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作品とクリスチャン・リゾの詳しい情報は、こちらからダウンロードして頂け
クリスチャン・ クリスチャン・リゾ振付 リゾ振付 sakinan göze çöp batar (抉られるのは守 られるのは守っている方 っている方の目だ) クリスチャン・リゾ特有の、空間のポエジーに溢れたソロダンス作品。幻想と隣接する世界へと私 たちを誘います。作品タイトル「sakinan göze çöp batar」はトルコの諺。フランスをはじめとす るヨーロッパやアメリカなど各地で紹介され、このたび日本初上演されます。 2014年 年7月 月11日 日(金)19時 時30分 分 7月 月12日 日(土)18時 時 KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ( ) スタジオ(横浜市中区山下町281) 横浜市中区山下町 構成・振付・舞台美術:クリスチャン・リゾ 出演:ケレム・ゲレベック 照明デザイン:カティー・オリーヴ 上演時間:55分 主催:アンスティチュ・フランセ横浜 共催:KAAT 神奈川芸術劇場 助成:アンスティチュ・フランセ パリ本部/ノール=パ・ド・ カレ地域圏/リール市、ノール県 協賛:資生堂、プジョー、株式会社ル ブルターニュ、ダイ ワロイネットホテル横浜公園 お問い合わせ:アンスティチュ・フランセ横浜 045-201-1514 www.institutfrancais.jp/yokohama 料金:一般 3,000 円、 学生・アンスティチュ・フランセ会員 2,500 円 チケット取り扱い:チケットかながわ、ほか ダンサー&パフォーマーのケレム・ゲレベックは、リールのオペラ座で数日間一緒に仕事をした後、2008年 より私のプロジェクトに参加するようになった。 ソロのダンス作品を一緒に作ることを彼に提案した時点では、 「メランコリー」と「追放」という概念をテー マにした作品にしようと考えていた(このふたつの概念は個人的に特別な意味を持っている) 。 しかし、ほどなくして「追放」は領土的テーマに限定されたものではなく、むしろ自分自身からの追放とい う意味に変わっていった。 「メランコリー」はそのままの状態で残った。とりとめもなく散らばったオブジェたち…。 作品の構成に従って操作されるシンプルな装置、その周りに、俳句やスケッチや日記のメモ書きのように、 ダンスの断片が共鳴し合いながら降り積もる。やがてそれらの断片たちは、思想の集合体となる。 断片化、可逆性、模索、そして中断がフィジカルな手がかりとなり、私たちの新たな冒険に連れ添う。 クリスチャン・リゾ(2011年4月) 作品について 作品について クリスチャン・リゾ ソロ作品『sakınan göze çöp batar』について語る (製作の数ヶ月前の2011年10月26日に行われた、ステファーヌ・マルフェットによるインタビューより) はじまり このソロ作品は、再びダンスを踊りたいという私の欲望から生まれた。しかしこの欲望はすぐに矛盾するも のであることがわかった。というのも、アイデアが沸いてくるほど、自分でそれを踊りたいという気持ちが なくなっていったからだ。私のいるべき場所は舞台の上ではないと気づいたとき、私はケレム・ゲレベック のことを考えた。アンジェ国立振付センターを卒業してから私のいくつもの作品に参加していたダンサーだ。 彼が私の代わりに踊るために、私が研究していたことを彼に伝達した。私が託した素材を彼はすばやく捕ら えた。こうして作品から距離を置いたことよって、新たな地平線が広がった。 人を介して ケレムの中に、私自身が数年前にそうであったかもしれない誰かを見出した。彼の動き方、空間の使い方、 シルエット、物腰、姿勢などだ。本作品の試演会の前に、私は彼に自分を模倣させるため、私の服を着るよ うに頼んだ。彼が演じたことで、人を介したソロ作品の中に私自身を投影しているような印象を得た。そも そも、別の作品でも、私自身が行うはずの動作を彼にしてもらうように頼むこともある。オブジェを移動さ せたり、床に横たわったり、机の上に座ったりなど…。 一連の習作 特徴のある複数のシークエンスで構成されたこの作品は、グラフィックアートのように、一続きの習作とし て上演することができるだろう。端にいる男の習作、机と男の習作、植物と男の習作。一人の他者の身体と のこのような対峙において、複数のダンサーとであったら不可能だったであろう、フィジカルな原理の探求 を行った。ソロという形式は、私にとって振付のための真の実験の場であった。動きについての考えを整理 することができたと思う。 自分自身からの追放 出身国トルコを離れダンスをするためにフランスにやってきた、ベルリン在住のケレムの個人的な体験が、 このソロ作品の重要なテーマを私に着想させた。追放の感情を演出すること。 当初、私自身で行おうとしていたことを、別の身体が実現したことで、私は追放された状況となった。この 作品が扱っているのは、地理的あるいは政治的な追放というよりは、実存的な追放のことである。メランコ リーの漂う、自己からの追放である。 凝縮 ケレムの人格がこのソロ作品をとおして透けて見えるようにと願っている。だからこそ、彼が提案したオリ ジナルタイトルをそのまま使っている。トルコ語のこの表現は、 「抉られるのは守っている方の目だ」という 意味である。別の言い方をするなら、あまりにも自分を守っていると、最も悪いことが起こってしまう、と いう意味である。この表現は計画的な価値をもっており、私の美学の要約、または凝縮したものとして、観 客に届けられる。 アーティスト・ アーティスト・プロフィール クリスチャン・ クリスチャン・リゾ Christian Rizzo 1965年カンヌ生まれ。造形美術家、デザイナー、ミュージシャン、振付家、舞台美術家、オペラの演出家な ど、マルチな才能を持つフランス人アーティスト。 身体、色彩、衣装、空間や動きを常に素材としながら、叙情とロックの効いた抽象的な虚構の世界が立ち現 れるリゾの作品は、観るものに親密な感動を与える。1996 年にアソシアシオン・フラジルを設立し、これま でに 30 を超える作品がある。また、ル・フレノワ国立現代アートスタジオなど、フランスをはじめ世界の美 術学校やコンテンポラリーダンス機関で定期的に教鞭を執る。 2013年、カンパニー「Oiseau-Mouche – Roubaix」のためにダンス作品を制作。またアヴィニョン国際演劇 祭で『d’après une histoire vraie』を発表し高い評価を得る。同年SACD振付賞を受賞。 日本での活動は、インスタレーション作品『100% Polyester-objet dansant à définir n°34』(神奈川県民ホー ルギャラリー、2004 年)の展示、ビデオ展「横浜フランスビデオコレクション 2010」 (横浜赤レンガ倉庫 1 号館)への参加、インスタレーション/パフォーマンス作品『Tourcoing - Taipei - Tokyo 』 (東京日仏学院、 2011 年)の展示・上演がある。リゾのダンス作品が日本で紹介されるのは今回が初めてである。 ケレム・ ケレム・ゲレベック Kerem Gelebek 1981年生まれ。イスタンブール・ダンスコンセルヴァトワールに学び、アンジェの国立振付センターに入る。 ジョルディ・ガリ、ニコラ・ルフロック、ヴェラ・マンテロ、シルヴァン・プリュヌネック、エマニュエル・ ユイン、ムスタファ・カプラン-フィリズ・シザンリ、ボリス・シャルマッツらの作品に出演。クリスチャン・ リゾとは2008年より仕事を始め、本ソロ作品が7つ目の出演作となる。 カティ・ カティ・オリーヴ Caty Olive 照明アーティスト。建築、展覧会、造形芸術インスタレーション、ダンス作品などのプロジェクトに携わり、 光の揺らぎやバイブレーションを追求し続けている。 1993年より舞台照明アーティストとして、マルコ・ベッレッティーニ、クリストフ・アレブ、マルテイーヌ・ ピザーニ、ミリアム・グルフィック、エマニュエル・ユイン、クローディア・トリオッツィ、ヴェラ・マン テロ、ティアゴ・グデス、ダヴィッド・ヴァンパック、ドナタ・ドゥルソ、ジョリス・ラコスト、クリスチ ャン・リゾらと仕事を行う。特にリゾとは1999年よりコラボレーションを行い、これまでに10を超える作品 を手がけている。 ************ プレス 「 (本作品では)内的な追放が立ち現れる。作品が物語るのは、このソロダンサーの人生である。あるダンス カンパニーからある国へ、あるスタイルからある気分へと移動するダンサー。リゾはこの束の間の瞬間を捉 える。ダンサーへと生まれ変わっていくひとりの男を。 (…)それは美しい。」 フィリップ・ノワゼット(レザンロキュプティーブル、2012 年 4 月 11 日) 「クリスチャン・リゾは(…)トルコ出身のダンサー、ケレム・ゲレベックの横断を描いた(…)。それはシ ンプルで、本質的で、インスピレーションに溢れている。 」 マリー=クリスティーヌ・ヴェルネ(リベラシオン、2012 年 3 月 20 日) 関連イベント 関連イベント ○クリスチャン・リゾによる講演会 7 月 10 日(木)17:00~18:30 会場:横浜国立大学メディアホール 参加無料(逐次通訳付き。予約不要) お問い合わせ:アンスティチュ・フランセ横浜 045-201-1514 共催:横浜国立大学 ○ビデオ展「きみはそこにいる?」 キュレーション:クリスチャン・リゾ 6 月 20 日(金)~6 月 29 日(日)11 :00-19 :00 (最終日は 17 時まで) 横浜赤レンガ倉庫 1 号館 2F スペース 共同主催:横浜赤レンガ倉庫1号館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) ル・フレノワ国立現代アートスタジオに学ぶ、若いアーティストによるビデオ作品 16 点の展示。