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顔の認知と事象関連電位
杏林医会誌 35 2004 年 6 月 巻 2 号 153 ∼ 157 2004 年 6 月 顔の認知と事象関連電位 153 総 説 顔の認知と事象関連電位 小 池 秀 海 杏林大学保健学部臨床内科学教室(第二) (2004.5.17 受付) の断層画面上に表現できるようになったことである。視覚 I.は じ め に に関して言えばこれまで漠然と視覚連合野の活動によると ほとんどのヒトは一生を通じてみれば,ほかの何よりも されていた,色覚の中枢が側頭葉後部で脳底に面した部分 顔を見ている時間が長く,社会生活を送る上での重要性は に存在するといったことが一目でわかるようになってきた いうまでもない。ところで視覚パターンとしての顔は,目 わけである 2)。もうひとつは 2 つの視覚系の存在が明らか や鼻,口がほぼ同じ配置にありどの顔も非常に似通ってい にされた点である。すなわち黄斑部からの情報は後頭葉一 る。これを識別するには部分や部分間の微妙な差異を認識 次視覚野を経由した後,側頭葉に向かい物の形態および色 する必要がある。そのため顔の認知はほかの物体認知とは 彩の認知など視覚対象が何であるかをとらえる系であり, 異なった特殊なパターン認識がなされていると考えられて 腹側系ないしは「何 what」経路とよばれる。一方周辺視 1) きた。それを支持する根拠として,Tarr & Cheng は以下 野からの情報は一次視覚野を経て頭頂葉側に向かい位置情 の 4 点をあげている。 報と動きの情報が処理され,背側系ないしは「どこ where」 (1)新生児期にすでに,顔類似の視覚刺激を好む傾向が 経路とよばれる。つまり形態,色彩,位置,運動の情報は ある。 大脳の後半部において別々にかつ並列に処理されている, (2)行動学的検討で顔特異的な反応が認められる。 並列分散処理の形をとることが明らかになったことであ (3)顔に特異的に反応する神経細胞や大脳の領野が認め る 3)。本稿で概説する顔の認知に関する視覚情報は,後頭 られており,特異的な神経信号も記録されている。 葉から側頭葉側への流れに属すことは明らかである。 (4)脳損傷患者で顔の認知と物体認知との間に二重解離 II.顔の認知はどのようになされるか がある。 これらは顔の認知と他の物体認知との間に確たる相違が 1.顔の認識モデル 存在すると結論付けるに一見十分な証拠がそろっているよ ヒ ト の 顔 の 認 識 モ デ ル と し て 有 名 な の は Bruce & うに見える。しかしこれらの主張には,もともと顔の認知 Young の顔認識モデル 4)である。その基本的な特徴は,人 プロセスが特異的であるという仮定がその根底にある。し 物同定過程と表情の分析や発話情報の分析の過程(読唇な かし顔以外の物体認知で,この顔特有とされる認知プロセ ど)とを分離していること,人物の同定がそれぞれ別の機 スが本当に働かないのかについては確たる証拠はなく,も 能を有するモジュールの系列的な処理過程として構成され し顔特異的ではないとすれば,視覚認知の基本システムは ていることである。このモデルではヒトの顔の同定に至る ひとつで説明できる可能性が出てくる。本稿では,顔の認 過程を 4 つに分類している。すなわち①顔の形態的な特徴 知に関する一般的な事項を概観し,事象関連電位(event- を記述する構造的符号化過程,②知っている顔か否かの判 related potentials 以下 ERP)に関する最近の研究を紹介し 断(既知性判断)をする顔認識ユニットの活性化過程,③ ていく。 個人の意味情報にアクセスする人物同定ノードの過程,④ ところで視覚情報処理一般に関してはここ 20 年の間に 2 名前の生成過程,が順に活性化することによってヒトの顔 つの大きな進歩があった。まず第 1 は PET や fMRI といっ が認識できるというものである。このうち第 1 の構造的符 た脳機能を画像化するテクニックの進歩に伴い,今まで科 号化過程はさらに 2 段階に分類される。まず観察された顔 学的な研究にはむかなかった種々の心理現象を,実際に脳 がそのまま観察者中心に記述される過程で,この情報は表 Key words : Face perception, Event-related potentials, N170, Prosopagnosia 154 小 池 秀 海 杏林医会誌 35 巻 2 号 情分析や発話情報にも利用される。第 2 段階は表情分析や prosopagnosia と い う 語 が 最 初 に 用 い ら れ た の は Boda- 発話情報の分析から独立した構造的記述過程で,この情報 mer11) が最初といわれている 12)。 が顔認識ユニットへと伝達される。 相貌失認患者の障害の本質は,障害発生以前はよく知っ Ellis の提唱する顔認識モデル 5,6) も基本的には Bruce & ていた顔が誰であるのかが分からなくなってしまうことで, Young のモデルと同じであるが,顔としての処理が始まる 彼らはまた障害を来たした後に出会った顔を覚えこむこと 最初の段階として,顔を顔として分類する過程,すなわち も出来なくなってしまうことが多い。しかし大多数の患者 顔パターンを検出する過程を組み入れている点が特徴であ は顔が顔であることは理解でき,提示された顔から年齢, る。 性別,といった情報や表情も理解できるという 12)。相貌失 最近 Haxby ら 7) は顔の認知システムを,後頭側頭領域 認を来たす病巣は,典型的には両側の後頭側頭葉の内側皮 に存在し視覚的分析を行うコアシステムと,注意,感情, 質および皮質下白質が障害されるような大きな病巣である。 人物同定などのより高次の認知過程を担う拡大システムと しかし右半球病巣のみでも出現した例が知られており 13,14), に分けてモデル化している。コアシステムではまず顔の造 とくに右の後頭側頭葉境界部の病巣が重要とされる。とこ 作の初期認識が下後頭回でなされた後,顔の同定に関わる ろでこの右側頭葉の病変で相貌失認を呈する可能性を,純 紡錘状回外側と,表情や目,口の動きといった常に変化し 粋に臨床神経所見のみから推測したのは Meadows15) であ ている不安定な側面の処理を行う上側頭溝内の皮質に情報 る。彼は 1930 年以降の文献報告例 37 例と自験例 5 例の計 が送られる。その後それぞれの情報は拡大システムに送ら 42 例の相貌失認患者の視野を検討し,左上 1/4 盲ないしは れ,より高次の処理がなされる。このモデルは後述する それに右上 1/4 盲も合併した例が非常に多いことに気づき, ERP の解析や発生源の説明をしやすいモデルである。 このことからヒトの顔の認知に重要な役割をなしているの 2.顔認知にみられる特徴 は右側頭葉,ないしは両側の側頭葉皮質であると推測した。 顔の認知過程の特性として以下の諸点が知られてい これが確かめられたのは最近の機能的脳画像研究によって る 6)。 である。 1)全体的情報の重要性:顔は単に目鼻口といった部分 2)機能的脳画像研究と動物実験から の単なる寄せ集めではなく,それぞれの位置関係が保たれ 最近の機能的脳画像研究は,相貌失認患者から推測され た全体的なまとまりとして知覚される。そのため顔の各部 た後頭側頭葉に大きく広がる責任病巣より,かなり狭い範 の認知は全体の顔の中にあるほうが個々に提示されるより 囲が顔の認知に関連する部位であることを明らかにしてき もよく認識されるが,このような現象は顔以外では認めら た。それは紡錘状回と上側頭溝近傍である。左右差が認め れないという 8)。 られることが多く,右優位とする報告が多い 16―18)。 全体情報の重要性を示唆する所見は,顔画像の倒立効果 ところで顔に強く反応するこれらの領域は顔の認知のみ からも類推される。これは,顔の上下を逆転して提示した に専門化しているのであろうか。Perrett ら 19) はサルの側 場合その同定や表情の把握が困難になるという現象で,倒 頭葉からニューロン活動を記録し,これら 2 箇所のいずれ 立提示では全体情報より部分的な処理に頼らざるを得なく においても顔に特異的に反応するニューロンは高々 20% なるためと推定されている。 しか存在せず,同部の他のニューロンは顔以外の物体認 2)人種効果,類似性:日ごろ見慣れている自分の人種 知に関係していることを見いだしている。また Gauthier の顔に比してほかの人種の顔はみな同じ顔に見えたり,非 ら 20) はこれらの領域はもともとある種のカテゴリーに特 常に覚えにくいことが知られており,人種効果と呼ばれる。 異的に反応するのではなく,後天的に特に発達した視覚認 また顔のプロトタイプとの類似性の情報が顔の認識過程 知機能を反映する場所であるとした。そして通常は顔の認 で利用されており,平均的な顔の方が特異的な顔より早く 知が特に発達しているために一見顔の認知に専門化してい 判断される。一方個々の顔の記憶では,平均的な顔は特異 るようになっているが,バードウォッチャーや車の識別を 的な顔より逸脱の情報が少ないことや,互いに似通ってい 職業にするヒトでは,これらの識別がこの部分で行われる ることから,平均的な顔の方が特異的な顔の記憶より困難 という。 になるという 9)。 4.顔の認知に関連した事象関連電位 3)似顔絵効果:似顔絵のほうが,忠実に写真をトレー Fig 1 は顔を提示した際に 20 例の正常成人から得られた スした画像より人物同定の反応時間が速い 10)。 ERP の総平均波形とそのソースイメージである。後頭部 3.顔の認知はどこでなされているのか から側頭部にかけて明瞭な陰性成分 N170 が認められ,そ 1)相貌失認症例の検討 のソースイメージ画像はこの電位の発生源が側頭葉後部外 「後天的な障害によって,それまでよく知っていた顔の 側から底部にかけて存在することを示唆している。 認知が不可能になってしまった病態」に対して相貌失認 顔の認知と事象関連電位 2004 年 6 月 155 Fig. 1 The waveform and sourse images of N170 A, The grand average event-related potential waveform obtained in response to face presentation. B, The sourse images at the peak of N170. Focal sourse activities were visible at the base and posterolateral aspects of temporal lobes. 1)N170 と P170 を提示した場合にも明瞭な N170 が出現する 28,33,34)ことも 電気生理学的に顔認知に関連した電位として,最も安定 報告されている。1994 年にすでに単語および単語様の文 して記録でき,しかも顔提示とその他の物体提示との間に 字列の視覚認知に関する電位を側頭葉下部皮質から直接記 最も大きな差があるのが,顔提示後約 170ms に頂点が認め 録した field potentials を解析した論文があり 33),単語の視 21―23) と 覚認知に伴った N200(頭皮上記録の N170 に相当)の発生 として記録 源 は 紡 錘 状 回 後 部 に あ り,左 優 位 で あ る と い う。ま た される。P170 は P2,あるいは Vertex positive potential Rossion ら 28)は,顔,自動車,単語の提示でいずれも N170 られる ERP で,後頭側頭部からは陰性電位 N170 して,前頭中心部からは陽性電位 P170 24, 25) 24,25) 26) は N170 と P170 が明瞭に記録できることを示し,しかも左右の半球におけ が種々の刺激に対して別の態度をとるとして,別の発生源 る機能の相違を反映して,単語は左,顔は右優位に,他の を考えている。しかし両者は同一潜時であり,極性が逆で 物体(自動車)は両側性に出現することを確認している。単 あること,それらの機能的な同一性,および電位分布から 語提示における左脳の反応は,顔提示の右脳の反応の大き 同一の双極子の両端を見ているとの意見が最近では優勢で さに匹敵しており,N170/VPP の発生源はいずれの場合も (VPP)とも称される ある 。諸富と三好 27, 28) 2 ヵ所,後頭葉下部外側と紡錘状回後部と推定している。 。 N170 が顔提示に際して特異的に出現する電位であるか これらを総合して考えれば,N170 は顔提示で最も明瞭に 否かは,現在もホットな議論が展開されている。この問題 記録できるが,顔に特異的な電位ではなく,視覚認知一般 については,顔と顔以外のカテゴリーに属する物体を提示 の初期段階である構造の符号化に伴った電位であると考え した場合を比較した論文が多い。例えば,動物の顔,ヒト られる。 の手,動物や植物,自動車,家,家具,道路標識および無 (1)顔の部分と全体 21, 22,25, 28―32 ) とヒトの顔を提示した場合とを比 N170 は顔提示では他の全てのカテゴリー提示より潜時 較している。このような顔以外の視覚対象では N170 は出 が短く高振幅であるが,この N170 は顔全体に反応してい 現しない 21)という論文もあるがむしろ少数で,多くの論文 るのか,目などの部分に反応しているのかという点につい では振幅はきわめて小さいものの同様の電位が出現してい ては意見が分かれている。顔の一部を提示した場合につい 意味な画像 る,と考えている 22, 25, 28, 29―32 ) 。さらにまた印刷された単語 ては,とくに目に関する結果が注目されている。Bentin 小 池 秀 海 156 ら21)によれば目だけの提示のほうが顔全体より有意に振幅 が増大したという。また Schyns ら 35) 36) 杏林医会誌 35 巻 2 号 Eimer ら 39) は相貌失認患者と 24 例の対象例とで,未知 も の顔と家の画像を提示して比較し,相貌失認患者では 目の重要性に注目している。しかし Eimer31)は目の有無で N170 は出現しなかったと報告している。ただし図を見る や Shibata ら N170 の振幅に差はなかったとしている。Huxby ら 7) のモ と家提示と同程度の振幅を有する陰性電位は出現している デルが示すように,目の向きや動き,表情は上側頭溝部で, ように思える。なお相貌失認患者では倒立提示による振幅 顔の同定は紡錘状回で主として処理されるという点を考慮 増大現象は認められなかったという 39)。相貌失認患者で に入れれば,目のみ提示した場合の方が高振幅であったの は N170 とそれ以降の成分の出現状況の両方を把握するこ は,単に電極配置等の記録条件により上側頭溝近傍の電位 とにより,顔同定過程のどこが障害されたかの診断に役立 が底面に存在する紡錘状回由来の電位より強く記録された つと思われる。 だけである可能性が高い。なお Watanabe ら 29) は N170 の 2)N170 より遅い成分の研究 発生源が上記の 2 ヵ所にあり,これらは互いに独立してい 顔の既知性に関連した ERP はおそらくより長潜時の反 ることを見出しているが,これも目と顔提示の問題に重要 応であることが予想される。Eimer 22,32)は熟知した顔を提 な示唆を与えているといえる。なお,鼻や口のみの提示で 示した場合 300 ∼ 500ms の陰性成分( ‘N400’)とそれに 21) 。また 続く 500ms より長潜時の陽性成分( ‘P600’)の振幅が増 顔の輪郭のみ提示した場合と,輪郭はなしで狭義の顔のみ 大することを認めた。この影響は熟知顔を最初に提示し は N170 は小さくかつ 50ms 程度潜時が延長する (眉毛,目,鼻,口のみ)提示した場合とを比較すると, た際に最も高振幅であり,以後振幅は低下していった 顔の輪郭のみの提示では振幅低下と潜時延長を認め,同様 (habituation)。この ‘N400’ と ‘P600’ が顔の同定・認知に関 の所見は顔の輪郭を欠いた画像提示でも認められた。つま 連した電位と考えられる。倒立提示は顔の認知過程を障害 り N170 は先ほど述べたように目にも反応するが,顔の構 することが知られているが,熟知顔でも未知の顔でも倒立 造的符号化過程,つまり輪郭を含めた顔全体の表象化の段 提示で N400-P600 は出現しなかった。また注意を他に向け 階,を反映する電位でもあると考えられ 37),現時点では後 ると N400 は消失したが P600 は出現していたという。 者がより重要視されている。なお頭部を後方から見た画像 つまり N400-P600 は Bruce & Young の顔の認識モデル (頭部のみで顔はなし)では N170 の振幅は非常に低下する, におけるより後ろの過程である顔の認識ユニットないしは つまり頭の画像では N170 は誘発できないという 37) 。 人物同定ノードに関連した電位変化と思われ,これからの (2)顔認知に伴う特徴が N170 でどこまでわかるか。 研究の発展が期待される領域である。 ①倒立効果:顔を倒立提示することで得られる N170 は, 5.おわりに 両側性に潜時が遅延し,振幅が増大することが多い 22,30)が, 顔の認知に伴う ERP 検査は,PET や fMRI といった機能 振幅についてはその効果は不安定で,振幅は不変であると 的脳画像検査に比して費用も時間もかからず,経過を追っ いう報告も少なからず存在する 21,24)。家を倒立提示した場 た経時的な検査が可能である。それにもかかわらず現時点 合も N170 の振幅は増大したという報告もあるが,潜時の においては臨床レベルでの研究が少ない。側頭葉の客観的 遅延は顔提示でのみ認められた 22)。この倒立刺激に対す な機能検査として今後,十分臨床応用が期待される領域で る態度の違いこそが顔に特異的であるとされている 23) 。 ある。 なお Watanabe ら 29) は この倒立効果は時間軸上での差で あり,解剖学的な部位差が存在するわけではないことを確 本論文は「私立大学学術フロンティア推進拠点研究:生活環境 認している。 に起因する健康障害に関する包括的解析」(代表者杏林大学・金森 ②既知性(熟知顔と未知の顔の差) :N170 は顔の既知性 政人)による支援を受けました。 とは無関係である。つまりこの電位は顔のカテゴリー化の 前の構造的符号化過程を反映している 22,27,32)。 ③特異性の効果(典型的な顔と非典型的な顔) :プロトタ イプからの相違に関しては,N170 の振幅は非典型かつ非 魅力的な顔のほうが高振幅であるとする報告がある 38)。 (3)N170 の発生源 今までの報告から,後頭葉下部外側,紡錘状回および上 側頭溝近傍の 3 ヶ所にその発生源が存在する可能性が高 い 28,29)。これらの部位は Haxby らのモデル 7)のコアシステ ムに相当する部位でもあり,その役割とも矛盾しない。 (4)相貌失認患者の ERP 文 献 1)Tarr MJ & Cheng YD : Learning to see faces and objects. 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