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第1章 秋田市の地域特性

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第1章 秋田市の地域特性
第1章
秋田市の地域特性
<構成>
1-1 地域概況
(1)自然特性
(2)土地利用
(3)人口動向
(4)産業構造
(5)公共施設の整備状況
(6)将来的な開発事業
1-2 エネルギー需要量
(1)エネルギー需要量の現況
(2)エネルギー需要特性の分析
(3)エネルギー需要量の将来予測
1-3 新エネルギー賦存量および利用可能量
(1)新エネルギー賦存量
(2)新エネルギー利用可能量
参考:新エネルギー賦存量および利用可能量調査の方法
9
1-1
地域概況
(1)自然特性
①位置・地勢
秋田市は秋田県の中西部に位置しており、市
域は東西約 23.18km、南北約 34.00km、総面
積 460.10Km2 です。
市の東は太平山を中心とした山間部、西に向
かって平野部が広がっており、山間部から平野
部にかけて、市内を旭川、太平川、新城川等の
河川が横断しています。
②気象条件
1971 年~2000 年までのデータによれば、年平均気温は 11.4℃、月別最高気温の平年値
は 15.2℃、月別最低気温の平年値は、7.8℃です。年間日照時間は 1,597.4 時間で、11 月~
2月にかけて落ち込むものの、春期から秋期にかけては比較的長くなります。
年間降水量は 1,713.2mm で、夏期と冬期が多い傾向にあります。最深積雪は 41cm です。
ちなみに平成 12 年度の最高気温は 37.9℃、最低気温は-7.5℃、最深積雪は 65cm でした。
また、平均風速は 4.5m/s でした。
その他、道路融雪などへの利用が有望な地中熱温度は、深度 50mで 15℃程度です。
NEDO 全国日射関連データマップによれば、秋田市の月平均斜面日射量は 3.54(kW/
㎡.d)で、東京の 3.74(同)に比べてやや低くなっています。これを一年を通じて見ると、
冬型の気候が続く 12 月~2 月は十分な日射量は得られませんが、緯度が高いことと梅雨期
が短いことから、4 月~10 月には、東京と比べてもかなり良好な日射量が得られることが
わかります。
また、暖房・冷房期間を見ると、冬は長く厳しいため、暖房期間が 168 日間ある一方、
夏は高温多湿であり、ほぼ同緯度の盛岡では冷房期間がほとんどないのに比べて、冷房期
間が 32 日間あります。このような気象条件により、エネルギー消費が押し上げられている
ことも考えられます。
*
暖房期間:日平均気温が 10℃以下になる平年値の初日と終日との間の期間とする
* 冷房期間:日平均気温が 24℃以上になる平年値の初日と終日との間の期間とする。
11
秋田市 月別平年降水量(1971~2000)
(mm)
200.0
180.0
160.0
140.0
120.0
100.0
80.0
60.0
40.0
20.0
0.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
秋田市 月間日照時間の月別平年値(1971~2000)
(時間)
250.0
200.0
150.0
100.0
50.0
0.0
1月
2月
3月
4月
5月
12
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
秋田市と東京都 月別平均日射量の比較
2
kW/m . d
6
5
4
秋田
東京
3
2
1
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
他都市との暖房・冷房期間の比較
秋田
盛岡
仙台
東京
暖房期間
11 月 4 日 4 月 20 日
10 月 23 日 4 月 23 日
11 月 10 日 4 月 16 日
11 月 30 日 3 月 26 日
日数
168
183
158
117
冷房期間
7 月 24 日 8 月 24 日
7 月 31 日 7 月 31 日
7 月 27 日 8 月 21 日
7月9日
9 月 11 日
日数
32
1
26
65
理科年表 1961~1990
(2)土地利用
①土地利用の現況
秋田市の行政区域面積は、約 46,010ha、そのうち都市計画区域は 30,987ha です(平成
13 年3月現在)。『秋田市国土土地利用計画改訂業務調査報告書』(秋田市 1997 年)によれ
ば、利用区分は森林がもっとも大きな割合を占め、27,296ha(59.4%)
、次に農用地が多く
5,755ha(12.5%)、宅地が 4,304ha(9.4%)と続きます。
農用地や森林の割合は大きいですが、年々面積は減少しています。その一方で宅地や道
路の割合は拡大しています。
13
<秋田市の土地利用(1983 年と 1992 年の比較)>
1883 年
1992 年
利用区分
面積(ha)
農用地
田
畑
採草牧草地
構成比(%)
面積(ha)
構成比(%)
6,116
5,580
473
99
13.3
12.1
1.0
0.2
5,755
5,350
321
84
12.5
11.6
0.7
0.2
27,711
7,966
19,745
60.3
17.3
43.0
27,296
7,650
19,646
59.4
16.6
42.7
783
1.7
69
0.2
水面・河川・水路
水面
河川
水路
1,977
393
1,107
477
4.3
0.9
2.4
1.0
1,897
425
1,107
365
4.1
0.9
2.4
0.8
道路
一般道路
農道
林道
1,298
904
284
110
2.8
2.0
0.6
0.2
1,726
1,299
314
113
3.8
2.8
0.7
0.2
住宅地
工業用地
その他の宅地
3,658
2,306
527
825
8.0
5.0
1.1
1.8
4,304
2,577
431
1,296
9.4
5.6
0.9
2.8
4,383
9.5
4,914
10.7
45,926
100.0
45,961
100
森林
国有林
民有林
原野
宅地
その他
合計
『第5次秋田市総合都市計画』より作成
14
②土地利用の基本方針
『第5次秋田市総合都市計画』では、次のような土地利用の基本方針がまとめられてい
ます。
方
利用区分
住宅地
針
の
概
要
・
・
・
・
人口密度 70~80 人/ha の中密度住宅地の都心部周辺や地域中心への配置
地区計画制度等を活用した人口密度 50~60 人/ha の低密度住宅地の形成
都心部の中層マンションの供給、老朽建築物の建て替え等
高齢者や障害者への配慮、ライフスタイルの多様化などのさまざまなニーズに
対応した住宅供給
・ 地域への高いサービス供給をおこなう公共施設の導入など整備水準の
高い住宅地の形成と秋田市の気象条件に合った住宅・住宅地の形成
・ 市街化調整区域での居住環境の保全と生活環境の整備
商業業務地
・ 秋田駅周辺の再開発、商業機能の集積、都心環状線など道路網の整備、
さまざまな交通手段の連携などによる魅力ある都心部の形成
・ 秋田駅東口での商業・業務施設の導入等や秋田駅西口から山王十字路で
の魅力的商業地の形成、山王十字路以西の高度業務施設や文化・スポー
ツ施設の誘導・集積など都心軸の機能強化
・ 幹線道路沿いの沿道型商業サービス施設の集積
工業地
・ 臨海部工業地帯での産業構造高度化、機能更新による適切な機能集積・
高度化の集積
・ 下浜、西部、豊岩の各工業団地および秋田新都市の産業区における、道
路網の整備、研究開発機能・新たな工業機能の配置・誘導
・ 秋田外環状道路IC周辺、下新城中野地区の工業系土地利用としての位
置付け
流通業務地
・
・
・
・
中央卸売市場周辺の流通業務地の形成
秋田新都市における新規流通機能用地としての集積の促進
秋田外環状道路IC周辺の流通業務地としての位置付け
卸団地、秋田操車場駅南地区を引き続き流通業務地としての機能充実
『第5次秋田市総合都市計画』より作成
15
〈秋田市 土地利用の基本方針図〉
『第5次秋田市総合都市計画』より
(3)人口動向
平成 12 年 12 月 31 日現在の人口は 317,868 人、世帯数は 123,226 戸です(市企画調整
課調べ)。市の人口は一貫して増加傾向にあり、
東北 6 県の県庁所在地との比較においても、
仙台市に次ぐ規模となっています(平成 12 年の国勢調査では、仙台市 1,008,130 人、秋田
市 317,625 人)。
年齢構成では、平成 11 年 10 月1日現在の秋田市の人口を年齢 3 区分別にみると、年少
人口(0 歳~14 歳)は 46,875 人(14.8%)、生産年齢人口(15 歳~64 歳)は 215,869 人
(68.2%)、老年人口(65 歳以上)は 53,573 人(16.9%)となっています。近年の傾向を
見ると一貫して年少人口及び生産年齢人口は減少傾向にあり、一方、老年人口は一貫して
増加傾向を示しています。
将来人口を見ますと、平成 22 年度(2010 年度)で 33 万 1 千人という推計値があります
(第 9 次秋田市総合計画)。
人口の推移(国勢調査)
人
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
S50
S55
S60
H2
H7
H12
年齢階層別人口の推移(国勢調査)
人
350,000
300,000
250,000
65歳以上
15~64歳
0~14歳
200,000
150,000
100,000
50,000
0
S50
S55
S60
H2
17
H7
H12
(4)産業構造
農業は米が主体となっており、平成7年度の水田面積は 4,691ha です。平成 11 年度の農
業粗生産額は、米が約 52 億円、続いて畜産が約 8 億 2 千万円、野菜が約 6 億 8 千万円とな
っています。近年、農業粗生産額が減少する中で、花きの粗生産額が増加しています。
製造業についてみると、平成 11 年度の製造品出荷額等は約 3,500 億円で、平成 10 年度
よりも減少しています。事業所数は 438 で、平成 10 年度よりも減少しています。事業所の
4 割以上が従業員 10 人未満のところです。平成 11 年度の産業中分類別に見た製造品出荷額
等では、電気機械が最も多く、次いで食料品、パルプ・紙・紙加工品、木材・木製品、金
属製品、化学となっています。工業団地造成等による産業集積を進めており、現在、西部
工業団地、豊岩工業団地、新都市産業区が開発されています。
商業(卸売・小売業)の平成 11 年度の年間販売額は、卸売業が約 1 兆4千億円、小売業
が約 4,380 億円となっています。大規模小売売場面積の小売業売場面積全体に占める割合
は、平成 3 年から 9 年にかけて 16 ポイントも上昇し、約 76.8%を占めています。店舗数に
ついては、第 2 種大規模小売店舗の増加が顕著です。
(5)公共施設の整備状況
<秋田市 公共施設の整備状況>
施設分類
上下水道関連施設
ごみ・し尿処理施設
文教施設
公民館・コミュニティセンター
体育施設
小学校
中学校
高等学校
短期大学
道路・交通関連施設
公園・レクリエーション関連施設
保険・医療・福祉関連施設
防災関連施設
産業関連施設
斎場
※
施設数
19
2
13
30
11
41
21
3
1
4
10
17
13
7
1
例
仁井田浄水場、八橋下水道終末処理場
御所野事業所、向浜事業所
文化会館、中央図書館明徳館
中央公民館
市立体育館、八橋運動公園
御所野学院高等学校、商業高校
美術工芸短期大学
交通局中央営業所
千秋公園、太平山リゾート公園
市立病院、サンライフ秋田
秋田消防署
中央卸売市場
秋田市斎場
ここでの「文教施設」には、博物館、資料館、図書館、文化会館、生涯学習施設等を含んでいる。
18
〈秋田市 公共施設の位置図〉
『秋田市環境基本計画 環境特性図集(環境資源目録)』より
(6)将来的な開発事業
『第 5 次秋田市総合都市計画』において、「まちづくり重点事業」として、以下のような
ものが構想されています。
<まちづくり重点事業>
まちづくり重点事業
中心市街地活性化事業
事業内容
中心市街地活性化
基本計画に基づく
各種まちづくり事
業(主な事業例)
広域幹線道路整備
骨格的道路網整備
高規格道路整備
環状道路整備
道路環境整備
公共交通機能の充実
地域拠点形成まちづく
り
地域個性形成
放射道路整備
既成市街地道路環
境の整備
地域・地区連絡道路
の整備
新しい交通システ
ム導入の検討
新バス路線の検討
と実施
(仮称)シビックセ
ンター整備
基盤整備(土地区画整
理事業)
4核施設(商業施設整
備、文化施設整備、交
流施設整備等)
国土開発幹線自動車
道の整備
都市計画道路の整備
対象地区・施設名等
秋田駅西北地区、秋田駅東拠点
地区、秋田駅東第3地区
秋田駅前北地区、中通一丁目地
区、旧産業会館跡地地区、
(仮称)拠点センター
日本海東北自動車道等
秋田中央道路
大浜上新城線、横山金足線、川
都市計画道路の整備
尻広面線、明田外旭川線等
都市計画道路の整備
秋田駅東中央線等
歩道融雪
南大通り、山王大通り等
電線類地中化
南大通り、山王大通り等
郊 外 部 の 幹 線 県 道 整 (主)秋田昭和線、(主)秋田八郎
備
潟線等
公共交通サービスの向上を目指した適切な交通機能の
導入
利便性の高いバス路線の形成
地域の核となる公共
施設整備
地域の核となる公共
地域複合拠点整備
施設整備
再 開 発 等 ま ち づ く 共同建て替え事業、優
り推進
良建築物等整備事業
地域資源活用まちづくり
中央、東、西、南、北各地域
各地域中心の拠点化および周
辺地区
各地域中心および周辺地区
東、西、南、北各地域
既決定地区の土地利用規制・誘
導、地域住民の発意による新規
決定の促進
地区計画、協定等導
入活用
各種地区計画、協定の
締結
避難所防災機能向
上
都市景観形成基本
計画策定
都市景観重点地区
まちづくり
公民館、学校等の防災
施設整備充実
計画策定と誘導
水とみどりの潤いのあ
る環境づくり
大規模公園整備
総合公園等の整備
太平山リゾート公園、一つ森公
園、高清水公園
高齢者まちづくりの推
進
高齢者住宅等整備
促進
制度・融資等を活用し
たグループホーム、ケ
アハウス等の整備
各地域、地区
街角ふれあい広場
整備
空き地等の活用
各地区
街区公園再整備
都市公園整備(地区特
性対応整備)
各地区街区公園
地区環境整備
防災・安全まちづくり
美しいまちなみ環境整
備
市民ふれあいまちづく
り
学校・公民館等
重点地区指定とまちづくり計画
『第5次秋田市総合都市計画 概要版』P76~77 から抜粋
21
1-2
エネルギー需要量
(1)エネルギー需要量の現況
①エネルギー需要量の推計方法
秋田市のエネルギー需要量の推計は、基本的に「総合エネルギー統計」「石油等消費
構造統計表」
「事業所統計」「電気事業便覧」など各種平成 11 年度統計データから算出
をしていきます。エネルギー消費主体を産業部門、民生部門(家庭系・業務系)、運輸
部門に分け、各部門でのエネルギー源ごとの消費量をカロリーベース等で算出し、合計
する方法を用います。
統計データは最大限、秋田市の数値を使用しますが、市のデータがとれない項目があ
る場合は、広域圏のデータ、県のデータ、経済産業局管内のデータ、全国データと順次
広範囲のデータを使用しています。次にそのデータ項目を秋田市の規模に応じて、人口
等で割り戻すことによって、秋田市での推計数値を算出しています。
例えば、製造業における灯油の使用量を算出する場合に、全国の灯油の使用量しかデ
ータがないとすると、以下のような方法となります。
全国の灯油消費量×秋田市の製造品出荷額/全国の製造品出荷額=秋田市の灯油消費量
また、こうして算定した数値をイメージしやすくするため、灯油ドラム缶(200 リットル)
の本数に換算した値(8,900kcal/㍑)で算出しています。
②エネルギー総需要量の推計
市のエネルギー総需要量をドラム缶(200 リットル)の本数に換算して推計してみますと、
(ア) 市全体のエネルギー需要量は、ドラム缶約 495 万本(990,000kl)となっています。
(イ) 部門別のエネルギー需要量の内訳は、産業部門で約 194 万本(388,000kl・39.3%)、
民生部門で約 181 万本(362,000kl・36.7%)、運輸部門で約 119 万本(238,000
kl・24.0%)となっています。
(ウ) 消費したエネルギー種別の内訳は、石油、石炭、プロパンガスなどの化石燃料等が
約 385 万本(770,000kl・77.7%)、電力が約 110 万本(220,000kl・22.3%)と
なっています。
また、エネルギー需要に伴う二酸化炭素発生量を見ますと、2,908,000t-CO2 となります。
22
秋田市 部門別エネルギー需要量(%)
39.3
0%
20%
36.7
40%
産業部門
24
60%
民生部門
80%
100%
運輸部門
秋田市 部門別CO2排出量(%)
42.3
0%
20%
37
40%
産業部門
60%
民生部門
23
運輸部門
20.7
80%
100%
(平成 11 年度)
エネルギー総需要量および二酸化炭素発生量の推計
エネルギー需要量
CO2 排出量
CO2 排出量
合計
化石燃料等
ドラム缶本
(kl)
部門
産業部門
ドラム缶本
(kl)
ドラム缶本
(kl)
%
(103t
CO2)
%
%
1,942,765
(388,553)
39.3
1,501,036
(300,207)
39.0
441,729
(88,346)
40.1
1,229
42.3
31,177
(6,235)
0.6
29,815
(5,963)
0.8
1,362
(272)
0.1
16
0.6
2,959
(592)
0.1
2,931
(586)
0.1
28
(6)
0.0
2
0.1
建設業
86,128
(17,226)
1.7
69,573
(13,915)
1.8
16,555
(3,311)
1.5
44
1.5
製造業
1,822,501
(364,500)
36.8
1,398,717
(279,743)
36.4
423,784
(84,757)
38.5
1,167
40.1
1,814,420
(362,884)
36.7
1,169,496
(233,899)
30.4
644,924
(128,985)
58.6
1,076
37.0
家庭系
1,050,083
(210,017)
21.2
757,861
(151,572)
19.7
292,222
(58,444)
26.5
595
20.5
業務系
764,337
(152,867)
15.5
411,635
(82,327)
10.7
352,702
(70,540)
32.0
481
16.5
1,189,583
(237,917)
24.0
1,175,059
(235,012)
30.6
14,524
(2,905)
1.3
603
20.7
1,171,356
(234,271)
23.7
1,171,356
(234,271)
30.5
0
(0)
0.0
590
20.3
18,227
(3,645)
0.4
3,703
(741)
0.1
14,524
(2,905)
1.3
13
0.4
4,946,768 100.0
(989,354)
3,845,591
(769,118)
100.0
1,101,177
(220,235)
100.0
2,908
100
農林業
鉱業
民生部門
運輸部門
自動車
鉄道
合計
%
電力
100.0
77.7
22.3
エネルギー需要量は、
「総合エネルギー統計」
「石油等消費構造統計表」
「事業所統計」
「電気事業便覧」より計算
二酸化炭素排出量は「地球温暖化防止対策地域推進計画策定ガイドライン」より計算
24
③電気の利用概況
秋田市における電気利用を「電灯需要」と「電力需要」で見てみます。なお「電灯」と
は一般家庭や小規模店舗などでの契約形態を指し、「電力」とは工場、大型店舗、公共施設
などでの契約形態を指しています。
市内の電灯需要は、平成 12 年度で約 590,791 千 kWh/年となり、平成 2 年度からの 10
年間で約 59%の増加になります。電灯需要のうち約 77%が家庭向けの需要で、一世帯当た
り約 3,590kWh/年の需要となっています。なお平成 2 年度は、約 2,770 kWh/年の需要
でした。
電力需要も増加傾向にあります。平成 12 年度で約 2,076,354 千 kWh/年となり、平成 8
年度に減少があったものの、平成 2 年度からの 10 年間で約 21%の増加にあります。なお、
電力需要の中でも大口契約(高圧電力、特別高圧電力)の需要が約 66%を占めています。
使用電力の推移
使用電力(千kWh)
伸び率(平成2年度=100)
電灯
電力
合計
電灯
電力
合計
平成 2 年度
372,691
1,710,591
2,083,282
100.0
100.0
100.0
平成 7 年度
487,096
1,862,869
2,349,965
130.7
108.9
112.8
平成 8 年度
509,832
1,727,842
2,237,674
136.8
101.0
107.4
平成 9 年度
525,892
1,845,384
2,371,276
141.1
107.9
113.8
平成 10 年度
545,815
1,947,792
2,493,607
146.5
113.9
119.7
平成 11 年度
573,399
2,027,309
2,600,708
153.9
118.5
124.8
平成 12 年度
590,791
2,076,354
2,667,145
158.5
121.4
128.0
「平成 12 年度版 統計から見た伸びゆく秋田市」より作成
ただし平成 12 年度分は、東北電力からのヒアリングによる
25
平成12年度 月別使用電力量
千kWh
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
電灯
2月
3月
電力
④都市ガスの利用状況
市内には平成 12 年度まで、市ガス局の供給するガスと東部瓦斯(株)の供給するガスがあ
りましたが(ただし平成 13 年4月1日より、市ガス局による都市ガス事業は、東部瓦斯(株)
へ移管)、平成 11 年度についてみますと、ガス使用戸数のうち市営ガスは約 28%で、その
他は東部瓦斯(株)より家庭用、商業用、工業用などのガス供給を受けています。
使用カロリーを見ますと、平成 12 年度で市営ガスが約1千 170 億 kcal、東部ガスが約 3
千 600 億 kcal となります。
都市ガス 使用カロリーの推移
百万kcal
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
市営ガス
26
平成8
平成9 平成10 平成11 平成12
東部ガス
⑤公共施設におけるエネルギー需要状況
平成 12 年度の年間データから、市内の公共施設でのエネルギーの需要状況を見ます。電
力使用量、ガス使用量、灯油使用量のそれぞれについて、消費量の大きい順にまとめると、
以下の表のようになります。
<主要公共施設の年間電力使用量(kWh)>
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
仁井田浄水場
八橋下水道終末処理場
向浜事業所(し尿処理施設)
市立病院
豊岩浄水場
御所野事業所(ごみ処理場)
クアドーム ザ・ブーン
秋田市庁舎
文化会館
秋田テルサ
13,221,805
7,629,702
6,515,730
4,539,160
4,218,893
3,591,830
2,704,950
2,157,184
1,328,606
1,176,916
<主要公共施設の年間ガス使用量(m3)>
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
八橋下水道終末処理場
秋田市庁舎
クアドーム ザ・ブーン
老人福祉センター
市立体育館
サンライフ秋田
保健所
(旧)秋田市ガス局局舎
環境部庁舎
飯島中学校
421,421
355,303
251,818
192,362
186,096
173,952
136,082
106,781
104,444
103,398
<主要公共施設の年間灯油使用量(ç)>
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
秋田市斎場
交通局庁舎 中央営業所
秋田テルサ
美術工芸短期大学
クアドーム ザ・ブーン
中央図書館明徳館
文化会館
大森山動物園
商業高校
御所野学院中高等学校
181,144
180,721
164,933
161,799
92,005
71,906
71,151
67,973
59,006
56,034
27
(2)エネルギー需要特性の分析
①エネルギー種別需要量
化石燃料等と電力ごとに部門別の需要比率を全国平均値と比べてみますと、秋田市では
民生部門の化石燃料等の需要比率が約 1.5 倍高くなっています。あわせて電力の需要比率も
若干高くなっています。民生部門で化石燃料等の需要が全国平均値よりも高いのは、冬季
の暖房や給湯などの熱需要の多さが理由に考えられます。また、電力需要が高いのも冬季
の熱需要に用いられていることや夏季の冷房使用が意外と多い点も理由に考えられます。
また、産業部門および運輸部門の化石燃料等の需要比率が全国平均に比べ、低くなって
います。
エネルギー種別需要比率
(%)
化石燃料等
秋田市
産業部門
民生部門
運輸部門
電力
全国
秋田市
全国
30
36
9
10
24
15
13
12
24
26
0
1
総需要量(平成11年度)を 100 とした場合の各比率
②一世帯当たりのエネルギー需要
民生部門の家庭系のエネルギー総需要量を基に、世帯におけるエネルギー需要の特性を
見てみます。
市内の 123,226 世帯では、一世帯当たりドラム缶 8.5 本分(1.7kl)の灯油に相当するエ
ネルギーの需要があると推計できます。風呂や給湯、台所、家電製品などで日常的に使っ
ているエネルギーは、熱エネルギーと電気エネルギーに分けられます。熱エネルギーは化
石燃料等の需要と理解でき、市民はドラム缶 6.1 本分(1.2kl)の灯油を使っていることにな
ります。電気エネルギーは電力そのものですから、ドラム缶 2.4 本分(0.5kl)の灯油を使って
います。
秋田県の平均値と比べてみると、化石燃料等の需要と電力の需要の両方で、秋田市の一
世帯当たりのエネルギー需要量の方が大きくなっています。県平均に比べ、よりエネルギ
28
ーに依存したライフスタイルであるといえます。
秋田市と秋田県の一世帯当たりエネルギー需要の比較
上段:本数
(下段:kl)
合
*
計
化石燃料等
電
力
家庭系総需要
1,050,083
(210,017)
757,861
(151,572)
292,222
(58,444)
一世帯の需要量
8.5
(1.7)
6.1
(1.2)
2.4
(0.5)
秋田県平均値
(一世帯当たり)
7.2
(1.4)
5.5
(1.1)
1.7
(0.3)
秋田県の値は、「秋田県新エネルギービジョン」(平成 11 年3月)での算定値(平成9年度)を
もとに算出したエネルギー需要を平成9年3月 31 日現在の住民基本台帳人口・世帯の数字で除
したもの。
(3)エネルギー需要量の将来予測
平成2年度から平成 12 年度のエネルギー需要の動きと将来の人口推計(総合計画の人口
フレーム)から、2010 年度のエネルギー需要量を将来予測します。この場合、電気エネル
ギーとして電灯需要、熱エネルギーとして都市ガスと灯油の需要を用いて将来予測を行い
ます。
①電気の将来予測
平成 2 年度の一人当たりの電灯需要は 1,233kWh/年でしたが、平成 7 年度では
1,561kWh/年で、約 1.3 倍弱の増量、平成 12 年度には 1,861kWh/年で、平成2年度の
1.5 倍となっています。
人口の伸びは一貫して増加傾向にあり、一人当たりの電灯需要も伸びていることから、
平成 22 年度には市内の電灯需要は 810,900 千 kWh/年程度まで増加していくと考えられ
ます。
29
平成2年
平成7年
平成 12 年
平成 22 年
372,691
487,096
590,791
810,900
一人当たり電灯需要(kWh)
1,233
1,561
1,861
2,509
伸び率
100.0
126.7
150.9
203.5
電灯需要(千kWh)
人口
302,362
311,948
317,544
323,212
*平成2~12 年の人口は国勢調査による。
*平成 22 年の人口は『第9次秋田市総合計画』でのコーホート要因法(中位推計)の値を用いた。
②都市ガスの将来予測
平成 2 年度の一人当たりの都市ガス需要は 1,420,946kcal/年でしたが、平成 7 年度では
1,532,791 kcal/年で、約8%の増量、平成 12 年度は 1,502,858kcal/年で、平成7年をし
下回るものの平成2年度の6%増加となっています。
人口の伸びが一貫して増加傾向にあるため、平成 22 年度には市内の都市ガス需要は、
544,524 千 kcal/年程度まで増加していくと考えられます。
平成2年
都市ガス需要(百万 kcal)
一人当たり需要(kcal)
伸び率
平成7年
平成 12 年
平成 22 年
429,640
478,151
477,224
544,524
1,420,946
1,532,791
1,502,858
1,684,727
100.0
107.9
106.0
119.0
人口
302,362
311,948
317,544
323,212
*平成2~12 年の人口は国勢調査による。
*平成 22 年の人口は『第9次秋田市総合計画』でのコーホート要因法(中位推計)の値を用いた。
30
1-3
新エネルギー賦存量および利用可能量
秋田市における新エネルギーの検討は、以下のエネルギー種について行います。
<検討の対象となるエネルギー>
大
分
類
中
分
類
太陽光エネルギー
自然
エネルギー
風力エネルギー
小水力エネルギー
雪氷冷熱エネルギー
地中熱エネルギー
バイオマス
波力エネルギー
廃棄物利用エネルギー
リサイクル
エネルギー
従来型エネルギーの
新利用形態
未利用エネルギー
小 分
太陽熱利用
太陽光発電
風力発電
水力発電
類
森林資源
農産資源
家畜ふん尿
波力発電
廃棄物発電・熱利用
廃棄物燃料製造
下水熱利用
清掃工場廃熱利用
工場廃熱利用
河川・海水熱利用
変電所廃熱利用
コージェネレーション
燃料電池
クリーンエネルギー自動車
* 「賦存量」とは、地域全体に存在しているエネルギーの量です。一方「利用可能量」とは、
「賦存量」のうち人間の生活のなかで利用が可能な部分となります。実際に太陽光が地域全
体に降り続いていたとしても、全ての地表を太陽光パネルで覆うことは不可能です。そのた
め、最も効率良く利用できる場所がどの程度あるか勘案し、さらに機器の性能等を加味した
値が利用可能量となります。
31
(1)新エネルギー賦存量
新エネルギー資源の賦存量を推計すると、以下の表のようになります。
世帯数に換算する際には、先に述べた市内の一般家庭1世帯で消費している全エネルギ
ー量(ドラム缶 8.5 本・1.7kl)を用いて計算しています。
なお根拠となっているデータや算定式は、後述してあります。
灯油ドラム缶本数
太陽エネルギー
風力エネルギー
雪氷冷熱エネルギー
森林資源バイオマス
灯油量(kl)
世帯分
287,228,023 本
57,445,605 kl
33,791,532 世帯
496,874,168 本
99,374,834 kl
58,455,784 世帯
1,900,797 本
380,159 kl
223,623 世帯
2,976,309 本
595,262 kl
350,154 世帯
43,060 本
8,612 kl
5,066 世帯
2,820 本
564 kl
332 世帯
420,062 本
84,012 kl
49,419 世帯
115,431 本
23,086 kl
13,580 世帯
73,912 本
14,782 kl
8,695 世帯
農産資源バイオマス
家畜ふん尿バイオマス
波力エネルギー
廃棄物利用エネルギー
下水熱利用
* 小水力エネルギーの導入は、一定の落差と流量を持つ水流があり、かつ近辺に送電線が
ある場所が必要になります。こうした条件を満たす適地が市域内にはないため、今回は
算定の対象から外しています。
* 地中熱エネルギーは、 仮定数値など不確定要素が多いため、賦存量の算定を行いませ
ん。利用可能量は算定しています。
* 下水熱利用は、流量、熱量にばらつきが大きいため市全体の賦存量の算定は困難です。
また、熱を伝達する際のロスが大きいため導入箇所が限定されます。そのため、ここで
は八橋終末処理場の処理水のエネルギー量を賦存量として算定しています。
* 清掃工場廃熱利用は、実質的に廃棄物利用エネルギーの算定と同じものとなります。
* 工場廃熱利用、河川・海水熱利用、変電所廃熱利用については、具体的な場所の特定が
必要であり、「市域全体での賦存量」という考え方になじまないため、今回の算定の対
象から外しています。
32
(2)新エネルギー利用可能量
利用可能量の算定条件は、新エネルギーシステムの性能が最大限発揮できると考え
られる場合を想定して設定するものです。
例えば、太陽熱利用の場合、システムの能力が最大限発揮すると考えられる南面傾
斜の屋根で、かつ、無理なく 3m2 の太陽熱温水器が載せられる住居の屋根が市内に大
体 3 割程度あるものと想定しています。他のエネルギーについても、このような条件
を設定して、得ることのできると考えられるエネルギー量を把握するものです。
1)熱と電気に分けて利用可能量を把握する
新エネルギーの効果的な活用を進めていくには、既存エネルギーの消費特性をよく
見ながら、適切な新エネルギーの導入を進めていくことが大切です。
日常利用しているエネルギーは、主に「熱エネルギー」と「電気エネルギー」があ
ります。「熱エネルギー」は、身近なところでいうと暖房や給湯の熱源になります。「電
気エネルギー」は、電灯をつけたり家電製品を動かすエネルギーになります。
そこで、以下の新エネルギーを熱エネルギーと電気エネルギーに分けて考えると、
次のようになります。
ここではこのような分類に基づいて、利用可能量を把握していきます。
利用可能量を検討する新エネルギー
熱
電力
太陽エネルギー(太陽熱)
太陽エネルギー(太陽光)
雪氷冷熱エネルギー
風力エネルギー
地中熱エネルギー
小水力エネルギー
未利用エネルギー
波力エネルギー
バイオマス利用エネルギー(森林資源、農産資源、家畜ふん尿)
廃棄物利用エネルギー
33
2)熱エネルギーとしての利用可能量
熱エネルギーとして利用する場合の、新エネルギー利用可能量は表のとおりです。利
用可能量の算出にあたっては、表中の条件設定のもとで計算を行ないました。
なお、世帯数を換算する際には、前掲の市内の一般家庭 1 世帯の化石燃料等消費量(ド
ラム缶 6.1 本・灯油 1.2kl)を用いて計算しています。
本市の熱として利用可能な新エネルギーの量
利用可能量の算定条件
太
陽
熱量
ドラム缶本数
(kl)
世 帯 分
・総世帯数のおよそ 1/3 に相当する
41,075 世帯に集熱器(3m2)を設置
・事業所のおよそ 1/5 に相当する
3,594 事業所に集熱器(10m2)を設
置
○集熱器効率:54%
地
中
熱
95,507,156Mcal
53,656 本
(10,731kl)
8,796 世帯
145,910,765Mcal
81,972 本
(16,394kl)
13,438 世帯
189,007,700 Mcal
106,184 本
(21,237kl)
17,407 世帯
135,005,500 Mcal
75,846 本
(15,169kl)
12,434 世帯
26,826,608 Mcal
15,071 本
(3,014kl)
2,471 世帯
19,161,863 Mcal
10,765 本
(2,243kl)
1,765 世帯
・秋田市の宅地の 10%に熱交換井を
設置したとして、算定。
○機器の利用効率:90%
・秋田県森林計画における秋田市で
森林資源
の主伐・間伐計画に基づき、製材
バイオマス
後の残さ量から算定。
①ボイラーを利用して熱のみを獲得
○ボイラー効率:70%
②コージェネレーションシステムに
より電力変換効率 25%と併せて用
いた場合
○熱エネルギー変換効率:50%
農産資源
バイオマス ・もみ殻・稲わらの 50%を利用する
ことを想定。
①ボイラーを利用して熱のみを獲得
ボイラー効率:70%
②コージェネレーションシステムに
より電力変換効率 25%と併せて用
いた場合
○熱エネルギー変換効率:50%
34
家畜ふん尿
バイオマス ・家畜ふん尿の 50%を利用すること
を想定。
①ボイラーを利用して熱のみを獲得
○ボイラー効率:70%
1,757,116 Mcal
982 本
(197kl)
162 世帯
1,255,083 Mcal
705 本
(141kl)
116 世帯
②コージェネレーションシステムに
より電力変換効率 25%と併せて用
いた場合
○熱エネルギー変換効率:50%
廃 棄 物
・可燃性一般廃棄物と可燃性産業廃
棄物(紙くず・木くず)
①ボイラーを利用して熱のみを獲得
○ボイラー効率:70%
143,827,320Mcal
80,801.9 本
(16,160kl)
13,246 世帯
102,733,800Mcal
57,716 本
(11,543kl)
9,462 世帯
②コージェネレーションシステムに
より電力変換効率 25%と併せて用
いた場合
○熱エネルギー変換効率:50%
参考
算定条件
雪氷冷熱
熱量
ドラム缶本数
世 帯 分
・灯油ドラム缶1本に相当する雪エ
ネルギーは 19.8t
・これは、1,000 ㎡に積雪 10cm の降
雪があった量に相当する
・雪の比重は、0.2 として算定
1,780Mcal
1本
(0.2kl)
0.16 世帯
*下水熱をエネルギーとして取り出すためのヒートポンプ等のシステムは、導入箇所の容積、用途目的、
必要とされるエネルギー量等の諸要因で構築されるため、ここでは算定から外しています。
35
3)電気エネルギーとしての利用可能量
電気エネルギーとして利用する場合の、新エネルギー利用可能量は表のとおりです。
利用可能量の算出にあたっては、表中の条件のもとで推計しました。
なお、世帯数を換算する際には、前掲市内一般家庭 1 世帯の電力消費量(ドラム缶 2.4
本、灯油 0.48kl)を用いて計算しています。
本市の電力として利用可能な新エネルギーの量
利用可能量の算定条件
太
陽
電力量
力
世 帯 数
・総世帯数のおよそ 1/3 に相当
する 41,075 世帯に太陽光発
電システム(4kW)を設置
・事業所のおよそ 1/5 に相当す
る 3,594 事業所に太陽光発電
システム(10kW)を設置
○発電機効率:12%
310,476.1MWh
風
ドラム缶本数
(kl)
・NEDO の風況マップのメッシュ
データより、全市域の3%の
面積に風車を導入したもの
として算定
84,767MWh
木質系
・秋田県森林計画での秋田市で
バイオマス
の主伐・間伐計画に基づき、
製材後の残さ量から算定。
○発電効率:25%
78,491MWh
150,005 本
(30,001kl)
62,502 世帯
40,955 本
(8,191kl)
17,065 世帯
37,923 本
(7,585kl)
15,801 世帯
農産資源
・もみ殻・稲わらの 50%を利用
バイオマス
することを想定。
5,382 本
○発電効率:25%
(1,076kl)
2,243 世帯
11,141MWh
・家畜ふん尿の 50%を利用する
家畜ふん尿
ことを想定。
353 本
バイオマス
○発電効率:25%
731MWh
(71kl)
147 世帯
・秋田港の波浪データから、海
波力
岸線の 10%を発電に利用す
るものとし、沖合付帯型(マ
イティホエール型)発電装置
で発電するものと仮定して
3,150 本
推計。
6,521MWh
(630kl)
1,313 世帯
・可燃性一般廃棄物と可燃性産
廃 棄 物
業廃棄物(紙くず・木くず)
28,858 本
○発電効率:25%
(5,772kl)
12,024 世帯
59,729MWh
・小水力エネルギーの導入は、一定の落差と流量を持つ水流があり、かつ近辺に送電
小 水 力
線がある場所が必要になります。こうした条件を満たす適地が市域内にはないた
め、今回は算定の対象から外しています。
36
参考:新エネルギー賦存量および利用可能量調査の方法
①太陽エネルギー
太陽エネルギー賦存量 =
日積算斜面日射量 × 秋田市の面積 × 年間日数 × 平均発熱量
・年間平均日積算斜面日射量(年間最適傾斜角): 3.54kWh/m2・日
「全国日射関連データマップ」(NEDO)に掲載されている“秋田”の最適傾斜角日積算斜面
日射量データ。
・秋田市の面積 : 460.1×106m2
・年間日数
: 365 日
・平均発熱量
: 860kcal/kW
太陽エネルギー利用可能量 =
日積算斜面日射量×システムの総面積×年間日数×平均発熱量×エネルギー利用
効率
(※電力量計算時は平均発熱量を乗ずる必要なし)
○世帯数: 123,226
○事業所数 : 17,968
・日積算斜面日射量(年間最適傾斜角): 3.54kWh/m2・日
・システムの総面積
[一般世帯]太陽熱温水器導入面積 :
123,225m2(3m2 × 41,075 世帯)
[一般世帯]太陽光発電システム導入面積 : 1,643,000m2(40m2 × 41,075 世
帯)
[事業所等]太陽熱集熱機導入面積 :
2
2
35,940m (10m × 3,594 施設)
[事業所等]太陽光発電システム導入面積 :
359,400m2(100m2 × 3,594 施
設)
・年間日数、平均発熱量 : 賦存量と同様
・エネルギー利用効率
太陽光発電システム : 12%(変換効率 15%×システム効率 80%)
太陽熱温水器
: 54%(変換効率 60%×システム効率 90%)
37
②風力エネルギー
風力エネルギーの賦存量 =風力密度×市域面積×年間時間
・風力密度=レーレ分布のキューブファクター×0.5×空気密度×市の年平均風速 3
(W/㎡・h)
・レーレ分布のキューブファクター: 1.9
・空気密度: 1.225kg/m3
・市の年平均風速:NEDO 風況マップメッシュデータより算出した値 6.03m/s
・市域面積:約 460.1×106 ㎡
・年間時間 : 8,760 時間
* 秋田市の極東、極西、極南、極北の緯度・経度から、該当する NEDO の風況マップの
メッシュデータを近似的に割り出す。次に該当するメッシュ内のデータ(推定平均
風力m/s)を積算し、その値をメッシュの数で割り、市の平均風速を求めた。
風力エネルギーの利用可能量 =
風車設置台数×風車の受風面積×風力密度×年間時間×システム効率
*
市内面積の3%(主に海岸線相当)を風車設置面積として、ローター直径30mの風車を設置
するものとして算定した。
・風車設置台数:
・風車設置面積:
・風力密度
:
・システム効率:
風車設置面積/(10×(ローター直径))2
13,803,000 ㎡
賦存量と同じ(W/㎡・h)
35%
38
〈参考:秋田市風況マップ〉
③雪氷冷熱エネルギー
雪氷冷熱エネルギーの賦存量 =
*
降雪量×t当たり原油量
雪は融けてしまうため、降った雪すべてを集めることは不可能である。また、降雪量は場所に
より大きく異なり、その比重も差が大きい。
そのため、ここでは秋田市気象台が観測した過去 30 年間の最高積雪の平年値 41cm を市域全
体に当てはめ、それを集めた場合のエネルギー量を算出した。
・降雪量=積雪単位 41cm×市面積×比重 0.2
(比重:新雪 0.1 程度、自然圧雪 0.2~0.3 程度)
・t 当たり原油量:9.695 リットル(室蘭工業大学 媚山助教授による算定値)
(※原油量を灯油量に換算する係数:1.039)
雪氷冷熱エネルギーの利用可能量
* 雪氷冷熱エネルギーの利用可能量は、上記の雪1t当たりの原油量をもとに、灯油ドラム缶1
本分の降雪はどの程度になるかを逆算した。
④地中熱エネルギー
地中熱エネルギーの賦存量
地中熱エネルギーは、仮定数値など不確定要素が多いため、算定を行いません。
地中熱エネルギーの利用可能量 =
熱交換井掘削可能面積/熱交換井1基当たり面積×熱交
換井1基当たり採熱量×年間日数×機器の利用効率
*
市の宅地面積の 10%に熱交換井を設置する場合の利用可能量を算定した。
・市宅地面積
: 43,040,000 ㎡
(平成4年値「秋田市国土土地利用計画改訂業務調査報告書」1997 年)
・熱交換井1基当たりの面積 : 25 ㎡
・熱交換井1基当たり採熱量 : 2,580 kcal
・機器の利用効率
: 90%
41
⑤森林資源バイオマス
木質系バイオマスエネルギーの賦存量 =
林種別森林蓄積量×林種別木材比重×発熱量
・林種別森林蓄積量:針葉樹 2,689,320 m3
広葉樹
923,679 m3
・
林種別木材比重 : 針葉樹
広葉樹
0.47 t/m3
0.68 t/m3
・発熱量: 2,800kcal/kg
木質系バイオマスエネルギーの利用可能量 =
利用する木質資源量×林種別木材比重×発熱量×エネルギー利用効率
・利用する木材資源量:秋田県森林計画での秋田市における主伐・間伐の計画
量×主伐・間伐材の製材残さ比率
・秋田県森林計画での秋田市主伐・間伐の計画量(m3)
針葉樹:主伐 207,000、間伐 158,000
広葉樹:主伐 74,000、 間伐
0
・秋田県森林計画での製材後の残さ比率
針葉樹:主伐 0.25 間伐 0.7
広葉樹:主伐 0.4 間伐 0
・発熱量:賦存量と同じ
・エネルギー利用効率
熱のみ得る場合の発熱効率
: 70%
コージェネレーション発熱効率 : 50%
コージェネレーション発電効率 : 25%
42
⑥農産資源バイオマスエネルギー
農産資源バイオマスエネルギーの賦存量=
稲の作付け面積×各面積単位当たり収量×各廃棄物の発生歩合×
各直燃エネルギー原単位
・ 稲の作付け面積
: 3,630ha(平成 11 年)
・ 面積単位当たり玄米収量 : 4,710kg/ha
・
〃
稲わら収量 : 5,410kg/ha
・ 玄米廃棄物の発生歩合
・ 稲わら廃棄物の
〃
: 20%
: なし
・ 玄米直燃エネルギー原単位
・ 稲わら
〃
: 3,750 kcal/kg
: 3,250 kcal/kg
「農村エネルギー連携・効率利用推進調査報告書」(社団法人 農林水産技術情報協会)
農産資源バイオマスエネルギーの利用可能量=
賦存量×未利用率×エネルギー利用効率
・未利用率
: 50%(全もみ殻、稲わら量の半分程度と仮定)
・エネルギー利用効率
熱のみ得る場合の発熱効率
: 70%
コージェネレーション発熱効率 : 50%
コージェネレーション発電効率 : 25%
43
⑦家畜ふん尿バイオマス
家畜ふん尿バイオマスエネルギー賦存量 =
家畜飼養頭羽数×1 単位あたりメタン発生量×発熱量
・家畜飼養頭数 : 肉用牛
乳用牛
豚
採卵鶏
641
156
987
230,000
頭
頭
頭
羽
・1 頭あたりメタン発生量: 肉用牛 190.7 m3-CH4/頭
乳用牛 285.2 m3-CH4/頭
豚
67.0 m3-CH4/頭
採卵鶏
1.68 m3-CH4/頭
「農業施設ハンドブック」
・メタンガス低位発熱量
: 8,107kcal/m3
「農業土木学会誌」
家畜ふん尿バイオマスエネルギーの利用可能量 =
賦存量 × 未利用率 × エネルギー利用効率
・未利用率
: 50%(全家畜ふん尿量の半分程度と仮定)
・エネルギー利用効率
熱のみ得る場合の発熱効率
: 70%
コージェネレーション発熱効率 : 50%
コージェネレーション発電効率 : 25%
44
⑧波力エネルギー
波力エネルギーの賦存量 =
単位距離当たり波力エネルギー×年間時間×海岸線距離
・単位距離当たり波力エネルギー
: 3.97kW/m
秋田港で測定された 1990 年~1999 年の波浪データより算定。
・海岸線距離: 25km として算定
波力エネルギーの利用可能量 =発電装置1基当たり発電量×設置基数
*
秋田市沿岸において海岸線の 10%の距離に 120mの間隔でマイティホエール型沖合浮体式波
力発電装置を設置することを想定し、算定した。
・ 発電装置1基当たり発電量
= 単位距離当たり波力エネルギー×年間時間×
発電装置波受け面の幅×波エネルギー吸収効率×発電効率
・発電装置波受け面の幅 : 30m
・波エネルギー吸収効率 : 60%
・発電効率
: 50%
・設置基数=海岸線×0.1/120m
45
⑨廃棄物エネルギー(可燃性廃棄物)
廃棄物エネルギーの賦存量 =
(可燃性一般廃棄物焼却量+可燃性産業廃棄物発生量)×発熱量
・
可燃性廃棄物焼却量 : 108,610t
「秋田市環境企画課データ」(平成 12 年)
・ 可燃性産業廃棄物発生量:紙くず 5,700t、木くず 17,400t
「秋田市環境企画課データ」(平成 12 年)
・発熱量
:
1,560kcal/kg
「地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン」(環境庁)
廃棄物エネルギーの利用可能量 = 賦存量×エネルギー利用効率
・エネルギー利用効率
熱のみ得る場合の発熱効率
: 70%
コージェネレーション発熱効率 : 50%
コージェネレーション発電効率 : 25%
⑩下水熱エネルギー
下水熱エネルギーの賦存量 =
(八橋終末処理場の沈砂池流入水の年間平均水温-秋田市気温の平年値)
×
・
八橋終末処理場の年間流入水量×1℃1m3 の水の熱量
八橋終末処理場の沈砂池流入水の年間平均水温:16.9℃
「平成 12 年度 水質管理日報集計表」
(平成 12 年)
・ 秋田市気温の平年値:11.4℃
1971 年~2000 年「理科年表」
・ 八橋終末処理場の年間流入水量:23,920,480m3
平成 11 年度値「秋田市の下水道 平成 12 年度版」
・ 1℃1m3 の水の発熱量
:
1,000kcal
「NEDOホームページ」
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