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共通科目:国際研究プロジェクト・ 共通科目:国際研究プロジェクト・WEB

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共通科目:国際研究プロジェクト・WEB
共通科目:国際研究プロジェクト・WEB 公開実施報告書
公開実施報告書
戸田美紀
生命環境科学研究科持続環境学専攻
学籍番号:201230289
課題名:ペルーアマゾン熱帯雨林保全における薬用植物の役割の研究
課題名:ペルーアマゾン熱帯雨林保全における薬用植物の役割の研究
本研究の目的は、ペルーの熱帯雨林(アマゾン)に住む人々の薬用植物利用のこれらの人々の
生活における役割、及び、その役割によって与える熱帯雨林の植物多様性への影響を調査する
ことである。特に、人々の生活の収入源に成り得る、また、健康を支える生態系サービスでもある
特異な位置づけにある薬用植物の両側面を考慮し、現地住民の薬用植物利用と生活及び多様
性保全を研究するものである。
今回の渡航は、第一回目の現地調査として、来年に予定しているフィールド本調査の精度を高め
るための情報収集及び現地観察調査と現地以外では入手困難な知識と連絡先を得るために、以
下の 3 点を目的とした。①調査対象地の先住民コミュニティでの観察調査、最寄りの村でのヒアリ
ングから、現在設定している研究課題、仮説と実態の比較。②ペルーでは植物学の第一人者で、
ペルー全土でフィールド調査の経験をもつトルヒーヨ大学生物学部教授のモスタセロ博士にフィー
ルド調査および本調査内容のアドバイスを受け、ペルー社会における薬用植物の利用と保全、健
康・医療との関連などについて意見を伺う。③ペルーにおける研究調査をより適切かつ精度を高
めて行うために、ペルーで関係分野での研究者からフィールド調査、ペルーでの研究についての
アドバイスを受ける。これらの目的を果たすために、今回の渡航研究プロジェクトを受け入れてく
れたトルヒーヨ大学生物学部植物学教授モスタセロ博士、ペルー熱帯雨林南部の先住民コミュニ
ティ、サンタ・ローザ・デ・ワカリア及びケロス、そして、それらのコミュニティが隣接するピルコパタ
村役場と村の診療所などを訪問した。
ピルコパタ村マネジャー、ラ・トレ氏と
ピルコパタ村診療所パコリ医師と
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サンタ・ローザ・デ・ワカリア・コミュニティ
ケロス・コミュニティ
トルヒーヨ大学モスタセロ博士
トルヒーヨ大学の授業中で紹介された
今回の現地調査の主要な成果は、以下の通りである。
1)文献調査に基づき計画された本研究の目的の意義が、現地の状況や専門家から裏付けでき
たこと。また、現地で得た情報のいくつかは、文献から得られる内容とかい離していることを認識
できたこと。
2)先住民コミュニティの人々が薬用植物の利用を学びたいと希望していることが伺えたこと。これ
は、文献調査から仮定していたものとは異なり、本研究の前提の調整が必要となる。
3)先住民コミュニティの住民とシャーマンとの間に認識の違いがあることが伺えたこと。来年の本
調査での質問調査において、対象によって質問内容を変える必要性がある。
4)先住民コミュニティでの調査の許可手続きが把握できた。
5)当初より調査対象としている他の研究対象地、特に、国立公園内のコミュニティ、ペルー北部コ
ミュニティへの紹介を得ることができ、調査の可能性が高まったこと。
6)ペルーの薬用植物に関わる研究者、学会、その他の研究者や研究団体の紹介を得たこと。
7)オックスフォード大学中心となって 3 年かけて行なわれたプロジェクトである薬用植物参加型管
理は、プロジェクト終了後は定着せずに管理が中止されていることを知ったこと。この事実は本研
究内容に直接関わることではないが、研究調査、プロジェクト、政策提言をしていくなかで留意し、
考慮していく点のひとつであることを認識した。また、このプロジェクトは、研究者が行う研究調査
に対しての人々の印象には影響を与えているため、本調査を行う時、人々の印象に対しての配慮
は必要であることを認識した。
今回の渡航で、本研究の重要性が確認できたとともに、詳細においては、現地の状況を踏まえて
調整する必要があることを認識した。来年以降に実施を予定している本調査の精度を高めるとい
う当初の目的は、十分に達成できた。
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