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65-(19) PET(positronemission LSO VG HawkEye
6 5 ( 1 9 ) 2001 年6 月 30 日 特集最近話題の断層 イメージング PET装置 の 現状 と 将来 総説 北川 マミ 宇野公 一 医療 法 人社 団 留森貴志中原理紀中 川 敬 一 清志 会 西台ク リ ニック蘭像診 断センター はじめに 検出器のクリスタルの材 質 は BGO結晶 ( ゲルマニウ PET( p o s i t r o ne m i s s i o n tomography) は 1970年 ム酸ビスマス ) であるが、日 立 メデイコの C-PET (薬事 代、 CT と同時代に開発されたが、 PET の普及は CT 申 請 中 ) ではクリスタルの概念はなく、 NaI を用いてい に比べそれ程目覚しいもので、はなか っ た 。 しかし、最 る 。 現在、 BGO 結晶よりも時間分解能を 短 縮できる 近 急 激に PET検査は注目されつつある 。 その理由は LSO( ケイ酸ルテシウム ) や GSO ( ケイ酸ガドリニウム ) PET 製剤を作るサイクロトロンの小型化、 PET装置の の開発が進められている 。 精度向 上 、欧米で行われているクリニカル PET検査の デ ー タ ー 収集 モ ー ドは、 3D収集が出来るところが多 有効性などがあげられる 。 日本でも PET検査数は増 い 。 特に、 3D の心電 図同期及び呼吸同期が可能の機 加し、有効症例の報告 は増えている 。 2001 年2 月現在、 種もある 。 l怖に関しては呼吸同期で、 1cm以下の結節の PET装置は 36施設49 台、サイクロトロンは 41 施設48台 検出 率 が向上する可能性も 考 えられる 。 又、 3D収集 に設置 されている 。 今 回、日本核 医学会 関東地方会 では 2D 収集 よりも 薬 の投与 量 を少なくすることも可能 で行われたワークインプログレス íPET装置の現状と である (表2) 。 将来 」 を基に、 PET装置 について概説する 。 FDG の供給が将 来予 定されているが、供給される FDG の 量 に依存し、供給 量 に制限がある場 合 には 現在の PET装置 SPECT/PET兼用機が普及するとの見方もある 。 これ 表 1 ・ 1 、 1 ・ 2 に PET装 置 の性能につき 一 覧表 を提示 はアンガー型ガンマカメラで構成され、 PET検査を施 する 。 トランスミ ッ ションの外部線源は Ge-68 あるいは 行するときにはコリメータを取り外し、同時計数方式で Cs-137で、 ある 。 Ge-68 は 半減期が270 日なので、 年 に 一 使用する 。 データー収集 は 3D モードで行う 。 度 は交換を要する 。 線源の数によ っ て 異 なるが、交換 将来の PET装置 コストが年 に 200-300万円かかる 。 しかし、 Cs-137 の 半減期は 30年であり、ほほ交換の必要がない 。 又、 Ge- シーメンス旭メデ イ テ ッ クは、ピ ッ ツパーグ大 学 と 68の吸収補正時間は 3 - 15分であるが、相対計数率 が の共同研究で PET/CT スキャナの開発を進めている 。 Cs-137 は Ge-68 の約 20倍で、 Cs-137の方が時間を 短縮 現在 FDA の認可を 受 け、 1 号機がまもなく稼動する 予 できる 。 定である 。 又、 BGO よりも 計数効率 が良い LSO を使用 l吸収補正の方法( 図 1 ) は注射前にトランスミ ッ ション した装 置 の開発を行 っ ている 。 LSO を使用する 事 に を行う方法、注射後に別々にトランスミ ッ ツションとエ よりスキャン時間を約 半 分にする 事 が可能である 。 ミ ッシ ョンを行う方法及び、 注射後にトランスミ ッ ツショ 近々 I 号機が稼動 予 定である 。 GE横河メデ イ カルでは ンとエミ ッ ションを同時収集 する方法がある 。 注射前 可変2検出器型プレミアム SPECT装置 Millennium VG にトランスミ ッ ションを行う方法では、 寝 台に寝ている に X線管球と検出器を同 ー ガントリーにマウントさせた 時聞が約 2 時間かかり、 PET装 置 1 台で出来る検査 の HawkEye(薬事未承認品 ) 、 人数に制限が生じる 。 よ っ て 注射後にトランスミ ッ ツシ 置 とサブセカンドマルチスライス CT を組み合わせた ヨンを行うことが望 ましい 。 同時収集 に関しては、 全体 CTPET システム (薬 事未承認品 ) などの複合型システ のスキャン時間では大 差 はないが、画像のぶれは少 ムを開発している 。 ないと 考 えられる 。 全 身用プレミアム PET装 日 立 メデ イ コでは GSO クリスタルを用いた PET 装置 ALLEGRO が臨床 評価の段階に入 っ ている 。 別刷 り請 求 先 : 医療法 人社団 干 175・0082 清志会 西 台ク リニ ック 画像 診 断セ ン ター 東京都板橋 区高島平 1-83-8 北 )1 1 マ ミ TEL:0 3 5 9 2 2 0 7 0 0 FAX: 0 3 5 9 2 2 0 7 0 1 断層 映像研究会雑誌第 28巻第 2 号 6 6 -( 20 ) 特集最近話題¢断層イメージング 表 1-1. PET装置比較表 会社名 GE機河 シーメンス 機種名 ECATEXACT HR+ 47 ART Advance 島津製作所 日立メディコ CPET SET-2400W ( HEAOTOME-V) ( 薬事申請中 ) POSITRON POSICAMHZLI ( mPOWER) 殺置条件 6x4 6x5 6x3 5. 5x3. 4 5x5 操作室 (x m ) 3. 2x4 4x4 2x4 3. 4x2. 1 4x3 機械室 (x m ) 不要 4x2 2x2 PET室 ( xm) 不要 4x2 ガントリー 寸法 ( H x W x Ocm ) 188x183x8 1 5x160x79 179x169x86 170x190x7 1 1 8 8x1 8 3x6 32 0 2. 5 x2 3 6. 2 x8 8. 9176. 重量 Kg 1270 1050 2782 1200 1300 2136 関口径 cm 5 6 . 2 60 58 59. 5 56 4 53. チルド機矯 無し 有り (オプション) 無し 無し 無し ウォッブル機情 無し 無し 無し 無し 22π1 円1 無し 3点 レーザーマーカー 無し 左右 、 上方 の 3点 3方向 レーザーマーカー レーザーマーカー 9本の レーザーマーカー 患者位置決め機情 患者テ ーブル 57-93 52. 8-104 49. 5-9 1 82-106 水平方向移動 cm 220 170 1 85 168 185 最大荷重 kg 159 180 135 135 159 Ge-68 68Ge / 68Ga Cs137 68Ge 点線i原 ロット 5 4 垂直方向移動 -cm トランスミッション 核種 Ge-68 形状 棒状 Cs-137 点 ロ ッ ト状 棒状 数量 3 2 2 20周 1 本/30用 1 本 10 20用 5/30周 1 3 強度 mCi/ 1 本 5 1 校正周外部線源 1.5mCi1 本 そのイt!! 校正用外部線 源 1mCi1 本 吸収補正法 Se打g11SmS entedPost EmissionTransmission 有り 可 有り 不要 有り E斤同時収集法 無し 不可 有り 有り 無し 18 92. 7 32 84. 7 12096 BGO 21504 BGO 4x8x30 3 . 8x6 . 2 5x30 検出器 24 ( 相当 ) 24 32 検出器リング径 cm 82. 4 82. 7 82. 4 クリスタル数 9216 BGO 18432 4224 BGO BGO 検出器リング数 クリスタル材質 クリスタル寸法 xxx mm 体軸方向視野 FOVmm スフイス数 スフイス間隔 mm ホールボテ‘ィ時体軸方向視野 cm クリスタル数/PMT 05x4. 39 6. 75x6. 75 6. 75x6. 75 4. x20 x30 x20 リン グ概念無 し 32 90 78 6 N a l 4096 BGO 500x300x25 円弧状 8. 5x9. 8x30 162 15. 5 162 152 200 256 166 47 3. 375 63 2. 46 47 3. 375 35 4 . 2 5 63 3. 125 128 2 6 1 2. 6 195 16 195 16 195 170 16 18 175 24 256 288 180 4 当 院で は PET/ CT ス キ ャ ナ の 代 わりに 、 PET と C T た 。 胸 部X線写真 及び胸部 C T で は、 無気 肺 になっ て の画像の 重 ね 合わ せ を フ ォ ト ショ ッ プ を用い て行って いる部位 もあ り は っきり した 再発腫癒の 同 定が こ の症 いる 。 当院で、行わ れた FDG-PET の症例を 図 2・ 1 、 2・2 例 の場合 には 問題 と なる 。 そ こ でフォ ト ショップにて画 に供覧する 。 PET装置 は POSITRON社の POSICAM 像の重 ね 合わ せを 行っ た 。 実際に は 輪郭を合わ せ る HZL( mPOW ER ) の は 大変な 作業で あ り、臨床の検査 を 行いながら行え を用い 、 投与- 量 は 約 7m C i で、ある 。 肺腫蕩放射線療法後 、 腫蕩 マー カ ー 上昇にて PET検 る 作業 とは いえな い 。 簡便 に 行える PET/CT ス キ ャ ナ 査を 施 行 したとこ ろ 、 右肺門 部 よ りに集積増 加を 示 し の有用性 が考えら れ る 。 2001 年6 月 30 日 6 7 -( 2 1 ) 特集最近話題の断層イメージンク 表 1 ・ 2.PET装置比較表 会社名 GE横河 シーメンス 機種名 ECATEXACT HR+ 47 ART Advance 島津製作所 目立メテ.ィコ SET . 2400W CPET ( HEAOTOMEV) ( 薬事申請中 ) POSITRON POSICAMHZL ( mPOWER) データ収集モード 卜フンスミ ッシ ョン 有り 有り 可 有り 有り 。 20 エミ ッ ション 有り 無し 可 有り 無し 。 20 ダイナミ ック 有り 無し 可 有り 無し 。 20 ホールボディ 有り 無し 可 有り 無し 。 20心電同期 有り 無し 可 有り 無し 。 20 呼吸周期 可能 無し 有り 無し 3Dエミ ッ ション 有り 有り 可 有り 有り 3Dダイナミック 有り 有り 可 有り 有り 3D ホールボディ 有り 有り 可 有り 有り 3D心電同期 有り 有り 可 有り 有り 3D 呼吸同期 可能 可能 有り なし ラ ラ ラ ラ ラ ラ PET本体 CPU SPARC 磁気ディスク容量 i 8 60 CompacAlpha l t r a S p ar c M o t o r o l aD S P 9 6 0 0 2 SUNU 18GB 9GB 18GB 2GB メモリ容量 256MB 256MB 1GB 128MB アレイプロセ ッ サー 無し 800MFLOPS 450MHzX2 SUNU l t r a 6 0 無し VME68030 1 2 8( Max 512MB) 無し コンソール CPU メモリ容 量 SUNU l t r a 6 0 CompacAlpha oualp r ocessor SUNU l t r a 6 0 21264 450MHz 1GB 512MB 256MB 256MB 磁気テrイスク容量 27GB 36GB 18GB 9. 1GB 8GB ハ ッ クア ッ プ媒体 M04mmoAT oAT ,MOO MO 4mmoAT ディスプレイモニタ 21 イ ン チ 21 イ ンチカラ DVD 、 CD.R 、 DAT、 5i 円ch MOO 21 イ ンチ 2 1i n c hC o l o r ( 1280X1024) 20 イ ンチ液 晶 21 イ ンチ カラ 画像再構成 均 一性 % <10% <15% 12 コ インスデンスウインド nsec FBP ( oIFT ) ・ 20画像再構成法 NAW- OSEM・ * 25/( 47 ) 金 20画像 fra再 m情 (成 slii 時 ce間 ra mee( s l c e数 : l l :) s ec1f 260 1(47 ) “ FORE+FBP合 H 3 D画像再構成法 FORE+NAW-OSEM* * * * …:: 1 M3) 合 : | 2851 4向 山 ( 6 3) * . * . 3D画像 frar再 m構 (成s sli時 ce間 a mee( l i c e数 : l l :) s ec1f 2 8 5 1 ( 4 7)' * * *I 4 5 0 1 ( 63 ) 山 |い卜ランスミ yシ判 u同向ake i t FBP OSEM FBP OSEM 35 / ( 3 5 ) 35sec / ( 6 3 ) 9min/ (35) 5% 8 12 20収集モードなし FBP OSEM 2 0収集モードなし 3.5sec / s l i c e R e p r o j e c t i o n FORE/OS- E M 法 FORE+OS-EM RAMLA;去 2min/ (63) なし 3. 5min 20 エミ ッシ ョ ン エ ミ ッシ ョン ヨ 、/ 、、、ョ 、ン ツ、/ ス、ン 、/ツ -フ tへ tpz ρu e m k a 山 「 hv I ゅスミ yシジ | 3D 10 10 GE 8-12 5- 10 島津 10 2-5 10 8-12 シ ーメ ンス v .i川 「 8-25 FBP 不明 仕様無し 12. 5 表3 FDG お勧め投与量 ( mCi ) 表2 検査方法 .iv uptaketime 3% 以 内 目立 ポジ卜口ン 4 6 8 ( 2 2 ) 断層映像研究会雑誌第 28巻第2 号 特集最近話題d断層イメージング 図 2・ 1: a胸部単純写真_ 図 2 ・ 2:a胸部 CT _ bFDG-PET冠状断面像 _c合成画像. bFDG-PET水平断面像 . c合成画像 . FDG ・ PET検査では右肺 、 肺門部よりに集積増加を認めます。 胸部単純写真 、 胸部 CT で は再発病変部の同定が困難であるが、合成画像にて病変部の同定が容易になる 。 おわりに 当院で は昨年 10月に PET検査が開始されてから約 査の流れが変わると思わ れる 。 課題としては早く保険 400例が行われている 。 最近では患者個人からの直接 適応が認められ、検査が受けやすくなることである 。 検査の問い合わせも増えている 。 PET施設を導入す PET装置で はより 多くの 人をこなすことができる機種 る予定の施設もあり、今後さらに PET施設は増え、検 が望まれる 。 ダウンロードされた論文は私的利用のみが許諾されています。公衆への再配布については下記をご覧下さい。 複写をご希望の方へ 断層映像研究会は、本誌掲載著作物の複写に関する権利を一般社団法人学術著作権協会に委託してお ります。 本誌に掲載された著作物の複写をご希望の方は、 (社)学術著作権協会より許諾を受けて下さい。但 し、企業等法人による社内利用目的の複写については、当該企業等法人が社団法人日本複写権センタ ー( (社)学術著作権協会が社内利用目的複写に関する権利を再委託している団体)と包括複写許諾 契約を締結している場合にあっては、その必要はございません(社外頒布目的の複写については、許 諾が必要です) 。 権利委託先 一般社団法人学術著作権協会 〒107-0052 東京都港区赤坂 9-6-41 乃木坂ビル 3F FAX:03-3475-5619 E-mail:[email protected] 複写以外の許諾(著作物の引用、転載、翻訳等)に関しては、 (社)学術著作権協会に委託致してお りません。 直接、断層映像研究会へお問い合わせください Reprographic Reproduction outside Japan One of the following procedures is required to copy this work. 1. 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