...

第1章 背景と目的

by user

on
Category: Documents
23

views

Report

Comments

Transcript

第1章 背景と目的
第1章
背景と目的
(1)自転車利用者の増加
自転車は、子どもから大人までの幅広い世代が買い物、通勤、通学など様々な目的で手軽に
利用できる乗り物です。近年、自転車は、排気ガスや騒音を出さない環境にやさしい交通手段
として見直されつつあるとともに、健康志向の高まりを背景にその利用ニーズが増加していま
す。本市においても、下図のとおり人口の伸び以上に自転車保有台数が増加し、主要道路にお
ける自転車走行台数も増加する傾向にあります。
主要道路における自転車走行台数の推移
自転車保有台数の推移
2500
150
150
国道171号(小野原)
125
127
97
100
85
86
128
96
89
国道171号(半町4丁目)
自転車走行台数(台/平日昼間12h)
125
100
人口(千人)
自転車保有台数(千台)
126
50
50
自転車(千台)
人口(千人)
H11
H13
H15
H17
茨木能勢線(粟生間谷東1丁目)
桜井停車場線(桜井1丁目)
1500
1000
500
0
0
0
2000
H6
H9
H11
H17
H19
※自転車保有台数は社団法人自転車協会ホームページ参照
※箕面市内の保有台数は府と箕面市の人口比率より算出
※交通センサスより抜粋
(2)自転車事故の増加
自転車利用者の増加に併せて、自転車が安
心して走行できる空間の不足や交通ルール無
視、交通マナーの悪さ、安全意識の軽視等か
交通事故全発生件数と自転車事故発生件数の推移
1000
ら、自転車に関わる交通事故が増えています。
道路交通法上、自転車は「軽車両」と位置
897
850
874
877
861
800
づけられ、歩道と車道の区別があるところで
は、車道を通行するのが原則です。ただし、
公安委員会が認めた区間については、例外的
に歩行者優先、車道寄りを徐行することを前
事
故 600
発
生
件 400
数
自転車事故
提に、歩道上を通行することが可能となって
200
います。
しかし、自転車利用者の中には無秩序に歩
道を通行するなど、交通ルールが守られず、
歩道上で自転車と歩行者が錯綜し歩行者が危
1
0
171
196
191
2 0 .1 %
2 1 .9 %
2 1 .9 %
平成15年
平成17年
223
218
2 5 .4 %
2 5 .3 %
平成19年
※大阪府警より資料提供(H20.6)
険な目に遭うことも増えています。
本市における過去5年間の交通事故の発生件数についても、上図のとおり全発生件数はほぼ
横ばいなのに対し、自転車に関わる交通事故は増加の傾向を示し、平成19年には約25%の
割合を占めています。
(3)国・府の動き
全国的にこうした傾向の中、国では20年6月に改正道路交通法が施行され、自転車の通行ル
ールの明確化や、13歳未満の子どもへのヘルメット着用の努力義務など、自転車の安全利用に
関わる取り組みが進められています。また、これに先立ち、警察庁、国土交通省の出席のもと、
「新たな自転車利用環境のあり方を考える懇談会」が開催され、19年7月に、市町村単位で自
転車ネットワーク計画を策定することが提言されています。
大阪府においても、歩道上で歩行者と自転車の交通事故が急増していることを受け、19年1
2月に「自転車歩行者道における自転車通行部分の明示に関する実施要領」が定められています。
(4)市民の声
一方、市民アンケート調査(平成18年度)によると、自転車利用者が不満に思っていること
として、下図のとおり「歩行者や自転車等とのすれ違い」
、
「路面のでこぼこ」や「傾斜」等が高
い割合を占めており、自転車利用者から見ても安全に利用できるような改善が望まれています。
また、市内の移動にあたっては、
「バス」、
「鉄道」
、「自家用車」に次いで、自転車での移動が
便利になることを望んでおり、多くの市民の方が自転車利用の快適性、利便性に関心を持ってい
ることがわかります。
自転車を利用する時不満に思うことは。
5. 違 法 駐 車 が 多 い
3 3 .2 %
4.自 動 車 や バ イ ク との す れ 違 いが 危 険
3 6 .3 %
3.歩 行 者 や 自 転 車 等 との す れ 違 いが 危 険
5 8 .7 %
2.路 面 にで こ ぼ こ 、傾 斜 が ある
5 9 .8 %
1.自 転 車 専 用 の 通 行 路 が な い
4 6 .5 %
0%
20%
40%
60%
80%
100%
市内を移動する時どのような交通手段での移動が便利になればよいか。
4 .0 %
1 0 . そ の 他
1 9 .2 %
9 . 徒 歩
3 .9 %
8 . シ ニ ア カ ー ト ( 電 動 カ ー ト )
7 .4 %
7 . バ イ ク ・ 原 付
2 .4 %
6 . レ ン タ サ イ ク ル
3 2 .0 %
5 . 自 転 車
3 8 .8 %
4 . 自 家 用 車
6 .5 %
3 . タ ク シ ー
5 7 .8 %
2 . バ ス
3 3 .1 %
1 . 鉄 道
0 %
2 0 %
4 0 %
6 0 %
8 0 %
1 0 0 %
※平成18年度市民アンケート結果
2
(5)策定の目的
このような状況の中、本市としては、次の5つの目的を設定し、ハード面での自転車走行空間
の環境整備の推進と、ソフト面での交通マナーや交通ルールの啓発の充実を図るため、箕面市自
転車のみちネットワーク化計画を策定することとしたものです。
《5つの目的》
1. 自転車走行空間の環境整備の推進や交通マナー・交通ルールの啓発の充実により、安
全性の向上を図ります。
2. 市内主要施設をネットワークすることにより、快適性・利便性の向上を図ります。
3. 自動車から自転車への転換を促進することにより、環境負荷の軽減に努めます。
4. 運動効果の高い自転車利用を促進することにより、市民の健康増進に努めます。
5. 自転車による市内移動を促進することにより、地域の活性化に努めます。
自転車のみちネットワーク化計画
・市内自転車走行空間のネットワーク化
〈主な取り組み〉
・自転車走行空間の環境整備の推進
・交通マナーや交通ルールの啓発の充実
安全性の向上
快適性・利便性の向上
自転車利用の増加
健康増進
環境負荷の軽減
図−策定後のイメージ
3
地域の活性化
Fly UP