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4.2 文書化に関する規格の要求事項 4.2.1 QMS 文書の作成
品質マニュアル作成テキスト 4.2 文書化に関する規格の要求事項 4.2.1 QMS 文書の作成 規格の要旨 規格の 4.2 では、QMSに必要な文書として、次の文書の作成を求めている。 ① 品質方針(規格5.3参照)、品質目標(5.4.1 参照) ② 品質マニュアル(4.2.2 参照) ③ 規格が要求する6つの手順書(”文書化された手順”) “文書化された”と ④ 自社が必要とする文書 は・・・? ⑤ 規格の要求する記録 ポイント ● 文書を作成すること、の意味とは…? ① ルールを決める。 … (手順) ② 文書に書く。 … (文書化) ③ 決めたとおりに仕事を行う。 … (実施) ④ 状況に合わせて文書を変更する。 … (維持) 文書の詳しさ ● 文書化の必要なもの、その文書の詳しさは、何によって決めるか…? ① 組織(自社)の規模や、仕事の種類 ② 仕事の複雑さ、仕事のつながりの複雑さ ③ 仕事をする人の能力 アドバイス ① 文書の作成にあたっては、文書体系を考えること。コンパクトISOの出発点は、 まず、文書体系のシンプル化から始まる。→ 2層化 図2 文書体系のシンプル化 文書の種類 層 品質文書 1 品質マニュアル 1 2 手順書類 2 3 計画・標準類 3 − 報告・記録類 二層化 1 統合 2 統合 ― ― 第1層:品質マニュアル(手順書類を含め統合する) 第 2 層:計画・標準類(帳票類) 文書そのものも簡素に作成することが望 ② 文書体系の2層化に合わせて、 ましい。 C TBC ○ 0/1 Solutions CO.,LTD 品質マニュアル作成テキスト 図3 2層化の文書体系 第1層 第2層 記録 品質マニュアル 計画・標準類 報告・記録類 (本文) 品質 (帳票類) (記録済み帳票) 図表 付表 ● 品質マニュアルは、本文25頁程度にし、手順書も含め、統合する。 ● 帳票は、多機能化(手順、指示、結果を一枚の帳票に含める)する。 帳票の多機能化 ● 台帳方式よりも、一覧表方式を多用し、記録の容易化を図る。 マニュアルへの記載例 4.2 文書化 4.2.1 QMS文書の構成(文書体系) (1) 当社のQMSに必要な文書の体系は、図1のとおりとする。 図1 文書体系 ①品質マニュアル ②標準類、帳票類、外部文書 ③品質記録 (2) 書は、品質方針に沿い、品質目標の達成を狙いに、図 1 の文書体系に従い作成 する。 ① 品質マニュアル 品質方針、品質目標、QMS、並びに規格が要求する「文書化された手順」 及び「当社が必要とする手順」で構成する。 ② 標準類、外部文書 • 標準類:品質計画に関連した文書及び、個別製品についての作業標 準とする。 • 帳票類:計画書、報告書その他の伝票類とする。 • 外部文書:ISO規格、顧客から受領した仕様書、図面等とする。 ③ 品質記録 規格に基づく品質記録及び、当社で定めた記録とする。 C TBC ○ 1/2 Solutions CO.,LTD 品質マニュアル作成テキスト 4.2.2 品質マニュアル 規格の要旨 規格の 4.2.2 では、品質マニュアルの作成及び、維持を求めている。そして、マニュ アルには、次のことを含めて作成することとされている。(括弧内は、4.2.2 の参照項を 示す) ① このマニュアルの適用範囲。除外がある場合は、その理由。(a) 参照:1.2 文書化された手順と 手順書の違い。 ② “文書化された手順”または、別に手順書を作る場合はその参照情報。(b) ③ 自社のプロセスの相互のつながり。(c) ポイント ● 品質マニュアルに、次の 3 項目だけ含めれば良いのか・・・? ① 適用範囲(除外事項、その理由) ② “文書化された手順”(または、手順書の参照情報) +α ③ 自社のプロセスの相互のつながり ● 品質マニュアルとは・・・?品質管理の仕組み(QMS)の“ロードマップ!” ① 品質マニュアルとは、本来、「自社の品質管理の仕組み(QMS)を規定し た文書」である(参照:ISO 9000 3.7.4) ② 自社の仕事の仕組みを核にして、これに 3 項目を含めることを求めてい る。 (ア) 適用除外の有無。正当な理由(参照:1.2 参照) (イ) “文書化された手順”とは、手順が確立され、文書化され、実施され、 文書化された手順 (4.2.1 参照) プロセスのつながり (4.2.1 参照) かつ、維持されていることを求めている(参照:4.2.1 参考1) (ウ) 「プロセス間のつながり」とは、仕事の単位ごとの仕組み(プロセス) のつながりを示すこととなっている(参照:4.1 a)b)) ● プロセスの相互のつながり、をどのように表すか? 図4のように、各プロセスをマネジメントサイクルに合わせて関係付ける(参 照:0.2 参考) 図4 品質マネジメントサイクルのモデル PLAN DO CHECK プロセスマップ ACTION C TBC ○ 2/3 Solutions CO.,LTD 品質マニュアル作成テキスト アドバイス ① “文書化された手順”を品質マニュアルに含めるか、手順書として作成するかは 手順(書) 会社の自由である(簡素化)。 ② 参照情報とは、引用する手順(書)の項目番号(文書番号)、項目名(文書名)な どをいう。 ③ 品質マニュアルの形式、詳しさは、自社で決める。 ④ 規格に書かれている用語は、必ずしも使う必要はない。 日常用語使用 “分かりやすい仕組み”は日常語(社内用語)に翻訳(定義)して書こう マニュアルへの記載例 4.2.2 品質マニュアル (1) 品質マニュアルは、管理責任者が作成し、社長が内容を審査・承認し発 行する。 (2) 規格が要求する次の事項については、このマニュアルの次の各項を参考 にする。 ① 適用範囲…「1.2 この品質マニュアルを適用する範囲」 ② 文書化された手順…「4.2 文書化」 ③ プロセス間の相互のつながり「4.1QMSの基本的仕組み」 C TBC ○ 3/4 Solutions CO.,LTD