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(資料3)推進計画素案(第1次総論)

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(資料3)推進計画素案(第1次総論)
可児市多文化共生推進計画素案
第1章
資料3
総論
1.外国人登録者数の状況
本市の外国人登録者数は、出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正が施行された平成 2
年(1990 年)4 月の 534 人から平成 21 年(2009 年)4 月に 6,961 人と著しく増加し、全人口に占
める外国人の比率も 0.7%から 6.7%に達しています。平成 21 年(2009 年)4 月の外国人登録者
の国籍別人口では、ブラジルが 4,487 人(外国人人口比率 64.5%)と最も多く、フィリピン
1,636 人(23.5%)
、中国 332 人(4.8%)、韓国・朝鮮 271 人(3.9%)、その他 28 ヶ国 235 人
(3.3%)になっています。
しかしながら、平成 20 年(2008 年)秋の経済危機以降、外国人登録者数は平成 20 年(2008
年)10 月の 7,518 人(全人口比率 7.2%)をピークに減少に転じており、平成 22 年(2010 年)1
月には 6,159 人(全人口比率 6.0%)とピーク時から 1,359 人減少しています。国籍別では、
ブラジルが最も多く 1,044 人、次いでフィリピンが 247 人減少しています。
2.外国人住民増加の背景
平成 2 年(1990 年)の改正入管法の施行により、定住者の在留資格が拡充され、日系 3 世まで
就労可能な地位が認められるなど、就労を目的とする日系人の入国が容易になりました。本市
には、県下最大規模の可児工業団地や、市内及び周辺地域に大手の自動車・家電関連の製造企
業が多く存在しており、平成 3 年(1991 年)ごろから、バブル景気を背景にブラジル国籍を中心
とした就労目的の日系ブラジル人が急増してきました。2000 年代には、経済のグローバル化、
国内景気の拡大に伴い、フィリピン国籍の日系フィリピン人が急増するなど、外国人住民の多
国籍化も進展してきました。こうした中、ニューカマー〔※〕と言われる南米やアジアを中心
とした日系外国人住民の中で定住化が進み、家族の呼び寄せ、国際結婚など永住する外国人住
民も増えています。
平成 20 年(2008 年)秋の経済危機以降、雇用情勢の悪化により外国人住民の減少傾向が見
受けられますが、今後、少子高齢化による労働力人口の急速な減少、社会制度の整備などの社
会的要因等により、長期的には外国人住民の増加、永住化が進むと推測されます。
※1980 年代以降に来日し、定住した外国人のことです。
3.国際化施策の推移
可児市第三次総合計画において、さまざまな機会を通じて国際理解を深め、地域の国際化を
推進し、外国人にも暮らしやすいまちづくりの推進を掲げ、長期ビジョンに基づいた国際化施
策を展開してきました。平成 12 年(2000 年)には、21 世紀に向けて地域の国際化を総合的かつ
体系的に推進していくために、国際化に関連する施策を総合計画の部門別計画として位置付け、
「国際化が日常化された地域社会の実現」を基本理念として可児市国際化施策大綱を策定しま
した。また、平成 20 年(2008 年)には、可児市多文化共生センター「フレビア」を建設し、地
域国際化の拠点施設としてNPO法人可児市国際交流協会による運営管理を行っています。
4.これまでの取り組み
可児市では、平成 7 年(1995 年)にアメリカ合衆国自治領北マリアナ諸島連邦ロタ島と友好都
市提携を結び、青少年を中心とした友好交流を通じ、国際交流を推進してきました。
一方で、2000 年代前半から外国人住民の増加と定住化の進展に伴い、言葉の問題を始め、
教育、労働、医療など生活していくうえで様々な課題が地域で顕在化してきました。この課題
に対応するため、国際交流員を配置し、広報誌や生活ガイドブックなどの多言語表記による各
種行政情報の提供、母語による外国人相談窓口の設置や、外国人児童・生徒の学習保障事業の
推進、NPO団体等と連携した外国人のための日本語学習支援や国際交流の拠点整備など地域
の国際化に取り組んできました。
また、南米日系人が集住する自治体で組織する外国人集住都市会議に参加し、外国人住民に
関わる施策について情報交換や国等への提言等を行うなど、国、県、NPO団体等と連携して、
地域で顕在化している様々な問題の解決に向けて取り組んできました。
5.策定の趣旨
平成 12 年(2000 年)に可児市国際化施策大綱を策定し、内なる国際化の進展に対応してきま
したが、外国人住民の定住化が日常化された今日、外国人住民を取り巻く様々な社会情勢や社
会制度も多様かつ複雑に変化しています。
また、平成 20 年(2008 年)秋の世界的な経済危機以降、国内景気の急速な悪化により、非
正規労働者として働いていた在住外国人労働者の多くが職を失い、日本での再就職をあきらめ、
母国に帰国する者も少なくなく、当市で暮らしている日系外国人住民にとっても、雇用や生活、
子どもの教育など様々な面で深刻な問題が新たに生じています。
当市では、こうした社会環境の変化や新たな課題に対応していくため、多文化共生センター
を活動拠点として、国、県、NPO 団体等と連携し、外国人住民が地域で生活していく上で必
要な支援に取り組んでいます。
今後、外国人住民の定住化と少子高齢化社会がますます進展していく中で、外国人住民も地
域社会を構成するパートナーとしての役割を担い、将来にわたって共に支えあって暮らしてい
ける多文化共生社会を築いていくことが重要と考えます。
多文化共生社会を実現していくためには、多文化共生を地域社会全体の共通課題として認識
し、お互いの多様な文化や価値観への理解と尊重を深めていくとともに、外国人住民が自立し、
地域社会に主体となって参加していくことができる支援と仕組みづくりを構築していくこと
が必要であります。
このため、これまでの国際化の取り組みと、外国人住民を取り巻く現状と課題や多文化共生
に関わるニーズを踏まえ、市民、行政、関係機関など多様な主体が一緒になって多文化共生社
会の実現に向けた施策を「可児市多文化共生推進計画」として取りまとめます。
6.計画の位置付け
本計画は、本市のまちづくりの最上位計画である可児市第4次総合計画に基づき、また可児
市人権施策推進指針や他の関連計画とも整合を図りながら、多文化共生社会の実現に向けての
基本理念と施策の柱や基本施策及び具体的な施策などを定め、本市の多文化共生のまちづくり
を計画的に推進していきます。
7.計画の構成
本計画の構成は、次のとおりとします。
(1) 国際化の現状と課題
外国人住民の現状や国際化に対する施策の経緯を把握し、本市の多文化共生のまちづく
りに向けた課題を明らかにします。
(2) 計画の基本的な考え方
本市の国際化の現状と課題を踏まえ、多文化共生社会の実現に向けての基本理念と施策
の柱や基本施策を明らかにするとともに、施策の基本的な考え方を定めます。
(3) 具体的な施策
基本理念及び施策の柱に沿って、基本施策に係る現状と課題や方向性を明らかにすると
ともに、具体的な施策及びその内容、方向性などを定めます。
(4) 計画の推進体制
本計画の推進体制を明らかにします。
8.計画の期間
本計画の期間は、平成 23 年度(2011 年度)を初年度とし、平成 27 年度(2015 年度)までの 5
年間とします。なお、社会情勢の変化等により、必要に応じて見直しを行います。
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