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南イリノイ大学カーボンデール校

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南イリノイ大学カーボンデール校
南イリノイ大学力ーボンデール校
という飛行場に降りて、そこから車で約三十分という
和司
具合である。従って明治大学︵特に神田校舎︶には自
小林
筆者は、二〇〇〇年度および二〇〇一年度に長期在
るのに対し、同校には広大なキャンパスと豊かな自然
然も少なくキャンパスも公道や他の建物と隣接してい
がある。何しろキャンパス内に森林や湖があり、湖岸
ール校とハワイ大学マノア校に滞在した。前者は本学
の協定校の一つであり、毎年明治大学から学生が留学
外研究の機会を与えられ、南イリノイ大学力ーボンデ
しているようであるが、在外研究による本学教員の滞
在となると二十年近く間隔が開いているとのことであ
った。そこで、ここでは南イリノイ大学力ーボンデー
の小径を歩いていくことになり、筆者にとって格好の
が同校より貸与された研究室から図書館までは森の中
には泳ぐことができるよう施設が作られている。筆者
ル校について書かせていただくことにしたい。
で、キャンパス内の移動には車が必要となることもあ
る。筆者が同校の所有するアパートの家賃を支払うた
気分転換の場であった。キャンパスがあまりに広いの
めに初めて同校の70信ωぎσqo塗8を訪ねたときは、線
同校は、明治大学と対照的な面を備えた大学である
治大学が都心に位置するのに対し、同校はイリノイ州
路を越えて延々と歩く羽目となり、このときに車を所
と言える。何といっても立地条件が対照的である。明
で行きそこで乗り換えてミズーリ州のセントルイスに
有する決意を固めたものである。
南端の郊外にある。同校を訪れるには、まずシカゴま
入りそこから再びイリノイ州に入りなおしてマリオン
一66一
もちろんそうした立地条件の対照性は交通の便に影
街に同校は溶け込んでおり、地域の社交の場としての
筆者はいろいろな場面で助けられたように思う。その
らシカゴまでは一日二本の列車が出ているが、シカゴ
響を与えている。同校が位置する街カーボンデールか
する筆者の住んでいたアパートの周辺にもたくさんの
り、地元の人々が車でやってくる。キャンパスに隣接
車でシカゴまで行ったことがあるが、片道八時間のド
役割も担っている。金曜日の晩にはよく催し物があ
ライブとなり、世界的にも有名な穀倉地帯を走りぬけ
れる。
車が横付けされ、今日が金曜日であることを教えてく
までは五時間ほどかかると聞いた。また筆者は実際に
る体験は異文化を肌で感じる時でもあった。
豊かな自然は、そこに学ぶものをやさしく励ましてく
取り寄せていただくことができる。キャンパスを包む
でなく、挨拶に訪れた筆者を暖かくもてなしてくださ
生には、事前に研究室の便宜を図っていただいただけ
る。学部長のグラボウスキ︵空9霞αO惹σo≦ω臨︶先
交通の便は問題ではない。図書館で蔵書目録にない本
しかしながらキャンパスで研究生活を送る上では、
れているようでもある。
り、同学部の先生方をご紹介してくださるなど、滞在
た写真が貼られていて、訪れる者の心を和ませてくれ
ただ、食生活の点では多少慣れるまで大変であっ
中大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼
同校の経済学部は、巨大な軍艦を連想させるような
校舎の4階にあり、掲示板には大学院生の笑顔を写し
た。というのは、カーボンデールの街には日本料理屋
を注文すれば、三日とたたずに近隣の大学から原本を
が一軒しかなく、しかも筆者が滞在しているときに経
氏には、アパートの手配や付近の買い物情報など生活
ディネーターの職にあるサビル︵]りげ○目鋤ω ︾.QD鋤く凶一一Φ︶
申し上げます。また、同校の国際交流センターでコー
洋の食材を扱うお店は町外れに一軒だけあり、そこを
営者の健康上の理由で店じまいとなってしまった。東
探し当てるのも、慣れない英語での電話のやり取りも
貸与された研究室は経済学部の入っている校舎の同
ります。
全般にわたってお世話になりました。深く感謝してお
あって一苦労であった。
しかし、カーボンデールの人々は皆暖かく親切で、
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は神田校舎の研究室とほぼ同じである。明治大学と異
じ四階にあり、正方形に近い形をしているが、床面積
は身にこたえた。これは研究室に限ったことではな
なるのは冷暖房の調整ができないことで、冷房の強さ
く、付近のスーパーマーケットなどもほぼ同じ温度に
となくじっと座っている時間が長いわけで、研究室に
設定されていたように思うが、研究室では動き回るこ
入ってしばらくすると頭痛を覚えたことを記憶してい
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る。一枚上着を追加した程度では十分な解決には至ら
ず、最終的には冷房の吹き出し口をガムテープで塞い
でしまった。このような﹁異常な﹂ことをしているの
は筆者だけであろうと思っていたところ、同じ時期に
日本から来ていた別の研究者も﹁同志﹂であることが
わかり、心強く感じたものである。同じ温度を日本国
であろうと思われる。この温度で平気で半袖で働いて
内で体験できる場所としては、在日米国大使館が適当
いる米国人には感心するが、食物の質と量が異なるの
で当然の帰結かもしれない。
例えば、カーボンデールの街にあるピザパイのお店
では、スモールサイズ︵子供用︶、レギュラーサイズ、
ラージサイズ、スーパーサイズとあって、レギュラー
筆者の住んでいたアパート
サイズのパイの直径が四十センチメートルほどあっ
とになったわけであるが、実際にラージサイズやスー
た。従って筆者はその後子供用のピザパイを食べるこ
パーサイズを食べている人々が存在するという事実
は、地元の人々の体形によく反映されている。
それはともかく、冷房を抑えて快適となった研究室
で、筆者は専門である計量経済学についてじっくりと
研究することができた。在外研究に行かれた他の先生
方からアパートを借りるのにご苦労されたお話などを
聴くにつけ、協定校ゆえの恩恵に浴することができた
ことに感謝せずにはおれない。
グラボウスキ先生やサビル氏をはじめとする同校の
だいた明治大学国際交流センターの方々には感謝の気
関係者の方々、さらには同校滞在に当たりご援助いた
持ちで一杯である。また、最後になってしまったが、
めいただいた明治大学の関係者の方々に厚く御礼申し
在外研究の機会をいただいたばかりか、延長までお認
上げ、結びとしたい。
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