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床・床材料 - 野口研究室
床の機能 床・床材料 構築機能 居住機能 野口貴文 床に対する要求条件 安全性 居住性 耐久性 生産性 積載荷重の支持 振動などの障害に対する十分な耐力 人に対する安全性・快適性 下階に対する防音・防振・防水 精密機器に対する障害防止 床に対する要求と材料性能（１） 安全性 力学的安全性（力変形に対して破損しないこと） 衝撃荷重に対して破損しないこと 局部荷重に対して破損しないこと 剥離しないこと 耐衝撃性 耐曲げ性、耐局圧性 接着性 火災安全性（火・熱に対して安全であること） 火が移りにくく燃え広がらないこと 難燃性、耐シガレット性 1 床に対する要求と材料性能（２） 居住性 床に対する要求と材料性能（３） 居住性 日常生活安全性（安全な日常生活ができること） 接触・転倒による被害が小さいこと 安全に歩行・走行ができること 衝撃吸収性 弾力性 防滑性 日常生活快適性（快適な日常生活ができること） 室内外の不必要な音の流出入がないこと 室内外の不必要な熱の流出入がないこと 歩行・接触による感覚が優れていること 振動・たわみが少ないこと 耐久性 乾燥・吸水などによる品質の変動が小さいこと 下地水分の挙動に伴う品質の変動が小さいこと 熱に対する性能低下が小さいこと 化学薬品に対する性能低下が小さいこと 光による品質変動が小さいこと 耐光性 意匠・造形性が優れていること 意匠性（外観） 塵埃の発生が少ないこと 電気的な異常の発生原因とならないこと 発塵防止性 帯電防止性 電磁波遮断性 耐久性 力・変形に対する抵抗性（力・変形による性能低下が小さいこと） 耐水変形性 耐膨れ性 耐熱変形性 耐薬品性 気象に対する抵抗性（気象による性能低下が小さいこと） 防虫性 床に対する要求と材料性能（５） 臭気・ガス不発 設備・機器安全性（設備・機器などの操作に悪影響を及ぼさない こと） 環境作用に対する抵抗性（環境作用による性能低下が小さいこ と） 不快なにおいを発しないこと 散性 ダニなどの害虫が発生しないこと 美観性（美観上快適な日常生活ができること） 非発音性 遮音性 吸音性 断熱性 感触性 防振性 床に対する要求と材料性能（４） 衛生性（衛生上快適な日常生活ができること） 下地の挙動に伴う品質の変動が小さいこと クリープによる品質の変動が小さいこと 接触によるすり減りが少ないこと 突き刺し・引っ掻きに対する抵抗性があること 変形追従性 耐へこみ性 耐摩耗性 耐引っ掻き性 塵埃・微生物に対する抵抗性（塵埃・微生物による性能低下が 小さいこと） かび・こけなどの発生による美観の損傷が小さいこと 防煤性 抗菌性 2 床に対する要求と材料性能（６） 適用場所 施工性（所定の性能を容易に確保することができること） 現場までの搬入、現場内運搬が容易であること 貯蔵・養生が容易であること 作業が容易であること 運搬性 養生性 柔軟性 下地調整性 取付け性 仕上り性 要求性能 安全性 居住性 経済性（塵埃・微生物による性能低下が小さいこと） 主材料が安価であること、工費が安いこと 経済性 耐久性 補修・修繕容易性 互換性があること 補修性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 平滑さ 外観・清掃性のため 温冷感 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 階 段 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 厨 房 洗 面 所 ○ ○ ○ 駐 車 場 機 械 室 ○ ○ 事 務 室 電 算 機 室 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 性能の表現 平面度 家具などの安定の ため ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 体育施設 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 性能項目 クリーンルーム ○ 研究室 ○ 廊 下 事務所 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 学校 教 室 実 ・ 験 図 室 書 室 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 幼 稚 園 ・ 保 育 園 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 居住用床の要求性能・試験方法 工場 倉庫 劇場・映画館・会議場 美術館・ 展示室 博物館 耐久性 エレベーター・ エスカレーター 回り 居住性 売場 安全性 難燃性 耐衝撃性 弾力性 防滑性 発音性 温冷感 帯電性 耐水性 耐熱性 耐光性 耐へこみ性 耐薬品性 耐摩耗性 耐汚染性 店舗 手術室 要求性能 病院 診察室・ 病室 集合住宅居間 適用場所 ホテル・客室・宴会場 旅館 床の適用場所と要求性能（２） 難燃性 耐衝撃性 弾力性 防滑性 発音性 温冷感 帯電性 耐水性 耐熱性 耐光性 耐へこみ性 耐薬品性 耐摩耗性 耐汚染性 共通 養護施設・老人 ホーム ＯＡルーム 生産性 玄関・ロビー 床の適用場所と要求性能（１） 耐局圧性 ○ ○ ○ ○ 耐摩耗性 耐キャスター性 ○ ○ 耐食性 平面からの差 (mm) 試験方法 4本足で測定 直線で測定 凹凸の量 (mm) 足からの伝熱量 (kWs/m2) 鋼球で加圧した後の 残留へこみ (mm) キャスターの往復 によるへこみ（mm）と 摩耗量（cm3） 標準羊毛との比較 0 0.5 m 1m 2m 2m 4m 直径4mm、幅1.2mmの車の上下運動で測定 1分間 人工足で測定 10分間 496N、5分間 加圧5分後 直径20mmの鋼球で測定 245N、7日間 加圧91日後 最大へこみ 245N、加圧1万回往復後 平均へこみ 最大へこみ 1960N、加圧1万回往復後 平均へこみ 摩耗量 青色羊毛標本と比較した耐食性 性能グレード 1 2 3 4 5 3 2 1 6 4 3 2 10 7 5 3 5 3 2 1 8 5 3 2 5 2 0.5 0.2 63 50 38 21 400 290 190 105 1.5 0.8 0.3 0.1 1.0 0.7 0.4 0.1 1.6 0.9 0.4 0.1 1.2 0.6 0.2 0.05 5 2 0.5 0.1 4 1.5 0.2 0.05 300 100 20 1 5 6 7 8 3 室の用途と床の要求性能 子供室 娯楽室 台所 食堂 洗面室 浴室 床の帯電防止性に対する要求性能 性能項目 居間 寝室 便所 平面度 2～3 2 2 2～3 2～3 2～3 2～3 2～3 2 2 2 平滑さ 3～4 3 3 2～4 3～4 3～4 3～4 3～4 3 2～3 3 温冷感 2～4 3 3 1～3 2～3 2～3 1～3 1～3 1～3 0～1 0～2 耐局圧性 2～4 1～3 1～3 1～4 1～3 1～3 2～4 2～4 1～3 2～4 1～4 耐食性 2～3 1～3 1～3 1～3 1～3 1～3 1～3 1～3 1～2 1～3 1～2 床構造 構造体 漏洩抵抗 備考 爆発・火災が発生する 104Ω以下 おそれのある危険場所 手術室 可燃性ガス・溶剤の貯蔵 またはそれらを扱う工程 電撃が発生するおそれ 1010Ω以下 のある場所 粉体の袋詰め工程 紙などの巻き取り工程 生産障害などが発生す 1011Ω以下 るおそれのある場所 計算機室 半導体取扱い場所 構造体と床下地（１） 鉄筋コンクリート造＋コンクリート系下地 鉄筋コンクリート造 鉄骨造 木造 床組・床下地材料 コンクリート系床下地 木質系床下地 作業環境 出入口 ホール ほとんどの仕上げ材料が施工可 比較的軽量の張り床、敷き床 床仕上げ材料 4 構造体と床下地（２） 鉄筋コンクリート造＋木質系下地 構造体と床下地（４） 鉄骨造＋木質系下地 構造体と床下地（３） 鉄骨造＋コンクリート系下地 構造体と床下地（５） 木造＋木質系下地 5 床仕上げ材料の分類（１） ビニル床タイル 材質による分類 有機系材料 プラスチック系 ゴム系 施工が容易、色・模様・テクスチャーが豊富 植物繊維系 ゴム床シート、ゴム床タイル 施工が容易、色・模様・テクスチャーが豊富 油脂系 アスファルト系 木質系 ビニル系床材、カーペット タイルカーペット、合成高分子塗床材 リノリウム アスファルト フローリング、コルクタイル 木目・色が好感 ビニル床シート 畳 タイルカーペット 6 高分子塗床材 ゴム床タイル レジンテラゾータイル リノリウム 7 フローリング コルクタイル 床仕上げ材料の分類（２） 天然スレートタイル 材質による分類 無機系材料 焼成粘土系 陶磁器質タイル、れんが 耐水性・耐候性・清掃性が優秀（タイル） 石質系 セメント系 金属系 天然石タイル、天然スレートタイル テラゾタイル モルタル、コンクリート、洗い出し セルフレベリング材 縞鋼板、体育館用鋼製床下地構成材 OA床 8 テラゾタイル 洗い出しコンクリート 縞鋼板 床仕上げ材料の分類（３） 床仕上げ工法による分類 塗り床工法 張り床工法 セメント、合成樹脂 塗り床仕上げ、モルタル仕上げ、洗い出し仕上げ 硬化時間・養生が必要 広い面積を継目無しで施工可 板、タイル、シート、ブロック状の定形材 張付方法 フローリング ビニル床タイル・シート 陶磁器質タイル・天然石タイル 釘 接着剤 モルタル 敷き床工法 畳、カーペット 9 床下地と床仕上げ工法の組合せ 床下地 床仕上げ工法 塗り床 張り床 敷き床 コンクリート系下地 木質系下地 モルタル塗り ○ － 合成樹脂塗り ○ － 洗い出し ○ － 現場みがきテラゾ ○ － 陶磁器質タイル張り ○ － れんが張り ○ － 天然石張り ○ － ビニル床タイル張り ○ ○ ビニル床シート張り ○ ○ フローリング張り ○ ○ カーペット ○ ○ 畳 － ○ 特殊床（２） 塗り床 コンクリートスラブに直接、高分子系塗り床材を施工 目的 粉塵の防止 耐水性の確保 清掃性の確保 特殊床（１） 直床 コンクリートスラブに直接、床仕上げ材を張付 目的 階高の低減 工期短縮（床組み・下地の省略） 留意点 下地コンクリートの平面度確保が必要 セルフレベリング材の施工が一般的 特殊床（３） 暖房床 電気・温水による床暖房 留意点 温度（30℃程度）による変 形・変色 10 特殊床（４） フリーアクセスフロア 配線・配管を床下に収納 目的 帯電防止床タイル レントゲン室等 表面に線状・点状の凹凸 誘導・警告用 ノンスリップ床タイル 病院の手術室等 放射線防護床タイル 視覚障害者用床タイル 4 6 表面抵抗値：2.5×10 ～1×10 Ω 精密機器の地震動からの 保護 特殊床材料（２） コンピュータ室等 導電床タイル 床下に防振装置を設置 目的 8 11 体積固有抵抗値：1×10 ～10 Ωcm 免震床・防振床 機器類への振動伝達防止 機器類の配置変更に伴う 配線・ 配管の変更の自由度向上 磁気の発生防止 特殊床材料（１） 特殊床（５） 表面に溝状・点状の凹凸 エレベータホール、階段、廊下 軽量衝撃音防止床タイル 裏面に防音シート・クッション材の貼付 11 床の防滑性 床の耐へこみ性 JIS A 1407（床の滑り試験方法－振り子形）による測定結果 （値が大きいほど滑りにくい） 床材料 表面状態 乾燥面 平滑仕上げ エポキシ樹脂系 湿潤面 0.30 0.28 油滑面 0.20 ノンスリップ仕上げ 0.47 0.41 0.35 樹脂モルタル粗面仕上げ 0.33 0.30 0.23 平滑仕上げ 0.62 0.32 0.21 スチプル仕上げ 0.34 0.33 0.23 ゴム粉吹付け仕上げ 0.47 0.35 0.30 セメント系 研出し仕上げ 0.27 － － ビニル床タイル 市販のまま 0.33 0.26 － ウレタン樹脂系 床の耐薬品性 ホモジニアス床タイル ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ピュアビニル床タイル ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 潤滑を 認める 潤滑を 認める ○ ○ ○ 退色を 認める ○ ○ ○ 軽微な 変化 軽微な 変化 少し 変色 ○ ○ その他の積層ビニル床シート ○ 厚さ へこみ 織布積層ビニル床シート 床材料 2.0 0.71 0.27 発泡複合ビニル床シート（Ⅰ） 2.8 1.45 0.23 残留へこみ 発泡複合ビニル床シート（Ⅱ） 2.3 1.00 － その他の積層ビニル床シート（Ⅰ） 2.0 0.56 0.14 その他の積層ビニル床シート（Ⅱ） 2.3 0.77 0.37 ビニルアスベスト床タイル（半硬質） － － 0.04 ウレタン樹脂系塗り床材 2.0 － 0.40 エポキシ樹脂系塗り床材 2.0 － 0.02 95%エ 2%苛性 セメント 5%酢酸 5%塩酸 床材料 大豆油 潤滑油 ペースト タノール ソーダ ビニルノンアスベスト床タイル 軽微な 軽微な 軽微な ○ ○ ○ ○ （半硬質） 変色 変色 変色 織布積層ビニル床シート JIS A 5705（ビニル系床材料）による測定結果（単位mm） 床の耐摩耗性 JIS A 5705（ビニル系床材料）による試験結果 ゴムタイル ○ ○ ○ ○ ○ ○ 発泡複合ビニル床シート（Ⅰ） ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 発泡複合ビニル床シート（Ⅱ） ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ JIS A 1451（建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法 －回転円盤の摩擦及び打撃による床材料の摩耗試験方法） JIS A 1453（建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法 －研磨紙法） による測定結果（深さ：単位mm） 床材 JIS A 1451 JIS A 1453 0.36 0.37 ホモジニアス床タイル 0.16～0.20 0.34 ピュアビニル床タイル 0.09 0.06 ゴムタイル（軟質） 0.05 0.18 織布積層ビニル床シート 0.07 0.08 その他の積層ビニル床シート 0.13 0.24 発泡複合ビニル床シート（Ⅱ） 0.11 0.17 ビニルノンアスベスト床タイル（半硬質） 12 床温度と裸足の接触温熱感（１） 床温度と裸足の接触温熱感（２） 床衝撃音レベル（下階での測定） 床構造の遮音等級による分類（１） ノンアスベスト 中心 ビニル床タイル （半硬質） 周波数 (Hz) ゴムタイル 織布積層ビニ ル床シート （無発泡） 発泡複合ビニ ル床シート （Ⅰ） 発泡複合ビニ ル床シート （Ⅱ） その他の積層 ビニル床シート （無発泡） 軽量 重量 軽量 重量 軽量 重量 軽量 重量 軽量 重量 軽量 重量 63 63 － 58 77 45 － 55 77 54 70 60 77 125 68 － 68 69 62 － 66 69 65 50 68 68 250 71 － 70 58 70 － 68 56 68 51 70 57 500 73 － 89 51 67 － 69 50 68 43 71 50 1000 72 － 66 43 68 － 67 42 62 37 70 42 2000 71 － 56 39 69 － 59 36 44 33 69 35 4000 67 － 34 26 58 － 36 31 32 29 62 32 スラブ厚：150mm 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-35） L-45 L-50 L-55 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 13 床構造の遮音等級による分類（２） 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-40） L-40 L-45 L-50 床構造の遮音等級による分類（３） L-60 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-45） L-40 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-50） L-45 L-50 L-55 L-60 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 L-50 L-55 L-60 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 床構造の遮音等級による分類（４） L-45 床構造の遮音等級による分類（５） L-65 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-55） L-50 L-55 L-60 L-65 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 14 床構造の遮音等級による分類（６） 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-60） L-50 L-55 L-60 床構造の遮音等級による分類（７） L-65 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-65） L-50 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 床構造の遮音等級による分類（８） 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-70） L-50 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 L-55 L-60 L-65 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 床構造の遮音等級による分類（９） 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-75） L-50 L-55 L-60 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 15 床構造の遮音等級による分類（１０） 床材料の帯電防止性能 床材料 軽量衝撃源による床衝撃音レベル遮音等級（L-80） L-55 L-60 重量衝撃音による床衝撃音レベル遮音等級 L-65 漏洩抵抗（Ω） 導電性テラゾ 105～107 導電ゴム（張床） 104～108 石 104～109 コンクリート（乾燥時） 105～1010 導電性塩化ビニル 107～1011 一般の塗床 109～1012 ゴム（張床） 109～1013 木・木製合板 1010～1013 アスファルト 1011～1013 塩化ビニル（張床） 1012～1015 16