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山鹿市における教育の現状と課題
第2章 1 計画の基本的な考え方 山鹿市における教育の現状と課題 本市の教育行政においては、少子高齢化の進行や情報通信技術の発展などによって、社 会情勢が急激に変化するなかで、子どもの教育から生涯学習、文化・スポーツの分野まで 多くの課題が指摘されています。 まず、学校教育における課題としては、本市の子どもたちは、基礎的・基本的な力は身 に付いているが、習得した知識・技能を活用することが苦手であることや、不登校は減少 傾向にあるものの、特別な支援が必要な児童生徒は増加しつつあることなどがあります。 また、これらの課題の解決を目指すため、本来の目的である「授業」に専念できる教育 現場の環境整備、及び鹿本教育事務所廃止後においても充実した教育行政を推進すること のできる体制整備や事務事業等の見直しが必要です。 児童生徒の学ぶ環境については、少子化の進行に伴う小規模校の増加や学校施設の老朽 化、地球温暖化等にも適切に対応する必要があり、安全に安心して学ぶことができる施設・ 設備の充実が望まれています。 生涯学習に関しては、社会の成熟化に伴って、心の豊かさや生きがいのための学習に対 する意欲が高まり、生涯学習講座への受講者数も増加傾向にあります。 ただ、趣味としての充足感を得るためや仲間づくりのために、永く受講し続ける人も多 く、学んだことを社会へ還元するシステムづくりが求められています。 また、過疎化や少子化の影響により、地域社会の担い手不足が指摘され、自治会や公民 館組織の機能低下や住民の連帯感の喪失が危ぶまれています。地域づくりの根幹となる組 織の再生が必要となっています。 さらに、家庭や地域の教育力の低下に伴ういじめや不登校の問題の解決が急務となって います。家庭とともに地域で子どもを育て、守る必要性が問われています。 -4- スポーツの振興では、スポーツは、体を動かすという人間本来の欲求に応えるもので あり、爽快感や達成感、連帯感に加え、楽しみや喜びをもたらすとともに、体力の向上や ストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身両面にわたって健康を与えてくれるもので す。 しかしながら、多忙な現代社会においては、仕事や家事などで思うような時間が取 れず、また、やりたいスポーツの施設やサークル等がないために、誰もが気軽にスポーツ に接することができる機会は、少ない状況にあります。 そのため、身体的、精神的及び社会的に多様に変化する各人の生涯において、自らの好 み、関心、運動力量などに応じて、いつでもどこでもスポーツに親しむことのできる環境 の整備が必要とされています。また、総合型スポーツクラブ、各種スポーツ団体等の育成 や強化と併せて、健康づくりのための運動をどのように定着させていくかも課題となって います。 文化面においては、 文化協会をはじめとする文化芸術団体について会員の減少や高齢 化が進み、地域に残る伝統文化の継承においても後継者の不足は深刻な状況です。加えて、 良質の文化芸術に触れる機会も少なく、文化芸術活動に対する市民の関心や参加の広がり も十分とはいえない状況です。また、本市には全国的にも価値の高い各種の文化財が点在 しますが、市民への周知度は高いとはいえません。 今後は、本市の歴史を支える文化財の保存・継承と、市民文化の育成・創造に努めるた め、各種団体活動の活発化を促すとともに、さまざまな文化財や文化芸術に触れる機会の 創出とその啓発が必要です。また、そのことを通じ、地域への愛着心の醸成と多様な文化 に根ざした心豊かな市民生活の実現を図る必要があります。 -5-