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平成14年度
政策評価書(事前の事業評価)
担当部局:防衛局計画課
実施時期:14年8月
事 業 名:新無人偵察機システム
政 策 分 野 : 防 衛装備の適正な維持・管理(研究開発)
事 業 内 容 :着上陸侵攻や離島侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃やNBC攻撃、災害派遣等の多様な事態に有効に対処できる
無人偵察機導入の資とするため、遠隔操縦観測システム(FFOS)に所要の改善を加えた新無人偵察機システムを
平成15年度に参考器材として購入し、研究を行う。
所 要 経 費 : 約 28億円(後年度負担額を含む 。)
評価の内容 :
1.事業の目的
着上陸侵攻や離島侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、災害派遣等の多様な事態における適切な指揮活動を実施するた
めには、所要の映像情報の早期伝達が可能なシステムを保有する必要がある。
無人偵察機は、隊員を危険にさらすことなく、悪天候やNBC汚染下でも現場の詳細な情報をリアルタイムで映像にて
得ることが可能である。このため、無人偵察機の具体的な有用性や信頼性を確認するとともに、併せて今後の無人偵察機
の具体的な運用要領、具体的な編成、整備規模等を検討するため、遠隔操縦観測システム(FFOS)に所要の改善を加
えた新無人偵察機システムを参考器材として購入し、長距離の画像情報の収集が可能な無人偵察機の早期取得の資とする
ものである。
2.事業の必要性・適正性
( 1 ) 事 業 の 位置付け
① 政策分野等における事業の役割
ア 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 ( 平 成 1 3 年 度 ∼ 平 成 1 7 年 度 ) に お い て 、「 島 嶼 部 へ の 侵 略 や 災 害 に 適 切 に 対 処 し 得 る よ
う、初動展開・情報収集能力を高めた所要の部隊を新編する」とされており、離島対処部隊が展開時に情報収集を
行うための手段として活用できる無人偵察機の導入の資とする。
イ
不審船事案や大規模テロ、NBCテロ、さらに、自然災害や原子力災害などの各種の災害など、多様な事態にお
いて自衛隊が現場の状況把握や住民の避難・救出、敵の撃破などの適切な対処を行うための手段として無人偵察機
は 極 めて有効である。
②
防衛庁が事業を実施する理由
本事業は、我が国への着上陸侵攻や離島侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃やNBC攻撃、災害派遣等の多様な事
態に適切に対処するために不可欠な情報収集能力を高めるために有用であることから、防衛庁において実施すること
が適当である。
③
当該年度に実施する必要性
無人偵察機の有用性や離島侵攻対処能力の向上の緊要性等に鑑み、無人偵察機を早期に装備化するため、遠隔操縦
観測システム(FFOS)に所要の改善を加えた新無人偵察機システムの参考器材を平成15年度に調達、平成17
年度に取得、平成17年度末から平成18年度に試験データを当システムにより得るものである。
(2)事業の必要性
① 既存の事業によらない理由
現有装備である遠隔操縦観測システム(FFOS)では、データリンクの到達距離の限界が要求性能を満たさず、
運用構想に適さないため、そのまま使用することはできない。したがって、同システムのデータリンクシステムを改
善し、無人偵察機としての運用に適したものにする必要がある。
②
他の代替手段との比較検討状況
米 陸 軍 の Shadow200 を は じ め と す る 固 定 翼 無 人 機 は 、 最 大 速 度 は 速 く 広 範 囲 の 情 報 収 集 に は 適 す る も の の 、 回 転
翼式と異なり定点監視能力に劣るため、艦船に搭載される車両・小型船舶等の確認が困難である。
回転翼無人機である Fire Scout 及 び Eagle Eye については要求性能を満足する可能性はあると考えられるものの、
Fire Scout については、開発のめどが不明確である。仮に開発が終了しても使用する電波が我が国で使用される周波
数帯と異なるために改修を要し、相当の改修経費が必要になる上、改修に時間を要する等、不適当であると考えられ
る 。 ま た 、 Eagle Eye については、米軍が採用を取りやめた経緯もあり、開発のめどは不明確である。
(3)数量等の事業内容の必要性・妥当性
無人偵察機の具体的な有用性や信頼性を確認するとともに、今後の無人偵察機の具体的な運用要領、具体的な編成、
整備規模等を検討するため、平成15年度に遠隔操縦観測システム(FFOS)に所要の改善を加えた新無人偵察機シ
ステムを参考器材として購入することは妥当であると考えられる。
3.事業実施の時期・効果
(1)実施効果
部隊要員を危険にさらすことなく現場の詳細な情報が映像でリアルタイムに得られるとともに、悪天候やNBC汚染
下でも十分に情報収集が可能な、極めて有用性の高い装備である無人偵察機を早期に装備化することが可能となる。
(2)実施時期
平成15年度に調達、平成17年度に取得予定。
今後の対応 :無人偵察機の具体的な有用性や信頼性を確認するとともに今後の無人偵察機の具体的な運用要領 、具体的な編成 、
整備規模等を検討するため、平成15年度に所要の予算要求をし、遠隔操縦観測システム(FFOS)に所要の改
善を加えた新無人偵察機システムを参考器材として購入し、平成17年度に取得する。
その他の参考情報:
○ 別図第1:新無人偵察機システムの運用のイメージ
○ 別図第2:新無人偵察機システムの概要
○ 別図第3:諸外国の無人機の性能・諸元
○ 遠隔操縦観測システム(FFOS)は、野戦特科部隊における目標の設定、射撃の観測等を行う無人観測システ
ムである。
別図1
新無人偵察機システムの運用のイメージ
無人機
地上装置
別図2
新無人偵察機システムの概要
別図3
諸外国の無人機の性能・
諸元
名 称
遠隔操縦観測システム
(FFOS)
Fire Scout
Eagle Eye
Shadow 200
使用国等
陸上自衛隊
米海軍・海兵隊
米国
米陸軍
ヘリコプター型
ヘリコプター型
チルトロータ型
カタパルト発進
行動半径
近距離
短距離
短距離
短距離
搭載センサ
FLIR及びTV
FLIR及びTV
FLIR及びTV
FLIR及びTV
全備重量
275kg
約1011kg
約1020kg
約144kg
全 長
3.8m
8.4m
5.5m
3.4m
全 幅
1.2m
2.1m
4.6m
3.9m
最大速度
約135km/h
185km/h
306km/h
約120km/h
備 考
平成8年度開発終了
平成13年度装備化
開発中
動向不明確
開発中
動向不明確
開発中
平成14年度IOC予定
無人機
近距離:数十㎞
短距離:百数十㎞∼数百㎞
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