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日本呼吸器疾患患者団体連合会第八回総会
第8回 日本呼吸器疾患患者団体連合会 総会 議事録 平成 23 年 10 月 21 日(金) 11:30-13:00 於:東京ガーデンパレス 2階 天空 総会 出席者(敬称略) 代表 代表 副代表 副代表 副代表 学会代表 小山万里子 遠山 和子 高橋 昭 酒井 巌 松本 光雄 福地義之助 ポリオの会 日本呼吸器障害者情報センター 全国低肺機能者グループ・東北白鳥会 全国低肺機能者団体協議会 全国ポリオ会連絡会 順天堂大学医学部客員教授、アジア太平洋胸部協会(APTA)副理事長 日本呼吸器学会 理事長 日本呼吸器学会 会長 永井 厚志 東京女子医科大学第一内科学教室(呼吸器内科学) 主任教授 西村 正治 北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 教授 代議員 全国低肺機能者グループ・東北白鳥会 全国低肺機能者グループ・東北白鳥会 全国低肺機能者グループ・東北白鳥会 全国低肺機能者団体協議会 全国ポリオ会連絡会 全国ポリオ会連絡会 日本呼吸器障害者情報センター 日本呼吸器障害者情報センター ポリオの会 ポリオの会 J-LAM の会 J-LAM の会 飯田 斉藤 高橋 吉田 滝川 森山 高橋 米地 青木 三阪 遠藤 望月 澄子 和子 明子 正朋 豊 幸恵 毅 輝雄 秀哲 泰代 玲奈 友世 ワーク1 日本呼吸器学会 肺生理専門委員会 委員長 委員 ワーク 2 日本呼吸器学会 保険委員会 委員長 日本呼吸器学会 将来計画委員会 委員長 ワーク 安部 信夫 下田 忠義 巽 浩一郎 植木 純 大友 良 千葉大学医学部呼吸器内科 教授 順天堂大学医療看護学部 教授 全国低肺機能者グループ・東北白鳥会 高橋 和久 木村 弘 長谷川 稔 叶谷 昇 順天堂大学医学部呼吸器内科 教授 奈良県立医科大学内科学第二講座 教授 日本呼吸器障害者情報センター ポリオの会 全国低肺機能者団体協議会 全国低肺機能者団体協議会 オブザーバー 日本呼吸器学会 びまん性肺疾患学術部会 部会長 本間 栄 東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科 教授 日本呼吸器学会 閉塞性肺疾患学術部会 部会長 井上 博雅 鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 呼吸器内科学 教授 内田 幸男 日本呼吸器障害者情報センター Ⅰ.開会挨拶 1.日本呼吸器疾患患者団体連合会 患者代表……小山 万里子 連合会も第 8 回の総会を迎えることができ、その活動内容もタイムリーに社会に働 きかけるなどが可能となっている。今後も一層の発展とご援助をお願いしたい。 2.日本呼吸器疾患患者団体連合会 学会代表……福地 義之助 患者さんが疾病による様々な不利益に対して、自治体はじめ関係省機関等に要望を 出す上で、学術的な面で支える学会の役割は、役員が変わっても、この 8 年間に受け 継がれている。これをより若い世代に受け継ぐため学術部会からも参加いただくこと にした。 3.日本呼吸器学会 理事長……永井 厚志 過日の東日本大震災に被災された方にお見舞い申し上げるとともに、その中で復 興・復活に活躍されている方、心から敬意を表したい。 日本の大学で呼吸器科医を育てる大学教授は 30%、今回の東日本の被災地域におい ても呼吸器専門医が少なく、日本の医療の在り方を根本的に見直す時期と感じた。 呼吸器疾患で日常生活に障害をきたされている方たちのためにも学会が取り組むべ き課題と認識している。 Ⅱ.出席加盟団体の紹介と活動報告 ・ 全国低肺機能者団体協議会 ・ NPO 法人日本呼吸器障害者情報センター ・ 東北白鳥会 ・ 全国ポリオ会連絡会 ・ ポリオの会 ・ J-LAM の会 Ⅲ.日本呼吸器学会 保険委員会報告 委員長……高橋 和久 平成 24 年度診療報酬改定提案の締め切りが 7 月にあり、連合会関連で 2 件提出した。 1)在宅療法指導管理材料加算および在宅酸素療法指導管理料の算定要件の見直し:一 部の在宅酸素療法の業者は十分なサービスを提供していない現状がある。それを是正 する目的で、業者に災害時の対応など患者のニーズに対応し得ることを算定要件に加 えるとともに、医療者側にも「患者さんからクレームがあった場合は業者にたいてし て適切な指導、改善要求をすること」を盛り込んだ。 2)時間内歩行試験(6 分間歩行試験) :適正な在宅酸素療法の導入などを行う上で必須 の検査である「時間内歩行試験」を、学会理事長と連名で厚生労働大臣に要望書を提 出し、保険局医療課にも陳情に行った。 Ⅳ.活動報告 日本呼吸器疾患患者団体連合会活動報告(2010 年 10 月~2011 年 9 月) 10 月 第 20 回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会にて発表 第 7 回日本呼吸器疾患患者団体連合会総会 2月 日本呼吸器疾患患者団体連合会ニュースレター10 号発行 3月 慢性呼吸器疾患をめぐる療養環境充実のためのアンケート実施 計画停電対象地域の在宅酸素療法患者さんへの呼びかけ 4月 第 51 回日本呼吸器学会学術講演会にて発表 7月 日本呼吸器疾患患者団体連合会ニュースレター11 号発行 Ⅴ.議事 1.会計報告 6 月に米国カリフォルニアの Pulmonary Education Research Fundation(呼吸器教 育研究財団)様より、義援金 1 万 1000 米ドル(約 86 万円)をいただいた。 被災地の患者の意見を取り入れた災害対応リーフレット作成費にあてる 2.次期 代表:J-LAM 池田靖宏氏 顧問 J-Breath 遠山和子 3.国際活動 ICC (International COPD Coalition)の活動……遠山 和子 連合会より遠山和子代表、学会より順天堂 植木純先生が報告。連合会の紹介、 J-Breath の活動、東日本大震災の患者さんがどういう状況で被災され、乗り越えた かを伝え、日本はまだまだ頑張るというメッセージを出したい。 4.会員団体参加の啓発……福地 義之助 呼吸器疾患の領域別に専門家が集まり、診断、治療、患者さんの生活の質の向上を めぐる課題について検討する学術部会にも連合会の活動に参加いただく。まずは慢 性閉塞性肺疾患学術部会、びまん性肺疾患学術部会より参加いただき、連合会の構 成、活動について一緒に考えていただきたい。全国の患者会の連携システムができ て当然知るべき権利を生かせるようにしていく必要があり、連合会の役割にもなる のでは。 ・将来計画委員会委員長……木村 弘:どこの会に入ればいいのか、どんな会があ るのか情報がほとんど得られない方もいると考えられるので、将来計画委員会とし ても患者団体と協力してよりよい活動を目指していく ・びまん性肺疾患学術部会……本間 栄:厚生労働省のびまん性肺疾患の班研究で も間質性肺炎の患者会を立ち上げ、講演会や勉強会を通して啓発活動をすることに なっている。 ・閉塞性肺疾患学術部会……井上 博雅:実態調査をして全国的にどんな会があっ て、どうすれば問題提起をしやすくなるかコミュニケーションをすることで目的を より達成しやすくならないかなど考えていきたい。 5.連合会による呼吸器学会認定施設アンケート調査結果……小山 万里子 ・患者会がある施設、あるいは地域にある施設は全体の 10%【27 件】。地域の患者 会があれば紹介するとしている施設が 62%ありますので、今後どうやって地域の患 者会を具体的にご紹介いただけるようにするかが、課題。 ・社会福祉情報の提供については医療ソーシャルワーカーや医師が主な情報提供者 で私たちが必要な情報が何かをお伝えしていく必要がある。日々の、毎日の福祉だ けでなく、災害時には災害時要援護者、支援計画など周知が必要。 ・HOT 事業者の質の問題については、27%の施設は、自分の契約している業者が HOT 事業者像を満たしているか分からないと回答。今回の災害時にも業者によって対応 の差が出ているので、引き続き訴えていく必要がある。HOT だけでなく、人工呼吸 器についても同様の問題がある 6.仙台より震災報告……高橋 昭 仙台市では、障害者あるいは高齢者に対しまして、二次避難所、つまり福祉避難所 を、70 カ所ほど特別養護老人ホームなどに設定したが、わずか二十数箇所の福祉避 難所だけが具体的に活動できた。こうなると「となり組」というか向こう 3 軒両隣 の町内会活動が基本になる。そこで呼吸器患者の存在を認識してもらう必要がある。 7.活動案について J-Breath……遠山 和子 ・行政への働きかけ:呼吸器障害者の認知度を上げるための活動をする。それと同時 に、災害時援護者として認知され対策がとられるようになれれば、福祉避難所でも 問題なく受け入れてもらえるのでは。 ・学会、医療者への働きかけ:学会主導で災害時の呼吸器障害者対応に関する指針を 公表・普及させていただきたい。平時からの患者指導内容を明確にして実施いただ く。行政や業者、地域との連携。そして学会員への患者団体連合会、地域の患者会 の認知・連携の推奨。呼吸法が災害時の対策に大変有効で、酸素が無い中、呼吸法 でしのげた例もあり、呼吸リハビリテーションにはもっと力を入れていただきたい。 ・事業者への働きかけ:災害時の酸素療法の安否確認、酸素補充の実施の徹底。各社 と協力して、患者が集まるところ(避難場所)に、酸素供給できるようにしておい てほしい。 ・患者への働きかけ:自助努力が必要で、ボンベをきちんと扱えるようにしておく。 災害時要援護者支援制度を調べて登録するように呼びかける。連合会としては患者 さんの呼びかけパンフレットを作成する。案に対する意見を集約して監修をつける →石巻の矢内勝先生にご依頼予定。 ・マスコミへの働きかけ ・陳情:従来から提言している内容に加えまして、災害対応に関する要望を追加する。 各会 持ち帰って追加修正を行う。 ・連合会 10 周年に向けての提案:全低肺 事務局……吉田 正朋 各団体で厚労省への要請行動をやってはどうか。一年かけて各団体で問題について 検討して、この連合会傘下の患者団体として統一して、厚労省陳情をする。10 周年 の総会の前日に日程を組んで全員でいくのはどうか。(拍手) → 各団体からメンバーを出す小委員会を作って検討を重ねる方式で進める。 各団体においては年 1 回といわず何度も足を運んで顔見知りになるくらいでも よいのでは。各団体で実施することで呼吸器疾患患者の認知度があがる。 8.その他 1)質疑 在宅酸素療法指導管理料とは具体的に何をするものか: J-Breath……長谷川 稔 自己負担の 25%を占めている。このほかの機器の費用につき、病院における価格 絶対重視のなかでダンピングしないと契約がとれないため機材開発が遅れ、患者の サービスが低下しているということもあるので知りたい。 回答 保険委員長……高橋 和久 在宅酸素療法のための酸素投与方法、夜間の緊急対応についてについて患者さん に説明を行うと書かれているが、それ以上の具体的な内容については、はっきりと 明記されてない。平成 24 年改定において、業者側に対して、災害時や夜間、外出・ 外泊時の対応などをしっかりと行うよう追加要望した。実際、業者間によってこれ らの対応が違うことが問題であることは認識しており、改善に努めたい。 2)関東地域計画停電報告 ポリオの会……三阪 泰代 人工呼吸器の外部電源を用意するように東京電力から連絡があった。東京電力への 登録制度も周知されていないし、計画停電もどこの地域がいつくるかわからない状 態であった。もっと情報開示が必要ではないか。 →パンフレットを作る際の小委員会で検討する。 3)日本リハビリテーション医学会との連携報告 ポリオの会……小山 万里子 専門委員会にポストポリオ症候群ができた。ポリオの会としてアンケートを実施し 呼吸器の問題を含めてリハビリテーション医に働きかける VI.閉会挨拶 日本呼吸器学会 会長……西村 正治 慢性呼吸器疾患患者が十分な社会的恩恵を受けていないこと、この度の大災害におい ては行政ばかりではなく医療を担当する側も正しく機能しなかったことが本日のディ スカッションで再認識されました。それを踏まえて今後は学会でも積極的に慢性呼吸 器疾患患者の問題を取り上げていきたいと思います。医療者側と患者団体が相協力し て社会や行政に働きかけをしてこそより良いものが得られるというのが私自身の基本 的な認識です。 以上