...

2014年度成果報告書

by user

on
Category: Documents
18

views

Report

Comments

Transcript

2014年度成果報告書
成果報告書(本文)
政策研究センター
リサーチ・プロジェクト
成果報告書
申請者(リーダー):
氏名
日比野 直彦
職名
准教授
所属
政策研究大学院大学
リサーチ・プロジェクト名:
港湾経営におけるガバナンス構造の比較分析
(和文)
A comparative study on the governance structure of port management
(英文)
期間:
2014/4/1
から
2016/3/31 2年間
研究組織:
リーダー
分担者1
分担者2
氏名
日比野 直彦
森地 茂
井上 聰史
職名
准教授
アカデミックフェロー
客員教授
所属機関・部局名
政策研究大学院大学
政策研究大学院大学
政策研究大学院大学
摘要(変更等を記入)
リサーチ・プロジェクトの目的
港湾は、伝統的に道路など他の交通インフラと同様に国や地方の行政部門が管理、運営を実施してきた。しかしグローバル化による需要の増加や投資の拡大、さらに物流シス
テムの構造変化に対応するため、先進諸国の港湾は多様な民営化、とくに公企業化に踏み切っている。政治や行政から独立した港湾は企業経営に近い効率性を志向するもの
の、地域の主体性を港湾経営にどのように反映させていくか、そのガバナンスの構造が新たな課題となっている。
本研究は、科研費による港湾経営のガバナンス構造に関する詳細な研究を目指して、まず世界の主要港湾における実態の概括的な把握、分析手法の試行的な開発を目的と
するものである。具体的には、世界の主要港湾について港湾組織の自立性と中央・地方政府の関与の関係を、文献調査や実態調査により比較分析する。とくに港湾経営のガバ
ナンス構造を規定する主要因子の抽出、その組み合わせのパターンや特性の評価を進めるとともに、わが国の構造的な特徴と問題点を考察し、改善に向けた示唆を行う。
研究成果の概要(800字以内):
研究計画に基づき、北米の港湾(ロサンゼルス港、シアトル港、ニューヨーク港、サバンナ港、ヒューストン港など)を中心として実態分析を行い、次のような諸点が明らかになっ
た。
(1)既往の研究成果における港湾経営のガバナンスに関する主要な論点は、港湾の投資や財政運営、人事や料金設定など多岐にわたるが、とくに意思決定に関する政治から
の距離が中心的な事項となっている。
(2)米国の港湾体制は全国的に統一した形態がなく、州により、港湾により、異なっている。20世紀初頭までは多くの港湾は行政が担当していたが、その後ポートオーソリティ制
へ移行した。以降は大きな体制変化は見られない。
(3)主要な港湾はすべて行政から独立した形態をとっているが、設立母体である州ないし市政府の関与の範囲や程度は大きく異なっている。その差異を分析するためには、個
別港湾の経営形態について詳細な比較が必要である。
(4)また豪州の主要港湾(シドニー港、ブリスベン港など)では、港湾経営権を民間企業に99年間の超長期コンセッションで売却している。港湾経営に対する地域の主体性を喪
失するリスクへの対策が極めて重要である。
研究成果:
別紙((成果報告書(研究成果一覧))に記入
その他、研究成果として特記すべき事項:
1.本研究を踏まえつつ、日本及び東アジア諸国における北米コンテナ航路網の時系列変化や特性、それらが港湾経営に与える影響について、定量的なデータを整備し基礎
的な分析を行った。(日比野、森地、井上)
2.日本港湾協会主催の「東京港港湾計画調査検討委員会」の委員を務め、東京港の長期計画を策定した。(森地)
3.研究の成果をもとに、東アジア経済フォーラム(釜山、韓国)において講演した(井上)
4.(財)国際港湾協会協力財団による国際港湾経営研修事業の研修ディレクターとして、日本の主要港湾の中堅職員に対して港湾経営に関する国内及び海外研修を統括、実
施した。(井上)
5.港湾経営とロジスティクス戦略を理解する人材を育成するため、本研究の成果をもとに、(社)日本港湾協会主催の各種研修(港湾行政セミナー、物流講座)やJICA主催のイ
ンドネシア政府職員研修で特別講師を務めた。(井上)
Page 1 of 2
成果報告書(研究成果一覧)
研究成果一覧:
(発表予定を含む。但し、投稿中、投稿準備中は除く。別紙一覧でも可。)
(必要に応じて適宜追加)
論文((学術雑誌(総合雑誌(文藝春秋、中央公論、世界)を含む。)等掲載)
※査読付きのものは、査読欄に「1」を入れてください
※共著論文の場合には、ご自身の名前の下にアンダーラインを引いてください
著者
10 件
標題
うち、査読付き
5 件
雑誌名
巻・号
発行年
/所収図書の編者・図書名・出版者等
/章・節
土木学会土木計画学研究・講演集
Vol. 49 2014
開始
ページ
1
- 18
第49巻2 2014
号
2014
Vol. 15 2013
25
- 28
155
19
- 166
- 30
第90巻7 2013
号
89巻2月 2012
号
Vol 110 2012
34
- 35
38
- 41
5
- 29
第89巻9 2012
号
2012
44
- 45
225
- 240
1
京田康宏、井上聰史、森地茂、 近海コンテナ航路の港間リードタイムと港湾選択
稲村肇
2
井上聰史、日比野直彦、森地茂 新たな時代の港湾経営とロジスティクス戦略
GRIPS Discussion Paper
3
井上聰史
新時代に挑む世界のコンテナ港湾
交通工学
4
5
Inoue, Satoshi
井上聰史
Port-City Governance
運輸政策研究
6
井上聰史
Port and City Governance - the case of Japan
サプライチェーン時代における港湾の経営
-公企業化の戦略的意義と枠組み
新時代のロジスティクス拠点を目指すブレーメン港
7
井上聰史
欧州における港湾の公企業化が意味するもの
港湾
8
Austin, Inoue, Fischer,
Schwegler
Climate Change, Springer Science
9
井上聰史
Climate change impacts on international seaports:
knowledge, perceptions, and planning efforts among
port administrators
ロジスティクス戦略で急成長する米国サバンナ港
10
Inoue, Satoshi
Climate Initiatives of the World's Ports
港湾
港湾
Maritime Transport and the Climate
Change Challenge
2014
終了
ページ
-
図書:
※共著の場合にはご自身の名前の下にアンダーラインを引いてください
※書籍の一部分のみを執筆した場合には論文の区分に含めてください。
2件
図書名
著者・編者
1
Yan Alix, Bruno Delsalle
2
Edited by Regina Asariotis,
Hassiba Benamara
Port-City Governance, Ch 2-4 by S. Inoue (詳細は論文
欄4)
Maritime Transport and the Climate Change
Challenge, Ch12 by S. Inoue (詳細は論文欄10)
出版者
発行年
Editions Management & Societe
2014
総ページ
数
299
Routledge, Taylor & Francis Group, London
(in collaboration with UNCTAD)
2012
327
学会・研究会名等
日本港湾協会 物流講座
国際港湾経営研修
UNCTAD Expert Meeting on SIDSs
Challenges in Transport & Trade Logistics
The 2nd Busan International Port
Conference
港湾行政セミナー
国際港湾経営研修
RCCM講演会
North East Asia Economic Forum 2014
報告年月日
2015/1/26
2015/1/23
2014/11/26
開催場所
東京
東京
Geneva
2014/11/14
Busan
2014/11/12
2014/10/31
2014/10/1
2014/8/21
東京
東京
東京
Busan
国際港湾経営研修
国際港湾経営研修
JICA Indonesia Experts Group Training
2014/7/24
2014/7/25
2014/5/26
東京
東京
横浜
口頭報告・学会発表等:
1
2
3
報告者等
井上聰史
井上聰史
Inoue, Satoshi
4
Inoue, Satoshi
5
6
7
8
井上聰史
井上聰史
森地茂
Inoue, Satoshi
9
10
11
井上聰史
井上聰史
Inoue, Satoshi
11 件
論題
変貌する世界の港湾と経営戦略
日本の港湾の課題と戦略
Tackling “slowness & uncertainty” for effective port
adaptation
Re-developing Inner Harbors: lessons from Japan’s
experience
変貌する世界の港湾と経営戦略
サプライチェ-ンと港湾経営
人口減少社会の地域活性化
Challenges of the World’s Ports in the Era of Global
Supply Chain
世界の港湾経営
主要港湾の経営システム
Challenges of Port Management in the Supply Chain
Era
Page 2 of 2
査読
(有=1)
1
1
1
1
1
Fly UP