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第4回 ゲームでどこまで恋愛できるか

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第4回 ゲームでどこまで恋愛できるか
社会学基礎ゼミナール
2012/05/
第4回 ゲームでどこまで恋愛できるか
報告者:寺坂美紀(文1)
1.
美少女キャラは「俺の嫁」か
1-1.ビデオゲームの悩ましさ
・ゲームの正の側面(生活のうるおい)と負の側面(時間の浪費)
1-2.ビデオゲームの心地よさ
・インタラクティブ性…ゲームがほどよい「遊び相手」となってくれる
・ミミクリ(模擬)…ゲーム世界で、自分の分身を通して反実仮想(もしもあ
んなことができたら……)をかなえることが可能
1-3.理想の恋愛を味わうゲーム
・
「ドラマのような恋がしたい」というような人々の願い
→「ときめき」を提供する恋愛ゲームの登場(例:
「ときメモ」)
・近年注目された恋愛ゲーム…『ラブプラス』
・
『ラブプラス』を例に、以下キャラクターとの恋愛を考察する
2.
恋愛ゲームの新局面
・恋愛ゲームの基本…「学力」や「体力」などの能力値を蓄え、定期的に発生するヒロ
インとのイベントのなかで好感度を上げていく
意中のヒロインと両想いになることがゲームの醍醐味
・
『ラブプラス』の特徴…意中のヒロインと両想いになった後(恋人パート)が醍醐味
・敵も目標も不明確な『ラブプラス』はゲーム的側面では退屈:表 4-1
・
『ラブプラス』の魅力=ペットの側面
・
『ラブプラス』は「彼女(ペット)のいない淋しさをいやし、彼氏(飼い主)だけに許
された特権を提供する」
▼架空の生物を世話し、育てる娯楽ソフト「バーチャルペット」
(例:
『nintendogs』
)との類似
『ラブプラス』
『nintendogs』
彼女とデート
犬と散歩
恋人とスキンシップ
犬とじゃれ合う
プレイヤー同士の彼女自慢(ノロケ)
うちの子自慢
3.
恋愛の理想と現実
・ラブプラスの恋愛…彼女は一途に愛情を注ぎ続けてくれる(天国)
・現実の恋愛…期待外れに満ちた脆弱なもの(生き地獄)」
(例:破局、離婚)
:図 4-1
→しかし、サプライズなどの期待外れ(期待以上)が生む幸せも存在
失恋などのリスクがあるから、告白が成功し、相手を喜ばせたときの喜びは大きい
⇔『ラブプラス』の恋愛の物足りなさ
・ラブプラスの恋愛体験…仮想(
「キャラクターの私」)と現実(「プレイヤーの私」)と
いう矛盾する自己を重ねて同時体験する
・キャラクターの私…ヒロインとの関係に「終わり」を設定せず、永久の愛を楽しむ
⇔プレイヤーの私…ゲームを楽しみながら、新作を待ちわびる=「終わり」を前提と
している
4.仮想恋愛のゆくえ
・コンピュータ技術を介した人間と「世界」とのかかわり:参考 4-2
・従来のゲーム、従来の恋愛ゲーム・・・作中世界で完結→「GUI」
・
『ラブプラス』・・・いつでも、どこでもDSで彼女に会える→「UC」
現実世界と同様に時間が流れる→「AR」
携帯アプリ→「UC」、
「AR」
「AR」マーカーによる記念撮影→「AR」
「エクストリーム・ラブプラス」→「AR」?
・プレイヤーは現実に似せた交際を楽しもうと、工夫をこらして『ラブプラス』を究極
的に楽しんでいる
・
『ラブプラス』で味わうような恋愛体験の是非はいかに
現実の恋愛に興味がなくなり、少子化や出生率の低下を促進する?
作中の恋人により孤独が埋め合わされ、万人の希望となる?
第4章
ゲームでどこまで恋愛できるか
文学部 1 回生 城杏奈
★美少女キャラは「俺の嫁」か
キャラクターを好くだけでなく、疑似恋愛をしようとするのはなぜか?
…恋愛や性が非常に重視され、恋愛・性経験が当然視される現代社会
・同年代の恋愛・性経験の実態に関する誤った認識
・恋人の有無や性交経験の有無によるステレオタイプ的な見方
→恋人がいない人や性交経験がない人をネガティブにイメージ
「幻想」による「恋愛をしていないといけない(恋愛したい)
」という無意識的な焦り
※実際のところ、どのような感情を恋愛と名付けるかは社会に規定されている
=恋愛とは本能的なものであるとは決して言えない
↓
ラブプラスなどの恋愛ゲームは
・
「恋愛をしなくてはならない」という社会から押し付けられた強迫観念に対する焦りの消
化手段
・
「ゲームで恋愛しているから」という言い訳
ではないだろうか?
★仮想恋愛のゆくえ
キャラクターの「コミュニケーション」を楽しむことは正しいのか?
そもそも文中で書かれている「身寄りのいないお年寄りがバーチャルペットに癒され、自
殺を免れる」ことと、
「ラブプラスで仮想恋愛を楽しむ」ことは全く別の話である。
前者:身寄りもおらず、孤独を強いられている→話し相手が必要→正しい
後者:会社や学校など、完全に孤独を強いられているわけではない
→現実世界での恋愛が不可能というわけではない
→安易に正しいとは言えない
後者について
・あまりに熱中しすぎると、現実世界を二の次にしてしまう
・現実と仮想を混合することはない
・ふと立ち現れる「ただ仮想のキャラとコミュニケーションしているに過ぎない」とい
う虚無感
これらを踏まえて、悪いものであると言い切ることはできないものの、結局ユーザーにメ
リットを与えないものであると私は考える。
【参考】
対人関係と恋愛・友情の心理学(朝倉邦造、2010 年)
恋愛の心理学 「遊び」とロマンティック・ラブの変容(谷本奈穂、2008 年)
社会学基礎ゼミナール A
2012/05/25
総合人間学部 2 回 永山はるか
第4章
ゲームでどこまで恋愛できるか
・ラブプラスで恋愛できるのか?
恋愛ゲームをしている人は本当に恋愛をしていると感じているのかということを疑問
に思った。テキストにも述べられていたようにラブプラスには現実のような期待はずれが
ない。また、周囲との複雑な人間関係もなく、言動がパターン化されている。こうした点
で、ゲームの恋愛は現実の恋愛に決して代替できるものではないはずだ。それでも彼女の
いない寂しさを埋めるためにする人がいるということはゲームに恋愛の感覚を求めてる人
がいるということだろう。現実の恋愛には理不尽なことや裏切り、駆け引きなどがかかわ
る場合もあり、そうしたことが嫌で仮想の世界で恋愛したいという人もいるようだ。しか
し、やはりゲームと現実との違いを考えるとゲームで恋愛はできないししようとするべき
でもないと思った。恋愛のためのゲームではなくあくまで娯楽にとどめるべきだと思う。
・仮想恋愛の是非
仮想恋愛はあくまで楽しみ程度にとどめられたら特に問題はないと思う。本当に恋愛を
しているような感覚になり現実の恋愛を代替できるかということを別にしても、恋愛ゲー
ムには、彼女を攻略するためにいろいろ考えてじぶんを成長させるというおもしろさがあ
り、否定すべきものではないと思う。ただ、ゲームには現実での友だちなどの相手がいな
くても遊んで楽しめるという特徴があり、そのために現実でのコミュニケーションから離
れてしまうようになると問題だと思う。これは恋愛ゲームに限ったことではないが、恋愛
が日常生活での大きな要素を占めているということや、恋愛ゲームでは現実に似たコミュ
ニケーションが可能だということを踏まえると危険性は大きいと思う。
<参考>
『デジタルメディアの社会学』 土橋臣吾・南田勝也・辻泉編著 北樹出版 2011
『テレビゲーム文化論―インタラクティブ・メディアのゆくえ』 桝山寛 講談社現代新
書
2001
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