうえで信用できるも
のであることを確認するために、追加的ステップをとる必要がある。
• 運用報酬に関する情報
3. 会社は、GIPS 準拠資料で提示した各パフォーマンス期間について、コンポジット・レベルのリ
ターンおよびデータの再計算を可能とする十分な記録を保管しなければならない。会社は、コン
ポジット・レベルのリターン計算に使用したシステムおよび方法によって、他の会社とは異なる
記録が必要となるかもしれない。コンポジット・レベルのリターンその他データの根拠となる記
録には、次が含まれる(ただし、本リストはあらゆる事項を網羅したものではない)。
• コンポジットに組み入れられた、およびコンポジットから除外されたポートフォリオ
• 各ポートフォリオがいつコンポジットに組み入れられたか(およびコンポジットから除外さ
れたか)
• 各ポートフォリオのリターン
• 各ポートフォリオ・リターンを資産額加重するために使用された時価(期首時価または期首
時価プラス加重平均キャッシュフロー)
• 各期末おけるコンポジットのポートフォリオ数および資産額
• 散らばりの計算データ
• 運用報酬に関する情報
4. 会社は、ポートフォリオが特定のコンポジットに組み入れられた理由、もしくはすべてのコンポ
ジットから除外された理由の根拠となる記録を保管しなければならない。根拠となる記録には、
次が含まれる(ただし、本リストはあらゆる事項を網羅したものではない)。
• コンポジットの定義、特に、投資一任の定義などコンポジット組入れに関する判断基準に関
するもの
• コンポジットから除外されたポートフォリオおよびその理由
• 運用契約書およびその変更
-2-
• 顧客に提供された要因分析に関する情報等の報告書が、コンポジットへの組入れの判定に使
用された場合には、当該報告書
• 投資戦略の変更に関する顧客との e-メールその他の通信記録
5. 会社は、会社全体で準拠表明を行っていることの根拠となる記録を保管しなければならない。次
の事項を確定するために必要な情報は、保管されるべきである(ただし、本リストはあらゆる事
項を網羅したものではない)。
• 過去および現在の会社の定義
• 報告された各期の会社の運用総資産額
• コンポジットの定義と構築日
• 会社のコンポジットの完全な一覧表とその概略
• 全コンポジットの準拠提示資料とその根拠となる情報
6. 基準 0.A.6 は、次のように規定している。「会社は、適用される GIPS の必須基準のすべてに準
拠し、かつ準拠を維持するために使用される、会社の方針および手続を文書化しておかなければ
ならない。」したがって、会社は、準拠表明を維持するための方針および手続のすべて(現行版・
旧版とも)を保管しなければならない。
7. 会社が、第三者のサービス提供者を使用する場合には、現在および将来にわたり必要な記録が提
供されるよう、十分なサービス・レベルの契約を確保するよう奨励される。会社は、(サブ・ア
ドバイザー、カストディアン、パフォーマンス測定等の)いずれのサービスを提供する第三者を
使用する場合でも、準拠表明の責任を有しており、提供された記録と情報が GIPS の必須基準を
満たしていることを確実にしなければならない。
8. 会社は、準拠表明の根拠となる必要な追加的記録を保管すべきである。そのような記録には、次
が含まれる(ただし、本リストはあらゆる事項を網羅したものではない)。
• 営業資料/顧客等からの質問状(Request For Proposal)への回答
• 外部者によりレビューされたシステムおよび統制に関する報告書(例えば、顧客/カストデ
ィアン向けの会計報告またはその他の内部統制/コンプライアンス報告書)
• 第三者(サブ・アドバイザー、カストディアン、パフォーマンス・データ提供者等)との契
約書
• 取締役会、投資委員会またはコンポジット/GIPS 準拠委員会等の GIPS 基準に関連する意
思決定委員会の議事録
• 顧客との間の運用報酬に関する料率表/契約書
• カストディ・フィーおよび管理報酬を含むフィー・データ
• システム・マニュアル、特に、(リターンその他の開示事項/統計を含む)ポートフォリ
オ/コンポジット報告書を作成するためのシステムに関するもの
-3-
• すべての見込顧客に準拠提示資料を提供するよう努めたことを示す文書
• 要請に応じて見込顧客に次の資料を提供したことを示す文書
i.
会社のコンポジットの一覧表と概要、または
ii.
コンポジット提示資料
• ベンチマークの基礎データ(ベンチマークが一般に提供されていないものである場合)
9. 会社は、GIPS 準拠資料で提示されている各年について、必要と判断する記録のすべてを保管し
なければならない。会社は、基準で必須とされるリターンを再計算する能力を維持できる限り、
ある時点で、保管されたデータ量を削減することが可能であると感じるかもしれない。例えば、
月次の詳細な取引報告書の代わりに、年次のポートフォリオ取引報告書を保管してもよい。必要
に応じてある期間の情報を再生するために、要約された報告書を使用することは可能である。電
子媒体による記録/報告書は、使用してもよい。
発効日
会社は、2007 年 10 月 31 日以降、本ガイダンスを適用しなければならない。GIPS 基準に準拠表
明している会社は、その表明の根拠となる記録を保管することがこれまでも必須とされている。しか
しながら、本ガイダンス・ステートメントは、会社が保管しなければならない特定の記録または文書
を追加するものではない。会社は、本ガイダンスを検討して、過去の文書を見直すよう奨励される。
会社は、発効日前に、本ガイダンスを適用するよう奨励されるが、必須ではない。
適用事例:
1.
当社には、カストディ記録、取引確認書、ポートフォリオ保有銘柄とその評価、取引報告書、
コーポレート・アクション報告書、受取収益報告書、未収収益報告書、およびキャッシュフロ
ー/加重平均キャッシュフロー報告書がある。GIPS基準1.A.1を満たすためには、全ポートフォ
リオ(一任、非一任の両方)について、これらすべての記録を保管しなければならないのか。
いいえ。会社は、全コンポジットについて、コンポジットのパフォーマンス記録を含め、会社
のパフォーマンス提示資料の根拠となる十分な記録を保管しなければならない。こうした記録
には、質問に挙げられているような記録も含まれるかもしれない。会社は、非一任ポートフォ
リオ等、コンポジットから除外されたポートフォリオのパフォーマンス計算の根拠となる記録
を保管することは必須とされていない。しかしながら、会社は、コンポジットから除外された
ポートフォリオがいずれも適正に除外されていることを証明する記録は保管しなければならな
い。会社は、提示した各パフォーマンス期間のすべてのポートフォリオ/コンポジットについ
て、どの記録が必要か判断し、保管しなければならない。
-4-
2.
記録は、どのくらいの期間保管しなければならないか。例えば、当社は、GIPS準拠資料の中で、
大型バリュー株戦略について25年間のトラック・レコードを提示している。当社は、当該戦略
に関する記録を保管し続けなければならないか。
はい。会社は、GIPS 準拠資料に提示された全パフォーマンス期間の根拠となる記録を保管しな
ければならない。質問者の会社が、GIPS 準拠資料で大型バリュー株戦略の 25 年間のトラック・
レコードを提示している場合は、25 年間の全期間にわたる十分な記録を保管している必要があ
る。当該コンポジットが 25 年間のトラック・レコードを有しており、そのうち 15 年間のみが
準拠資料に提示されている場合には、当該 15 年間の根拠となる記録を保管しなければならない。
3.
広告またはマーケティングには使用しないコンポジットがある。当該コンポジットのパフォー
マンスをマーケティングに使用しない場合でも、コンポジット内のポートフォリオの記録およ
びコンポジット自体の記録を保管しなければならないのか。
はい。コンポジットがマーケティングに使用されるかどうかにかかわらず、会社は、そのコン
ポジットすべてについて、コンポジット・レベルのリターン(およびポートフォリオ・レベル
のリターン)の再計算を可能とする十分な記録を保管しなければならない。運用実績のあるフ
ィー(運用報酬)を課す投資一任ポートフォリオから成るコンポジットはすべて、マーケティ
ングに使用されるかどうかにかかわらず、会社のコンポジット一覧表に掲載されなければなら
ない。会社は、見込顧客から要請があるときは、一覧表にあるコンポジットすべてについて、
基準に準拠したコンポジットを提示できるようにしておかなければならない。直ちに提供でき
ない場合は、合理的な時間内にコンポジットを提示すべきである。
4. ある種の記録(例えば、感熱式でプリントアウトされたファックス文書)には寿命があり、多
くの場合、そのような文書は 10 年以上前のものである。このような記録が破損し始め、読めな
くなった場合はどうなるか。
オリジナルの文書を保管する必要はない。テクノロジーの発達で、会社は、記録保管に関する
必須基準を満たすために、紙の文書を電子スキャンする方法をとることができる。
5. 取引チケットは保管しなければならないか。
パフォーマンス記録の根拠として、どの記録が必要となるかは、会社の判断に委ねられる。あ
るケースでは、取引チケットは、パフォーマンス記録の根拠となるデータを確保し、保管する
うえで、有効な資料となるかもしれない。他のケースでは、こうしたデータは他の手段で確保
できるかもしれない。重複する情報の記録は必要ないため、会社は、どの記録を保管するか判
断しなければならない。
6. パフォーマンスの根拠となる記録はある。しかし、その記録は稼動不能なシステムに保存され
ており、記録にアクセスすることができない。これは許容されるか。
稼動不能なシステムに保存されている記録は、会社のパフォーマンス提示の根拠となるデータ
および情報を保管することを必須とした GIPS 基準を満たすことにはならない。
-5-
7. 記録保管の必須基準に関する本ガイダンス・ステートメントには直接的に回答されていない質
問がある。どうすればよいか。
会社は、暫定的にできるだけ多くのデータを保管し、GIPS の Q&A データベースを参照するな
ど、保管すべき最も適切なデータについてアドバイスを求めるべきである。
8. 基準 0.A.6 は、会社が、適用される GIPS の必須基準のすべてに準拠し、かつ準拠を維持するた
めに使用される、会社の方針および手続を文書化しておくことを必須としている。本基準と基
準 1.A.1 との関係はどうなっているか。
基準 1.A.1 で収集・保管が必須とされているデータおよび情報は、基準 0.A.6 で文書化が必須と
されている方針および手続の一部を成すものである。会社は、会社のパフォーマンス提示の根
拠となるデータおよび情報、また、必須基準に要求される計算を行うために必要なデータおよ
び情報を判定しなければならない。こうした情報を判定したうえ、会社は、パフォーマンス提
示資料を作成するために必要なデータおよび情報をどのように収集・保管するか、また、保管
期間について、会社の方針および手続において文書化すべきである。
9. 当社では、GIPS 基準に準拠したグロース・インカム・コンポジット提示において、補足情報と
してリスク調整後リターンを示している。この補足情報の根拠となるデータおよび情報を保管
しなければならないか。
会社は、会社のパフォーマンス提示(必須基準および勧奨基準による)の根拠となるデータお
よび情報、また、必須基準に要求される計算を行うために必要なデータおよび情報はすべて保
管することが必須とされている。補足情報には様々なものがある。会社が、補足情報として提
示したデータおよび情報の根拠となる記録を保管することは、ベスト・プラクティスであると
考えられる。また、会社は、見込顧客に対してまたは広告で提示されるデータおよび情報の記
録保管に関する法規制を考慮すべきである。
10. 本ガイダンス・ステートメントが遡及適用されない理由は何か。
基準設定以来、会社は、パフォーマンス提示の根拠となる必要な記録を保管することが必須と
されている。本ガイダンス・ステートメントは、基準 1.A.1 を満たすために会社が保管してき
た記録を遡って変更するよう求めることは意図していない。本ガイダンスは、会社が GIPS の
記録保管に関する必須基準を満たすために使用すべき文書が他にあるかどうか検討できるよう、
策定されている。
-6-
11. A 社は、GIPS 基準に準拠している。A 社は、準拠の根拠となる記録を過去 3 年分ハードコピー
で保管し、それより古い記録はオフィス・スペースを確保するためにすべて廃棄しており、廃
棄した記録の電子コピーは保管していない。A 社の全コンポジット資料には、5 年間のパフォー
マンス記録が提示されている。A 社は、GIPS 基準に準拠しているといえるか。
いいえ。A 社は、会社の準拠表明の根拠となるデータを保管しなければならない。A 社は、5 年
間のパフォーマンス記録を提示しているので、5 年間のパフォーマンスの根拠となる記録および
会社のコンポジット提示に関するその他すべての関連データを保管しなければならない。GIPS
基準は、会社が 10 年間のパフォーマンス記録を蓄積することを必須としているため、会社は、
10 年間のパフォーマンスの根拠となる記録を保管し続けなければならない。
12. GIPS 基準に準拠した提示資料内の準拠パフォーマンスと非準拠パフォーマンスとでは、記録保
管に関する必須事項は異なってくるのか。
会社は、場合によっては、基準準拠の提示資料において、非準拠パフォーマンスを示すことが
ある。非準拠パフォーマンスが、2000 年 1 月 1 日より前の期間に関するものであることから、
準拠パフォーマンスとともに適切に提示資料に組み入れられている場合には、会社は、当該非
準拠パフォーマンスの根拠となる文書を保管しなければならない。会社は、また、提示資料に
非準拠パフォーマンスが含まれている場合には、その非準拠の内容を開示しなければならない。
会社は、提示資料に含めたい非準拠パフォーマンスについて、その根拠となる記録を持ってい
ない場合には、次のいずれかの方法をとることができる。1) 提示資料から非準拠パフォーマン
スを除外する、もしくは、2) 当該非準拠パフォーマンスを補足情報として提示する。
13. B 社は、倉庫の火災により記録および電子的なバックアップ・システムが破損したため、火災
日より前の会社のパフォーマンス記録について、その根拠となる、必須基準に要求される計算
を行うための情報を持っていない。B 社が GIPS 基準への準拠表明を行うことは不可能か。
GIPS 基準は、会社が、少なくとも 5 年間の GIPS 基準に準拠した年間投資パフォーマンスを提
示することを必須としている。過去 5 年間という必須基準を満たすために、火災日より前の年
を提示資料に含めなければならない場合には、会社は、当該年のパフォーマンス記録の根拠と
なる情報を再現できる限り、準拠表明を行い、パフォーマンス提示資料に火災日より前の年の
パフォーマンスを含めることができよう。例えば、B 社は、そうした記録の複写を持っている
可能性のある顧客、カストディアン、コンサルタント、検証者またはその他の外部者から情報
を得ることにより、必要な情報を再構築することができるかもしれない。会社が、5 年間のパフ
ォーマンスの根拠となるデータを収集できた場合には、その他の必須基準のすべてを満たして
いれば、GIPS 基準への準拠を表明することができる。会社が代替的な情報源から記録を得るこ
とができない場合には、準拠表明を継続するためのいくつかの選択肢がある。その詳細は、質
問 14 および 15 を参照されたい。
-7-
14. GIPS 基準への準拠表明を行っていた会社が、壊滅的な事象により、過去のパフォーマンスの一
部についてその根拠となる記録を持っていない場合には、準拠表明を継続することができるか。
会社は、記録の複写を持っている可能性のある顧客、カストディアン、コンサルタント、検証
者またはその他の外部者から情報を得ることによって、必要な情報を再構築するよう努めるべ
きである。しかしながら、パフォーマンス提示の根拠となる原データまたは必須基準に要求さ
れる計算を行うための原データが、運用者にとって制御不能な極端な状況のために破壊され、
かつ、他の情報源からも得ることができないときは、会社は、そのような期間について記録が
欠落していることを開示する場合には、準拠表明を継続し、パフォーマンスを提示してもよい。
開示事項には、記録が欠落している理由および会社が当該記録を複製できないことを含めなけ
ればならない。例えば、A 社の記録が、その開始から 2002 年 12 月 31 日までの間、運用者に
とって制御不能な極端な状況下で破壊された場合には、会社は、2003 年 1 月 1 日以降の基準に
準拠したパフォーマンスを提示し、かつ、1999 年 1 月 1 日以降 2002 年 12 月 31 日までの期間
の記録が運用者にとって制御不能な極端な状況下で破壊され、他の情報源からもデータを得る
ことができないことを開示することによって、GIPS 基準への準拠を表明することができる。会
社は、また、適用される法規制を検討しなければならず、さらに、GIPS 基準が公正な表示と完
全な開示という原則に基づく倫理的な基準であることを銘記しなければならない。提示される
パフォーマンス情報はすべて、これらの原則に従わなければならない。
15. どのような事象が、壊滅的事象として認識され、記録保管に関する必須基準の適用を除外され
るのか。
壊滅的事象とは、運用者にとって制御不能な状況をいい、洪水や地震のような自然災害が含ま
れよう。自然災害ではないその他の壊滅的事象には、火災またはテロリスト攻撃が含まれよう。
IT システム変更などの会社が制御することが可能な事象は、壊滅的事象とはいえない。
-8-
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