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r - 筑波大学

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r - 筑波大学
交通流動に対応する
施設配置モデル
鈴木 勉
筑波大学大学院システム情報工学研究科
慶應義塾大学21世紀COEプログラム
『知能化から生命化へのシステムデザイン』
先端デザインスクールプログラム『都市・建築空間のデザインモデル』第6回
2004年11月5日
1
oazo
国内最大級の書店
丸善・丸の内本店
「丸の内オアゾ
(OAZO)」に、
2004年9月14日
(火)開店!
http://www.maruzen.co.jp/
2
LALAガーデンつくばがオープンしました!つって
も行ってないのですが…。だって1ヶ月は混み混
みでしょう。とりあえず子供の春休みが終わらな
いことには行けないなあ。でもスタバが入ってい
るので、昼休みラテだけ買いに行ってこようかな
あとか思ってみたり。うー、でも行ってみたいー!
楽しみ楽しみ。近くにこんなショッピングセンター
が出来るのは初めてなので。
http://yuri.boo.jp/blog/archives/000376.html
3
http://www.lalagarden-tsukuba.tv/
の分布
4
の分布
5
今日の講義の前提
„
栗田先生:『都市モデル読本』:3章
‰
「ミニサム型複数施設配置問題」
„
„
„
2次元上で住民の離散的な人口分布を与え,
複数の施設を配置する
Minisum型の配置問題
6
施設配置問題の種類
„
施設配置問題 (Facility Location Problem)
‰
‰
„
„
„
„
„
„
„
離散型施設配置問題
連続型施設配置問題
立地配分問題 (Location-Allocation Problem)
集合被覆問題 (Set Covering Problem)
最大被覆問題 (Maximum Covering Problem)
p-センター問題 (p-Center Problem)
p-メディアン問題 (p-Median Problem)
ヴェーバー問題 (Weber Problem)
ミニマックス問題 (Minimax Problem)
7
施設配置の可能な場所
„
離散型
‰
„
限られた空間(ノードま
たはネットワーク)上に
しか立地できない場合
連続型
‰
平面上の全域又は一定
領域に立地可能な場合
8
評価基準
„
Minimax基準
‰
„
施設から最も遠い利用
者の移動距離を最小
化する.
Minisum基準
‰
利用者の総移動距離
を最小化する.
9
施設配置問題の分類
p: 施設数
Minimax基準
Minisum基準
離散型
p-センター問題
p-メディアン問題
連続型
ミニマックス問題
Weber問題
10
離散型施設配置問題
„
„
„
„
対象地域がネットワークとして表現され,需要点がノードに負荷されて
いるとき,ネットワーク上のノードあるいはノードとリンクにのみ立地す
ることが可能な施設の配置を求める問題
メディアン問題
‰ ネットワーク空間において総移動距離を最小にする点を求める問題
p-メディアン問題
‰ 複数の施設を立地させることが可能なとき,総移動距離を最小にする
p個の点を求める問題
センター問題
‰ ネットワーク空間において最も遠いノードからの距離を最小にする点
を求める問題
„
„
„
ノード(あるいはvertex)センター問題:ノード上にしか施設の立地を許さな
い問題
絶対センター問題:リンク上にも施設の立地を許す問題
p-センター問題
‰ 複数の施設を立地させることが可能なとき,最も遠いノードからの距
離を最小にするp個の点を求める問題
11
連続型施設配置問題
„
„
利用者が最も近い施設を択一的に利用し,施設の立地
可能点が連続空間である場合の配置問題
Weber問題
‰
‰
„
連続空間において利用者の数で重み付けした移動距離の総和
が最小になるような立地点を求める問題
施設数が1個の場合,p個の場合
ミニマックス問題
‰
‰
連続空間において最も遠い需要点までの距離が最小になるよ
うな施設の立地点を求める問題
施設数が1個の場合,p個の場合
12
今日取り上げる施設配置モデル
〔1〕 p-median モデル
〔2〕 フロー需要施設配置モデル(総迂回距離最小
化モデル)
〔3’〕 職住割当モデル(最小費用流問題)
〔3〕 都市内流動を最小化する拠点配置モデル
(〔2〕と〔3’〕の合成モデル)
16
今日の講義の流れ
【1】 フロー需要に基づく施設配置モデルと需要構成が施設配
置に与える影響(資料1)
‰
‰
〔1〕と〔2〕の差異
〔1〕+〔2〕混合問題
【2】 都市内流動を最小化するフロー需要施設配置モデルを
用いた拠点立地(資料2)
‰
‰
‰
〔2〕&〔3’〕の組合せÆ〔3〕
〔1〕と〔3〕の差異
なぜ都心に集中するか?Æ容量制約
【3】 高速輸送路が存在する条件下でのフロー需要施設配置
‰
〔1〕,〔2〕における高速交通路の影響
17
【1】 フロー需要に基づく施設配置モデ
ルと需要構成が施設配置に与える影響
„
最寄りの施設の利用を仮定できるケース
‰
施設周辺の人口に対してサービスを提供
„
‰
‰
„
近隣需要
例:小・中学校,図書館,・・・
メディアン問題,センター問題,カバリング問題等の従来の多く
の施設配置モデル
Christaller中心地理論,Lösch経済立地論
最寄りの施設の利用を仮定できないケース
‰
‰
魅力度が施設により異なる場合 (e.g. 階層構造)
別の目的のための移動の途中で立ち寄る場合
フロー需要
18
フロー需要型施設の例
„
ショッピング・コンプレックス
‰
周辺人口の少ない湾岸地域に進出
19
フロー需要型施設の例
„
駅型保育所
‰
‰
主に共働き世帯が通勤経路上で子供を預けるケースに対応
設置例
„
„
„
南海電鉄住之江駅(大阪府住之江区):高架下用地に設置
小田急電鉄喜多見駅(東京都世田谷区):高架下利用の保育施設
を拠点に保育と介護を中心とした総合生活支援サービス
ファストフード,コーヒーショップ,ガソリンスタンド,ATM,
コンビニエンスストア,・・・
‰
‰
買い回り行動上ついでに立ち寄りやすい場所に立地
通行量に基づくマーケティング戦略
20
【1】 フロー需要に基づく施設配置モデ
ルと需要構成が施設配置に与える影響
„
„
フローを需要とした施設配置モデルの構築
最適配置の基本的特性の把握
‰
‰
„
1次元都市モデル
ネットワーク空間モデル
需要構成が施設配置に及ぼす影響の考察(通勤フロー
をベース需要と想定)
‰
‰
都市構造の変化に伴う通勤流動パターンの変化
通信による通勤交通の代替が進行することによる近隣需要の
相対的増加
21
施設配置問題の分類
近隣需要
フロー需要
ミニサム型
ウェーバー問題
p-メディアン問題
総迂回距離
最小化問題
ミニマックス型
ミニマックス問題
p-センター問題
最大迂回距離
最小化問題
最大被覆問題
(max covering)
捕捉フロー
最大化問題
カバリング型
22
施設配置問題の分類
捕捉フロー
最大化問題
フロー需要
(a)
近隣需要
(c)
総迂回距離
最小化問題
フロー需要
(b)
23
1次元都市モデル:1施設問題
„
[0, 1]の線分状都市
„
異なる発着地分布
„
居住地を起点,従業地を終点として,それぞれの密度
の積に比例したフロー(=通勤流動)が発生
迂回距離ddev≡(発地Æ施設Æ着地の最短経路)−(発
地Æ着地の最短経路)
„
f ( x) = 1, g ( y ) = 2 y, 0 ≤ x, y ≤ 1
居住地 就業地
24
1施設の問題:
迂回を要する
ODの組合せと
0
迂回距離
g(y)=2y
就業地
y
1 D
r
0
ddev=2(r-y)
ddev=2(r-x)
居住地
r
f(x)=1
ddev=2(x-r)
ddev=2(y-r)
r-x)
x1
O
25
1次元都市モデル:1施設問題
„
総迂回距離
Z = ∫∫ d dev f ( x) g ( y )dS
S
r
= ∫0
x
r
r
∫0 2(r − x)2 ydydx + ∫0 ∫x 2(r − y)2 ydydx
1 x
1 1
r r
r x
+ ∫ ∫ 2( y − r )2 ydydx + ∫ ∫ 2( x − r )2 ydydx
(1)
1
= (4r 3 + 6r 2 − 12r + 5)
6
26
1次元都市モデル:1施設問題
„
居住地分布のみで決定されるWeber点と就業
地分布のみで決定されるWeber点の中間に最
適地点
居住地のWeber点
総迂回距離最小化
就業地のWeber点
1/2=0.5
(a)
r=
5 −1
≈ 0.618
2
(b)
1 / 2 ≈ 0.707
(c)
27
1次元都市モデル:2施設問題
„
[0, 1]の線分状都市
„
同一の発着地分布
f ( x) = 1, g ( y ) = 1, 0 ≤ x, y ≤ 1
居住地
„
就業地
施設は同一機能を有し,いずれも等しく利用可能であり,
利用者は迂回距離が最短となる施設を選択
28
2施設の問題:
迂回を要する
ODの組合せと
迂回距離
0
0
居住地
就業地
g(y)=1
y
1
r2
r1
D
ddev=2(r 1-y)
r1
ddev=2(r 1-x)
ddev=2(x-r 1)
f(x)=1
ddev=2(y-r 1) ddev=2(r 2-y)
ddev=2(r 2-x)
r2
ddev=2(x-r 2)
ddev=2(y-r 2)
x1
O
29
1次元都市モデル:2施設問題
„
総迂回距離
Z = ∫∫ d dev f ( x) g ( y )dS
S
= 2∫
r1
r1 + r2
x
∫0 2(r1 − x)dydx + 2∫r
0
1
r2
r1 + r2
+ 2∫
2
2
r1 + r2 − x
∫x
x
1
2( x − r1 )dydx
1
∫r + r − x 2(r2 − x)dydx + 2∫r ∫x2( x − r2 )dydx
1
2
(3)
2
1
= {2r13 + (r2 − r1 ) 3 + 2(1 − r2 ) 3 }
3
30
1次元都市モデル:2施設問題
„
一様分布で決定される通常のミニサム配置(1
次元2施設Weber問題)よりも,互いに近接した
立地が最適
ミニサム配置
¼
¾
(a)
総迂回距離最小化
r1 =
1
2+ 2
≈ 0.293, r2 =
1+ 2
2+ 2
(b)
≈ 0.707
31
1次元モデルによる
総迂回距離最小化施設配置
„
„
„
フロー需要に基づく最適施設配置は,近隣需要に基づく
最適施設配置とは一般に異なる.
したがって,施設の最適配置を議論する際には,施設
の需要が近隣需要に基づくものなのか,フロー需要に
基づくものなのかを明示的に考慮していく必要がある.
次に,一般の2次元ネットワーク空間におけるフロー需
要に対する最適配置問題を定式化する.
離散型施設配置モデル
32
〔1〕 p-median モデル
min
m
n
i =1
j =1
Z = ∑ wi ∑ d ij X ij
n
s.t.
∑ X ij
=1
∀ i
j =1
X ij ≤ Y j
n
∑Yj
∀ i, j | i ≠ j
需要点の数
施設配置候補点の数
需要iの重み
需要iと施設jの間の距
離
Xij∈{0,1}: 需要iが施設jに配分
されるならば1,そうでな
ければ0
Yj∈{0,1}: 施設配置候補点jに
施設を配置するならば
1, そうでなければ0
m:
n:
wi:
dij:
=p
j =1
33
〔2〕 フロー需要施設配置モデル
min
X ijk
s.t.
dev
w
d
∑ ij ijk X ijk
Z=
i, j ,k
∑ X ijk
= 1, ∀i, j
i, j
X ijk ≤ Yk , ∀i, j , k
∑ Yk
p-メディアン問題
と同じ構造
=p
k
X ijk ∈ {0,1} :ij間の流動の候補地kへの配分
Yk ∈ {0,1} :候補地kにおける施設の存在
dev
d ijk
≡ d ik + d jk − d ij :ij間の流動がkの施設を利用する
場合の迂回距離
34
2次元ネットワーク空間モデル:
居住地・就業地分布
„
三角格子状ネットワークおよびSherratt型発着地分布を仮定(ノード
数61, 格子間隔100)
(a)居住地
(b)就業地
50,000
10,000
50,000
10,000
0 100 200
0 100 200
ネットワーク距離
35
Sherratt型密度分布 see 栗田先生『都市モデル読本』,pp.140
居住地
就業者
分布
流動
分布
就業地
通勤流動
P
f h (xh , y h ) =
2πσ
f w (xw , yw ) =
2
h
P
2πσ
2
w
exp(−
x +y
exp(−
f hw ( x h , x w , y h , y w ) =
2
h
2σ
2
h
2
h
P=1×106
x w2 + y w2
2σ
2
w
σ w = 100
σ h = 200
)
)
P
( 2π ) 2 σ h2σ w2 (1 − ρ 2 )
⎡
⎛ x h2 + y h2 x w2 + y w2 2 ρ ( x h x w + y h y w ) ⎞⎤
1
⎟⎥
⎜
exp ⎢−
+
+
2 ⎜
2
2
⎟
σ hσ w
σw
⎢⎣ 2(1 − ρ ) ⎝ σ h
⎠⎥⎦
P: 総人口
σ h ,σ w : 居住地および就業地の空間的広がり
ρ : 居住地と就業地の空間的相関( 0 ≤ ρ ≤ 1 )
36
近隣需要と
フロー需要
の最適配置
の比較
(a) 近隣需要
フロー需要
(b)ρ :0.0-0.7
フロー需要
(c)ρ :0.8
フロー需要
(d)ρ :0.937
総迂回距離最小化配置の特徴
„
フロー需要に基づく最適配置は,近隣需要に基づく配置
よりも中心部に集まった配置となる.
‰
‰
„
中央に集中する就業地分布に引き寄せられるため
フロー需要であること自体が施設分布を集中させる方向に働く
ため
居住地と就業地の空間的相関が強くなる(ρ が1に近づ
く)ほど施設配置が分散する.
‰
相関が強いほど中心部のフローが少なくなるため
38
近隣需要とフロー需要の混合問題
„
„
„
商業や公共サービスなどの都市機能は,近隣需要とフロー需要の両
方によって立地が決定されていると考えられる.
Æ 近隣需要とフロー需要の混合問題
Æ 需要の比率の変化が立地構造の変化に及ぼす影響
近隣需要は,発地と着地が同一のフロー需要であると考えれば,フ
ロー需要の特殊な場合と解釈することができる.
着地
混合需要
wP:
居住地分布に比例する近隣需要
(1-w)P:
通勤流動に比例するフロー需要
wii
発地
wij
39
需要構成の
変化が施設
配置に与え
る影響
(a) w:0.0-0.3
(c) w:0.7-1.0
Š フロー需要の割合が高い
ほど就業者分布に引き寄
せられて中心へ集中する.
Š 情報化の進展によりフロー
需要が相対的に減少すると
すれば,施設配置は分散
化する.
(b) w:0.4-0.6
40
【 2】 都市内流動を最小化するフロー需
要施設配置モデルを用いた拠点立地
„
„
„
„
都市生活の3要素:住・働・憩
都市規模の拡大
Æ土地利用の純化,空間的乖離
3要素を繋ぐ機能=交通
交通が3要素の立地に与える影響
住
交
働
憩
出典: 新谷(1993) 「都市交通計画」
44
【2】 都市内流動を最小化するフロー需
要施設配置モデルを用いた拠点立地
„
大都市化と交通流動
‰ 駅やバスターミナル,物流拠点施設な
どの交通の要衝の形成
‰ 拠点(ターミナル)を基点とした流動の
集約・整理
‰ 大量交通機関や高速輸送網による効
率的な処理
„
拠点形成
‰ 長時間化や錯綜・混雑の問題を克服
‰ 商業・娯楽施設の集積した中心核とし
て,人々の「憩・遊」の機能の場を形成
‰ 流動に対応する地域施設立地
„
Ex. コンビニ,カフェ,駅型保育所,燃料補
給施設,etc.
45
【2】 都市内流動を最小化するフロー需
要施設配置モデルを用いた拠点立地
„
„
都市・都市圏マスタープラン作成等で都市構造の基本
設計を考える際,拠点(ターミナル)の配置や,拠点を繋
ぐ軸の形成は,非常に重要な計画要素である.
流動がもたらす結果(混雑や環境影響)の観点から望ま
しい都市構造を演繹的に導出しようとする試みは見られ
るが,流れを規定する拠点(ターミナル)を明示的に考
慮した研究はほとんど見られない.
46
【2】 都市内流動を最小化するフロー需
要施設配置モデルを用いた拠点立地
„
利用者の移動距離を最小にするとともに,与えられた発生
集中量から発生する都市内の流動を同時に最小化するよう
に,流動を中継する拠点施設の配置を決定する問題を定式
化する.
‰
‰
„
„
„
〔2〕 フロー需要施設配置問題
〔3’〕 職住割当問題
合成
〔3〕 最小流動・拠点施設配置
の同時決定問題
上のモデルを通勤流動に適用し,鉄道結節点等のターミナ
ル立地が決定される仕組みを擬態化し,ターミナルの数と流
動の迂回率・過剰率との関係を,東京都市圏を例に算出す
る.
拠点施設の容量制約がその立地に及ぼす影響を分析する.
流動を考慮した都市構造の理想型を模索する上での指針を
得る.
47
〔3’〕 職住割当モデル(最小費用流問題)
鈴木 (1992)
min
wij
s.t.
Z = ∑ wij d ij
i, j
∑w = w ,
∑ wij = w⋅ j ,
ij
i⋅
∀i
j
i
wij ≥ 0, ∀i, j
∀j
Z: 総移動距離
wij: 地区iと地区jの間の流動量
wi・: 地区iの発生流動量
(居住地就業者数)
w・j: 地区jの集中流動量
(従業地就業者数)
dij: 地区iと地区jの間の距離
拠点施設との関連は考慮されていない
48
東京都市圏での
最適職住割当
„
„
現状の
通勤流動
1985年
国勢調査
通勤目的
(従業地
別就業者
数データ)
49
東京都市圏での
最適職住割当
„
距離による
最適割当
50
東京都市圏での
最適職住割当
„
時間による
最適割当
51
拠点の概念とそれを基点にした流動
就業地
(目的地)
居住地
(出発地)
拠点
(ターミナル)
(a)
(b)
52
〔2〕 フロー需要施設配置問題
鈴木 (2002b)
min
X ijk ,Yk
s.t.
Z=
dev
w
d
∑ ij ijk X ijk
X ijk ∈ {0,1}
: ij間の流動の施設
候補地kへの配分
Yk ∈ {0,1}
: 施設候補地kにお
ける施設の存在
i , j ,k
∑ X ijk
= 1, ∀i, j
i, j
X ijk ≤ Yk , ∀i, j , k
∑ Yk = p
dev
d ijk
≡ d ik + d jk: ij間の流動がkの
k
p
施設を利用する場合
の移動距離
: 施設数
流動を所与としており,施設配置とフローの相互関係が考慮されていない
53
メディアンと輸送量最小化配置の比較
(a) メディアン(p=7)
„
„
(b) フロー需要移動費用最小化配置(p=7, 9, 12)
直線距離
三角格子状に並んだ61点に一様な起終点分布がある場合,メディア
ンも,輸送量最小化施設も,概ね均一に配置される.
メディアンの場合,各施設の利用者数はほぼ同じになるが,フロー需
要の場合,各施設の利用者数は中心部ほど大きい.
54
始点の位置と経由距離を最小にする利
用拠点による領域分割
„
„
加法的重み付きVoronoi図の一種(始点から母点までの距離が重み)
中心の施設の圏域は,起点が中心部にあるときは大きいが,起点が
遠ざかっても一定の面積を保つ.
55
〔3〕 都市内流動を最小化する
拠点配置モデル
„
拠点を経由する移動距離を最小化する流動と拠
点配置の同時決定問題
‰
‰
流動として通勤を想定
職住割当問題とフロー需要の施設配置問題を合成し
た問題として定式化
56
〔3〕 都市内流動を最小化する
拠点配置モデル
混合0-1計画問題
min
wijk ,Yk
s.t.
Z=
dev
w
d
∑ ijk ijk
i , j ,k
∑w
ijk
= wi⋅ , ∀i
wijk: 地区iから地区jへ拠
点kを経由する流動量
M: 十分大きな実数
j ,k
wijk
∑
i ,k
= w⋅ j , ∀j
0 ≤ wijk ≤ M ⋅ Yk , ∀i, j , k
∑ Yk
k
=p
kに施設がある場合にのみ,kを
経由する流動の存在を許す
57
東京都市圏における
最適拠点施設配置
„
„
最小流動・拠点施設配置の同時決定問題の求解例
配置の特徴と施設容量制約の影響
通常のミニサ
‰
‰
‰
„
居住地就業者数を需要としたpメディアン配置
従業地就業者数を需要としたpメディアン配置
最小流動・拠点施設配置
ム型施設配置
問題と対比
拠点施設は概念的なもの(具体的な施設を想定せず)
58
対象地域
„
„
„
„
平成10年東京都市
圏PT調査の大ゾー
ン24ゾーン
施設数を1から12ま
で変化
平成12年国勢調査
による常住地および
従業地就業者数を各
ゾーンに集計したも
のをそれぞれ発生・
集中交通量とする.
ゾーン間の距離は,
各ゾーンの代表自治
体の市区役所の所
在地間の直線距離で
与える.
59
メディアン配置と最小流動・拠点施設配
置の比較
(i) 居住地メディアン
(iii) 最小流動・拠点
施設配置
(ii) 従業地メディアン
(iv) 容量制約付き
最小流動・拠点
施設配置
4000000 N
2000000
p=1
1000000
0
10 20km
p=2
p=3
60
メディアン配置と最小流動・拠点施設配
置の比較
(i) 居住地メディアン
(iii) 最小流動・拠点
施設配置
(ii) 従業地メディアン
(iv) 容量制約付き
最小流動・拠点
施設配置
4000000 N
2000000
p=4
1000000
0
10 20km
p=5
61
p=6
メディアン配置と最小流動・拠点施設配
置の比較
(i) 居住地メディアン
(iii) 最小流動・拠点
施設配置
(ii) 従業地メディアン
(iv) 容量制約付き
最小流動・拠点
施設配置
4000000 N
2000000
p=7
1000000
0
10 20km
p=8
p=9
62
メディアン配置と最小流動・拠点施設配
置の比較
(i) 居住地メディアン
(iii) 最小流動・拠点
施設配置
(ii) 従業地メディアン
(iv) 容量制約付き
最小流動・拠点
施設配置
4000000 N
2000000
p = 10
1000000
0
10 20km
p = 11
p = 12
63
最適解の特徴
„
„
„
人口密度の疎密に応じて,居住地メディアンでは郊外の
地域に立地する施設が多いのに対し,従業地メディアン
では都心部に立地する施設が多いという結果となる.
対して,最小流動による拠点施設配置では両者とは異
なる中間的な配置になっている.
不均一な人口分布は,メディアンの場合も施設利用者
数のアンバランスを生むが,拠点施設配置の場合も同
様に都心部の施設利用者が多くなる.
64
拠点施設数と迂回率・過剰率の関係
„
施設数と利用距離のトレードオフ
‰
‰
„
拠点施設数が少ないと,迂回を強いられる流動が増加し,職
住割当問題の解に対する総移動距離の超過割合(過剰率)も
増大
施設数の増加は,整備費用の増大や輸送・処理効率性の低
下に繋がる.
利用距離の指標
‰
‰
‰
迂回率:得られた流動が拠点を経由しない場合に対する超過
割合
過剰率:職住割当問題による最小流動に対する超過割合
見かけの過剰率:実際の通勤経路ではなく,居住地から従業
地へ拠点を経由することなく直接移動するとした場合の過剰率
65
迂回率・過剰率・見かけの過剰率
A: もともとの拠点経由の流動
B: 拠点を経由しないとした場合の流動
C: 職住割当問題による最小流動
職
ABC
住
迂回率=(A-B)/B
過剰率=(A-C)/C
見かけの過剰率
=(B-C)/C
拠点を経由するならば,職住割当が
BでもCでも移動距離は変わらない!
A>B>C
66
拠点施設数と過剰率・迂回率の関係と
容量制約の影響
„
„
„
東京都市圏における
距離による(見かけの)
過剰率は35%程度(鈴
木, 1996)
拠点が9ヶ所程度ある
場合の拠点経由の最
小流動に相当すると見
なすことが可能
過剰率の存在は,拠
点を有した都市構造の
もたらしている必然的
な状態である可能性
割合
0.90
0.80
0.70
見かけの
過剰率
0.60
過剰率
0.50
0.40
0.30
0.20
0.10
0.00
迂回率
容量制約による
移動距離増加率
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
拠点施設数 p
67
容量制約付き拠点配置
„
施設の処理能力には一定の限界があるとすると,
都心部ほど利用者数が多くなるため,都心部に
より多くの拠点施設が必要
‰
„
Ex. 複数ターミナル整備(鉄道主要駅)による混雑の
緩和・分散
施設容量制約
0 ≤ ∑ wijk ≤ C k Yk , ∀k
Ck: 施設kの容量
i, j
68
容量制約付き拠点配置
„
東京都市圏の例
‰
‰
‰
全就業者数を施設数で除した人数の1.2倍を施設利
用人数の上限として(各施設の容量)与えた場合
容量制約を導入すると,拠点施設の配置は都心に集
中
容量制約の存在は,概ね数パーセントから十数パー
セントの利用距離の増大に
69
【3】 高速輸送路が存在する条件下での
フロー需要施設配置
„
„
„
高速路の存在は交
通流動を変える
フロー需要施設配置
にも影響を及ぼす
モデル
‰
‰
‰
‰
三角格子状217点
conditional(条件付
き)施設配置問題:逐
次配置
【1】p-medianと【2】
フロー需要施設配置
の比較
6放射,6放射1環状
71
【3】 高速輸送路が存在する条件下での
フロー需要施設配置
„
„
„
高速路の存在は交
通流動を変える
フロー需要施設配置
にも影響を及ぼす
モデル
‰
‰
‰
‰
三角格子状217点
conditional(条件付
き)施設配置問題:逐
次配置
【1】p-medianと【2】
フロー需要施設配置
の比較
6放射,6放射1環状
放射環状パターン: see 栗田先生『都市モデル読本』,pp.158
72
高速交通路と交通流動(6放射)
„
速度比
c=1.0
73
高速交通路と交通流動(6放射)
„
速度比
c=0.8
74
高速交通路と交通流動(6放射)
„
速度比
c=0.6
75
高速交通路と交通流動(6放射)
„
速度比
c=0.4
76
高速交通路と交通流動(6放射)
„
速度比
c=0.2
77
高速交通路と交通流動(6放射)
„
速度比
c=0.001
78
高速交通路と交通流動(6放射1環状)
„
速度比
c=1.0
79
高速交通路と交通流動(6放射1環状)
„
速度比
c=0.8
80
高速交通路と交通流動(6放射1環状)
„
速度比
c=0.6
81
高速交通路と交通流動(6放射1環状)
„
速度比
c=0.4
82
高速交通路と交通流動(6放射1環状)
„
速度比
c=0.2
83
高速交通路と交通流動(6放射1環状)
„
速度比
c=0.001
84
今後の課題
„
大規模問題にも対応できるheuristicな解法
„
ミニマックス型問題・カバリング型問題
近隣需要
フロー需要
ミニサム型
ウェーバー問題
p-メディアン問題
総迂回距離
最小化問題
ミニマックス型
ミニマックス問題
p-センター問題
最大迂回距離
最小化問題
最大被覆問題
(max covering)
捕捉フロー
最大化問題
カバリング型
85
解析研究としての究極のgoalは?
„
„
„
„
„
連続型施設配置モデル
典型的な流動パターンに対
する規範的最適配置パター
ンを求めたい!
需要が4次元空間(発地×
着地)と対応
4次元空間の領域分割(単
純なVoronoi分割ではない)
?
連続需要だと難しいが,離
散需要ならば何とかなる
か?
86
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