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陽圧型と東消 5型両空気呼吸器に関する調査・測定結果について
消防科学研究所報 23号(昭和61年) 陽圧型と東消 5型両空気呼吸器に関する調査・測定結果について Studyon pressuredemanda i rbreathing apparatusanda i rbreathing apparatus. 張 替 久 雄 日 野 尻 忠 弘 ' 丸 山 勝 幸 ' Experimentswerec a r r i e do u tons e v e n t e e nh e a l t h yf i r ef i g h t e r s .. o nt h el o a do fs t e p e x e r c i s e( 2 0 c mh i g h )w i t hp r e s s u r edemanda i rb r e a t h i n gapparatusanda i rb r e a t h i n gapparatus Thef o l l o w i n gr e s u l t swereo b t a i n e dbye s t i m a t i n gt h ep h y s i o l o g i c a lr e s p o n s ed u r i n g5 . m i n u t e s ex~rcise andq u e s t i o n n a i r es u r v e y 1 ) A ir consumption o f demand p r e s s u r ea i rb r e a t h i n g apparatus a r e more t h a na i rb r e a t h i n g a p p a r a t u s . 2 ) Theh e a r tr a t ea r ek e p tbelow1 5 0beats/minf o rs t e pe x e r c i s e . 3 ) Them e r i to fdemandp r e s s u r ea i rb r e a t h i n gapparatusa r el i g h tweightandcomfortabler a s p i r a t I O n 4 ) Themerito fa i rb r e a t h i n gapparatusa r eeasyt om a i n t a i n . 安静 l 負荷 l 3 分 5 分 l (常温) (熱環境) 1.目的 回 復 l 1 0 分 I 陽圧型空気呼吸器(以下「陽圧型」という。)と 東消 5型宅気呼吸器(以下「東消 5型」という。) 安静 l 負荷 l 3 分 5 分 l (常温) ( 常 、 温 ) (常温) 回 復 l について,使用面における比較を隊員の生理的泊三 1 0 分 I 締 と意識面との双方から行い,それぞれの特性を 把握し,安全管理上の資料を得るために実施した イ ものである。 (常温) 常温環境(温度 20~250C ,湿度 50~60% , 風速 0.5m/ 秒以下) 2 . 測定時期 ( 3 ) 使用呼吸器の主な仕栂 昭和 6 0年 1 0凡初旬及び昭和 6 1年 1月下旬 , # 名 掛 庄型 京消 5型 3 . 測定場所 式 fi~ 消防科学研究所第四研究室 民 4 圧笛 空 気 ・放出肺力式 圧縮空気・肺力関政式 医学実験室 l I i 117kg 凪 測定内容等 寄保報開 始方E 力 曹 式 6 0~ l~kg/ca' ホ ( 1 ) 測定対象者 特別救助隊員. 1 2人,一般隊員 5人,計 1 7 内 容 積 f ッスル式 1 5 . 0同 圧3 縮 0孟 空s t R M 打 / 鈴 C o I 式 5! 8! 3 0 0 k g / a r c o ' 1 5 0 k g / 1 5 0 0! 1 2 0 0! ポ 人 。 ン 島高 充場圧力 ( 2 ) 環境条件及びタイムスケジュール ^ ' ア 熱環境(混度 50 C ,湿度 60~70% ,風速 0.5 0 慣行空気量 m/秒以下) ( 4 ) 装備条件 ア 安静及び負荷時とも出火出場時の服装で, 率第一研究室 陽圧型(陽圧切換パルプを 率第四研究室 (9 0) ONの状態)又 は,東消 5型を着装した、 5 結果と考察 回復時は,空気呼吸器をおろし,防火衣と イ なり安静座位とした。 ( 1 ) 空気消費量と使用時間 ( 5 ) 負荷条件 ア 空 気 消費f 0 c mの踏台を 2秒に 1回 負 荷 は 階 段 法 (高 さ2 空気消 費訟 は.呼吸器の種別及び環境条件 上下す る)を 用いた。(この負荷 r i .RMR10であ ごとに 1分間あたりに換算すると表 1のとお り,現場到着から耐火建物庭内に進入し.放水 王型が東消 5型よ りになり ,熱環境下では陽 j 態勢をとるまでの消防活動に相 当する。 ) り18%多く.両呼吸器の間には統計上の有意 測定項目 ( 6 ) 差が認められた (pく 0 . 0 5) c ア 空気消費舟 常温環境下でも 陽正型が 使用前 と後のボンベの 盛量差 を精密台秤で 9%多いが,両呼 吸器の間には有意差は認められなかった。 測定し,容 jt i換算 した。 表 l 空気消費量の比較 イ心拍数 多用途医用監悦装置 により,連続測定した。 ( 7 ) アンケー卜調査 両呼吸器測定終了後. 1 5 項目 について質問紙 法によるアンケー卜 調資 を実施した。 イ 使用時間の算出 使用時間の算出は,次式によって求められ 陽圧型空気呼吸器と東消 5型空気呼吸器の比較 る 。 恒三」 2 うなと 1 1. 消防両日計 や ;>11 回!.:-') と う . 陶自. ~~~~、呼吸 w. をiJl! l!! L. ています が.ぞ の~ •.fJ.J ~ 虫 l1'1 5 ~!空 汎呼吸 器 ( ~ Iホ〆べ)と i t絞 し て l 叫百 Lて 下さ,>。 {ょいと 旦.~ o jf j~ ニ リ印 を付け て 下 :' l' ç ) I i l 制日型 自 11f l i d f 忍 211 < L' .~~里 海 ベ 31t A 4 吸 この式によ り,呼吸器の樋別及び環境条件 判 定 で 3ない ごとに,それぞれ使用時間を 算出すると,表 2のとおりとなる。 表 2 使用時聞の比較 気 の 裂 さ 圧 型 │東 i l ' I 5塑 ( 1 5 0 0 -7 5 )e I0 2 0 0ー 1 2 0)~ 防 1' l . ; , ¥ カ ゴP ーさ 6 呼吸 の すき m 2 5 分 7 血( ( :c 1 ) フ ィ ッテイ〆グ 8 怖 nl 'JJC 'イッ 9 1 01I τ 3 0分 テ J 〆グ 前 j ; ( .r 吋 J) ( ι ' f ) , (余悩圧力: 15kg/ c m'とした ) 性 ウ ¥ 1 町 耳i の 迅 溜 性 1 2 罰則乃 1 31i f I ' f の 空気消費1 lと使用時間との関係 陽圧型 の方が東 消 5型よ り空気を 多 く消貸 H g t : I 広 2 5分 し,特(こ熱環境下での活動のように負荷が厳 占 1 41J i し との 栂野 しくなるにつれて莞が大きくなる傾向がみら 1 5 ; / L るふ 保 守 i ' i ' 埋 したがって,使用時間もそれだけ短くなり, 携行空気挫の割に使用時間の差がなくなって くることに注意する必要がある。 陽圧型が空気をより多く消択する理由とし ては .吸気が楽 なため ,あるいは情造上の特 性によるためなどが考えられる。 (9 1) 仲 (回イ分〉 常温環 i 苅 岬数( 叫 附) 1 50 ・ 6 0 協l 王型 ロ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ロ 京消 5l ' d 1 G U 5 0 . 1 0 。 0 30 トー負街一寸一一一一一 日復 一一一一→ 20 U o1 2 1 0 3 4 6 78 9 1 01 1 121314 1 5 (分) 図 2 心拍数の変化(lJ 川 県 消5 限圧型 心l 自数 ( 熱1 , ; ) ] 克 ) ( 凶 /分) 刷出 1 5 0 .一一一一. r~庄~ 0 i n i n ・0 l I !i 向5 l l i 然環燐 A有 : l : ! : 2 をあり CPく 0. 0 5) A 1 0 0 6 0 ー 5 0 5 0 ト一 一! 1 荷 一一十一一一一一 。o 40 1 2 3 4 ~ 6 30 団組 一一一一一寸 8 91 01 1 1 2 1 3) 4 1 5 図 3 心拍数の変化( 2) 20 ( 3 ) アンケート調査 ア 陽圧型について 1 0 ( ア ) 陽圧型が東消 5型よ り優 れているという 東消5 鴎圧型 意見 l ム「軽 h l感 J. 吸気の楽さ J. 快適さ」 などのソフト 面 に多い。 刷出 ( ノ) 特 に 東 消 5型と比較し ,重量が 3.3kg軽く なっていることから,疲労度が軽 減 され楽 図 l 空気消費量の比較 になったと述べ ている者が 多 <.また,マ スク内が働圧になっているために呼吸が楽 であるなど ,使用感覚首i に対 する評価が高 く,隊員の負担が軽減され るものと考えら ( 2 ) 心拍数 れる。 心拍数の変化は両呼吸器とら殆んど同じ傾向 にあり ,特徴は みら れ ない。 イ (92) 東消 5型について 分) 表 3 陽庄型と東消 5型両空気呼吸器の比較アンケー卜調査結果 (~ニ 17 名) J T i 同 自 売J 圧 ) 1 ( 消 5 判定 ~ て きない t I I I I 宜 ' L h 事 t~ i 島 き ロ 吸 汎 の 主 リ ' 哩 明 主 i ; p 主i の 官 主 呼 吸 の 来 y 作 業 1 ' 1 用 性 口 の迅 趨 仁コ 2 3L │ 仁 コl ' f白 下 山 づ イ ツ テ ィ ン プ 口I~ ω: ι り 1 1 l 二二11 手 イ〆 プ 山山内 巴 │ 仁王 o口I~ 暗 曲J fh ' ) フ ィ l c 二二 コ2 │ 仁 コl 11 仁コ 2 11 亡 二 二ゴ│ t t 3 撹 習 用の吉弘 性 椛 t t の広 さ 11 t ¥ - 亡二二コ仁ヨ 2 3 T 宅 足 保 も との 守 口│ 倒 野 i ' i ' l 仁コ9 己コ 1 明 1 1 01 1 2 ( 1 1 ) 織れてい ると忠う方 を '. . . r . . " Iク L人e ( 7 ) 東消 5型が陥圧型より催れているという 6. ま と め 意 見 は 着 用 の 迅 速 性 J. 着 用 の 容 易 性 J. 面体のフィッテインク J. 保守管理」 ( 1 ) 陽圧型の空気消費記ーは,負荷が厳しくなるに したがって東消 5型より多くなるので,使用時 などハー ド面に 多い。 ( イ ) 操作性,保守管理面などを東消 5型の利 点としてあげているのは,十湾造が若干単純 間の算出にあたっては注意する必要がある。 ( 2 ) 陽圧型は,使用感覚面において催れ,東消 5 であり,また,使用上 の慣れによるものと 型は,操作性について優れた面があり,それぞ 考えられる。 れの特性を有している。 (9 3)