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女性研究者支援ポジティブ・アクションセミナー

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女性研究者支援ポジティブ・アクションセミナー
文部科学省科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業」(拠点型)
平成26年度 秋田大学
女性研究者支援ポジティブ・アクションセミナー
−実 施 報 告 書−
はじめに…
これまで幾人もの女性研究者が輝き続けてきた中に
は、その数だけ多くの働き方があるのではないでしょ
うか。
これからより多くの女性研究者が輝いていくため
に、そのヒントをみつけてみませんか。
このリーフレットは、平成26年10月12日
(日)に
開催された「平成26年度秋田大学女性研究者支援ポ
ジティブ・アクションセミナー」の講演内容をもとに
作成しております。
発行:国立大学法人秋田大学男女共同参画推進室
〒010−8502 秋田市手形学園町1−1 電話 018−889−2260
HP http://www.akita-u.ac.jp/coloconi/
ポジティブ・アクションとは…
一般的に、社会的・構造的な差別によって不利益を被っている者に対して、一定の範囲で特別の機
会を提供することなどにより、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置の
ことをいう。
内閣府男女共同参画局では、男女共同参画社会の実現に向け、
「社会のあらゆる分野において、2020
年までに、指導的地位(※)に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」とい
う目標(平成15年 6 月20日男女共同参画推進本部決定、『2020年30%』の目標)を達成するため、
女性の参画を拡大する最も効果的な施策の一つであるポジティブ・アクションを推進し、関係機関へ
の情報提供・働きかけ・連携を行っている。
※「指導的地位」の定義
(1)議会議員、
(2)法人・団体等における課長相当職以上の者、
(3)専門的・技術的な職業のうち特に専
門性が高い職業に従事する者とする。(平成19年男女共同参画会議決定)
(内閣府男女共同参画局ホームページより)
なぜポジティブ・アクションは必要なのか?
働く女性の
労働意欲の向上
女性の活躍が
周囲の男性に刺激
→生産性の向上
多様な人材による
新しい価値の創造
幅広い高い質の
労働力の確保
外部評価の向上
個々の労働者の能力発揮の促進だけでなく…
さまざまなメリット があると考えられる
講師紹介
長崎県長崎市生まれ。医学博士。栄養生理学、特に脂溶
性ビタミン(レチノイド)専門。
日本女子大学大学院家政学研究科を修了後、東京大学医
学部助手(文部教官)、現在の静岡県立大学の前身静岡女
子大学講師などを経て、1997年には静岡県立大学食品栄
養科学部長、2009年には現在の常葉大学である浜松大学
大学院健康科学研究科長に就任。
2011年に浜松大学を退職され、現在は静岡県立大学及
び長崎県立大学シーボルト校名誉教授。
学問のロマンに魅せられ、現在も研究活動を継続中。
静岡県立大学名誉教授/
長崎県立大学シーボルト校名誉教授
高瀬 幸子
先生
講演
「女性研究者の活躍推進は常在戦場〈私の場合〉」から
男女共同参画に関する意識には、
世代格差もあります。
まず家庭と仕事を両立すること
が大切です。
研究者は、男性・女性の区別無く、競争す
ることで研究が進みます。私は子どもの頃に
戦争を経験したことで、ハングリー精神の塊
で育ちましたので、今まで「男女共同参画」と
いう言葉を意識したことはありませんでした。
女性の潜在能力を発揮するためには、環境
整備が必要です。研究も常在戦場、家庭も常
在戦場ですから、保育施設をはじめとする育
児支援、そしてこれからは、介護の支援も重
要になってきます。
両立をしながら活躍する経験豊
富なロールモデルが必要です。
自身の意識改革が大切。そして
自分のために、研究するべきだ
と思います。
私は仕事と遠距離介護の両立を経験してい
ますが、働きながら介護をするのは、とても
大変なことです。育児も同じですが、多様な
ケースがありますので、参考とするロールモ
デルは多い方がいいと思います。
私のキャリアは、あまり参考にならないか
もしれませんが、私が生きてきた道をピック
アップして、どこか参考にしていただければ
と思います。
まず自分が生きるひとつの人生観として、
活躍推進という気持ちを持つべきと考えま
す。誰かに言われてするのではなく、自分の
ために、常在戦場を覚悟で研究をする、活躍
推進をするべきだと思います。
私の歩いてきた道は、学問のロマン。
私の生きがいでもあり、生きる楽しみでもあります。
私の人生の道しるべは、7掛け人生を歩むこと。そして力の限り仕事をする、生涯現役だという気
持ちでおります。定年退職を 3 カ所でしましたが、定年退職したとは思っていません。今でも頭の中
には、研究のことしかありません。
日本レチノイド研究会と
ポジティブ・アクションセミナーのご紹介
ビタミンAの働きを持つ分子が今では化学的に合成でき、自然界にあるビタミンAと人工的
に作製された化合物を総称してレチノイドとよんでいます。レチノイドには抗がん作用などさ
まざまな働きがあり、研究の発展が医学をはじめ多くの分野で期待されています。
このレチノイドの研究者が年一度集まって学術集会をおこなっています。平成26年度には
第25回学術集会を秋田大学医学部において開催させていただくことになりました。そこで、
会の重要メンバーの一人である、高瀬幸子先生にこの機会に先生の研究生活の歴史を男女共同
参画の視点から話して頂こうと依頼し、この度の企画が渡部育子先生のご配慮によって実現し
ました。
第25回 日本レチノイド研究会学術集会会頭
秋田大学大学院 医学系研究科 細胞生物学講座
妹 尾 春 樹
実施レポート
平成26年10月12日(日 )14時15分より、秋田大学大学院医学系研究科 医学系研究棟に
おいて「平成26年度秋田大学女性研究者支援ポジティブ・アクションセミナー」を開催し
ました。
当日は、渡部育子学長補佐の開会挨拶、講師紹介に続き、静岡県立大学並びに長崎県立大
学シーボルト校名誉教授の高瀬幸子氏を講師に迎え、「女性研究者の活躍推進は常在戦場
〈私の場合〉」と題して講演していただきました。
高瀬先生にとって常在戦場である研究生活での苦労されたお話や、ご両親の遠距離介護を
経験されたお話などを交え、長きに渡り女性研究者として活躍され、指導的ポジションを歴
任されてこられた現在までの軌跡についてお話しいただきました。
参加者の声
●高瀬先生の歴史を伺い、壮大なストーリーに感心しました。
●厳しい時代を第一線で生き抜いてこられた先生の、裏表のない率直な意見が聞けてとても
興味が持てました。
●高瀬先生のお話を聞き、どんな職でも自分のために活躍していく気持ち、意識が必要だと
感じました。
●高瀬先生のご活躍された軌跡を時代の特徴に思いを馳せながら伺いました。学問へのロマ
ン、ぶれないことの大切さを教えていただきました。潜在能力をいかに社会に活用できる
か問いかけながら務めたいと思いました。
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