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海外労働事情(PDF:834KB)

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海外労働事情(PDF:834KB)
海外労働事情
海外労働事情
イギリス
だった。しかし労働者研究所は
労働者の集団的代表制の中心
に位置してきたのは労働組合
難しい。
動にさまざまな組織が集う姿も
二〇一一年九月にニューヨー
クで始まったウォール街占拠運
いるのである。
労働者研究所はこのような新
しい集団的代表制のかたちを包
世帯)の比率は前年から〇・八
者が一人もいない世帯(非就労
表した。就労年齢層(一六 六
四歳)を含む世帯のうち、就労
英国統計局は八月、世帯毎の
就業状況に関するレポートを公
就労者のいない世帯が減
少―統計局調査
労働組合だけに焦点をあててい
組織改編の契機の一つになった。
安全衛生などを確保することが
まず、その目的が「労働組合
リーダーの育成」から、「研究者、
るのではない。対象者を労働組
ンプルなものになる。
教育関係者、学生を労働組合、
合関係者以外に拡大しただけで
括することを当初から意識して
企業関係者、政策担当者などの
こととし、事業を組み立ててい
労働者研究所は集団的代表制
の維持を民主主義の原点を守る
帯の減少について、近年の給付
加傾向にある。政府は非就労世
者と失業者が混在する世帯が増
なった。一方で、全員が就労し
ワーカーセンターはアメリカ
で労使間の団体交渉を規定する
る。
るとしている。
民主主義の原点としての集団
この名称となった背景には次
の二つの理由がある。
実務家とつなぎ合わせる」こと
なく、ワーカーセンターやヨー
法律である全国労働関係法で認
その内容は、労働組合が特権
的で不当に高給を得ているとい
非就労の理由は障がい・傷病、
ロッパにおける労使共同決定の
コーネル大学が労働者の
集団的代表制のイノベー
ションを追求
コーネル大学労使関 係 ス ク ー
ルは労働組合リーダー を 対 象 と
へと大きく変化したことである。
められる労働組合ではない。し
う偏見を覆すといった事実調査
それに伴い、対象者も労働組合
それは、民間企業で労働組合
の組織化を防ごうとする動きが
たがって、合法的な団体交渉を
を行うことや、ニューヨーク市
失業、退職など
実施してきた。このプ ロ グ ラ ム
拡大していることや、低賃金で
行うことができない。組織する
のオフィスビルの省エネルギー
ている世帯についても〇・三ポ
反映する。ウォール街 占 拠 運 動
のは、日雇いや個人請負、家内
工事をした場合の損益計算と雇
レポートは、一九九六年以降
の各年四 六
- 月時点の世帯にお
ける就労年齢層の状況をまとめ
おける就労年齢層の全員が就労
制度改革の成果を示すものであ
イント減の五三%となり、就労
にみられる格差撤廃を 求 め る 声 、
不安定( Precarious
)な労働者
の増大、州政府公務員労働組合
労働者、中小零細企業の従業員
用創出効果などの調査を行うほ
ている。これによれば、世帯に
的代表制の維持
労働組合組織率の低下 と 集 団 的
の権限を法制化によって削り取
など従来の労働組合が組織化を
か、従来型の集団的代表制を超
仕組み、国際的な連携の在り方
代表権を持たない労働 者 の 増 加
ろうとする動きが全米中に拡大
躊躇してきた労働者だ。彼らは、
えるイノベーションに取り組む
関係者以外に拡大した。
――。これらには、労 働 組 合 の
していることなどである。使用
メディアを利用した抗議活動や
を改編することが八月 一 六 日 に
ない企業に労働組合を つ く り 、
者に対して弱い立場にある労働
訴訟などを活用したり、合法的
といったことなどである。
も視野に入れる。
団体交渉権を確立する と い う 方
者個人の声を集団的に代弁する
次いで、社会情勢の変化があ
る。
向だけでは問題を解決 す る こ と
仕組みが深刻なほど弱められて
な団体交渉を行うことができな
労働者研究所は、労働者の声
を代弁する集団的な代表制が不
るのである。この動きはアメリ
異なる新しい方向をめざしてい
かである。従来の労働組合とは
コ ー ネ ル 大 学 ウ ェ ブ サ イ ト Chronocle
Onlin "ILR School Worler Institute
hopes to inform public policy and
strategic innovation" Aug 21, 2012
"Cornell ILR School Lanuching Institute
to Link Labor Educators, Practitioners"
Aug 16, 2012
(国際研究部 山崎 憲)
なっており、とくに一方が非求
〇世帯増加して五九七万世帯と
世帯は、前年から二四万六〇〇
職もしていない者)が混在する
者と非就労者(失業者または求
と な っ た( 図 1)。 ま た、 就 労
期比で三万六〇〇〇世帯の減少
六
- 月時点で一〇八九万一〇〇
〇世帯と全体の五三%、前年同
している世帯は、二〇一二年四
いると「労働者研究所」はみて
くとも、協力的な経営者を探し
可欠であると主張する。それが
カのみならず各国で拡大中であ
【参考資料】
いる。
合法的な団体交渉を行うことが
できる労働組合への道を進もう
て協議するなどの方法をとる。
組織改編の背景
集団的代表制の新しいかたち
なければ、人間らしい生活を維
る。
を包括
持するための労働条件の獲得や
とするワーカーセンターはわず
)
」
の改編だ。
Leadership Institute
九月一二日にスタート す る そ の
労働者の民主的な参加、職場の
ILR School's Union
組 織 の 名 称 は、「 労 働 者 研 究 所
所(
( Worker Institute
)」というシ
「労働組合リーダーシ ッ プ 研 究
組合リーダー育成を目 的 と し た
コーネル大学労使関 係 ス ク ー
ルが打ち出しているの は 、 労 働
ている。
その内容は近年のア メ リ カ の
混沌とした労働市場の 在 り 方 を
が難しくなったことが あ ら わ れ
公表された。
ポイント減少して一七・九%と
する一年間の教育プロ グ ラ ム を
アメリカ
42
Business Labor Trend 2012.10
者、または失業者と非 求 職 者 )
失業者を含む世帯(全 員 が 失 業
程度(九三万一〇〇〇 世 帯 ) が
〇〇〇世帯となった。 う ち 二 割
非就労世帯は、前年 か ら 一 五
万三〇〇〇世帯減の三 六 七 万 六
る。
職者の世帯が顕著に増 加 し て い
ないと回答している。
臨時の仕事を除く)したことが
で一度も就労(ボランティアや
一・三%)は、構成員がこれま
二六万五〇〇〇世帯(全世帯の
(2)
。 な お、 非 就 労 世 帯 の う ち
つれて比率が急速に減少する
また、子供の年齢が高くなるに
九%からは大きく減少している。
から離脱しているとみられる。
四四%を五〇 六
- 四歳層が占め
ており、こうした層が早期退職
就労世帯に属する就労年齢層の
げている。年齢階層別には、非
人(一一%)が就学を理由に挙
の看護・家事、五四万三〇〇〇
万九〇〇〇人(一五%)が家族
〇〇人(一八%)が退職、七七
(二一%)が失業、九〇万五〇
直近の雇用関連統計は、雇用
状況の改善を示している。二〇
成長なき雇用改善
べている。
ることから、非就労者に適正な
経済は引き続き困難な状況にあ
た」と成果をアピールしつつ、
より多くの人々が仕事に就い
政府による給付制度改革の結果、
グレイリング雇用担当大臣は
非就労世帯の減少について、「現
している。
整理解雇が始まる可能性を示唆
かとして、今後そうした人員の
行っていることが一因ではない
出を恐れて余剰労働力の保蔵を
クのCIPDは、企業が人材流
見方が強い。例えばシンクタン
で、こうした世帯は不 況 以 降 は
また、非就労世帯に属する就
労 年 齢 層 の 構 成 員 の う ち、 二
なお統計局によれば、退職や就
就業支援を行う必要があると述
増加傾向にあるが、残る大半(二
学を理由に就労していない世帯
や健康上の理由などで労働市場
七四万五〇〇〇世帯) は 非 労 働
九%にあたる一四四万五〇〇〇
0.0
300
図2 フル・パートタイム被用者及び自営業者の対前期増減(千人)
200
-100
フルタイム被用者
パートタイム被用者
-200
自営業者
-300
六
- 月期の就業者数は
前期から二〇万一〇〇〇人増の
二九四七万六〇〇〇人となり、
(国際研究部)
Office for National Statistics, CIPD, The
、 Financial Times 各 ウ ェ
Guardian
ブサイト
【参考資料】
は 七 歳、 さ ら に 二 〇 一 二 年 五 月 以
降は五歳となっている。
五 一- 〇 歳 で 三 五 %、 一 一 一
-五歳
で二三%、一六 一
-八歳で一六%に
減 少 す る( な お、 カ ッ プ ル 世 帯 で
は〇 四
- 歳 で 六 %、 一 六 一
-八歳で
三%)。一人親に対しては、世話の
必要な子供が一定年齢に達する年
ま で、 低 所 得 層 向 け 給 付 の 受 給 が
認 め ら れ、 求 職 は 免 除 さ れ る。 た
だ し、 子 供 の 年 齢 の 上 限 は 近 年 急
速 に 引 き 下 げ ら れ て お り、 二 〇 〇
八 年 に は 一 二 歳 で あ っ た が、 二 〇
〇 九 年 に は 一 〇 歳、 二 〇 一 〇 年 に
[注]
1 学 生 や、 世 話 の 必 要 な 子 供( 一
六歳未満、または一六 一
-八歳で未
婚かつフルタイム就学中の子供)
を 持 つ 一 人 親 な ど、 求 職 し て い な
い層。
2 子供の年齢が〇 四
-歳の一人親世
帯 で は 五 九 % が 非 就 労 世 帯 だ が、
人が障がいや健康上の問題を理
非就労世帯
ほぼ四年ぶりの水準に回復して
いる。また失業率も、前期から
〇・二ポイント下降して八%
(失
業者数は対前期比四万六〇〇〇
人減の二五六万四〇〇〇人)と
なった。昨年後半の大きな落ち
込みから、パートタイム雇用や
自営業者ばかりでなくフルタイ
ム雇用にも回復の傾向がみられ
る( 図 2)
。この間の失業者の
減少がロンドンに集中しており、
飲食店スタッフや清掃、警備な
どのテンポラリー雇用で一〇万
人強の増加があったことから、
オリンピック関連の雇用拡大も
寄与しているとみられる。既に
昨年から経済が縮小傾向にある
中で、相応の雇用の悪化が生じ
ていないことに専門家は首を傾
げつつ、今後も顕著な景気回復
は見込めないとの予想から、雇
用状況は再び悪化に転じるとの
Business Labor Trend 2012.10
必要な子供を持つ一人 親 世 帯 で
10.0
力 層(1)
の み の 世 帯 だ。 世 話 の
20.0
100
一二年四
就労者・非就
労者混在世帯
を除く非就労世帯数は二九二万
50.0
43
30.0
由に就労していないと回答して
就労世帯
は、非就労世帯の比率 が 三 七 %
40.0
世帯だ。
60.0
いるほか、一〇三万一〇〇〇人
図1 就労・非就労世帯比率の推移
(%)
と 高 い が、 一 九 九 六 年 の 五 一 ・
Jan-Mar 2008
Apr-Jun 2008
Jul-Sep 2008
Oct-Dec 2008
Jan-Mar 2009
Apr-Jun 2009
Jul-Sep 2009
Oct-Dec 2009
Jan-Mar 2010
Apr-Jun 2010
Jul-Sep 2010
Oct-Dec 2010
Jan-Mar 2011
Apr-Jun 2011
Jul-Sep 2011
Oct-Dec 2011
Jan-Mar 2012
Apr-Jun 2012
海外労働事情
対する社会的評価が欠如してい
視性に欠ける点や、家事労働に
ILO一八九号条約の最低要件
る点などから、家事労働者には
を満たしている。しかし、職場
る。例えば家事労働者は少なく
通常よりも特別の保護が必要だ
ろう。
とも連続二四時間の週休を得る
ろう。
(3)労働時間
権利があり、待機時間も労働時
おり、高齢化の進展に伴って家
間として見なされる。労働時間
条約批准によって議論の活発
事労働者の数は増加すると予測
調査の結果、ドイツの法律は
「個人世帯における家事労働者
については、ILO一八九号条
化を
働 者 の た め の デ ィ ー セ ン ト・
択した。
について、他の従属的労働者と
約の要求水準を上回っている。
ワ ー ク に 関 す る 条 約( 一 八 九
しかしドイツは現在までのと
ころ、この条約を批准していな
同じ権利を認める」とするIL
(4)報酬
ドイツ①
家事労働者の法的保護の
現状―ILO条約との関
連で調査
い。そのため、ハンスベックラー
Oの最低履行条件を満たしてお
以上のように、法律上は家事
労働者も通常の労働者も、ほぼ
が個人の家庭内にあるために可
ハンスベックラー財 団 は 今 年
八月、国際労働機関( I L O )
財団がヴィアドリア欧州大学の
り、現行法を緊急に改正しなく
している。
一八九号条約「家事労 働 者 の た
エヴァ・コッヒャー法学教授に
号)」、および付属する同名の勧
めのディーセント・ワ ー ク に 関
委託し、批准の可否に関する家
家事労働者の賃金については、
家事手伝い連合会(
家事労働者は、ドイツの一般
的な労働時間保護の適用を受け
する条約」の要請に対 す る 国 内
ともILO一八九号条約の批准
が可能であるが、実際にはいく
国内法の保護の現状
法の適合状況について 調 査 し た
事労働者の法的予備調査を行っ
し、実証調査によると、「家事労
働者であるように見える。しか
た。
告(二〇一号)を賛成多数で採
結果を発表した。それ に よ る と 、
ドイツの国内法はIL O の 要 請
) と 食 品・ 飲 料 労 組( N
bund
GG)が締結した賃金協約が存
すべての権利と保護を有する労
在する。法定最低賃金について
働の多くは、法的報告義務が果
Hausfrauen-
であることがコッヒャー教授に
たされておらず、おそらくその
つかの点でさらなる改善が必要
よって提示された。家事労働者
は、介護業務部門にのみ存在す
ほかの使用者義務も果たされて
基準を満たしているが 、 い く つ
家事労働者、約二〇万人
の法的保護の現状は次の通りで
る。また、ドイツの法律では、
2009年
かの改善が必要と結論 付 け て い
る。
ドイツ連邦統計局によると、
二〇一〇年の個人世帯における
使用者が金銭報酬に代わって現
して、同教授は、重大な法律違
ある。
反に関する具体的な容疑がある
(1)一般原則
場合には、使用者の了承を得ず
家事労働者数は約二〇万八〇〇
世帯で雇われている介護労働者
に住居内に立ち入ることができ
〇人で、その大部分は女性であ
の多くは、未登録で表に出てお
る「干渉権の行使」を一つの解
条約批准の可否に関 し 調 査 へ
らず、公式に把握されていない
決策として示している。
いない」とコッヒャー教授は推
法の適用を受けることができる。
可能性がある。
また、ILO一八九号条約の
批准については、「むしろ批准す
測している。そのための対策と
これは外国人労働者についても
(5)社会保障
ることで、関連議論を活発化さ
物支給をするのを制限しており、
当てはまるが、出身国からドイ
僅少労働(ミニジョブ)で家
事労働をしている者は原則とし
せ、関係者全員の明確な自覚を
る( 図 )。 コ ッ ヒ ャ ー 教 授 は、
ツに一時的に派遣されている場
て他の僅少労働者と同様に取り
促し、家事労働者の実質的な状
ILOは昨年六月の 総 会 で 、
これまで「労働者」と し て 保 護
合には適用されないこともある。
扱 わ れ る(注)
。 た だ、 分 担 金 額
況改善につながる」と結論付け
ILO一八九号条約の要求水準
(2)労働安全衛生
に若干の相違があるため、批准
ている。
家事労働者の多くは女性であ
るが、いくつかの例外を除き、
労 働 安 全 衛 生 法( Arbeitssi) は、 家 事 労 働
cherheitsgesetz
者には適用されない。ILO一
した場合は、規定の一部を廃止
女性労働者の保護に関する労働
八九号条約は「家事労働の特別
する必要があるかもしれない。
家事労働者のうち介護従事者が
な事情」の考慮を認めており、
かなりの数を占めていると見て
批准を妨げるものではないが、
(6)乱用、虐待、暴力に対す
されてこなかった「家事労働者」
条約批准後は、家事労働者に対
る保護
の 労 働 者 の 負 担 分 が 免 除 さ れ る( 使
ミ ニ ジ ョ ブ と は、 収 入 が 月 四 〇 〇
ユ ー ロ 以 下 で、 所 得 税 と 社 会 保 険 料
[注]
する労働安全衛生上の保護を他
乱用、虐待、暴力に対する保
護について、ドイツの法律は、
に適合させていくことが必要だ
の労働者と同等水準まで段階的
を労働基準の枠内にお く こ と を
資料出所:Statistische Bundesamt
を上回っている。ただ、個人の
決定し、条約を採択し た 。
一つもしくは複数の 世 帯 の 中
で、育児・介護・家事 な ど を 行
191,000
女性
う家事労働者は、未登 録 の 場 合
も多く、把握が難しい が 、 世 界
全体で五三〇〇万人か ら 一 億 人
いると推計されている 。
家事労働者の多くは 女 性 で 、
移民労働者も多く、雇 用 ・ 労 働
(人)
200,000
150,000
100,000
50,000
0
条件の点で差別や人権 侵 害 な ど
11,000
男性
を受けやすい弱い立場 に あ る こ
12,000
男性
とがわかっている。
そのため、ILOでは、「家事
労働者は、召使いでも 家 族 の 一
員でもなく、労働者で あ る 」 こ
図 ドイツの家事労働者の数(男女別)
Business Labor Trend 2012.10
44
とを明確にするために 「 家 事 労
197,000
女性
2010年
海外労働事情
海外労働事情
相違がある。
活用されていない潜在的労働
力は、部分的に男女でかなりの
は女性が大半
パートタイムの潜在的労働力
の割合が二倍以上高かった。
西部地域の一四・三%よりもそ
する者の割合は三一・七%で、
域でより長時間働きたいと希望
パートタイム女性でも、東部地
い な い が、 同 じ 不 完 全 労 働 の
万人)
。 な お、 表 に は 示 さ れ て
可能性がある。
労働力の活用が重要な鍵となる
良好な経済状況を追い風に人
手不足が懸念されているドイツ
わずかに女性の方が多かった。
性は四五%(五二・八万人)と、
は 五 五 %( 六 四・ 一 万 人 )、 男
このほか、「静かな予備軍」は
一一六・八万人だったが、女性
五万人とカウントしている。
能」と「就業可能であるが一時
例えば、より長い労働時間を
希望している「不完全労働者と
こうした地域の相違について
連邦統計局は、東部地域のパー
(
19,186
9,950
2,501
1,407
1,095
42,139
22,745
19,394
不完全労働者
3,695
1,806
1,889
パートタイム
(注2)
1,962
549
1,414
フルタイム
(注2)
1,732
1,257
475
静かな予備軍
(Stillen Reserve)
1,168
528
641
就業意欲はあるが、その時点で短期的に就業不可能
578
285
293
就業可能であるが一時的に求職していない
590
243
348
その他の非就業者
19,723
8,164
11,559
非就業者
(注4)
20,892
8,692
12,200
7,365
3,740
3,624
用 者 は 免 除 さ れ ず、 三 割 分 を 負 担 す
る)制度である。
的に求職していない」の二つの
してのパートタイム」は、一九
トタイム女性の場合、フルタイ
さらに、「就業意欲はあるが、
その時点で短期的に就業不可
非 就 業 者 を「 静 か な 予 備 軍
六・二万人いたが、そのうち七
29,137
【参考資料】
)」 と 命 名 し、
Stillen Reserve
その数を一一六・八万人とはじ
二%(一四一・四万人)は女性
ムを希望しながら仕事を見つけ
8,349
フルタイム
(注2)
理由によって自発的にパートタ
イムを選択しているケースが多
いと分析している。そのため西
部地域の女性がパートタイムに
就いている場合、より長い労働
時間を希望することは稀で、そ
れが地域差につながると見られ
ている。
派遣労働者数が二年連続
で増加―経済・金融危機
後の急落から回復基調
フランス①
(国際研究部)
― der in Wirtschaft und Statistik,
2010
Heft 04/2012".
Statistisches Bundesamt Pressemitteilung
Nr. 279 vom 15.08.2012, Arbeitsmarkt
kurz erläutert, "Ungenutztes
Arbeitskräftepotenzial in der Stillen
Reserve - Ergebnisse für das Jahr
【参考資料】
では、今後はこのような潜在的
いている。
である。
トタイムになっているケースが
2,152
万人を合計した七三六・五万人
10,501
) "ILO-Konvention
Eva Kocher(2012
über Hausangestellte", Böckler Impuls
Ausgabe 12/2012, ILO Press release |
16 June 2011
以上の「不完全労働者」「静か
な予備軍」に失業者二五〇・一
ほかにも、不完全労働のパー
トタイム女性の数は、フルタイ
多いが、西部地域の女性の場合、
単位:千人
ドイツ②
を「活用されていない潜在的労
ム女性(四七・五万人)よりも
ドイツ全体
ることが出来ず非自発的にパー
働力」としている。
表 活用されていない潜在的労働力(2011年労働力調査より)
活用されていない潜在的
労働力が七三六・五万人
に―連邦統計局分析
育児やその他の個人的な家庭的
注1 基礎兵役者および
(兵役代替としての)社会奉仕者を除く。
注2 パートタイムとは週31時間未満で働く者を指す。週32時間以上はフルタイムとする。
注3 就業可能者とは
「就業者」と「失業者」の総数である。
注4 非就業者は、
「静かな予備軍」と「その他の非就業者」の総数である。
資料出所:Statistische Bundesamt
三倍以上多かった(一四一・四
18,299
パートタイム
(注2)
連邦統計局は八月一 五 日 に 発
表した労働力調査分析 で 「 活 用
31,594
21,339
されていない潜在的労 働 力 」 の
数を計算している。現 状 よ り も
長時間働く希望を持つ 労 働 者 、
就業可能だが求職して い な い な
31,437
39,638
活用されていない潜在的労働力合計
どの非就業者、それに 失 業 者 を
63,031
就業者
就業可能者
(注3)
加えると、その数は二 〇 一 一 年
15歳から74歳までの者
(注1)
失業者
女性
男性
合計
15歳から74歳
には七三六・五万人に 達 す る と
いう(表)。
フルタイムは逆に男性が主流
万人)が男性である。その割合
うち、ほぼ七三%(一二五・七
る一七〇万人の不完全労働者の
一週間増)であった。また、フ
の平均は一・八週間(前年比〇・
の派遣労働に従事し、派遣期間
六八〇万件
(前年比七・三%増)
年の一年間に、二一〇万人が一
(1)
の発表に
フランス労働省
よると、経済危機で落ち込んだ
は東部よりも西部で高い。ただ、
ルタ イム労働者 数換算(3)
の派
一方、「フルタイムにおける不
完全労働」は、前述のパートタ
ここで考慮しなければならない
遣労働者数は、五七万六一〇〇
連続で上向いている。二〇一一
点は、フルタイムにおける不完
人であり、これは前年の五二万
フ ランス の派遣労働(2)
が二年
全労働者は、その大部分が「数
七一〇〇人から九・三%増加し
イムとは異なり、男性が主流と
時間だけ労働時間が増えるのを
なっている。フルタイムにおけ
希望」していることである。
Business Labor Trend 2012.10
不 完 全 労 働 者 は 合 計 三 六 九・
五万人
調査は、まず就業者 を パ ー ト
タイム、フルタイムに 分 け て 、
それぞれで、今より長 い 労 働 時
間での就業を希望して い る 労 働
者を「不完全労働者」 と の 概 念
で括っている。それに よ る と 、
不完全労働者の数は、 パ ー ト タ
イム総数一〇五〇・一 万 人 の う
ち一九六・二万人、フ ル タ イ ム
総数二九一三・七万人 の う ち 一
七三・二万人で、合計で三六九・
45
海外労働事情
たことになる。とくに 、 製 造 業
や建設業で派遣労働が 増 加 し た 。
フランスにおける二〇一一年
の派遣労働者数は、フルタイム
月以下なのに対して、七カ月以
上が一〇人に一人であった。
ブルーカラー派遣数、依然とし
て低水準
契約数は、およそ一六 八 〇 万 件
フランスで二〇一一 年 の 一 年
間に締結された派遣労 働 の 雇 用
三%の増
フ ル タ イ ム 換 算 で 前 年 比 九・
年以降のフルタイム労働者換算
の増加が続いている。二〇〇四
いものの、依然として派遣労働
の前年比一七・八%増に及ばな
三%増)であった。二〇一〇年
べて四万八九〇〇人の増加
(九・
〇〇人であり、これは前年と比
める。次に多い産業が、一九万
り、これは全体の約四五%を占
同じ)で二六万一〇〇〇人であ
ム労働者数換算(以下の数字も
年の派遣労働者数は、フルタイ
いる。同産業における二〇一一
産業別では、製造業において
最も多く派遣労働が利用されて
と比べると、平均契約期間は短
以前の二〇〇七年の一・九週間
しかしながら、経済・金融危機
( 二 〇 一 〇 年 は 一・ 七 週 間 )
。
日増加し、一・八週間となった
二〇一一年の派遣労働の平均
契約期間は、前年よりおよそ半
平均契約期間は一・八週間
) で あ っ た。 前 年 比 で
qualifiés
熟練現場労働者が一四・四%増、
般事務職( employés
)、
四一・四%
が 熟 練 現 場 労 働 者( ouvriers
の職業階級)
、 一 二・ 二 % が 一
=上級管
sions intermédiaires
理職と一般職・現場労働者の間
二〇一一年の派遣労働者(フ
ルタイム労働者数換算、以下同
で、 前 年 比 一 一 〇 万 件 の 増 加
数の推移については図を参照。
五〇〇〇人のサービス業(第三
い。二〇一一年に締結された契
年比一一・五%増)や 運輸・
「
倉庫業 (
、 科
」同五・三%増)
「
学・技術関連業 (」同四・三%増)、
(七・三%増)だった 。 ま た 、
次産業)で三四%を占めている。
約の四六・〇%は一週間以下の
労 働 者 数 換 算(3)
で五七万六一
民間企業(一部の公営 企 業 も 含
性別でみると、六五%が男性
であり、三五%が女性であった。
さらに、建設業の一一万七六〇
500
450
profes-
業における増加率は、前年と比
二〇一一年の製造業とサービス
まり、八二・二%は、二週間以
間以上二週間未満であった。つ
大きな伸びを示したが、非熟練
中間職で一二・四%増と比較的
一一年の(上級)管理職及び中
二〇一一年の
一年間に、少な
間職、一般事務職の派遣労働者
労働者と一般事務職では、それ
( 二 〇 一 〇 年 に は 四 七・ 五 %)
、
数は、経済・金融危機以前の二
ぞれ六・三%、〇・三%の増と
一週間以上二週間以下のそれの
〇〇七年の水準に近づいた(こ
下の契約期間であった。ただ、
比率がやや上昇した(二〇一〇
数の合計は、二〇〇七年に一三
二〇一〇年と比べると一週間以
年には三四・八%)。
万三六〇〇人、二〇一一年に一
べて低かったのに対して、建設
二〇一一年に製造業で締結さ
れた派遣労働の労働契約は六四
二 万 七 三 〇 〇 人 で あ っ た )。 そ
業では前年より高い水準にあっ
他の工業製品製造業 で
」 増加率
が高く、前年比、それぞれ三五・
五万件で、一件当たりの契約期
れに対して、二〇〇七年に二四
くとも一度は就
一%、二二・四%、一五・三%
間は、平均二・一週であった。
万八〇〇〇人であった非熟練現
労した派遣労働
ら、引き続き増
の増であった。二〇一〇年の前
建設業では二三三万件の契約が
場労働者は、二〇一一年に二一
小幅な伸びにとどまった。二〇
えている。二一
年比についても、これらの製造
締結され、平均契約期間は二・
万一〇〇人、同様に、二〇〇七
下の契約の比率が若干低下し
〇万人のうち少
業で大きく増加していた。ただ、
六週であった。サービス業では、
年に二五万六二〇〇人であった
た。
なくとも四回以
経済・金融危機以前の二〇〇七
七九六万件の契約が締結され、
者の数は、二一
上契約したのは
年の水準までは回復してはいな
平 均 の 契 約 期 間 は 一・ 三 週 で
〇万人で二〇〇
五四%、一回の
い。これらの製造業は、二〇〇
熟練現場労働者数は、二〇一一
の一九〇万人か
人、二〇一〇年
九年の一七〇万
みは二二%だっ
八年から二〇〇九年にかけて大
あった。
労働者(ブルーカラー)は、経
年に二三万八七〇〇人と、現場
れらの三職業階級の派遣労働者
た。
きく減少した。
月であり、その
半数は一・六カ
「 政サー
サービス業では、 行
ビス・教育・医療・福祉 (
」前
就労期間は、
平均で二・六カ
「
製造業のうち、とくに、 輸
送用機器製造業 や 電気・電
」
「
子 機 器・ 機 械 製 造 業 、
」 そ
「の
)
、 三 六・ 五 % が 非 熟
qualifiés
練 現 場 労 働 者( ouvriers non
で、八・一%が中間職(
八%が(上級)管理職( Cadres
)
じ)を職業階級別にみると、一・
む)の賃金労働者に占 め る 派 遣
フルタイム労働者数換算の労働
〇人で二〇%を占める(それ以
550
商
「業 (
」 同 三・ 五 % 増 ) な ど
の増加率が、とくに高かった。
労働者の比率は三・二 % で 、 前
時間では、男性が七二%である
製造業・建設業で増加
年の三・〇%より〇・ 二 ポ イ ン
一方で、女性が二八%を占めて
200
2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
ト上回った。さらに、 契 約 期 間
250
は平均一・八週間で、 前 年 よ り
300
(上級)管理職が一三・二%増、
350
契約期間で、三六・一%は一週
400
外は、
農業の二五〇〇人である)
。
600
いるという結果であった。
650
Business Labor Trend 2012.10
46
千人
700
〇・一週間伸びた。
図 派遣労働者数の推移
派遣会社によるものである。
[注]
1 正式には、労働・雇用・職業訓練・
労 使 対 話 省( Ministère du Travail, de
l'Emploi, de la Formation
Professionnelle et du Dialogue
) であ るが、 こ こで は、 労 働
Social
省 と 記 す。 省 の 正 式 名 称 は、 大 臣
の 所 轄 分 野 に 応 じ て、 し ば し ば 変
更される。
2 フ ラ ン ス に お い て 派 遣 労 働
( travail temporaire, intérim
) は、 一
時的な職務の遂行のために締結さ
れ る 雇 用 契 約 で あ る。 労 働 者 の 雇
用 及 び 賃 金 の 支 払 い が、 就 労 先 企
業 で は な く、 一 時 就 労 登 録 会 社 に
よ っ て 行 わ れ る。 し た が っ て、 こ
の intérim
は、 日 本 の「 派 遣 」 に 近
い 雇 用 形 態 で あ る。 た だ、 こ の
は、 請 負 と 明 確 に 区 別 さ れ
intérim
た概念ではない。このレポートでは、
の失業者のうち過去一カ月間に
フランス労働省の八月二七日
の発表によると、フランス本土
十分に実施されていないとして
の教育訓練を提案しているが、
性を訴えている。求職者のため
に達しており、緊急対策の必要
T)は、失業率は危機的な水準
ランス民主労働総同盟(CFD
る。これに対して、主要労組フ
幅な増加に取り組む」としてい
構造的な改革を行い、雇用の大
労働省はこの発表に対して
「短期的な緊急対策とともに、
わかる(図2)
。
伸び率が高くなっていることが
年齢別では若年者と高年齢者の
となっている。男女別では男性、
歳以上が一・七%
(同一六・三%)
一・ 二 %( 同 六・ 四 %)
、五〇
三 %)
、二五歳かから四九歳が
となった。
〇・二ポイント上昇し六・七%
上昇し九・〇%、五〇歳以上も
歳から四九歳で〇・一ポイント
イント上昇し二二・七%、二五
別では、二五歳未満で〇・三ポ
上昇し一〇・〇%だった。年代
に対し、女性は〇・四ポイント
イント低下し九・五%だったの
見ると、男性が前期比〇・一ポ
来の高水準となった。男女別に
半期連続で、一九九九年第3四
だった。前期比での悪化は4四
〇・一ポイント上昇し九・七%
月)の本土の失業率が前期比で
二〇一二年第2四半期(四~六
期に一度の失業率の発表があり、
研究所(INSEE)から四半
( h t t p : / / w w w. j i l . g o . j p / i n s t i t u t e /
)
reports/2004/documents/L-1.pdf
保原喜志夫(一九八四)「オルー法と
フランス労働法の新展開」﹃日本労
働協会雑誌﹄日本労働協会、二六巻、
三七~四九
七号、 pp.
三富紀敬(一九八六)﹃フランスの不
安定労働改革﹄ミネルヴァ書房
まったく仕事をしなかった完全
いる。緊急対策の具体的な中身
失業者が一五カ月連続で
増加して三〇〇万人に
半期(七~九月)の九・九%以
失業者(カテゴリーAの求職者
フランス②
数(1)
) が、 七 月 末 時 点 で 二 九
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
済・金融危機以前と比 べ て 、 依
然として低い水準にあ る 。
非熟練・男性・若年 者 で 高 い
水準
賃金労働者に占める 派 遣 労 働
は、製造業において七 ・ 六 % で
あり、この数値は前年の六・七%
から上昇している。建 設 業 の 比
率は七・九%で、前年の七・三%
から上昇した。サービ ス 業 で の
比率は一・五%で、前 年 と 変 化
はない。
また、就業する賃金 労 働 者 に
対する派遣労働者の割 合 を 職 業
別にみると、非熟練現 場 労 働 者
が一一・八%であり、 熟 練 現 場
労働者が七・〇%であ り 比 較 的
[注]
1 積 極 的 な 求 職 活 動 を 行 な っ て い
図2 失業者数(カテゴリー A)の男女別推移(2011年2月~ 2012年7月)
高い。それに対して、 一 般 事 務
はまだ明らかにされていない。
2.6
八万七一〇〇人となった。前月
2.7
職は一・三%、中間職は一・一%、
2.8
なお、フランス国立統計経済
2.9
比で四万一三〇〇人の増加、伸
3.0
(上級)管理職は〇・ 三 % と 低
百万人
3.1
び率にして一・四%増加、前年
図1 失業者数(カテゴリー A)の推移(2011年2月~ 2012年7月)
い水準にある。さらに 、 男 女 別
同月比では八・五%増加したこ
男性
とになる。この増加は、二〇〇
1.5
を派遣労働と訳している。
intérim
3 Volume de travail en équivalents= 全派遣労働
emplois à temps plein
者の派遣労働者としての就業週数
の 総 計 を 五 二 週 で 除 し た も の、 す
な わ ち、 派 遣 労 働 者 が、 年 間 を 通
じ て、 フ ル タ イ ム で 派 遣 労 働 者 と
して就業していたと仮定した場合
百万人
では、男性の賃金労働 者 の う ち 、
九年四月以来最大であるととも
1.6
派遣労働者の比率は四 ・ 四 % で 、
の労働者数。
Business Labor Trend 2012.10
に、前月比での失業者増加は一
五 カ 月 連 続 と な っ た( 図 1)
。
この発表後、サパン労働相は九
1.2
女性の一・九%より高 い 水 準 に
L'intérim en
月二日に出演したラジオで、フ
ランス本土(海外県を除く)の
完全失業者が三〇〇万人を突破
したとの認識を示した。
1.3
【参考資料】
( Dares
) ︽,
FINOT Jean
︾ , Dares
2011 : croissance soutenue
Analyses, 2012-042, Dares du
Ministère du Travail, de l'Emploi et de
la Santé, 2012
大山盛義(一九九九)「労働者派遣法
制 の 研 究( 一 ) フ ラ ン ス 法 と 日 本
法を中心に」﹃東京都立大学法学会
男女別に増加率を見ると、男
性が前月比一・八%(前年同月
比九・七%)である一方で、女
性が一・〇%(同七・三%)増
加している。年代別の増加率で
は二五歳未満が一・七%(同七・
女性
1.4
ある。年齢階級別では 、 若 年 層
(ただし、二〇歳未満 を 除 く )
ほど比率が高い。二〇 歳 以 上 二
五歳未満の年齢層では 、 賃 金 労
働者の九・六%が派遣 労 働 者 で
あったのに対して、五 〇 歳 以 上
では、一・二%に過ぎ な か っ た 。
なお、フランスにお け る 派 遣
労働者の取り扱い件数 は 、 ア デ
No.L-1
雑 誌 ﹄ 東 京 都 立 大 学 法 学 会 編、 四
〇巻、一号、 pp.
四四五~四八一
奥田香子(二〇〇四)「第二章 フラ
ンス」﹃ドイツ、フランスの有期労
働契約法制﹄労働政策研究報告書
2.5
コ、マンパワー、ラン ス タ ッ ド
に集中しており、二〇 一 一 年 に
はフルタイム労働者換 算 で 三 三
万一八〇〇人分、五八 % が 三 大
47
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
海外労働事情
海外労働事情
る 求 職 者 の う ち、 一 カ 月 間 に 一 切
就業しなかった者。
2 フ ラ ン ス に お け る 失 業 者 に 関 す
る 統 計 に つ い て は、 本 誌 二 〇 一 一
年八月四七ページのフランスの記
事の注を参照。
【参考資料】
Dares Indicateurs, DEMANDEURS
D'EMPLOI INSCRITS ET OFFRES
COLLECTÉES PAR PÔLE EMPLOI
EN JUILLET 2012, publication de la
direction de l'animation de la recherche, des etudes et des statistiques, Août
2012 • N° 052
(http://travail-emploi.gouv.fr/IMG/pdf/
PI-Mensuelle-Hvar7419-2.pdf)
Le chômage en vive hausse, Les Echos
(二〇一二年九月三日)
(http://www.lesechos.fr/economie
-politique/france/actu/0202241356439
-le-chomage-en-vive-hausse-357898.
php)
Le nombre de chômeurs flambe en juillet,
(二〇一二年八月二八日)
Lesechos
(http://www.lesechos.fr/economie
-politique/france/actu/0202232272654
-forte-hausse-du-chomage-en
-juillet-356004.php)
(http://www.cfdt.fr/rewrite/article/
C F D T ホ ー ム ペ ー ジ , Le chômage
poursuit son inexorable ascension
41950/les-actualites/emploi---travail/
le-chomage-poursuit-son-inexorable
-ascension.htm?idRubrique=8962)
Poursuite de la hausse du taux de
chômage au deuxième trimestre 2012,
INSEE
(http://www.insee.fr/fr/themes/info
-rapide.asp?id=14&date=20120906)
(国際研究部)
韓国
ら常時雇用している障がい者数
者数(障がい者雇用割当数)か
に従って雇用義務のある障がい
達成できない場合、法定雇用率
常時一○○人以上の労働者を
雇用する事業所が法定雇用率を
企業で二・五%となっている。
一五人の障がい者しか雇用して
ればならない。しかし、企業が
二五人の障がい者を雇用しなけ
を達成するために、少なくとも
場合、法定雇用率(二・五%)
例えば、フルタイム労働者一
○○○人を雇用する民間企業の
促進をめざしている。
一○○人以下の「標準的な職場」
れるために、フルタイム労働者
では、「標準的な職場」に認定さ
を緩和する予定である。改正法
て、「標準的な職場」の認定要件
を改正し、企業規模に反比例し
雇用労働部は、障がい者の雇
用促進および職業再活法施行令
を引いた未達成人員数に負担基
は、一五%の重度障がい者を雇
がい者に加えて、一○%の重度
用する必要がある。フルタイム
障がい者を雇用しなければなら
いない場合、障がい者雇用割当
三万七○○○ウォンを乗じた金
ない。フルタイム労働者三○○
礎額を乗じた額を月単位で算定
額(七三七万ウォン)を負担し
人以上の「標準的な職場」は、
労働者一○○~三○○人の「標
者雇用割当数の達成率に応じて、
な け れ ば な ら な い。 従 来 の 五
二○人の重度障がい者に加えて、
数の達成率は六○%である。こ
五○%以上の場合は五九万ウォ
○%以上の負担基礎額五九万
五%の重度障がい者の雇用割当
の場合、企業は、一月当たり、
ン、五○%未満の場合は八八万
ウォンで計算した障がい者雇用
を達成する必要がある。
し、年間合計額を障がい者雇用
五○○○ウォン、〇%の場合は
負担金(五九○万ウォン)と比
負担金として納付しなければな
九五万七○○○ウォンの三つカ
較すると、企業の負担は一月当
準的な職場」は、五人の重度障
雇用労働部は八月七日、障が
い者の雇用を促進するための制
テゴリーに区分される。常時五
不足する一○人に負担基礎額七
度改革を来年実施すると発表し
○人以上一○○人未満の労働者
改正法が施行されると、フル
タイム労働者一○○人の「標準
らない。負担基礎額は、障がい
た。障がい者の法定雇用率を達
たり一四七万ウォン増加する。
障がい者の雇用促進のた
めの制度改革
成できない事業所に課される障
を雇用する事業所には障がい者
的な職場」の重度障がい者の雇
がい者雇用負担金の適用基準を
「標準的な職場」の設立要件
雇用負担金は課されない。
用割当数は一五人で変わらない
厳格化する。また、企業が障が
い者を数多く雇用する「障がい
いる。常時五○人以上の労働者
がい者の義務雇用制度を定めて
韓国では、「障がい者の雇用促
進および職業再活法」により障
障がい者義務雇用制度の概要
○ウォンとし、七五%以上の場
担基礎額を新たに七三万七○○
○%以上七五%未満の場合は負
い者雇用割当数の達成率が五
のカテゴリに細分化する。障が
リーを二つに区分し、合計四つ
達成率が五○%以上のカテゴ
ついて、障がい者雇用割当数の
韓国政府は、来年から、障が
い者雇用負担金の負担基礎額に
者の数は、親会社の障がい者雇
「標準的な職場」で働く障がい
される職場がこれに該当する。
ちの五○%が重度障害者に分類
○%が障がい者であり、そのう
現在はフルタイム労働者の三
雇用労働部令で定められており、
「標準的な職場」の認定基準は
上限に助成金を支給している。
合、企業に対し一○億ウォンを
場」を子会社として設立した場
韓国政府は、企業が障がい者
を数多く雇用する「標準的な職
ることを奨励している。
場」を運営する子会社を設立す
できない大企業が、「標準的な職
韓国政府は、産業の特性など
により、障がい者を容易に雇用
人)
。
三○人に減少する(五%+二○
者の雇用割当数は、四五人から
「標準的な職場」の重度障がい
フルタイム労働者三○○人の
に 減 少 す る( 一 ○ % + 五 人 )
。
雇用割当数は三○人から二五人
の「標準的な職場」の障がい者
が、フルタイム労働者二○○人
の緩和
を雇用する事業主は、五%の範
合は従来どおり五九万ウォンと
用割当数の達成率の計算に含め
義務雇用未達成企業に対する
囲内で大統領令が定める比率
する。障がい者雇用割当数の未
ることができる。
罰則の強化
(法定雇用率)以上に障がい者
達成企業に対する罰則を強化す
者のための標準的な職場」(以下
を雇用しなければならない。法
ることにより、障がい者雇用の
「標準的な職場」という)を子
定雇用率は現在、国および地方
要件を緩和する。
会社として設立する場合の助成
自治体、公共機関で三%、民間
Business Labor Trend 2012.10
48
海外労働事情
一 一・ 六 % 増 の 二 七 六 六 元 で
卒者の月額給与の平均は昨年比
給与についても継続して上昇
しており、二〇一一年の新規学
けている。
八年の一四・五%から低下し続
の割合)は九・八%で、二〇〇
トタイム雇用についていない者
以内に、フルタイムまたはパー
規学卒者失業率(卒業して半年
一方で、大学卒業者への求人は
院の卒業者への求人が増加した
て、中等専門学校や専門技術学
そして経営者の求める人材とし
展に伴い一三%上昇している。
第二次産業での求人は工業の発
の求人が一三%低下した一方で、
造業の発展に伴い第三次産業で
と二〇一一年を比較すると、製
るところが大きい。二〇〇一年
ミスマッチについては、ここ
一〇年での労働市場の変化に因
る。
励し、それを行った者には公務
中西部・貧困地域での就職を奨
誘導においては、学卒者の農村・
大卒者の採用を促す。就職先の
の免除や融資面での優遇により、
卒者を採用する際の社会保険料
としている。また中小企業が大
報技術、現代農業に重点を置く
興産業である(アニメ産業、情
もとくに雇用創出能力の高い新
雇用創出の推進においては、
知識・技術集約型の産業の中で
示している。
就職活動の支援、以上の五点を
業支援、インターンと技能訓練、
五%であった。
生 一・ 六 七 万 人 の 就 職 率 は 九
る。海河教育園区の昨年の卒業
門科目や訓練プログラムは企業
行っている。学校が提供する専
オーダーメイド型の人材育成を
中国
大学卒業者の就職率は好
調なものの問題は山積
施している。
地方政府はそれぞれに 対 策 を 実
問題は山積している。 中 央 政 府 、
格差の固定化やミスマ ッ チ な ど
しかしその内訳を見て み る と 、
なかで、好調な状況と い え る 。
加に伴い大卒者が急増 し て い る
清華大学中国経済社会データセ
格差の固定化については、学
生の出身地や家庭の所得が学生
ができる。
の需給ミスマッチをあげること
て、格差の固定化と労働市場で
題が山積している。その例とし
就職率が好調に推移する一方
で、就職率には表れてこない問
格差の固定化や早期離職も
り組む
中央・地方政府とも対策に取
勤務先を経験している。
年以内に平均して二、三箇所の
業して就業した者は、その後三
よると、二〇〇八年に大学を卒
国大学生就業報告二〇一二」に
繁に行う傾向にある。
先述の
「中
に就職したとしても、離職を頻
れていない。そして大卒者は仮
マッチした求人が十分に確保さ
トでの就職情報の提供などを行
は、
企業合同説明会の開催、
ネッ
け入れ企業に対する税制優遇を
費の支給、およびインターン受
対しての最低賃金額以上の生活
た企業にインターンする学生に
訓練においては、政府が認定し
優遇を行う。インターンと技能
おいては、小額担保融資や税制
給の際に考慮する。起業支援に
員試験およびその後の昇進・昇
また新規学卒者の失業率は低
下傾向にある。二〇一一年の新
あった。二〇〇八年値と比べる
低調な状況にある。つまり急増
【参考資料】
韓国労使発展財団・国際協力センター
(KOILAF)Web情報
「中国大学生就業報告二〇一
二」によると、二〇一 一 年 の 大
す る 大 卒 者 に 対 し て、 そ れ に
就職率は高水準を維 持
ンターの調べによると、大学進
こうした状況を背景に、中央
政府や地方政府は新規学卒者の
卒業者も急増している が ( 新 規
近年は大学数の急増に 伴 い 大 学
以降は継続して上昇し て い る 。
トの上昇であった。二 〇 〇 八 年
農村格差や家庭間の格差が世代
くなっている。つまり、都市・
生の就職後の収入より二五%高
職後の収入は、下位八〇%の学
が上位二〇%に属する学生の就
が八%高い。また、家庭の収入
創出の推進、就業先の誘導、起
り組むべき対応策として、雇用
題と位置付けている。そして取
業問題全体における最優先と課
いては、大学生の就業問題を就
る通達」を公表した。通達にお
国務院は昨年、「大学卒業生の
就業対策を強化することに関す
園区では企業の需要を反映した
職業教育改革実験区、海河教育
いる。また天津市内にある国家
専門技術者の確保に取り組んで
分を地方政府が負担することで、
費用および受験費用の全額相当
格を取得した者に対して、訓練
一方、地方政府レベルでも多
種多様な政策が行われている。
う。
大学卒業者は二〇〇二 年 の 一 四
を超えて移転しており、その影
( アシスタントフェロー 李 青雅)
【参考資料】
中 国 大 学 生 就 業 報 告 二 〇 一 二、 清 華
大 学 中 国 経 済 社 会 デ ー タ セ ン タ ー、
チャイナデイリー
[注]
こ こ で の 就 職 率 は、 大 学 卒 業 後 半
年以内に就業した者の割合を表して
い る。 ま た 大 学 卒 業 後 に 国 内 外 の 大
学院に進学した者も就職率の算出に
含まれている。
からの要望に基づいて策定され
卒者の卒業後半年以内 の 就 職 率
と、四六・三%上昇している。
(国際 研 究 部 )
は九〇・二%で昨年よ り 〇 ・ 六
中国社会科学院付属 の 出 版 社 、
社会科学文献出版社よ り 出 版 さ
学前に都市戸籍を有していた学
就業対策に取り組んでいる。
ポイント上昇した。大 学 数 の 増
れた「中国大学生就業 報 告 二 〇
生は、農村戸籍を有していた学
行う。就職活動の支援において
一二」によると、二〇 一 一 年 の
生よりも、卒業直後の平均収入
五万人から二〇一一年 は 六 六 〇
響が大学生の就職にも表れてい
Business Labor Trend 2012.10
自身の就職にも影響している。
二%と、昨年比で〇・ 六 ポ イ ン
大 学 生 の 就 職 率(注)は 九 〇・
万 人 に 増 加 )、 そ れ に も か か わ
例えば天津市では規定の専門資
らず高い就職率を達成 し て い る 。
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