みなさんには，夢・目標がありますか？ 人の生き方

福岡市立高宮中学校
平成２５年１月１６日
学校だより
№１８
校長
久保田俊文
～きびしさ・やさしさ・たくましさ～
みなさんには，夢・目標がありますか？
人の生き方について考える②
３学期がスタートして，早１週間。多くの人が元気に学校生活を送って
くれています。パラマ入試・専願入試の受験生は近づいてくる入試に緊張
感が増してきているかもしれませんが，日頃培った高宮中学校での学力・気力・体力に自
信を持って本番にのぞんでほしいと思います。始業式のお話でも触れましたが，来月２年
生は立志式ということで，自分の夢や目標について級友や保護者の皆さんの前で発表する
機会があります。私たちはついつい日常の生活に追われ，５年先１０年先の自分や，さら
に遠い将来像について思いを馳せることは少ないものです。この節目の時を捉えて，２年
生には，未来の自分について考えてほしいと思います。本号では，平成２４年１１月１１
日（日）に国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて，少年の主張全国大会で，
文部科学大臣賞を受賞した福井県立盲学校３年，山本穣梨さんの「私の夢 私の生き方」
を紹介します。参考にしてください。
「先生になりたい」「美容師になりたい」地元の小学校で，みんなはいろんな夢を
話しました。でも，私には夢はありませんでした。自分の足元も見えない私は，何を
しても遅いし，うまくできません。あだ名は「トロ子」。手伝いたいと思っても，「み
のりちゃんはいいよ」とか，時には「もう，何やってんの，貸して！」と，取り上げ
られたり。「お寿司じゃない！」と言い返しても，かばってくれる子がいても，みん
なと同じにできないこと，役に立てないことが悲しくて，大人になれるんかなあと，
不安だらけ。夢なんて，関係ない話でした。でも，今は違います！盲学校に転校して
１年。見えなくても，できることは沢山ありました。点字が読めるようになりました。
人の役に立つ経験もしました。そして，夢ができました。初めて人の役に立ったのは，
私の病気。私は，赤ちゃんの時にできた脳腫瘍が原因で，目が見えなくなりました。
頭を開ける手術が３回。小６から中２の４月までは，学校を休んで，化学療法。だか
ら，見えないこと，私を見えなくした病気が，ずーっと大嫌いでした。ところが，去
年の１２月，病気の話を聞かせて欲しいと頼まれました。私と同じ病気をもつ子のお
母さんです。その子の好き嫌いが激しいと，困っていました。化学療法をすると，食
べ物の味がすごく変わる話をしました。お茶は甘い。牛乳は苦い。水はしょっぱい。
しょっぱい物は美味しい！梅干しご飯，ポテトチップスは最高!口内炎もできます。
だから，普通に美味しい食事は，とてもまずいのです。副作用も，いろいろ出ます。
気持ち悪がられる話を，そのお母さんはとてもよく分かって，喜んで聞いてくれまし
た。その子の髪があんまり抜けるので，「頭にね，直接コロコロしたのよ！」お母さ
んも話します。二人で大笑いしながら，私は，ちょっとだけ病気を許してやりました。
中３になって，高等部理療科の授業体験がありました。「あん摩」の授業です。勉
強ではなくあん摩をして貰ったのです。担当してくれた人は，４月に入学したばかり。
時々，「こうだったかな？」「えーっと，・・・」と言いながら手を動かします。あん
摩は，４００年の伝統がある，視覚障がい者の代表的な職業。でも，国家試験に受か
らないと，資格が貰えません。理療科の勉強は大変なんだと思っている間に１時間経
ちました。そして，身体と気持ちはすっきり！この時，「あん摩の資格を取る！」夢
ができた瞬間でした。「肩が凝った！」「足がだるい」「目が疲れた」という人が，私
の周りにもたくさんいます。お母さんも，しょっちゅう言います。資格があれば，そ
の人たちの役に立ちます。
私は，盲学校で，点字を覚えました。全教科を点字で勉強していま
す。本もたくさん読んでいます。遅れている勉強を頑張って，理療科
に入学したいと思います。分からないこと，やることがいっぱいあっ
て，時々くじけそうになります。でも，私は諦めません。あん摩の資
格を取って，人の役に立つ！見えなくても，できることはある！これ
が，盲学校で見つけた私の夢，私の生き方です。
（日本PTA新聞第３４０号より掲載）
祝
中総体新人戦市大会準優勝 県大会出場
柔道部男子団体！
今月１４日（月）に行われた，柔道部男子団体の部で，本校柔道部が見事準優勝を勝ち
取りました。 新年から学校に勢いをつけてくれる立派な成績です。２月１１日（月）
福岡武道館で行われる県大会での健闘を祈ります。