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第16回全国女性消防団員活性化奈良大会
「第16回全国女性消防団員活性化奈良大会」参加報告書 いにしえの都奈良へようこそ「未来へつづく女性消防団員の絆」という大会テーマの下、 平成 22 年 7 月 29 日 30 日に第16回全国女性消防団員活性化奈良大会に参加しました。 ◆ 大会概要 1 大会の名称 第16回全国女性消防団員活性化奈良大会 2 目的 全国の女性消防団員が一堂に会し、取り組みや活動について情報を交換することにより、 幅広い視野と知識を習得し、その活動をより活性化させ、地域の「安全」 「安心」な暮らし の推進に貢献することを目的とする。 3 大会テーマ いにしえの都 奈良へようこそ 「未来へつづく女性消防団員の絆」 4 期日 平成 22 年7月 29 日(木)~7月 30 日(金) 5 会場 (1) 大会 7月 29 日(木)10 時 10 分~17 時 00 分 「なら 100 年会館」 奈良市三条宮前町7-1 (2) 情報交流会 7月 29 日(木)18 時 00 分~19 時 30 分 奈良ロイヤルホテル 奈良市法華寺町 254-1 6 主催 (財)日本消防協会 (財)奈良県消防協会 第16回全国女性消防団員活性化奈良大会実行委員会 総務省消防庁 奈良県 奈良市 7 大会参加者 1,700 名 8 神奈川県参加者 (財)神奈川県消防協会 会長及び職員 横浜市磯子消防団、横浜市金沢消防団、横浜市港北消防団、川崎市川崎消防団、 川崎市幸消防団、川崎市高津消防団、相模原市相模原消防団、茅ヶ崎市消防団、 横浜市消防局、茅ヶ崎市消防本部 合計 19 人 ◆ 大会内容 オープニングセレモニーでは、奈良市消防音楽隊と奈良市消防団広報指導分団(女性消防 団)カラーガード隊が演技を披露してくれました。 開会式が始まり大会旗入場、開会宣言、関係者の挨拶等が終了し、いよいよ活動事例の 発表となりました。 大会会場(なら 100 年会館) 開会式 活動事例発表 1 高知県高幡消防組合中土佐消防団 団員 《テーマ》“私はルーマニアから来ました。消防団に入団し、がんばっています。” ご主人の活動を見て、自分も入団し地域の人々にささえられてがんばっています。 2 茨城県阿見町消防団 班長 《テーマ》“未来へつながる防火教室” アメリカ式防火教室を取り入れ、子供は火を使っちゃだめ、ではなく、体験させて怖さを教 えています。また、紙芝居を使った幼児防火教室を開催しており、今後は、高齢者へもひろげ ていきたい。 3 三重県桑名市消防団 分団長 《テーマ》“自主防災訓練が実践に” 布ポスターでAEDの説明 マラソン大会に支援はもちろんAEDをかついで参加 マラソン大会で、ゴールしたランナーの顔色が悪く座り込んでいる。女性消防団員が皆で手 際よく簡易担架を作り、救急車へ搬送した。日ごろの自主訓練の成果が実りました。 4 埼玉県川口市消防団 団員 《テーマ》 “男性団員と共に” 平成 14 年 4 月 1 日に第 1 期生として入団し、市長の入団時の激励を力にガンバッテいる。放 水訓練、救急教室、夜中でも災害に出場している。男性団員と一緒に活動し、操法大会にも出場 したいと意欲を燃やしている。 “はたちの集い”の成人式で消防団に対するアンケートを取るなどPRも行っており、これから も家族の協力を得ながらやっていく。 活動事例発表:布ポスターでAEDの説明 発表した女性消防団員の皆さん 続いて行われた、アトラクションは小学生のダンスとマーチングバンド すばらしいかったです。 かわいらしく、 あすか野小学校・河合第三小学校合同バンド 昼食、休憩のあと、3団体による 1 火災予防啓発劇 奈良県橿原市消防団 《テーマ》“万葉ひまわり”防火訪問指導 愛の劇場 1人暮らし老人宅への防災訪問をとおし、お年寄りが徐々に心を開いてくれたことをエピソ ードを交えた、愛の劇場。 2 兵庫県加古郡播磨町消防団 《テーマ》住宅用火災警報器をつけよう~嫁姑編~ 住宅用火災警報器の必要性や効果を、また、天ぷら油の消火方法を自治会町内会、老人会で 説明しています。 3 福岡県北九州市戸畑消防団 《テーマ》全国初‼ ~不思議体験~ 動く!光る!現代大型紙芝居「パネルシアター」 パネルの中の人形を、光を使い浮かびあがらせて、AEDの取扱方法や住宅用火災警報器の 設置促進を図っている。素人とは思えないオーバーアクションで楽しませていただきました。 火災予防啓発劇 パネルディスカッション 《テーマ》“多様化する女性消防団員活動” <パネラー> 1 奈良県奈良市消防団 分団長 広報指導分団として 3グループ編成 1 応急手当指導グループ 2 幼児、高齢者指導グループ 3 カラーガード隊 2 長野県下諏訪町消防団 女性消防隊隊長 地域のFM局で、自分達の番組を制作放送している。また女性のネットワークを生 かして広報している。 3 愛媛県松山市消防団 団員 大学生が防災サポート団員として活動している 4 秋田県鹿角市消防団 団員 本部付きと分団付きと区別して活動している 上記のパネラーから活動が紹介され、女性消防団は活動の区分けをはっきりつけて行 うべきである。との意見と、男性団員と同じ活動をしていくとの意見が発表されました。 アドバイザーの東京都赤羽消防団副団長小澤浩子さん、ゲストアドバイザーの映画作 家河瀬直美さんからは、女性消防団の活動は、次の3つに分けられる。 ①機能別分団 ②女性のみの活動+男性と一緒の活動 ③男女まったく同じ活動 多様化する活動の中で柔軟な対応が必要になってきている、自分で希望する活動ができるよう にするべきである。との意見でした。 パネルディスカッション 記念講演 川藤幸三氏の「一振人生」 閉会式では、次回開催の香川県へ大会旗が引き継がれ閉会しました。 神奈川県女性消防団員参加者 前列左から:相模原市、川崎市、茅ヶ崎市 後列:横浜市 ◆ 参加者の感想 全国女性消防団員活性化奈良大会に参加して 港北消防団分団長 小林 満江 女性消防団の活動の一つに“防火意識をいかに地域にひろめるか”がある と思います。 幼児、高齢者、一般を対象にさまざまな活動があります。 港北消防団では区内の全中学校三年生に応急手当の指導を行っています。 “今後も継続することで多くの区民が救命技術を習得する事となり、救命率 の向上につながる”これはとても有意義な活動だと、大会に参加してあらた めて感じました。 消防団の活性化には、地域の皆様に顔の見える活動がとても大事だと思いま した。 これからも、地域の人々、家族にささえられよいチームワークで活動してい きたいと思います。 女性消防団員活性化大会に参加して 磯子消防団団員 三宅 亮子 こ の 度 、全 国 女 性 消 防 団 員 活 性 化 奈 良 大 会『 未 来 に つ づ く 女 性 消 防 団 員 の 絆 』 に、初めて参加させていただいて、全国の女性消防団員の規模の大きさ、ま た、若い方の参加も多く、私にとって貴重な体験をさせていただき、大変有 意義な大会でした。 特に、奈良県橿原市消防団の『防火訪問指導』や兵庫県加古郡播磨町消防 団 の『 住 宅 用 火 災 報 知 機 を つ け よ う 』な ど 、そ れ ぞ れ の 地 域 で は 目 標 を 持 ち 、 その目標に向かい、それぞれの消防団員が一致団結し一生懸命活動している 姿がよく見えました。 今までは、団長・分団長から言われるがまま活動しておりましたが、今回 の大会に参加し、全国の素晴らしい仲間の活動を見聞きすることで、同じ女 性消防団員として、強く感銘・刺激を受けました。 こ れ か ら の 活 動 に つ い て 『 何 か 自 分 で も 出 来 る こ と が あ る の で は な い か 。』 と 思い立ち、今はまだ漠然としているが、磯子消防団第3分団女性団員全員が 一 致 団 結 し 目 標 を 持 っ て 、『 何 か 自 分 た ち が 出 来 る こ と に 取 り 組 ん で 行 き た い 。』 と い う 課 題 を 持 ち 帰 り ま し た 。 最後ですが、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。 奈良大会で学んだこと 金沢消防団 団員 田中 貴子 私たち3名は横浜市女性消防団員の代表として、平城遷都1300年祭が開催されてい る、奈良に行って参りました。 「未来へ続く女性消防団員の絆」という大会テーマの下、こ の町が好き!この町を守りたい!という強い使命に燃え、日々献身的に任務の遂行に当た っている全国の女性消防団員が一堂に会しました。この大会で私たちがどのような情報、 知識を習得し、「絆」をより一層深めることが出来たかご報告致します。 総参加人員1700名を迎えるにあたっての大会本部の事前準備に感謝しつつ会場入り。 4団体の活動事例発表は簡潔で時間もピッタリ。プロジェクターを用いて、のぼり旗を掲 げた応援団からの声援を受け皆さん堂々と発表されていました。国籍・年齢・背景全てが 違う女性たちが自信を持ってそれぞれ地域で活躍されている様子がわかって大いに鼓舞さ れました。午後は火災予防啓発劇が発表され、驚きの連続でした。 「梶けし子さん」を演じ ていたのは本当に団員の方なの?と思うような演技でしたし、美しいパネルシアターを作 成指導したのは普段保育園の先生をなさっている団員の方でした。パネルディスカッショ ンでは、女性団員の在り方に具体的な提言がなされ、広報のみを行う本部付きの団からは 活動を拡げるために団員の希望に応じて選択できるようにしたら、という意見が出されま した。 対極的に、現役大学生団員からは分業化、分担化したほうが入りやすいのではという意 見が出ました。もちろんそれぞれの地域の特性や各自が所持する機能によって臨機応変さ が求められると思います。受け継いでゆくもの、変えてゆくものもあります。ゲストアド バイザーの映画監督、河瀬さんが「私には女性監督という紹介がよくなされます。男性監 督、とは言わないのに、ね」 「皆さんが女性ならではの活動をなさっていらっしゃるのは本 当に素晴らしい。でも基本にあるのは人間力です。これからもどんどん活躍していただき たい。」とおっしゃってくださいました。 若干の疲れを感じる中、川藤選手からの講演で「あんたたちはすごいことをしとる、 『人の ために』なんて今のこの世の中で出来る人そうそうおらんで。」と会場全体に言葉を投げか けてくれたおかげで楽しく大会を終えることが出来ました。 2日目は奈良市、北九州市の団員と意見交換会を行いました。西大寺・東大寺で重要文 化財施設の防災視察もなされました。 暑い中での活動でしたが、夏服の制服があるのは珍しいらしく、団員の皆さんから「写真 撮らせてください」「かわいいですね」のお声を頂戴しました。 帰路の新幹線で、同行した神奈川県消防協会の三乘課長が「参加者の変更が当初の名簿 作成から無かったことを嬉しく思う」とおっしゃっていました。また、川崎・相模原・茅 ヶ崎の団員の方々とも「これからも何らかの形で交流していきたいですね」と約束し合い 別れました。いつもは小さなつながりの中で自分の働きの意義がわからないときがありま した。先の展望が見えず、力を出し切れない歯がゆい思いも持っていました。でも今回の 大会参加を通して消防団に属している誇りと崇高な使命感を広報していかなければ、とと ても前向きな気持ちになりました。この機会を与えてくださったことに感謝してレポート を終わります。 全国女性消防団員活性化奈良大会に参加して 消防局総務課 消防団係長 滝沢 宏 「未来へつづく女性消防団員の絆」を大会テーマに、平成 22 年7月 29 日に開催された、 第 16 回全国女性消防団員活性化奈良大会に神奈川県参加者(県消防協会会長及び職員、川 崎市消防団員、相模原市消防団員、茅ヶ崎市消防職団員、横浜市消防職団員、計 19 人)と して参加しました。 大会は、開会式、活動事例発表、火災予防啓発劇に続き、パネルディスカッションへと 入り、(財)日本消防協会秋本理事長がコーディネーターとなり、パネラーとアドバイザー 計7人で「多様化する女性消防団員活動」をテーマに議論されました。 パネラー4人が所属消防団での女性団員の活動を紹介し、女性団員は男性団員と役割を 分け、予防広報や市民への応急手当指導を行っている。また、別の団では、男女役割を分 けることなく放水訓練等同様の活動を行っいる事例が紹介されました。 横浜市の女性消防団員にも共通の話題が当てはまります。平成9年に女性消防団員が発 足されてからしばらくは、広報活動や防災指導の役割を主に活動してきましたが、最近で は、ポンプ操法訓練を女性団員で編成したり、男女混合チームが操法訓練会に出場するな ど、男性団員と同様の活動をする傾向が出てきています。発足以来 13 年が経過しており、 年齢の幅が広がるとともに、年代で活動に対する意識が変わってきており、若い女性団員 は、男女区別ない活動を望んでいると考えられます。今後、女性団員の活性化を図るには、 活動の多様化を考慮し、広報活動や防災指導に加え、男性と区別ない(労働基準法により 制限される作業はある)訓練も積極的に取り入れていく必要があるのではないかと考えま す。 また、議論の中でゲストアドバイザーとして参加していた、映画作家の河瀬直美さんは、 消防団員は個人のボランティア精神で参加しているのだから、自分で希望する活動をでき るようにするべきではないか、との意見でした。 2日目の7月 30 日は、活性化大会実行委員会が組んだ視察ではなく、横浜市消防団独自 で文化財の防火について学ぼうと、奈良市消防局に相談したところ、西大寺の防火設備を 説明していただき、また、奈良市消防団員、北九州市消防団員も一緒に参加することとな り、各都市の消防団活動の意見交換を行い、併せて、西大寺住職の説法を聞くなど有意義 な1日となりました。 2日間をとおし、御尽力いただいた関係者の皆様に感謝いたします。