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4ホームページの運用と管理-02公開情報の確認(PDF形式 314
優先度 1 ●●●新潟県ホームページ作成基準マニュアル 平成27年1月改定 Ⅳ ホームページの運用と管理 2 公開情報の確認 (1) ホームページに文章・画像・映像等を掲載する場合は、著作権・プ ライバシー権・肖像権・パブリシティー権等を侵害しないように、 必要に応じて使用許諾を得る。 【解説】 インターネットの発達により、企業や団体、個人が様々な文章や画像、映像等を生み 出し、ホームページ等で不特定多数の人に見てもらうことができるようになりました。 ●著作権:「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は 音楽の範囲に属するもの」(著作物。著作権法第2条)を保護する権利をいいます。 インターネット上でやりとりされる文章や画像等の著作物は電子データであるため 簡単にコピーすることができますが、著作権者に無断で使用することは、原則とし て著作権侵害となります。イラストをそのままコピーしたのではなく、自分で真似 て描いたとしても、元のイラストとの同一性が失われていなければ著作権侵害にあ たります。また、ホームページを構成する一部の画像に限らず、ホームページのレ イアウトやブログに書かれた文章等についても、創作性が認められる場合には、著 作物として著作権法により保護されることがあります。ただし、単なるデータにす ぎないもの(アンケート集計データ、名簿等)は、創作性に欠けるため、著作物に は該当しません。 【著作権に関する対応方法・実装例】 ・県に著作権のない画像や映像を新潟県ホームページに掲載する場合は、著作権者に 許可をもらいましょう。場合によっては使用料を支払う必要があります。テレビ番 組や市販の DVD、CD 等に含まれている映像や音楽だけでなく、インターネット上で 公開されている写真や映像、音楽等を組み合わせて画像や動画を作成し、ホームペ ージに掲載する場合も、原則としてそれぞれの著作権者の許可を得る必要がありま す。ホームページ等で利用・公開することが明示的に許可されている場合には改め て許可を得る必要はありませんが、そうではない場合は許可を得る必要があります。 ・新聞記事をホームページに掲載する場合も、新聞社等の著作権者の承諾が必要です。 県の事業を取り上げた新聞記事をホームページに掲載する場合は、取材に来た記者 等を通じて許可をもらいましょう。(著作権法では、個人的にまたは家庭内その他 これに準ずる限られた範囲内において使用する私的使用であれば著作権者の承諾な く使用可能とされていますが、個人であっても不特定多数が閲覧可能なホームペー ジやブログ等に掲載することは私的使用の範囲を超えているので承諾が必要になり ます。) ・必要に応じて、出典を明記しましょう。 161 ●プライバシー権:私生活をみだりに公開されない権利です(憲法 13 条)。そのため、 住所や氏名等の個人情報を、他人が許可なく公表することはできません。正当な理 由なく他人の私生活(例えば容ぼう、前科等の私的事項。)を公開すること(間接 的な情報であっても推測できてしまう場合も含みます。)は、原則としてプライバ シーの侵害となります。 ●肖像権:プライバシー権の一種であり、自分の容姿を他人から無断で撮影されたり、 撮影された写真や映像が無断で公表されたり利用されたりしない権利です。その人 の承諾なく、写真や映像を撮影したり、撮影した写真や映像をホームページに公開 することは肖像権の侵害となります。写っている人の顔や姿が一部分であったり、 背景として写っている場合であっても、その映像を見た人が写っている人を特定で きる場合には、肖像権の侵害と判断されることもあります。 【プライバシー権・肖像権に関する対応方法・実装例】 ・個人が特定される写真や映像を撮影する場合は、少人数を対象にするのであれば口 頭や文書等で本人に承諾を取り、広い場所で不特定多数の人対象にするのであれば 撮影者が誰なのかわかるよう「新潟県」などの腕章をつけたり、「撮影中」等の看 板をぶら下げたり、大声で事前に撮影することを周囲に知らせる等の配慮をしまし ょう。 ・自分の知らないところで撮影された顔や姿がホームページに掲載されていることで、 映っている人やその関係者が様々な被害を受ける可能性があります。小さいお子さ んや若い女性を撮影した写真や映像を掲載することで、その人が犯罪に巻き込まれ る可能性もないとは言えないので、必ず保護者の方や本人の承諾を得てからホーム ページに掲載しましょう。 ・個人が特定されないように、あらかじめ後姿や口元や足元だけ撮影したり、撮影し た写真や映像にぼかしをいれる等の処理を行いましょう。 ●パブリシティー権:俳優・歌手・タレント・プロスポーツ選手等著名人や著名なグ ループの肖像、名前を財産的に利用する権利です。著名人等肖像や名前は、企業や 商品等の宣伝広告等に利用することで、顧客を吸引し、商品の販売を促進する等、 様々な経済的な利益や価値を生み出します。パブリシティー権は著名人本人やマネ ジメントを管理している所属事務所によって管理されているので、他人が許可なく 著名人や著名なグループの肖像や名前を使用することはできません。 【パブリシティー権に関する対応方法・実装例】 ・新潟県が実施するイベントであっても、新潟県が撮影した場合であっても、著名人 の写真や映像をホームページに掲載する場合は許可が必要になるので、パブリシテ ィー権を持つ著名人本人やマネジメントを管理している所属事務所等の許可を得ま しょう。(著名人についてはパブリシティー権の侵害のほか、個人としてのプライ バシーや肖像権の侵害、名誉を傷つける内容の写真や映像ではないかを確認の上、 ホームページに掲載しましょう。) ○参考・関連項目 : 作成基準Ⅳ 2公開情報の確認(2)(3) 162 優先度 1 ●●●新潟県ホームページ作成基準マニュアル 平成27年1月改定 Ⅳ ホームページの運用と管理 2 公開情報の確認 (2) 画像等を外部に委託して作成した著作物を委託目的以外にも利用 する可能性がある場合は、契約書に「全ての著作権(著作権法第27 条及び第28条の権利を含む)を譲渡すること」、「著作者人格権(公 表権、氏名表示権、同一性保持権)を行使しない」等の記載をする。 【解説】 ホームページを作成する際に、ホームページそのものやホームページに使用する画像 等を外部に委託することあります。その際、著作者となるのは著作物を作成した受託者 となり、受託者が著作権を持つことになります。著作者の権利には、財産的な利益を保 護する著作権(財産権)と、人格的な利益を保護する著作者人格権があります。 委託作成した画像等を委託契約の際の利用目的以外に、他のホームページやパンフレ ットに使用する可能性がある場合は、委託契約の中で著作権を譲渡してもらう必要があ ります。すべての著作権を譲渡してもらう場合は、「すべての著作権(著作権法第 27 条 及び第 28 条に規定されている権利を含む)を譲渡する」と明記しなければなりません。 著作権法第 27 条及び第 28 条の翻訳権、翻案権、二次的著作物の利用に関する原著作者 の権利は、譲渡の対象であると明記しないと譲渡されなかったと推定されてしまいます。 著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つがあります。公表権は、 著作物を公表するか否か、また、その時期及び方法について決定する権利です。氏名表 示権は著作物が公表される時に、著作者の名を表示するか否か、表示する場合にどのよ うな名義を表示するか(実名、ペンネーム等)を決定する権利です。同一性保持権は、 その著作物及びその題号について、著作者の意に反して改変を受けない権利です。著作 者人格権は著作者だけが持つ権利で、著作権のように譲渡することができないので、色 を変えたり他の画像と組み合わせて他のホームページに使用する可能性がある場合は、 委託する際の契約の中に著作者人格権不行使特約の記載することがあります。著作者人 格権不行使特約の有効性について明示した判例はありませんが、現時点では明確に否定 されてはいませんので、著作者人格権不行使特約を入れておいた方がよいでしょう。 【対応方法・実装例】 ●著作物を委託目的以外にも利用する可能性がある画像等の作成を外部に委託する場合 は、契約書に「全ての著作権(著作権法第 27 条及び第 28 条の権利を含む)を譲渡す ること」、「著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)を行使しない」等 の記載をしましょう。 ○参考・関連項目 : 作成基準Ⅳ 2公開情報の確認(1)(3) 163 優先度 1 ●●●新潟県ホームページ作成基準マニュアル 平成27年1月改定 Ⅳ ホームページの運用と管理 2 公開情報の確認 (3) ホームページに自由に掲載できる画像等を提供するサービス等を 利用する場合にも、利用条件等を確認し不適切な利用はしない。 【解説】 ホームページ等に自由に使用できる画像や地図、ブログパーツ等を提供しているサー ビスがあります。ホームページを作成する際、そのようなサービスが利用できればとて も便利です。 ただし、それぞれのサービスの利用規約等をよく読むと、個人利用のみ自由に使用で きるものであったり、使用方法に条件が付いているものもあります。ホームページに使 用する際は、利用条件を確認し、適切な使い方をしましょう。 個人利用と法人の商用利用のみ利用条件が記載してあり、自治体等の非営利目的の利 用について記載がない場合もあるので、不明な場合は必ず確認してから利用するように しましょう。 【対応方法・実装例】 ●新潟県ホームページで自由に使用できるイラストや画像は、「素材の海」にまとめて 掲載してあります。 ●「地理院地図(電子国土 Web)」(国土地理院)の地図は、「地理院空間情報活用促進 協定」により、次の条件で、新潟県ホームページに何枚でも利用することができます。 ・新潟県ホームページ内での掲載 ・ページ記事の内容を補足するために補助的に使用(地図上に線を引いたり、記号を 記入することも可能) ・出典明示(例:「出典:国土地理院」) ・300×400 ピクセル以下のサイズ ●自治体の利用が可能かどうか不明な場合は、必ず確認してから利用しましょう。(新 潟県ホームページのトップページの天気予報ブログパーツは、個人利用のためにのみ 提供されているものを、特別に承諾をもらって掲載しています。) ○参考・関連項目 : 作成基準Ⅳ 2公開情報の確認(1)(2) 164 優先度 1 ●●●新潟県ホームページ作成基準マニュアル 平成27年1月改定 Ⅳ ホームページの運用と管理 2 公開情報の確認 (4) 外部のホームページを紹介したり、リンクを設定する場合は、ホー ムページの管理者が掲載内容に責任を負っているか、公序良俗違反、 著作権等の侵害、表示や販売方法等の法令違反、利用者への迷惑や 誤解を招く誇大・虚偽等の表現、他者への誹謗中傷、特定の宗教や 政治活動に関する内容等がないか、有用な情報か確認する。 【解説】 新潟県ホームページは公的なホームページです。公的なホームページに紹介されたり、 リンクされている外部のホームページは、操作に不慣れな利用者等にとっては公的に認 められたかのような誤解してしまう可能性もあります。 少なくとも次の内容を確認して、外部へのリンクを設定するようにしましょう。 ・ホームページの管理者が明記されていて、社会的に信用のある団体や会社等が運営 し、ホームページの掲載内容に責任を負っているか。 ・掲載内容が公序良俗に違反していないか。 ・著作権、プライバシー権、肖像権、パブリシティー権等の侵害をしていないか。 ・表示方法や販売方法等が法令に違反していないか。 ・利用者へ迷惑をかけたり、利用者の誤解を招くような、誇大表現や虚偽等の表現が ないか。 ・他者を誹謗中傷する内容が掲載されていないか。 ・特定の宗教や政治活動に関するホームページではないか。 ・有用な情報であるか。 特に民間や個人のホームページの場合は、紹介したりリンクを設定することが利用者 にとって有用なのか、情報が信頼できるものか、取り扱いが公平となるか十分確認しま しょう。 また、ホームページのリンク先は、アドレスが変更されたり、運営者や内容が変わる こともあるので、リンクを設定した当初だけでなく、必要に応じて確認をしましょう。 内容が頻繁に変わるホームページや個人で運営するホームページにリンクする場合は、 一定の期間を決めてリンクを設定することも検討しましょう。 ○参考・関連項目 : 作成基準Ⅳ 2公開情報の確認(5) 165 優先度 2 ●●●新潟県ホームページ作成基準マニュアル 平成27年1月改定 Ⅳ ホームページの運用と管理 2 公開情報の確認 (5) 民間や個人の運営するホームページを紹介したり、リンクを設定す る場合は、取扱いが公平になるように配慮をする。 【解説】 公的なホームページから紹介されたり、リンクされている外部のホームページは、一 般の利用者からも信用度の高いホームページであると認識されます。 民間や個人等外部のホームページを紹介したり、リンクを設定する場合は、理由なく 特定のホームページのみを取り上げて、そのページの広告であるかのような誤解を招く ことのないようにしましょう。 【対応方法・実装例】 ●特定のテーマで複数のホームページを紹介する場合は、リンクの一覧で掲載する等、 取り扱いが公平になるよう配慮しましょう。 ○参考・関連項目 : 作成基準Ⅳ 2公開情報の確認(4) 166 優先度 2 ●●●新潟県ホームページ作成基準マニュアル 平成27年1月改定 Ⅳ ホームページの運用と管理 2 公開情報の確認 (6) 利用者が書き込み可能な電子会議室や掲示板、ブログ等を開設する 場合は、内容に関係がなかったり、誹謗中傷・不適切な表現が含ま れると判断できる書き込みについて削除することがある旨を明記 し、書き込まれた情報について責任を持って管理する。 【解説】 利用者が意見や感想等を書き込みできる電子会議室や掲示板、ブログ等を開設する場 合は、管理者は管理者自身が書き込む情報だけでなく、利用者や参加者が書き込んだ情 報についても責任を持って管理するようにしましょう。 責任を持って管理するため、利用規約等に記事の内容に関係のない書き込みや他者へ の誹謗中傷や不適切な表現が含まれると判断できる書き込み等については削除すること があること等をあらかじめ明記しましょう。 ※ツイッター、フェイスブック等のソーシャルメディアを利用する場合は、「新潟県ソーシャルメデ ィア利用ガイドライン」を参照。 ○参考・関連項目 : 作成基準Ⅰ 1公開情報と収集情報(1) 167