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水産物の輸出戦略(案)

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水産物の輸出戦略(案)
水産物の輸出戦略(案)
平 成 2 5 年 4 月
1-1 現状(国別・品目別輸出額の推移)
 原発事故に伴う諸外国の輸入規制の強化や
原発事故に伴う諸外国の輸入規制の強化や、リーマンショックの影響で、近年の輸出額はやや低迷。
リ マンシ クの影響で 近年の輸出額はやや低迷
 主な輸出先は、最終消費用商材の輸出が主である香港、米国、韓国、台湾の他、加工原料提供が主であ
る中国、タイ、ベトナム等。
 品目別には、ホタテガイ、真珠、干しナマコ等の輸出額が多い。
品目別には、ホタテガイ、真珠、干しナ
等の輸出額が多 。
水産物の国別輸出割合
農林水産物総輸出額に占める割合:37.8%
出典:財務省「貿易統計」
※直近10年の最高額
2382億円(2007年)
億円(
年)
水産物の品目別輸出割合
出典:財務省「貿易統計」
1
1-2 現状(国別・品目別輸出額の推移)
●主要輸出品目ごとの輸出先上位3位
●水産物輸出額・量の推移
●水産物輸出額
量の推移
(単位:億円)
総輸出額
総輸出額(真珠を除く)
うち
うち、
ホタテガイ
干しナマコ
サバ
マグロ・カジキ類
ホタテガイ調整品
ナマコ(干しナマコ以外)
ブリ
イカ
サケ・マス類
水産練り製品
カツオ類
スケトウダラ
真珠
1975年
1985年
2002年
2007年
2012年
1,687
1,510
7
33
29
12
24
177
2,876
2,050
18
97
19
2
311
43
826
1,365
1,033
91
6
86
29
37
40
26
13
332
2,382
2,017
127
167
141
151
22
134
59
81
123
365
1,700
1,523
189
106
92
90
86
86
77
63
61
51
48
37
177
(単位:円/ドル)
【参考】
為替レート(基準相場)
308
254
130
119
(単位:万トン)
1975年
総輸出量
うち、 ホタテガイ
干しナマコ
サバ
マグロ・カジキ類
ホタテガイ調整品
ナマコ(干しナマコ以外)
ブリ
イカ
サケ・マス類
水産練り製品
カツオ類
スケトウダラ
真珠(単位:トン)
資料:財務省「貿易統計」、総務省統計局「日本統計年鑑」から作成
60.3
1.0
3.0
1.5
1.4
2.8
38.0
1985年
78.6
1.3
5.0
0.4
0.1
4.5
3.3
213.0
2002年
30.7
0.5
0.4
3.1
2.4
3.4
0.6
3.0
1.4
47.0
2007年
61.2
0.9
0.03
16.0
4.8
1.4
5.9
0.8
5.6
8.0
53.1
2012年
44.0
2.6
0.02
10.7
2.4
0
0.2
0.1
0.5
2.9
2.2
0.7
3.3
4.1
37.3
国/金額(億円)
ホタテガイ
米国
中国
香港
干しナマコ
香港
中国
シンガポール
サバ
タイ
ベトナム
ガーナ
マグロ・カジキ類
タイ
グアム(米)
グア
(米)
米国
ホタテガイ調整品
香港
台湾
シンガポール
ナマコ(干しナマコ以外)
香港
中国
韓国
ブリ
アメリカ
カナダ
香港
イカ
ベトナム
中国
タイ
サケ・マス類
中国
タイ
ベトナム
資料:財務省「貿易統計」から作成
2012年
189
58
50
21
106
93
13
2
92
21
17
11
90
37
16
8
86
64
7
6
86
82
3
1
77
69
2
2
63
26
21
7
61
32
15
12
2
2 分析(水産物全般)
 世界的に水産物に対する需要は増大。全大陸で需要が増加しているが、中国、EU、米国、インドネシアで
高い伸び。特に、EUにおいては水産物の輸入額が増大。
 漁獲物の取扱いの丁寧さなどによる高品質な日本産水産物に対して、世界から高い評価。また、海外で
の日本食の人気が高まっている。
の日本食の人気が高まっている
 輸出に当たっては、輸出先国における衛生管理基準(HACCP)への適合、衛生証明書の添付など、外国
政府が求める要件に適切に対応する必要がある。
 個々の漁協・事業者が個別に輸出に取り組んでいるため、マーケティング・ブランディングが十分でない、
小ロット・季節対応となってしまい売り場が望む通年・安定供給が難しいなどの課題がある。
30
25
国・地域別 水産物輸入金額の推移
世界の食用魚介類の国別年間消費量の推移
kg/人年
35
中国
インド
インドネシア
世界
EU(27ヵ国)
ロシア
米国
20
15
10
5
0
昭和36
(1961)
46
(1971)
56
(1981)
平成3
(1991)
13
(2001)
21 年
(2009)
強み
弱み
機会
脅威
・日本の水産物の品質に対して世界から高い
評価
・「sushi」「sashimi」等、日本ブランドがある程
度確立
・競合他国産品と比べ価格が高い傾向
・諸外国政府や民間小売等が要求するHACCP等
の安全管理規格基準への対応の遅れ
・ロットが小さい
・世界的な水産物需要の高まり
・世界的な需要増と資源制約により、世界的に価格が上昇
・富裕層の増加
・日本食人気、日本文化人気(錦鯉等)、日本の技術に対す
る信頼感(真珠等)
・世界的な食品安全管理強化の流れ
・原発事故の影響による輸入規制
・安価な他国産品や日系メーカーの現地産品
との競合
3
3 水産物の輸出目標と戦略
2012年の水産物輸出額
1,700億円
2020年の水産物輸出額目標
3,500億円(倍増)
輸出拡大策
品質管理水準の向上
・品質管理体制の
確立(対米・EU向け
HACCP取得の
促進等)
・迅速な衛生証明書
発給体制の構築
・品質保持(冷凍・
解凍・一次加工)
技術の向上
国家的マーケティング
・輸出相手国への働きかけ(原発事故に伴う輸入規制の
緩和等)と日本の魚のブランディング
・生鮮・加工品の組み合わせ販売・産地間連携による
安定供給
・重点品目、重点国・地域について、集中的に市場を開拓
【重点品目の考え方】
①資源的に余裕があり、輸入国で一定の食習慣があるもの
(例:ブリ、サバ、サンマ)
②国際競争力のある水産加工品
(例:第二のカニかま、ファストフィッシュ)
③国際商材(例:ホタテ、サケ)
【重点国・地域の考え方】
A地域:水産物の消費量が多く 日本産水産物が評価されている
A地域:水産物の消費量が多く、日本産水産物が評価されている
地域(高所得・新興中所得国)(例:東アジア、EU、ロシア、米国)
B地域:所得が拡大しており、魚の需要増加が見込める地域
(低所得国)(例:東南アジア、アフリカ)
きめ細やかな支援
・現地ネットワークや
ノウハウの蓄積を
活かした継続的な
サポ ト
サポート
・重点国・地域への
進出に必要な情報
の提供や売込手法
の提案
【ジェトロとの
連携強化】
ベストプラクティスの構築
・生産者・流通・小売業者が連携した水産物輸出のビジネスモデルの構築
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