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井上信也博士 : シンヤスコープとともに半世紀

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井上信也博士 : シンヤスコープとともに半世紀
JLaureate
2003年 度 国 際生 物 学 賞
井上信 也博 士
シ ンヤ ス コー プ と と もに 半 世 紀
● は じめ に
鏡 と は,遠 心 機 と顕 微 鏡 と を組 み 合 わ せ た も の で,性 能
2003年 度 国 際 生 物 学 賞 を 受 賞 した 井 上 信 也 博 士 は,
米 国 ボ ス トン 近 郊 ウ ッ ヅ ホ ー ル(Woods
Database Center for Life Science Online Service
洋 生 物 学研 究 所(Marine
Hole)に あ る 海
Biological Laboratories)の 研 究
を 良 くす る に は回 転 運 動 を 静 止 観 察 す る とい う ジ レ ンマ
を 解 決 す る必 要 が あ る.古
くは,Harveyに
よ り製 作 さ
れ た 遠 心 顕 微 鏡 が あ り,高 重 力 下 に あ る さ ま ざ ま な細 胞
者 で あ る.井 上 博 士 は 日本 の 大 学 を卒 業 した あ と,米 国
が 観 察 さ れ,と
に留 学 され て 以 来,ほ
が 観 察 さ れ た.こ れ は細 胞 に お け る核 の は た ら きを 調べ
とん どの 期 間 を米 国 で 教 育 研 究 に
打 ち 込 ん で お られ る.82歳
の今 も,現 役 の研 究 者 で あ
る.井 上 博 士 の 履 歴 な どに つ い て,詳
1,2を
し くは 文献 ・資 料
参 照 さ れ た い.
私 は20年
る研 究 を生 み 出す こ と に な っ た5).日 本 で も,故
上坪英
治 一橋 大 学 名 誉 教 授 が 考 案 した 遠 心 顕 微 鏡 を用 い て,原
形 質流 動 で発 生 す る力 の研 究 な どが 行 な わ れ た6).こ れ
ほ ど前 に 海 洋 生 物 学 研 究 所 で 井 上 博 士 に お
世 話 に な り,私 に とっ て は先 生 の よ うな 存 在 で あ る.そ
れ ゆ え,他
く に海 産 無 脊椎 動 物 の卵 の 分 層 や 断 片 化
に適 任 の 方 が お い で で は あ る が,あ
えて本稿
ら の 遠 心 力 は2,0008程
度 だ が,井
上 博 士 の 顕 微 鏡 は5
倍 以 上 の性 能 を もつ.
そ れ で は,偏 光 顕 微 鏡 に つ い て は ど うか.偏
光顕微鏡
を書 か せ て い た だ く.本 稿 で は,博 士 の 業 績 の うち,ほ
で は,複 屈 折 の 大 きさ は レ ター デ ー シ ョ ン と よ ば れ,長
ん の一 部 しか 紹 介 で きな い が,詳 細 は 引 用 文 献 に 当 た っ
さの 単 位 で 表 わ され る.1本
て い た だ きた い.
ン は0,07nmと
作 した1nm以
●遠 心 偏 光 顕 微 鏡
は10本
井 上 信 也 博 士 は2001年,世
の微 小管 の レターデ ー シ ョ
見 積 も られ て い る の で7),井 上 博 士 が 製
下 の 検 出 感 度 を有 す る 遠 心 偏 光 顕 微 鏡 で
程 度 の 微 小 管 が 見 え る こ とに な る.
界で初 め て遠心 偏光 顕微
鏡 を完 成 し た3).こ れ は 微 分 干 渉 顕 微 鏡 や 蛍 光 顕 微 鏡 と
して も使 う こ とが で き る.こ の 顕 微 鏡 につ い て は,井 上
●偏 光 顕 微 鏡:シ
ンヤス コープ
井 上 信 也 博 士 は偏 光 顕 微 鏡 の もつ,通
常 の光学顕微 鏡
博 士 と共 同 で 開 発 ・研 究 した 合 田 真 博 士(現 京 都 大学 理
の 解 像 限 界 を超 え,分 子 レベ ル の 配 列 を見 る こ と の で き
学研 究科 生 物 物 理 学 教 室)の 解 説 文 を 参 照 して ほ し い4).
る とい う特 徴 が 生 物 を 見 るの に 重 要 だ と考 え,生 物 の標
完 成 が 最 近 の こ と な の で こ の顕 微 鏡 を用 い た 研 究 成 果 は
本 が 見 え る よ う な偏 光 顕 微 鏡 を 製作 して き た.博:士 が 自
ま だ 少 ない が,博
作 した偏 光 顕 微 鏡 は,お 名 前 に ち な ん で,シ
し説 明 す る.こ
士 の 業 績 を示 す 格 好 の 例 で あ る の で 少
れ は遠 心 顕 微 鏡 で,か つ 偏 光 顕 微 鏡 で あ
る.そ の 性 能 は11,5008の
き,1nm以
重 力 場 を作 り 出 す こ とが で
下 の 複 屈 折 の 検 出 能,1.0μm以
下 の分解 能
プ と よ ば れ て い る.そ
ンヤ ス コー
して,前 述 した 遠 心 偏 光 顕 微 鏡 が
第4世 代 の シ ンヤ ス コ ー プ と よ ば れ るの で あ ろ う.顕 微
鏡 が 固 有 名 詞 で よ ば れ る 例 は他 に は な い.こ
の こ と は,
を同 時 に ひ き出 せ る もの で あ る.生 物 学 の 教 育 ・研 究 に
多 くの 研 究 者 に よ っ て井 上博 士 の研 究 が 独 創 的 で あ る と
は 顕 微 鏡 を よ く使 用 す る が,ど ち らの タイ プ の 顕 微 鏡 も
一 般 に は普 及 し て い な い の で 解 説 が 必 要 で あ ろ う.
認 知 され て い る こ と を示 す.
まず,遠 心 顕 微 鏡 と して の性 能 を考 察 す る.遠 心 顕 微
Yukihisa
68
Hamaguchi,東
井 上 博 士 の先 生 で あ る 団 勝 磨 博 士 は 著 書 に,シ
京 工 業 大 学 大 学 院 生 命 理 工 学 研 究 科 生 物 プ ロ セ ス 専 攻E-mail:[email protected]
蛋 白 質 核 酸 酵 素VoL49No.1(2004)
ンヤ
ス コー プ の1世 代 目 に あ た る 顕 微 鏡 の 誕 生 をお も し ろ く
紹 介 さ れ て い る8).井 上 博 士 が 学 生 時 代 に
偏 光 顕微 鏡 を使 うが,う
こ で戦 後,偏
ま く見 え な い.そ
光 顕 微 鏡 に再 挑 戦 した井 上 博
士 は,機 関 銃 や 双 眼 鏡 な どを 使 って 自作 さ
れ た との こ とで あ る.こ
れ が 第2次 世 界 大
戦 直 後 に作 られ て い る の で,シ
ンヤ ス コー
プ に は半世 紀 以 上 の 歴 史 が あ る こ とにな
る.言 い 換 え れ ば,生
物 偏 光 顕 微 鏡 を用 い
て の研 究 は井 上 博 士 の 生 涯 の 研 究 課 題 で あ
る.こ の 顕 微 鏡 で 細 胞 分 裂 を見 た研 究 論 文
写 真1パ
ノラ マ風 に撮 影 したシ ンヤス コー プ
中 央 に観 察者 が 座 る椅 子(背 だ けが 見 え る)が あ り,右 手 に 顕 微鏡 が あ る.顕 微 鏡
も発 表 さ れ て い る9,10).こ れ に つ い て は,
には 柱 の よ うな 太 い 光 学 ベ ン チ があ り,そ れ に 光学 部品 が た く さん 付 い て い る.
次 項 で解 説 す る.
上 方 に光 源(写 って い な い)が,中
井 上 博 士 が 偏 光 顕 微 鏡 を製 作 す る と き,
央 付 近 に載 物 台 が あ り,そ の 下 に双 眼の 接 眼 レ
ンズ が あ る,い わ ゆ る倒 立 型 で あ る.写 真の 中 央,右 端,左 端 にモ ニ ター が見 ら
れ る.1982年
当 時の も の.
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構 成 す る レ ンズ に加 え て ス ラ イ ドガ ラス,
カバ ー ガ ラ ス まで もが 吟 味 さ れ た こ とは 言
う まで も な い.な ぜ な ら,レ
ンズ や ス ライ ドガ ラス,カ
く は 消 滅 した.1963年
に紡 錘 体 の 繊 維 が 微 小 管 で あ る
バ ー ガ ラス の材 料 で あ る ガ ラ ス は複 屈 折 性 を もち,偏 光
こ とが 電 子 顕 微 鏡 で 発 見 され る に 至 っ て は,ま す ます こ
顕 微 鏡 の 性 能 を 劣 化 さ せ る 要 因 と な る か ら で あ る.ま
の 説 が 決 定 的 と な っ た14」5).また,井
た,遠 心 力 の よ う な力 が 加 わ る と,ガ ラ ス の複 屈 折 が 大
究 を ま と め た1967年
き くな り,顕 微 鏡 の 感 度 が 低 下 す る.こ の よ う に厳 しい
と構 成 要 素 で あ る チ ュ ー ブ リ ン との 動 的 平 衡(dynami
条 件 の ほ か に,レ
equilibrium)が 染 色 体 運 動 の 原 動 力 で あ る とす る 説 は,
ン ズ と して の 性 能 を発 揮 す るた め に原
理 的 に避 け られ な い こ とで は あ る が,レ
ン ズ表 面 が 曲面
で あ る こ と も ま た,顕 微 鏡 の感 度 を低 下 させ る とい う現
実 が 存 在 した.そ
こで,博
上 博 士 が 自 らの 研
の 総 説 で 提 唱 した,紡
錘 体微 小 管
c
現 在 で も説 得 力 を失 っ て は い な い16).
次 に 示 す 研 究 は,偏 光 顕 微 鏡 本 来 の,鉱
物 を観察す る
士 は レ ンズ の 表 面 に よっ て 生
能 力 を発 揮 した 例 で あ る.文 字 の 上 に方 解 石 を お くと 二
じ る複 屈 折 を補 正 す る レ クチ フ ァイ ヤ ー を 考 案 した11).
重 に 見 え る こ とは,複 屈 折 を示 す 現 象 と して よ く知 ら れ
の ち に,そ
て い る.方 解 石 の 成 分 は炭 酸 カ ル シ ウ ム で,生 物 の 骨 も
れ を 装 着 し た レ ン ズ が,ニ
コ ンに よ り発 売 さ
れ た.お か げ で,一 般 の 研 究 者 もそ の恩 恵 を 受 け,高 感
炭 酸 カ ル シ ウ ム や リ ン酸 カ ル シ ウ ム で で き て い る.ま
度 の生 物 用 偏 光 顕 微 鏡 を使 う こ とが で きた の で あ る.私
た,ウ
も レク チ フ ァ イ ヤ ー を 装 備 した 偏 光 顕 微 鏡 に よ っ て,細
は炭 酸 カ ル シ ウ ム で で きて い る.幼 生 の 骨 片 は 発 生 過 程
胞 の動 的構 造 の 美 し さ に 魅 せ られ た 一 人 で あ った.
で 三 つ 又 の針 状 構 造 と して 見 え は じめ,ど
ニ の と げ や 殻,ウ ニ 幼 生 の骨 片 と よ ば れ て い る骨
ん どん 分 岐 し
た り折 れ 曲 が っ た り して,非 常 に複 雑 な 形 に な る.井 上
●染 色 体 運 動 と そ の 後 の 研 究
博 士 は この骨 片 が単 結晶 か らで きて いる こ とを発 見 し
井 上 信 也 博 士 は偏 光 顕 微 鏡 を使 っ て の 当 初 の研 究 で,
た17).シ リ コ ンな どの 単 結 晶 の 材 料 を加 工 して 多 様 な も
紡 錘 体 が 生 きた 細 胞 に 実 在 す る こ と を明確 に 示 し,染 色
の を製 作 す る 最 新 の工 学 技 術 とは 逆 に,ウ ニ 幼 生 は 炭 酸
体 運 動 に か か わ っ て い る こ と を 明 ら か に した9,10,12).こ
カ ル シ ウ ム の 単 結 晶 をつ く り,そ の ま ま複 雑 な形 に 成 長
れ は以 後 の 染 色 体 運 動 の 研 究 を 一 変 させ る こ と と な っ
さ せ て,骨
た.つ
ま り当 時 は,紡
錘 体 に あ る繊 維 は細 胞 の 固 定 に よ
る 人工 産 物 で あ る と考 え られ て い た の で,さ
イ デ ア に富 ん だ,今
まざ まな ア
で い え ば 荒 唐 無 稽 な染 色 体 運 動 の 仮
説 が 存 在 した13).そ れ 以 後,紡
錘 体 を構 成す る染 色 体 と
片 とす るの で あ る.
井 上 博 士 に 私 が 初 め て お 会 い した の は,1982年
国 際 交 流 基 金 の 支 給 を受 け,海
た と きで あ っ た.ち
に団
洋 生 物 学 研 究 所 に留 学 し
な み に,こ の 基 金 は 団 勝 磨 博 士 の
奥 様 ジ ー ン博 士 を 記 念 して 設 立 され た もの で あ る.こ の
中 心 体 を 結 ぶ 繊 維 の 収 縮 ・引 っ 張 り(contraction/pull-
と き ま で に シ ンヤ ス コー プ の 噂 を 聞 い て は い た が,研
ing)説 以 外 の 静 電 的 な仮 説 や 流 体 力 学 的 な仮 説 な どの 多
室 に着 い て 驚 い た の は,シ
究
ンヤ ス コ ー プ の 大 き さで あ っ
蛋 白 質 核 酸 酵素Vol.49No.1(2004)
69
止 して い て,分 裂 装 置 が 偏 光 顕 微 鏡 で よ く
見 え る.こ の 分 裂 装 置 を マ イ ク ロ操 作 に よ
っ て動 物 極 か ら引 き離 して も,分 裂 装 置 は
ま た元 に戻 る こ と を証 明 した(写 真3).減
数 分 裂 は い つ も細 胞 の 一 定 の 場 所,す
ち動 物 極 で起 こ る が,本
なわ
研 究 に よ って,こ
の仕 組 み の 一 端 を 明 ら か に した.
●ビデオ顕微 鏡
1980年 こ ろ に は,井
上 博 士 は肉眼 で 観
察 す る こ との 限 界 に気 づ き,目 の代 わ り と
写 真2井
上 信 也,Sylviaご
夫妻 との食 事風 景
右 か ら2人 目 が井 上 博 士,左 端 に奥 様(1988年)
して,顕 微 鏡 観 察 に テ レ ビ カ メ ラ と画 像 処
理 装 置 を使 う こ と を重 要 研 究 課 題 と した.
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私 が シ ンヤ ス コー プ を使 っ た と き に は,す
で に映 像 モ ニ
タ ー で 画像 処 理 した像 を 見 る こ とが で きた.顕 微 鏡 を操
作 して い る 人 だ け で な く,周
りに い る 人 た ち に も像 が 見
えて 議 論 で きる よ う に,モ ニ タ ー は前 に だ け で は な く,
横 に も,後 ろ に もあ っ た.確 か に,モ
て い る人 に は都 合 が よ いが,顕
私 は,油
ニ ター は そ ば で 見
微 鏡 を 見 て い る 当事 者 の
を絞 られ て い る ガ マ の 心 境 で あ っ た.
井上 博 士 は画 像 処 理 装 置 を使 う 方 法 が,生
き た細 胞 の
観 察 で と くに偏 光 を照 明 に使 う偏 光 顕 微 鏡 や 微 分 干 渉 顕
微 鏡 で は 有 効 で あ る こ と を実 証 した19).ま た,こ の よ う
写 真3ツ
な理 論 面 の 有 効 性 とハ ー ドウ ェ ア の性 能 だ け に注 目す る
バサ ゴカ イの分裂 装置 に関 する実 験 結果
分 裂 装 置(矢 印)は 動 物極 表 層 に接 着 して い る(a),分
裂 装置を卵
中央 付 近 に動 か す(b)と 分 裂装 置 は動 物 極 に 戻 り,接 着 す る(c).
も う 一度 引 き 離 して も(d),同
じ場 所 に 戻 る(e,f),
の で は な く,画 像 処 理 の 実 施 方 法,す
な わ ち ソ フ トウ ェ
ア の 開 発 に も力 を注 い だ.な か で も,ご 子 息 の 一 人 と共
同 で 開 発 した 画像 解 析 用 の ソ フ トウ ェ ア “lmage-1” は
広 く使 わ れ,現 在 は “Metamorph”
た.シ
ンヤ ス コー プ の 高 さ は身 長 よ り高 く,研 究 所 の 一
部 屋 を 占 拠 して い た(写 真1).当
時の シンヤス コープ は
て い る.さ
と して 受 け 継 が れ
らに,こ の 方 面 の 研 究 は 大 部 の 著 作 と して 結
実 し,日 本 語 訳 も出 版 さ れ た20・21).研究 所 で,学 会 で,
3世 代 目 に あ た り,垂 直 に も水 平 に も な る もの で あ る.
講 習 会 で 画 像 処 理 装 置 を 使 う 方 法 の 普 及 に 尽 く して き
水 平 に な れ ば,一
た.今 で は 多 くの研 究 室 で,顕
部 屋 が 丸 ご と必 要 で あ る.写
1988年 に再 度 訪 問 した と きの も の で あ る.こ
真2は
の とき も
厚 遇 し て い た だ い た.と
くに,こ の 年 は 海 洋 生 物 学 研 究
所 の 設 立100周
年 で,多
くの 研 究 者 が 来 訪 し,た い へ ん
な賑 わ い で,い
ま さ ら なが ら に研 究所 の 歴 史 の 重 み が 感
じ られ た.
微 鏡 が カ メ ラ を介 して コ
ン ピュ ー タ につ なが っ て い る風 景 に も見 られ る よ う に,
研 究 に不 可 欠 な もの に な って い る.
●お わ りに
長 年,生 命 の 不 思 議 を偏 光 顕 微 鏡 で 目の 当 た りにす る
に は井 上博 士 はペ ン シルバ ニ ア 大 学 の 教授
こ と に心 血 を注 い で こ られ た 井 上 信 也 博 士 の 国 際 生物 学
で も あ り,井 上 研 究 室所 属 の 大 学 院生 と一 緒 に 行 な っ た
賞 受 賞 は,バ イ オ イ メー ジ ン グ技 術 が 大 き く展 開 して い
研 究 を紹 介 す る18).海 洋 生 物 学 研 究 所 で あ る お か げ で,
る生 命 科 学 の 現 状 か ら見 れ ば 当 然 の こ と と考 え られ る.
ウ ニ,ホ
もち ろ ん 私 に と っ て は,こ
1982年
ヤ,カ
イ,ゴ カ イ な どの 卵 が 実 験 に使 え た.な
か で も,ツ バ サ ゴ カ イ の卵 母 細 胞 は減 数 分 裂 の 中期 で 停
70
蛋 白質
核酸
酵 素Vol.49No.1(2004)
の た び の 井 上 博 士 の受 賞 は 本
当 に喜 ば しい こ とで あ る.井
上 博 士 が 健 康 で 研 究 を続 け
て くだ さる こ とを念 じる と と もに,私
ど もと も以前 と変 わ
9)井
10)
11)
らず 共 同研 究 を して く だ さ る よ う期 待 して,終 わ りとす
る.
◇文
12)
13)
献
1)浜
口幸 久:学 術 月 報56,1278-1279(2003)
2)http:www.jsps。go.jpj-biol19award.htm;学
術 月 報
14)
56,1268-1272(2003)
3)
Inoue, S., Knudson, R. A., Goda, M., Suzuki, K., Nagano, C.,
Okada, N., Takahashi, H., Ichie, K., lida, M., Yamanaka,
K.: J. Microscopy, 201, 341-356 (2001)
4)合
田 真 ・鈴 木 慶 介 ・岡 田 尚 史 ・長 野 主 税 ・高橋
15)
16)
17)
一 ・山 岸
聖 明 ・市 江 更 治 ・山 中 孝 二 ・飯 田 昌 宏 ・Knudson,R.A.・
Inou6,S.:電
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5)
6)
7)
18)
子 顕 微 鏡37,145-147(2002)
Harvey, E. N.: J. Exp. Biol., 8, 267-274 (1931)
Kamitsubo, E., Ohashi, Y., Kikuyama, M.: Protoplasma,
152,148-155(1989)
Oldenbourg, R., Salmon, E. D., Tran, P. T. : Biophys. J., 74,
645-fi54(1998)
8)団
勝 磨:ウ
Frontiers
in Peptidome
Research
日
: Methods
(1953)
Ledbetter,
勝 磨:科
学,19,111-122(1949)
M. C., Porter, K. R. : J. Cell Biol., 19, 239-250
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Slauterback, D. B.: J. Cell Biol., 18,367-388 (1963)
Inoue, S., Sato, H.: J. Gen. Physiol., 50, 259-292 (1967)
Okazaki, K., Inoue, S. : Develop. Growth Differ., 18, 413434(1976)
Lutz, D. A., Hamaguchi, Y., Inoue, S. : Cell Motil. Cytoskeleton, 11, 83-96(1988)
Inoue, S.: J. Cell Biol., 89, 346-356 (1981)
Inoue, S.: Video microscopy, Plenum Press, New York
(1986)
21)寺
川 進 ・市 江 更 治 ・渡 辺 昭 訳:ビ
デ オ 顕 微 鏡,共
立出
版(2001)
ニ と 語 る,学 会 出 版 セ ン タ ー(1987)
ペ プ チ ドー ム研 究 の 最 前 線=解
場
19)
20)
上 信 也 ・団
Inoue, S., Dan, K.: J. Morphol., 89, 423-455 (1951)
Inoue, S., Hyde, W. L. : J. Biophys. Biochem. Cytol., 3,831838(1957)
Inoue, S. : Chromosoma, 5, 487-500 (1953)
Schrader, F.: Mitosis. The movement of chromosomes in
cell division (2nd ed.), Columbia Univ. Press, New York
for Analysis
and Applications
析 方 法 と応 用
時2004年1月28日(水)・29日(木)
所
講 演 者
千 里 ラ イ フ サ イ エ ン ス セ ン タ ー5階
サ イ エ ン ス ホ ー ル(大 阪 府 豊 中 市 新 千 里 東 町)
Per Andrea (Uppsala Univ.), Liliane Schoofs (Katholieke Univ. Leuven), Walter Blackstock (Glaxo Wellcome),
Markus Kalkum (Beckman Res. Inst. City of Hope), Young~Ki Paik (Yonsei Univ.) , Hubert Vaudry(Univ. Rouen),
石黒 正 路(サ ン トリー 生 有研),磯
山正治(蛋 研 奨),寒
川 賢治(国 循 セ),久 保 泰(産 総 研),佐
々木 一樹 ・水 島 洋(国 立
が ん セ),高 尾 敏 文(阪 大 蛋 白研),戸 田 年総(都 老 人研),中 里 雅 光(宮 崎大 医),西 村俊 秀(東 京 医大),西 村 紀(島 津),
芳 賀 達 也(学 習 院 大 理),日 沼 州 司(武 田),藤 澤 敏 孝(遺 伝 研),古
参 加 費 ・申 込
連 絡
先
無 料.参
加 希 望 者 はFAXかE-mailに
〒565-8565大
て 氏 名,所
阪 府 吹 田 市 藤 白 台5-7-1国
属,連
川 康雄(広 島大 理)
絡 先 を ご 登 録 下 さ い.
立 循 環 器 病 セ ン タ ー 研 究 所 ・薬 理 部
南野直人
FAX06-6835-5349E-mail:[email protected]
遺 伝 子 ・デ リバ リ ー研 究 会
第4回
シンポ ジ ウム
日
時
平 成16年5月10日(月)9:30∼18:00(9:00よ
場
所
京 都 テ ル サ(〒601-8047京
主
催
遺 伝 子 ・デ リ バ リ ー 研 究 会
講
演
改 変 型 ア デ ノ ウ イ ル ス ベ ク タ ー を 用 い た癌 遺 伝 子 治 療 ・免 疫 療 法 の 最 適 化(岡 田 直 貴,京
signed
Genes(Leaf
Huang,Univ.Pittsburgh),ヒ
と発 現 制 御 法 の 新 展 開(斎 藤
泉,東
細 胞 の 運 命 を 決 め る 小 さ なRNA遺
申込方 法
参 加 登 録,参
事務 局 ・
〒565-8565吹
問合 せ 先
り受 付 開 始)
都 市 南 区 東 九 条 下 殿 田 町70/Te1.075-692-3400/JR京
加 費,ポ
大 医 科 研),細
遺 伝 子 ・デ リ バ リ ー 研 究 会
第4回
胞 と 再 生 医 療(末 盛 博 文,京
薬 大),Non-Viral
大 再 生 研),ア
Delivery
of De-
デ ノ ウ イル ス ベ ク タ ー
胞 内 薬 物 動 態 制 御 に よ る ナ ノ 治 療 シ ス テ ム の 開 発(真 弓 忠 範,阪
伝 子 と デ リ バ リー(多 比 良 和 誠,東
ス タ ー 発 表 に 関 し て は,遺
田 市 藤 白 台5-7-1国
トES細
都 駅 八 条 口 西 口 よ り南 へ 徒 歩 約10分)
大 院 薬),
大 院 工)
伝 子 ・デ リバ リ ー 研 究 会 の ホ ー ム ペ ー ジ を ご 参 照 下 さ い.
立 循 環 器 病 セ ン ター 研 究 所 バ イ オ サ イ エ ン ス 部
シ ンポ ジ ウム運 営 委 員長
斯 波真 理 子
Tel.06-6833-5012ext,8209FAXO6-6872-7485E-mail:[email protected]
http : //www.gene-del
ivery.org/
蛋白質 核酸
酵 素Vol.49No.1(2004)
71
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