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いざというときの外科的気道確保手技

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いざというときの外科的気道確保手技
いざというときの外科的気道確保手技
クイックトラック/ミニトラックを用いた輪状甲状膜穿刺術
スミスメディカル・ジャパン 株式会社
2009年8月
輪状甲状膜穿刺の目的
気管内貯留物(痰など)の除去
喀痰困難症例において、肺炎・肺損傷を予防するため
緊急時の気道確保と酸素投与
急性喉頭蓋炎など、上部気道閉塞や挿管困難時
US Difficult Airway Management
挿管困難時の気道確保( DAMアルゴリズム )
フェイスマスク、経口/
フェイスマスク、経口/経鼻AW
経鼻AW
通常の喉頭鏡による気管挿管困難
バッグマスク換気、経口/
バッグマスク換気、経口/経鼻AW
経鼻AW
喉頭鏡、ブジー、経鼻AW
、SLM
喉頭鏡、ブジー、経鼻AW、
困難・不十分
緊急
適切
通常の喉頭鏡以外の挿管方法
マッコイ/
マッコイ/ブラード喉頭鏡、
FS下気管挿管、光ガイド下気管挿管、
FS下気管挿管、光ガイド下気管挿管、
盲目的経鼻挿管、LMA
、
盲目的経鼻挿管、LMA、
内視鏡付スタイレット、逆行性気管挿管
不成功
SLM、
SLM、コンビチューブ
気管挿管以外の気管管理法
LMA、
LMA、コンビチューブ
成功
成功
LMAによる
LMAによる
気管挿管考慮
適応考慮
気道確保・陽圧換気
不成功
緊急
気切T
気切T
MT2
外科的気道管理法 QT
気管切開、
輪状甲状膜穿刺
UK Difficult Airway Society ( DAS )
予期せぬ挿管困難ガイドライン・フローチャート(基本的構成)
喉頭鏡、ブジー、スタイレット、ETT
喉頭鏡、ブジー、スタイレット、ETT
プランA
プランA:
一次プラン
通常の喉頭展開
プランB
プランB:
二次プラン
気管挿管
4回まで試行可
→挿管失敗
SLM
成功
ILMAまたは
LMAを介した挿管
を介した挿管
ILMAまたはLMA
ファイバー併用
ILMAまたは
LMA
ILMAまたはLMA
2回まで試行可
プランC
プランC:
リカバリープラン
成功
フェイスマスク(IT
)
→挿管失敗
フェイスマスク(IT)
フェイスマスクに戻り
酸素化と換気
成功
手術延期
患者覚醒へ
低酸素血症の進行
プランD
プランD:
挿管不能・換気
不能救済法
SLM
酸素化改善
患者覚醒へ
LMA
低酸素血症の進行
MT2、
MT2、QT
輪状甲状膜穿刺
または
失敗
MT2
外科的輪状
甲状膜切開
緊急時における輪状甲状膜穿刺の利点
体表面から気管への距離が最短
触診での位置確認が容易
皮下組織まで筋膜がなく、神経や血管が乏しいため
気管へのアクセスがしやすく
血管損傷の危険性が低い
迅速かつ安全に手技が施行可能
輪状甲状膜周辺の解剖①
喉頭蓋
舌骨
舌骨
舌骨
甲状舌骨靭帯
甲状軟骨
声門
甲状軟骨
被裂軟骨
輪状甲状膜
輪状軟骨
気管
輪状軟骨
甲状軟骨
輪状甲状膜
輪状甲状膜周辺の解剖②
声門
輪状甲状膜
9.0∼10.0mm
9.0mm
9.0mm
30.0mm
輪状甲状膜 高さ:9.0mm
幅:30.0mm
輪状甲状膜∼声門の距離 9.0∼10.0mm
(参考: ミニトラック2チューブ外径 5.4mm)
※諸説あり
輪状甲状膜周辺の解剖③
気管の長さ(声門∼気管分岐部) 約100∼120mm
兵頭正義 麻酔科学、大阪大学麻酔科HP
より
麻酔科学、大阪大学麻酔科HPより
声門∼輪状甲状膜
輪状甲状膜高さ
輪状甲状膜∼気管分岐部
約10mm
声門
10mm
9mm
約 9mm
約80∼100mm
ミニトラック2チューブ長
90mm
皮膚表面∼輪状甲状膜
数mm
80∼100mm
Point
輪状甲状膜以外からのアプローチは危険!
気管分岐部
輪状甲状膜周辺の動脈走行
上甲状腺動脈
下甲状腺動脈
甲状軟骨
甲状腺
最下甲状腺動脈
輪状甲状膜周辺の血管走行(Study)
P.Goumas,et al, Cricothyroidotomy and the anatomy of the cricothyroid space.An autopsy study.
The Journal of Laryngology and Otology1997;111:354-6
70名の男性と37名の女性の死体を用いて、輪状甲状軟骨上の血管走行を確認
年齢は18∼79歳 (London, St Mary’s Hospital )
① 正中上に直径2mm以上の血管走行
11/107例 10.2% うち動脈 1
② 正中より左右1cm位置に直径2mm以上の血管走行 33/107例 30.8% うち動脈 4
※ 血管走行は正中には少ない
合併症発生率 ; 予定症例では6∼8%、緊急時気道確保目的では10∼40%
(Kress and Balasbramanian,1982; Sise 1982)
要因 ; 緊急時使用は、正中からアプローチされないケースが多く、出血しやすい。
Point
輪状甲状膜切開/穿刺キットを使用する場合は、正中をはずさないことが重要!
ミニトラック2、クイックトラックにはカフがないため、出血には特に注意が必要!
セルジンガー方式の場合は、スカルペルで穿刺するのではなく、『縦皮膚切開』(血管を避ける)
いざというときのために、トレーニングは重要です!
マネキンを用いて、麻酔科医102名を対象に、輪状甲状膜切開キットを用い
て40秒以内で気道確保に成功できるまでの訓練回数を調査した研究。
David T Wong What is the minimum training required for successful Cricothyroidotomy?-A study in mannequins. Anesthesiology
2003;98:349-53
Smiths 輪状甲状膜穿刺 製品レンジ
セルジンガーキット
ミニトラックII(Portex製)
スタンダードキット
クイックトラック(VBM製)
緊急気道確保目的として(Study)
緊急気道確保の場合、
手技に習熟していない際にはミニトラックよりクイックトラックのほうが早く、容易。
B.G. Fikkers,S.van Vugt et al. Emergency cricothyrotomy:
cricothyrotomy: a randomised crossover trial comparing
the wirewire-guided and cathetercatheter-overover-needle techniques. Anaesthesia 2004;59:10082004;59:1008-1011
ミニトラックとクイックトラックを用いて、緊急気道確保時の手技時間・手技の容易さ、挿入
位置の正確さ、合併症発生率をブタの気管を用いて比較した文献。
手技実施者は麻酔科レジデンス10名と耳鼻科レジデンス10名。
手技時間・手技の容易性はクイックトラックが優位に優れており、挿入位置正確性は有意
差がなかった。手技に習熟していない医師にとっては、緊急気道確保時はクイックトラック
差がなかった。手技に習熟していない医師にとっては、緊急気道確保時はクイックトラック
のほうが早く、容易
に手技が行える。
のほうが早く、容易に手技が行える。
n=20
ミニトラック
クイックトラック
P-value
準備時間
20.8sec
13.3sec
0.007
トータル時間
149.7sec
47.9sec
<0.001
手技容易性
5.6 (vas-score) 2.1 (vas-score) <0.001
挿入位置正確性
17 (85%)
19 (95%)
NS
クイックトラック
30-04-002-1(小児)
30-04-004-1(成人)
製品概要
硬性カニューレ付のシリンジを用い、一気に
穿刺するタイプ(ミニトラックIIより早い)
→ 超緊急時
カニューレは15mmコネクタ対応なので、穿
刺後すぐにアンビュや換気装置に接続可能
ネックテープ、カテーテルマウントが付属
小児用(ID2mm/体重10∼40kg)と成人
用(ID4mm/体重35kg∼)の2サイズ
ミニトラックII(セルジンガーキット)
100/461/000
製品概要
セルジンガー法(針・GW を用いてアクセスす
る)を用いているので、より確実・安全に手技
が行なえる
中長期留置を目的としているため、チューブ
部分が軟性で、気道への刺激が少ない
→ 肉芽発生リスク軽減
15mmコネクタ対応のスリップジョイントが付
属しているので、高圧換気装置への接続が
可能
ミニトラックII(スタンダードキット)
100/462/000
製品概要
セルジンガー法でなく、スカルペルとチューブイ
ントロデューサにより手技を行なうキット
セルジンガーキットで手技を行なった後の交
換用チューブキットとして使用されるケースが
多い
中長期留置を目的としているため、チューブ
部分が軟性で、気道への刺激が少ない
→ 肉芽発生リスク軽減
15mmコネクタ対応のスリップジョイントが付
属しているので、高圧換気装置への接続が
可能
輪状甲状膜穿刺キット:
クイックトラック
カテーテル
マウント
シリンジ
ネックテープ
内針
ストッパー
気管カニューレ
輪状甲状膜穿刺キット:
クイックトラック
クイックトラックの特長
緊急時に迅速かつ安全な気道とのアクセスが可能
穿刺具と気管カニューレが一体型になっているので、迅速な手技が可能
ストッパにより、穿刺が深すぎることによる気管後壁貫通の可能性を低減
円錐状の針先形状により、必要最小限の切開口を形成。出血の可能性を低減
穿刺後、カニューレ先端が気管に到達していることを、シリンジで空気を吸引する
ことにより確認可能
成人用(ID4.0mm)と小児用(ID2.0mm)の2タイプをご用意
輪状甲状膜穿刺キット:
クイックトラック
禁忌・禁止
再使用禁止
付属のシリンジを用いた薬液等注入や採血
(併用禁忌)
ノーマンメルボータイプのコネクタを有した製品との接続
輪状甲状膜穿刺キット:
ミニトラックII(セルジンガー)
気管カニューレ
イントロデューサ
フランジ
ダイレータ
15mmアダプタ
ネックテープ
吸引カテーテル
ガイドワイヤ
ガード付
スカルペル
10mLシリンジ
16Gツーイ針
輪状甲状膜穿刺キット:
ミニトラックII (スタンダード)
気管カニューレ
フランジ
イントロデューサ
15mm
アダプタ
ネックテープ
吸引カテーテル
ガード付
スカルペル
輪状甲状膜穿刺キット:
ミニトラックII
禁忌・禁止
再使用禁止
呼吸運動の低下、肺機能不全による呼吸不全
気管切開患者の人工呼吸器からの離脱時の使用
12歳以下の小児
解剖学的ランドマークが確認できない患者
(原則禁忌)
抗凝固療法を行なっている患者、出血性の患者
(出血が起きた場合は、出血部位を外科的輪状甲状膜切開術で止血すること)
(併用禁忌)
ノーマンエルボー・タイプのコネクタを有した製品との接続
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