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東南アジア(タイ、ベトナム)に進出を果たした県内企業の現状について
東南アジア(タイ、ベトナム)に進出を果たした県内企業の現状について 商工労働部産業振興課 副主幹 阿久津和司 産業支援技術研究所 上席研究員 大谷大輔 ○ 研修先: タイ王国(バンコク、ナコーンラーチャシーマー県、チャチューンサオ県、チョンブリ県) ベトナム社会主義共和国(ホーチミン市、ビンズオン省) ○ 研修期間:平成24年7月15日(日)~7月22日(日) ○ 課題(目的) 国内市場の縮小や厳しい円高等の影響を受け、国内を事業拠点としているものづくり中小企業におい ては厳しい状況にあり、国内事業所の強みを活かすためにも海外展開・海外市場を視野に入れた新たな 展開が求められている。これら視点に立った産業支援を行うためには、海外の市場動向を把握するとと もに、経済のグローバル化に対応した支援体制が必要とされる。 本研修では、近年、日本企業の海外進出が盛んであるタイ、ベトナムを対象に、海外展開を果たした 県内ものづくり企業の実情について調査し、今後の海外展開・海外市場支援に役立てる。 Y.SHINA(THAILAND)CO.,LTD. オオタ・テクノ・パーク(タイ) SUMITEC VIETNAM CO.,LTD. 考 察 ■タイ、ベトナムに進出したものづくり企業の現状について 両国は、自国にないものづくり技術を持つ外資系企業が進出してくることを歓迎し、税制面での 優遇措置等を設けており、安価な人件費も相まって魅力的な進出先となっている。 ✓ 税制面での優遇措置等は、国の事情により制度が変わることがあるので、海外進出に際して は十分な事前調査が必要 現地従業員に、ものづくり技術を指導しつつ、製造コスト削減や納期短縮を図りながら、品質の 高い製品を作り、付加価値の高いものづくりを行っている。 ✓ 自社にない技術が必要な場合に、パートナーを簡単に見つけにくい課題があるので、グロー バルな視点に立った技術情報の発信が必要 ■海外進出に向けた公的支援の活用について 千葉県産業振興センターや JETRO 等の関連機関の海外進出支援策を上手く組み合わせて活用し、 海外進出に必要な情報やノウハウの入手をきっかけに海外展開を果たしている。 ✓ 海外進出に向けたきっかけ作りや、適切にアドバイスができる体制が必要 ✓ 海外進出後においても、技術面や経営面に対して継続的に相談できる体制が必要 ■海外展開とグローバル人材の確保と育成 両国ともに人材不足に陥っており、従業員を充分に確保するのが難しくなってきている。更に最 低賃金の上昇に加え、従業員の定着率の悪さが大きな課題となっている。 ✓ 従業員に対して、各種コミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが重要 ✓ 技術者・管理者を養成するために、継続した教育や評価制度の導入などの工夫が必要