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第9回 生体触媒を利用する有機合成の研究会 in

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第9回 生体触媒を利用する有機合成の研究会 in
B02
メシ フ ラ ンお よびそ の類縁体 の調 製
リパ ー ゼ を用 い た光 学活 性 (+)一
(高砂香料工業 0総合研究所)○ 鈴木紀生、野崎倫生
furanone)は、イチ ゴの
1.目 的
メシフ ラン (2,5-dimethyl-4-methoxy-3(2H)―
香気 中で鍵 とな る成分 と して 見 いだ されてお り、天然 のイチ ゴ 中では ラセ ミ体
⇒
で存在す るが、鏡像 体 間 で香気 の質 と閾値 に違 いがあ り 、閾値 が小 さ く香 気 の
の
(+)一
優 れた ものが (+)一
体 で あ る ことが 明 らか にな って いる 。今 回我 々は 、この
メシフラ ンを調製す る ことを 目的 として検 討 を行 った。
2.方 法 と結果
我 々 は メシフラ ン自体 の不安定 さや 、反応 の効 率 、操作 の
簡便性 を考 え、更 にメシフランの不斉点 がカルボ エ ル の α―位 にあ る ことに着 目
し、 リパ ー ゼ に よ るエ ノー ル エ ステル のエ ナ ンチオ面 を区別 した不斉加 水分 解
反応 めを検 討 した。
基質にはメシフランのエノールアセテー トを用いることにし、まず最初 に当
研究室保存の市販のリパ ーゼ 50種 類について加水分解反応のスクリーニング
を行 った と ころ、 C “励伽 ″J “ 由来 の リパーゼである N o v o z y m S И3 5 を 用
“
いた 場合 には、 ( 十
得 られた。次 に この酵 素 を用 いて、 条件 の
>体 が ″.9%e.e.で
最適化 を行 った 。有機溶媒 の添 加や 、温度条件 な どを検 討 した 結果 、 ジイ ソ プ
ロピルエ ー テル と 0 . l M リ ン酸緩衝液 ( p H = 7 . 0 ) の1 : 1 の混合溶媒 中で酵 素 を 1 %
光学活性 ( + ) 一
w / v 加 え、基質濃度 1 % w ′v 、室温 、4 時 間 の反応 で最大 9 6 . 4 % e . e . の
°
メシフランが得 られた 。
Novozym
SP435
KPBノ IPE l:1
mesifuran
(racemic)
enolacetate
(+)‐
m esruran
max.96.40/Oe.e,
この反応系が かな り良い選択性 を持っていることがわかった ので、更 にメシ
ラランのメ トキ シ部分がエ トキ シ、プロポキシ、プ トキシとな った類縁体や 、
側鎖 のジメチル の一つがエチル になった類縁体 などに適用 した。これ らにつ い
てもかな り良い結果が得 られた。
rc■ 1)N.Fischcr and F― J.Hammcr"hmidt,Cん
141(1992)
. ■ θ力4 θム レ わ ∫ , 1 4 ,
ι . ル″た″ b わ ′
“ “
“
θお げ Pてη ι札 励ι 39滋 Sy″ ρθ∫j“ ο4カ ι
“
jα
Jε
s,pp226(1995)
Cttι :s′
,ακごArο欄 ′
ッ げ ル │′ι″ιs,Essι ″ ′θJJ6・
“
A“ .Cttι .Sοθ.,112,9614(1990)
3)K.Matsumoto,S.Tsutsumi,T.Ihori
and H.Ohta,ユ
“
力 助 ″ρθ∫J″溜 θκ ttιC力ι お
′
κ θな げ PαριrS,′力ιイθ′
4)N.Suzuki and M.Nozaki,Aお
“ `η
2)H.Ochi,T Iiand A.Hasebc,Aby″
Jθ
s,pp168(1996)
q′rιrρ
ι
んι
s,Essιれ″α′OJな,ακごArθ αノ
“
一-25-―
B03
リパーゼによる光学活性 アジリン誘導体 の調製 に関す る研究
(岡己1大・工)酒 井貴志 。○川端 勇 。岸本徹夫 ・依馬
正 ・宇高 ]l:徳
リパーゼは元来、生体内で脂質を脂肪酸 とグリセリンに分解する加水分解酵素である。
しか しリパーゼはその逆反応 のエ ステル化反応 に対 して も触媒作用を持 ち、 しか も有 機
溶媒中で も比較的安定であ る ことが見いだされた。それ以来様 々な基質の光学分割 に用
い られてお り、数多 くの分割例が報告 されてい る。
我 々はこの リパ ー ゼを用いた光学分割 を行 うことに より、光学活性 アジ リン誘導体 の
調製 に成功 したが、その 分割の効率 (E値)に は まだ改善の余 地があ つた。そ こでそ の
効率の向上のために、光学分割における反応条件 (リパー ゼ 。有機溶媒 ・反応温度)に
よる 分 害1 効率 の 変化 を系 統 的 に調 査
Figure1.
した 。 そ の 結 果 、反 応 温 度 を下 げ る
Evs Temperature
50
こ とに よ り、飛 躍 的 な効 率 の 向 上 に
が 少 な く、 天 然 に バ ク テ リ ア の 成 F
夕」
長 阻 害 作用 を もつ ダ イ ジ ダジ リ ンや
● ●●
40
成功 した ので報告 す る。
光学活性 アジ リ ン誘導体 はその合 成
30
抗生 物 質 ア ジ リ ノマ イ シ ンな どが 存
在す る こ とか ら 、近 年 注 目を集 め て
20
い る化 合物 で あ る。
10
-20
-40
0
20
40
60
Temp.
Table 1.
Effect)
(Temperature
of 3-Phenyl-2H-azirine-2-methanol
Lipase-Resolution
1叉
Phノイ _´。H
(士)-5
50 mg(o34 mmol)
LipaseAmanoPS
_/OAc(0.34 mmoり
Et20(5 mL)
temperature-20∼ 40°C
0
5
5
。
2
50
0
5
3
45
5
。
4
54
0
。
︲
5
42
。
2
。
6
57
。
2
。
7
。
2
。
8
0卿
0 。。。︲
4
。
。32
・
1
59
50
49
46
59
90
65
89
68
77
7g
生
`
/∠
ゝ
Phン
ヾ
:H20Ac
こさ H 2 0 H +
P h / ノく
(―
(Rl-6
)‐
(十
( S ) 5‐
)‐
(月)‐
6
Acetate(¨ )‐
5
A:cchOI(+)‐(S)‐
Lipase
entry Temp. (mg) "/" yield "/o aal)
N
N
[o]o
"/"yield
lrxlszl +117.2
[c r]p28+ 157.5
[g]p22 +231.1
[o]p22+ 163.1
40
41
55
45
49
43
43
42
ftrle21+187.8
[tr]e21+ 168.9
l<1622+176.3
+182.2
l<4c)22
"/oEEZ|
79
[αlD21
80
[(■
lD28
72
[αlD22
88
lD21
[(χ
83
lαlD22
89
[α]D22
86
[(ん
lD20
90
1(ん
lD21
‐
1436 1o
‐1630 2.0
‐
1364 4.3
0.37 13
‐
1658 6.0
‐
1495 30
‐1656 14
0.43 31
‐
1467 40
‐
1705 45
047 37
1晰
『
凝 ど,(11,¶
朧i
践1'ろ
り
融
ぎ
′
樹 =i`胃 田 璃θP讐
計写『t'こ
'T詰
-26-一
一
ttt con.[鋤
[αlD
042 17
056 19
050 29
043 35
047 44
B04
6員 環状 炭酸 エ ス テ ル を基 質 とした
酵素的加水分解反応
(福井大 工 )○ 松 本 一 嗣 ・下条 め ぐみ ・畠中稔
当研究室 で は, 5員 環状 炭酸 エ ス テ ルの酵素 的加水分解 に よる 各種光学活性 1,2ジオ ール誘導体 の合 成 を行 って きた。そ こで今 回,本 反応 を 6員 環状 炭酸 エ ス テ ルに
適用 した光学活性 1,3-ジオ ール誘導体 の合成 につい ての詳細 を報 告す る。
-laを 基 質 として ,PPLを 用 い た従来法 で 反応 を行 う と,エ ナ
6員 環状化合物 グ′
ンチ オ選択 的反応 が進行 し,光 学活性 1,3-ジオ ール誘導体 が得 られた。絶対 立 体配置
水分解 されて い る こ とが 明
の検討 に よ り, 5員 環 とは逆 の R―体 の基 質が優先 的 にカロ
らか となった 。また ,補 溶媒 として用 い るジイ ソプ ロピルエ ー テ ルが選択性 に大 き く
影響 して い る こ とが わか った。例 えば,補 溶媒 を含 まない リ ン酸緩衝液 中 で 反応 を行
う と,反 応 の E値 はわずか 4で あ るが ,補 溶媒 の含有率 を 30∼ 70%に す る と最高
で E値 を 10ま で上 昇 させ る ことがで きた。
また ,α -lbの よ うに長 い側鎖 を有す る基 質 は リ ン酸緩衝液 には基質が溶解 しない
ため再現性 に問題 があ つた。補溶媒 の含有率 を 50%と す る こ とに よ り基 質 を完全 に
溶解す る こ とがで き,こ の場合 もエ ナ ンチ オ選択 的反応が進行 して い る こ とが わか つ
た。
0
O
t。
ノ
。
は
R
t。
り
。
PPL
Buffer-rPr2O
+
OH
uR
(S)-1
-1
グ′
a:R=― CH2CH20Bn
b:R〓 …(CH2)10CH3
―-27-―
(S)-2
B05
リパ ーゼを用 いた 2-オキセタノンの光学分割
。
林 嘉 行 、 ○ 磯 部 宏 、 山 本 行 男 (京 大 院 人 間 ・環 境 )
<目 的 >我 々は リパ ーゼ を用 いた 4-アルキ ル 置換 2-オキセ タノ ンの 光学分割法 を確立 した。
今 回は この 分割 方法 の 改良 を検 討す る とともに、新 たに 3-アル キ ル 置換 2-オキセ タノ ンの
光学分割 につ いて 検討 した。
<結 果 >ラ セ ミ体 の基 質 に対 して反応 を実施 し、反応性及び E値 を指標 に条 件 を最適化 し
た。 アル コー ル と溶媒 を変 えることによ り、従来法 と比 べ て同 じ くらいの E値 を保持 しな
2-オキセ タ ノンについて は、反
が ら、反応 時間 を 1/10以下 にす ることがで きた。 3-メチルー
応条件 に よ リオ リゴマ ー を生成 しなが ら光学分割 が進行す ることが見 いだ され た。さ らに 4アル キ ル 置換 2-オキ セ タノ ンのブタす い臓 リパ ーゼ に対す る阻害効果 も検討 した ところ 、
エ チ ル 以上側鎖 置換基 を有す るオキセ タノンで阻害活性 が見 られ た。
R)「
AmanoPS
三
ミ
、
。+ BunoH
R、 、 °Bun
F/ハ1′
(朴
isopropyl ether
35°C
(士 )‐
la(R=ρ ―
C4H9)
(土)‐
lb(R=η C̈ll H23)
(R=n‐C4H9)
( 土) ‐
lb
(R=r7-Cll H23)
14
m“
∞
IW m[舗
13満
5 ee
ゾeld[al♂
(%)ln cHc13(%)
57
16
(R)‐ la
30
+32.9°
(cl.47)
90
(S)‐2a
40
+15.2°
68
(cl.41)
42
16
(R)‐ lb
52 +12.0°
(cl.15)
57
(S)¨2b
35
+14.1°
(cl.05)
PhCH2C)H
(=L)‐ 1
(S)‐
2a
(S)‐
2b
(RI‐
lb
ni罪
lactone l器 E
(士 )‐
la
OH O
Amano PS
aCetone
(RI‐
1
(S)‐
1)Yarnalnoto,Y.er af.工 Cぬ囲 .Soc.Perklin Trans.1,1995,1645
一-28-一
2
80
B06
多孔質 セ ラ ミ ックス担体 で あ る トヨナ イ トに固定化 した リパ ー ゼ
P S : 有 機合 成基 質 に対す る反応性 とエ ナ ンチオ選択性
*、
(岡山理大理 ・*東洋電化工業)○堀 剛史、加守 雅信*、 山下 芳孝
濱口
泰 尚、 直 島
好伸
斉有機 合 成 試 薬 と して の リパ ー ゼ の有 用性 を 高 め る研 究 の一環 と して 、新 規
多孔質 セ ラ ミ ック ス担体 で ある トヨナ イ ト ( T O y O n i t e , 丁N , 東 洋電 化 ) に リパ ー ゼ
P S を 固定化 した T N ―M P S を 用 い、数 種 の 有機合 成 基 質 に対 す る反応 性 や 選択 性 を フ
1 3)
リー P S や 他 の担 体 に固定化 した P S と 比 較 検 討 した。
2 . 最 初 に、 ( 士 ) - 1 - p h e n y l e t h a n o l の酢 酸 ビニ ル による エ ス テリИヒを 丁N ―M や セ ラ
イ ト、 ガ ラス ビー ズ お よび イオ ン交 換樹 脂 に固定化 した P S と フ リー の P S に つ いて 行
1.不
った 。そ の結 果 、他 の 固定化 P S ( 3 7 - 1 7 0 U / g ― 担体 ) や フ リー の粗 酵 素 P S
( 2 1 0 U / g ) に 比 べ 、 丁N 一M P S が 最 も高 いエ ステ ル化 活性 ( 1 5 7 0 U / g ― 担体 ) を 示 し
た 。 次 に、 P S 固 定化後 の濾 液 の リパ ー ゼ残 存 活性 をJ : S 乳化法 ( オ リー プ油 の加 水 分
解 ) に よ って調 べ た ところ、 丁N ―M P S の 残存 活性 が最 も低 い ことが認 め られ た。 こ
れ らの事 実 は、 丁N ―M 担 体 が リパ ー ゼ P S 蛋 白を選択 的 に吸着 す る こと、 お よ打 N ―M
PSの 1-phenylethanoHこ 対す る Iス テ ル化 活側Lは、 対応 す る粗 酵 5縄やfLO匿 i定化
P S よ りも優 れ て いる ことを示 唆 して いる 。
引 き続 いて 、 上述 の よ うな 高 いエ ス テ ル化 活性 を示 した 丁N ―M P S を 用 いて 、数種
の芳香族 第 2 級 アル コー ル の エ ー テ ル 中で の エ ステル 化 反応 を試 み た。 酢酸 ビニ ル の
存在 下 、 丁N 一M P S の 反応 性 は、使 用 した全 て の アリレコー ル に対 して粗 酵 素 P S よ りも
大 き く、 1 0 - 2 0 分 で 3 5 - 5 0 % 程 度 の変 換 率 に達 した。特 に、 ( 士 ) - 1 - p h e n y l ―
e t h a n o l の場 合 には、粗 酵 素 P S で は3 0 分 で変 換 率 が 5 2 % で あ った の に対 し、丁N ―M
P S で は 1 0 分 足 らず で 5 4 % の 変換 率 に達 した 。 反応 の エ ナ ンチ オ 選択 性 や脂肪族 第 2
級 アル コー ル に対 す る反応 につ いて も報 告 す る予 定 で ある。
ヽ
C
≦
ン
Lipase PS
a"g -?
ハ ` +
/ ether
RI〕
R〓H,CH3,Br etc.
free PS
TN¨M PS
Alcoho!
time (min) conversion ("/o) time (min) conversion (7o)
10
R=Br
10
2 8 8
3
3
5
R=CH3
0 0 0
3 3 3
10
4 7 8
5 3 3
R=H
1)山 下 、 中司 、 中川 、菊地 、直 島、 日本農 芸 化 学会 1995年 度大 会講演 要 旨集 、
p.298(1995)2)中
司 、松 下 田、 山下 、直 島、第 8回 生 体触 媒 を利 用 す る有機合
3)堀 、 中司 、松 下 田、 山下 、直 島、 日本 化 学
成 の研 究会 要 旨集 、 p.14(1996)
会第 71秋 季 年 会 講演 予稿 集 、 p.184 ( 1 9 9 6 )
-29-一
B07
有機 合 成 基質 に対す るε∂ndliめ系 リパ ーゼ Novozymの エ ナ ンチ オ選択性
(岡山理大理 ・*甲南化工)○ 森下 潔、亀沢 誠 *、大谷 武彦 *、橘 芳純 *、
中司 宏樹、 直島 好伸
1.有 機合成基質に対するリパ ーゼのエナンチオ選択性を調べる目的で、Car7dida
c a出来の リパ ーゼNovozym 435を 含む数種の リパ ーゼを使用 し、約 12種
antarct′
類の脂肪族及び芳香族第2級アルコールやそのアセテ ー ト体に対するアシル化と加水
分解を行 った。 1'2)
2.Candida系 リパ ーゼのNovozym、 AY、 MY及 びPSeυdο οnas系 リパ ーゼのPS、
“
を行うた。その結
AK、 LIPを使用 して、先ず、 これ らリパ ーゼによる加水分解反応
果、PSeυdοmοnas系の リパ ーゼでは、基質分子内の不飽和結合の有無あるいはそ
の位置の違 いによって、 リパ ーゼのエナンチオ選択性が大きく変化することが分か
った。一方、Novozymは 基質分子の構造の違 いによるエナンチオ選択性の変化はあ
今回使用 した殆ど全ての基質 に対 して高 いエ ナンチオ選択性を示 し
まり見 られず、
に=176-5695)、 97-99%eeで 対応するキラルアル コールを与えた。例えば、 1octen-3-ol、 1-octyn-3-ol、 4-decen-1-yn-3-olの ような基質 に対 して
PseυdOmοnas系リパ ーゼのエナンチオ選択性は低 く、 この中で最も高 い澤択性を
示 したLIPでも[=3.1733程 度であつた。 これに対 し、Novozymは これ らの基質 に
対 しても優れたエナンチオ選択性を示 しに〓176-1217)、 最高99%eeの キラルア
ル コールを生成 した。また、酢酸 ビニルを使用 してNovozymに よるアシル化を行 つ
たところ、溶媒 によつてエナンチオ選択性は多少変化するものの([=40-300)、 対
応するアセテ ー トが88-99%eeの 鏡像体純度で得 られた。
OH
OH
OH
2H
CH3(CHD10
CH3(CH」
―
99%ee
OH
OH
H
O〓 ・
H
〓
。
二
¨
¨
U
﹀
二
H
〓
。
︵
¨
¨
︶一
2H
9
99%ee
97%ee
OH
CF3
99%ee
achibana,T.
1)丁.Ohtani,K.Kikuchi,M.Kamezawa,H.Hamatani,H.丁
丁otani,and Y.Naoshirna,」 .εわθm.Sο c.フPerkin Trans. 7′ 1996,961,
2 ) 中 司 、森下 、亀沢、橘 、大谷 、直島、第 4 0 回 丁E A C 講 演要 旨集、 p . 8 6 ( 1 9 9 6 ) .
―-30-―
B08
N ―ア シ ロ キ シメチ ル体 を基 質 とす る リパ ー ゼ触 媒 光 学分 割法
静 岡県大 。生 活健康科学
○谷 川
慎 、塩 沢竜志 、寺尾 良保
「目的」 リパ ーゼ は、有機溶媒 中 で使用 で きるこ とが分 か り、通常 の合成試薬 と
同 じよ うに繁用 されて きた。 しか し、 リパ ーゼ は本来 エ ステルの加水分解 を触媒 す
る もので 、 エ ステル基 を もたな い基 質 を対 象 とす るには大 きな制約が あ つた。我 々
は、触媒 能 が発 揮 で きなか った嵩高 い カルボ ン酸 やエ ステル基 のな い化合物 に、 ア
シ ロキシメチ ル基 を新 たに導入 しリパ ーゼ触媒反応 に適合 させ る方法 を開発 して き
た。今 回、 N ― ア シ ロキシメチル化法 を β― ラクタ ム、 オキサ ゾ リジ ノン及 びカ ル
バ メ ー ト類 に適用 し、効率 的 な光 学分割法 を確 立 で きた ので報告 す る。
「実験及 び結 果」 3又 は 4-置 換、及 び 3、 4-ジ 置換 β一 ラク タ ムのN―ア シ
ロ キシメチ ル体 を合成 し、水飽和 イソプ ロピルエー テ ル溶媒 中 で リパ ーゼ触媒加水
分解 を行 い、高純度 の光 学活性 が得 られた。 また、 N―ヒ ドロキシメチル体 と酢酸
ビニー ル との エ ステル転移 反応 で も効率 よ く分割 で きるこ とが分 か った。分割後、
N ―ア シ ロキシメチ ル及 び ヒ ドロキシメチル体 は、 ア ンモ ニ ア性 メ タノール 中室温
で ラセ ミ化 せ ず、 N―無置換体 へ の変換 が 可能 で あ る。
光 学活性 4 又 は 5-置 換 -2-オ
キサ ゾ リジノ ンは、 Evans法の不斉補助基 とし
て盛 ん に用 い られ て い る。 2-オ キサ ゾ リジノン誘導体 のN―ア シ ロ キシメチ ル体
は、常法 に よ り容易 に合成 で きる。それ らのイソプ ロピル エー テ ル溶媒 中 の リパ ー
ゼ触媒加水分 解 に よ り高純 度 の光学活性体 が得 られた。 この方法 に よ り両鏡像異性
体 が得 られ 、不斉補助 基合 成 へ の応用が期待 で きる。
次 に、光 学活性 ア ミンの合成 を検討 した。最 も単純 な方法 としてカルバ メ ー トの
加水 分解 が考 え られ るが 、種 々の酵素 を用 い て検討 した ところ、 ア ル コキシカルボ
ニ ル ア ミンを加水分解 す る リパ ー ゼは見 つ か らなか った。 そ こで、 カルバ メ ー トの
N ―ア シ ロ キシメチ ル体 を基 質 とす る方法 を検討 した。 そ の結果、 比較 的高純度 の
光 学活性 ア ミンのN―ア ル コキシカルボ ニ ル体 が得 られ るこ とを見 出 した。
以上、N ―
アシロキシメチル化 とい う簡便 な基質変換 によ り、 リパーゼ触媒合成法 を一段
と拡張 で きた と思 う。
-31-―
B09
アク リル般エステル類およびそ の誘導体 の リパーゼによる光学分割
(大阪有機化学)井
土貞人 ・森脇曜一郎 ・北川大佳夫 ・大橋欽二 。○赤石良一
光学活性なアクリル酸類およびそ の誘導体 は、医農薬中1川
体や光学活性ポ リマーの原ド│
として重要 であると考え られ、ラセミ体 の リパーゼによる光学分割 について検討 した。
1)光 学活性α、β―エポキ シカルボン駿エステルの合成
アク リル酸エステル の酸化 によ り得 られるα、β―エポキシカルボン般エステルを触媒量
の リパーゼを用いて不斉加水分解する ことによ り、光学活性エステル (■)を 高 い光学純
R2=n13u)は 、
度で得た (スキーム 1)。 また、光学活性エステル (la)(Rl=H、
―
いる
の
α
ヒ
ドロキシエステル
有機鋼試薬を用
位置選択的なアルキル基 導入法によ り、
(2)を 与え、続 いて 1、2-ジ オール (■)へ 好収率で変換 された (スキーム 2)。
Rヽ、″´、
c。。R2∞
Rl=II,
R2=nBu
ゝ
(la)
c。 。nBu
Rヽく♭卜、
c。。R2
61-67%
Fe
Rt"hcoon,
5
".:'.'l"' o)
(z+*A r )
32%(97%ec or(le)
rr尭び
助
淑
身
世i
OH
H
( スキ ー ム 2 )
⊂D73%
2 ) 光 学活性 アク リレー トの合成
リパーゼ触 媒 を用 い る 不斉 加水分解反応 および ビニルアク リレー トの不可逆的 アク リ
ル化反応 を利用 し、光学活性 フェネテル アク リレー ト ( ■) に お ける l t 体と S 体 の作 り
分け を行 った。不斉加水分解反応 にお いて、 リパ ーゼ ( んn a 1 l o l ) S )まヤ( l t ) ―フェネチ
ルアク リレー トをエ ナ ンチオ選択的 に加水分解 し、 ( I R ) 一フェネチル アル コー ル ( 上)
を与えた。更 に、 この リパーゼ ( A i n a n o P S ) の 基質特異性 によ り、 ( R 、S ) ― フェネ
チル アル コール ( ■) の R 体 は ビニル アク リレー トと優先的 に反応 し、 ( l R ) ― に ) を
与えた ( スキ ー ム 3 ) 。
.*
OH
l-ipase
Bufft:r
+
Phe
(S)―(∠
D35%,99%cc
(R)―(ユ)31%,99%ce
P
(R)― (D
OH
+
(R,S)―
(D
PAe
(S)― (5D
(lR)―(■)44%,99%ce
(S)― (fD 50%,99%ce
( スキ ー ム 3 )
3 ) 光 学活性α一位 アル ドール縮合体 の利用
アク リル 酸 エステル よ り得 られ るα一位 アル ドール縮合体 ( ■) は、触媒量の リパ ー ゼ
を用 いる不 可逆的 アセチル化反応 によ り光 学分割 が可能 である。 1 ) 光学活性α一位 アル ド
R鞣
錦………職
田
ュ
m・
…
…
― ル縮合体 を用 いるエポキ シ化反応等 について検 討中である。
―-32-―
B10
1-エ トキシビニルアセター トを使用するアルコール類の効率的な速度論的光学分害1法
阪大 ・薬 ○武部 靖、村田健司、中 忠篤、赤井周司、北 泰行
(序)近 年 、生体触媒 を利用 したエ ステル交換反応 によるアル コール類 の光学分割 が不斉合 成
に広 く利用 されてい る。 アシル供与体 として ビ」
るが、 この際、副生するアセ トアルデ ヒ ドが酵素
た。今 回我 々 は、 1-エ トキシ ビニルアセ ター
起 こす ことな く効率的 に光学分割 を行 える方法 そ
(方法 。結果)ま ず、数種 の リパーゼ についてアシル化剤 13)と酢酸 ビニ ル2の
反応性 を比較 した ところ、 アマ ノPS及 びAKで は同等、 アマ ノAYで は1が 6倍 以 上の高 い反応 性
4)を ったと ころ 1は2と比 し
、
較
行
を示 した。 また、 アマ ノAYを 用 い てアル コー ル3の ア シル化
て非常 に高 い反応性 を示 し、 か つ1を用 いた場合、酵素 を再利 用 して も立体選択性 を保 持 して い
た。 さらに、1は 他 の種 々の 2級 アル コール類 (4a∼g、 他)の 場合 に も速 やかにかつ 、高立体
選択的 に光学分害Jを行 えた。なお、通常 1は 0.7当 量で十分 であ り、 また、 1に 由来す る副生 成
物 は酢酸 エ チ ルであ るため反応 溶液 を濃縮するだけで容易 に除去 で きる。
H
o占
ttO入
EЮ
OH
1
MeCOOEt
R'
H
。“
H
O
ひ
H
O
が
Lipase
劃 n▼
Q∝
RttR'
OAc
+ R八
R
樫■20ボ票孔 社J乳
,T193
曇
pase PS
‖
4f,E>300
iipase PS
4g,E=26
4c,R=OMe,E=44
( 考察) 以 上 の とお り 1 - 手 トキ シビニル アセ ター ト1 を用 いる速度論的光学分害1 法は、α) 高い
反応性 と立体 選択性 を示 す こと、2 ) 副 生成物が酢酸 エ チルで あるため酵素 に悪影 響 を及 ぼす こ
とがな く、 また除去 も容 易 である こ とか ら、従 来報告 され てい る ビニ ル アシラー ト等 の種 々 の
アシル化斉J を用 い る方法 よ り優 れた方法 と考 えられる。
( 文献)
E
1)言
人
O′
│』
F糠
:農
ξ
畜
【
彦
層
[::橿
ttltttgFlll,71基
旱
暑
製 RO′
夏
葎
E = COR',
1986,Iθ 6,269-285.Ki愴 ,Y.;Sibata,N,Sッ″′ ,1996,289‐ 296.
`″
r″ル″θたんιr′
.,1996,37,7369‐
2)Kita,Y.;Takebc,Y.;Murata,K.;Naka,T.;Akai,S.■
3)ア
.Sθθ.,P`r餞4 Tra″∫f,1993,2999‐
`″
3005.
005eq)_bp16Flり
65‐
≡三
+H02C Me°
Et∝
ち
9mmHg
RuC12[(ρCymene)]
4 ) B e r g C r , B . : F a b c r , K . J . σ力 。S θθ, C 力ι″. C θ″″夕″. , 1 9 9 1 , 1 1 9 8 ‐1 2 0 0 .
`“
―-33-一
si R ' 3
7372.
シル化 剤 1 は 、 次 の 方 法 で 容 易 に 大 量 合 成 が 可 能 で あ る 。 K i 松, Y . ; 腕 d a , H . ; O m o
Tarnura,Y.J.C力
cooR.'
,K.;Okuno,T.;
Bll
酵 素 的 光 学 分 割 に よ る高 機 能 キ ラル 誘 導 化 試 薬
(富山高専,富 山医薬大 ・ダ )
*
○米谷 正,磯 部貴弘,小 西 幸,竹 内義雄
の合成
されて
1.目的 識別精度 および誘導化に際 しての塩化物の反応性か ら,現 在汎用
い る MOSher試
薬
( t r i u■0 1 o m c t h y l ) p h C n y l a C c t i c a c i d , M P A ) を
( α‐
m c t h O X y ―α―
は るか に凌
acid(CFTA)の ,高 純度かつ
fluOrOphcnyhcctに
Cyallo―
α―
ぐキラル誘導 化試薬であるα―
ため,酵 素的不斉加水分解を検討す る.
大量調製可能な実用的光学分害1法を確立する
CFs
lt
l
OMe
"oon
L COOH
―
Me―
〈
点
[]〉
CN
CFTA
MTPA
,つ いでフッ素を導入す
2.方法および結果 市販の シアノ体に CthOXycarbOnyl基
ることによりCΠ■ のラセミ体を合成 した。
F
1)NaH,CO(OEt)2
Me引
〈E]〉
― CH2CN
2)NaH,FC103
Me《T汁
―COO日 型 翌 =rぶ
†
蹴n
CN
ーニ ング した結果 ,
(±)―
CFTAの 不斉 加水 分解 につ い て, 市販 の酵 素 を ス ク リ
(株 )製 リパ ーゼOF)が 不 斉加 水
ごarりθSa由 来 の リパ ー ゼ (CRL,名 糖産 業
OЛσ′
体 選択性 は E=3と 満足 で きる もので
分解 活性 を有す る ことが 明 らか にな ったが,立
acidの光学分 割 にお │`
に よ り, 2-phenylPIOpa12oに
はな か った 。そ こで ,Kcazlauskas等
CRLの 有機溶 媒 処理 による酵素 機 能 の 改変 を試 み
て,そ の有効性 が 報告 されて い る
50%(V/V)の 1-ま たは 2-PIOHで 処理す
1)そ の
結果 ,市 販 の リパ ーゼ OFを ,45∼
た。
cctatcの
加 水分解 に対す
nitlophcnyl phcnyぬ
よび ρ―
る こ とに よ り,P―nitrophenyl acetatcお
CFTAの 光学 分害1に対す る立体選択 性 も飛躍 的 に
る比活 性 が高 くな る と共 に,(± )―
販 の CRLを 緩衝液 に溶 解 し,一 定量
向上す る こ とが 明 らか にな った。 す な わち,市
析 した 得 られ た酵素水 溶 液 に
の有 機溶 媒 を 加 え攪拌 ,遠 心 分離後 ,そ の上 清 を透
巧%←→
加水分 解 を行 った その結見
E=30で 光 学分 割す る こ と
5 1 鷺 鷹 応 にお い て も
発異 1 駐 ξ : ざ 嬌 │ ∬
と して再結 晶 ・
ボ ン酸 の Cydohcxylalnhc塩
がで きた。 そ れ ぞれ の光学異 性体 を, カル
( +)―
(R)¨
お
と して供す る ことが で きる純度 の
精製 す る ことに よ り,キ ラル 誘導 化 試薬
で現
な ど の分野
CFTAを 得 る こ とがで き た。 この よ うに,不 斉 合成 研 究
)―
よび (0-(…
化試 薬 の簡便 な大量合成 法 を確 立 す る こ
ル
存 の MPAを 凌駕 す る,高 性能 キ ラ 誘導
とがで き た 。
θ,212-217.
θ
1)R.」.Kazlauskas,cr af.,J.Org.(勁
".,1995,σ
一-34-一
B12
キラル ジ ヒ ドロハ ロ及 び ブロモベ リ ドー ル
ー合成及 び カタ レプ シー誘発効果 一
○ 三浦昌朋、本郷貴久、竹下光弘
キ
姜姜
大久保正・、菅原和信 、大島吉輝
モ
姜姜
東北薬大、弘前大 ・医 ・病院薬剤 、東北大 ・薬
【目的】ハロ及びブロモペ リ ドールはブチロフェノン系抗精神病薬 として用 い られて
いるが、同時 にパーキ ンソン病症状の副作用 を引き起こす ことが知 られている。 これ ら
は主に肝臓 でそれぞれジヒ ドロハロ及びブ ロモベ リドールヘ と代謝 されており、この ジ
ヒ ドロ体 が脳にも存在することか ら、母化合物であるハ ロ及びブロモペ リ ドール と同 様
な抗DA作 用 を有する可能性が示唆 されている。現在 までのところ、光学活性 なジヒ ド
ロハロ及びブロモペ リドール間で抗DA作用 についての報告 は見当たらない。そこで (R)一
及び (S)― ジヒ ドロハロ及びブロモペ リドール をそれぞれ不斉合成 し、抗DA作 用 に基
因す るカタレプシー誘発効果 を母化合物であるハロ及びブロモペ リドール と比較検討 す
る。
ジヒ ドロハ ロ及
方法】i)カタ レプシーテス ト:ddY系 雄性 マ ウス (28-32g)に
【
びブロモペ リ ドール を皮下投与後、直径 2m、 高 さ1 5cmの 鉄棒 にマ ウスの両前肢 を強
制的 に掴 えさせ、ぶ らさが った不自然な状態 を保持す る持続時間 を測定 した。il)ポー
ルテス ト:垂 直 に立てた直径 8mm、 長 さ5 5cmの 棒 の上端 の上向きにマ ウス を掴え ら
せ、完全 に下向 きになるまでの時間 (丁
)を測定 した。
um)と床 に降 りるまでの時間(T臥
(la,b)(ラ
ー
セミ体)を リバーゼPSで 処理 して (Rl―
結果、考察】ア ルコ ル
【
及び (Sリ ー(la及 び lb)を 得 た。次 に、アルコール (la及 び lb)と ピリジノール
(2、 3)よ り (Rl一 及 び (S)― ジヒ ドロハロ及びブロモペ リ ドール (4a,b及 び 5a,
b)を それぞれ 97、 96%eeで 得 た。次にこれらをマ ウスに皮下投与後カタ レプシ ー
誘発 効果 を測 定 した。 その結果 、 ジヒ ドロハロ及び ブロモ ベ リ ドー ルの両 (S)体
(4a,5a)は
共に投与後 2-4時 間 で最大のカタレプシー誘発効果 が見 られたのに対 し、
両 (R)体 (4b,5b)は母化合物 と同様の経時変化 を示 し、投与後 8-10時 間 に最大の
カタレプシー誘発効果 が見 られた。 また、ラッ トを用 いて同様 にカタレプシー誘発効果
を検討 しているので、合わせて報告する。
︲
C B
・ 〓
X X
一-35-一
4(a,b)
5(a,b)
C B
〓 〓
X X
Httx
1(a,b)
a=(R),b=(S)
B13
h e n y l ) p r O p i o合成と反応
nittilcの
に関する研究
光学活性3 - H y d r o x y - 3 - ( pu cO nr to ap ■
(岡山大 工)酒 井貴志 ・○高 山哲男 ・吉尾
正 。宇高正徳
修 ・依 馬
lcは、キ ラル ビルデ ィ ングブ ロ ッ
uOrophcnyl)prOpionit
光学活性 な 3-Hydroxy-3-(penta■
1)例
えば、対応 す る光 学活性 含 フ ッ素 1.3-アミ
ク と して有用 で あ る と考 え られ る。
ノアル コー ル に変 換 可能 で あ り、 これ は 、生理活 性物質 の 合成や 不斉反応 にお け る
キ ラル リガ ン ドと して 応 用 が可 能 で ある。 しか し、現在 まで合成 法 は確 立 されて い
な い。我 々 は、 この化 合 物 の合成 、お よ び リパ ー ゼ を用 い た光学 分割 を検 討 し、 そ
の光学活 性 体 を製 取す る ことに成 功 した 。 また、 得 られた 光学活 性体 の化 学的変 換
につ いて も検 討 して いるので、 報告す る。
まず 、 ベ ンタフル オ ロベ ンズアルデ ヒ ドか ら常 法 によ り、 ラセ ミ体 の1[1)ルBuLi,
CH3CN,TI‐IF,-100℃,51制 を得 た。 化 合物 1の リパ ー ゼ を用 いた光学 分割 の結 果
を下 に示す 。
F
QAc
F
CN
F
N V品
:LT:'mg)
]:ス
‐
′Pr20(5 ml),30°
C
`ξ
1(100 mg,0.422 mmol)
Ester
Entry
yieu(° /o ee)・ /。
yield(%ee) conv.
Tlme(h)・ /・
Lipase
‥
1‐
・ ・ ・
1
TOYOBO LIP
19
42(>99)
45(>99)
050
:1057:
2
Amano PS
67
53(61)
39(73)
045
12
1
また 、1を アセ チル 化 した 化 合物 2の リパ ー ゼ を用 いた 光 学分 割 の 結 果 を下 に示す 。
Lipase(100 mg)
CN
CN
CN
pH 7.2 Phosphate buffer(5 ml)
A c e t O n e ( 0 . 5 m l ) , 3 0 °C
2 100 mg(0.377 mmol)
Entry Lipase
lr
Alcohol
Time(h)%yleld(%ee)
Ester
y i e l d ( /・o e e ) C o n v . E
・
/。
1
AmanoPS
84
25(93)
68(30)
0.24
37
2
A manoA K
112
40(93)
37(82)
0.47
70
3
A manoA 6
12
8.3(10)
53(0_2)
4
AmanoAY
96
58(70)
29(71)
rrrar
r arrla
rrrr
lll srrrrr ToYoBoLtP 25
1.2
0.20
12
0.50
I rl
41 ( >98 \
52 (>99 )
1 ) 3 - P h c n y l 誘導 体 : T . I t o h a n d Y . T a k a 」
, C たι . L ι″。, 1 9 8 9 , 1 5 0 5 .
“
一-36-―
'r r r r
O.5O 1057 i
r r ..r
r .l
B14
合成研 究
生体触媒 を利用す る光学活性 Chuangxinmycinの
東邦大 ・薬
○加藤恵介 、尾能 満智子 、秋 田弘幸
∫
おn,sp.より単離 された抗生物質
Chuang mycin(1)は、1976年中国に於て И 加η滋 ωお加α″ι
`′
“
で数多 くの グラム陽性菌及 びグラム陰性菌 に対 して有効である。従来 C3 C4又は C4 C5間 で結合
を形成す るル ー トでのラセ ミ体 (1)の合成 は報告 されているが、我 々の知 るか ぎ り←)-1の光学分
割を除 いて光 学活性 な 1の 合成 につ いては報告 されていない。今回、パ ン酵母還元 によ り容易 に
4を キラル ビル デ ィ ングブ ロ ック と して用 いるこ
合成 できる光学活性 エ ポキ シエ ステル (2R,3o‐
とによ り、予 め C4'CS位 の不斉 中心 を構築 し、S6 C7間で閉環 させ る新規合成 ル ー トによる
(4S,駅)-1の不斉合成を計画 した。
MX02Me
R=H
R=Mc
ざ;
R=OH
R=OAc
4
8
R=SAc
R=SH
4 と 4-ョー
はじめにラセ ミ体エポキ シエ ステル ←)-4を用 い、ラセ ミ合成について検討 した。←)‐
5 と し、次いで ←)-5の水酸基をメ シル化、チオ
ドイ ン ドール 3の 反応で ヒ ドロキシエステル (±
)‐
アセチル化を経てチオ ール (±
)-8に変換 した。次に ∈)-8をEt3N存在下パ ラジウム触媒による閉環
2 と した後、エステルを加水分解 して 目的のラセ ミ体 (1)の合成に成功
反応 でメチルエ ステル ←)‐
した。
1)Baker s yCast
2)NaOEt
3)HC1/H20
Me、
リ
に
、
、
c。
2Et
7タ
Cl
O
9
(2R,3o-4
O bruCinc
H20
5)HCl′
6)CH2N2
次に (僣,駅 )-1の不斉合成を行 うための光学活性エ ポキシエ ステル (2R,3o-4を 合成 した。す
なわち、先 に我 々が報告 している方法つに したがい α‐ク ロロ‐
β―ケ トエ ステル 9の パ ン酵母による
不斉還元 と続づ くエポキシ化によリエ ポキシカルボ ン酸 とした後、 ブル シンによる再結晶と続 く
4を 得た。現在 (2R,3o‐
4を 用 いて (4鳥5R)-1の不斉合成を検
ジアゾメタ ン処理によ って(2R,3o‐
6 ,←)-7につ いて も酵素 (リパ ーゼ)に よる不斉導入
討 している。又、ラセ ミの中間体 である (±
)‐
を検討 している。
1)H.Akita``α i Sン7VT〃 ESIS,1993,513.
一-37-一
B15
( 2E)―
の合成 とその応用
hexenOate類
Epoxy―
生体触媒 を利用す る光学活性4,5¨
東邦大薬 尾能 満智子、早 乙女 周子、○秋 田 弘幸
η
α
S
(2E)―
hexenOate(1)のリパ ー ゼAmano P(Psθあ θ
5-acetoxy¨
Mettyl(士)-4-benzyloxy‐
“
“
(4R,5S)‐
1(99%ee)を得 る
)による不斉加水分解 では高 い光学純度 の(4S,5R)-2(99%eC)と
ψ。
ことがで きる。 (4S,5R)-2を出発原料 に トシル化後、脱ベ ンジル化 を経 て、塩基 と処理
と、 ま
(2E)―
hexenOate(5)(99%ee)へ
4,5-epoxy―
す ることによ り、2か らの収率64%で (4S,5S)‐
(2E)―
hexenOate(8)(99%ee)
5 -位を反転後、同様 の経路 で(4S,5R)-4,5-epoxy―
た、(4S,5R)-2の
( 4R,5S)-8へ
の変換 も行 な つ
へ と導 い た。更 にtそ れぞれ のエナ ンチオマー(4R,5R)-5、
8と もに抗生物質の構成糖 の基本母核 となる
5、 シスエポキシー
た。 トランスエ ポキシー
1よ り
ため 、選択的 に官能基 を導入後、糖類へ の変換が可 能 となる。今回 は(4R,5S)‐
応生成物 からは分子内ラク ト
のベ ンジルアミンのMichael反
と、(4S,5S)-5へ
L―
acosalnineへ
と導 いた。
ン化 を経由 してD―
stosarnineへ
acosarnine,D―
lipaseAmano-P (500 mg)
(Pseudomonas sp.)
ocH2Ph
u"ffcooMe
phosphate buier(pH 725)
mり
33°
C4d15∞
oAc (+)-1
88%
OH
(4S,5R)‐
/ o00)
2 (>99●
(“
133,CHCt)
α
〔
〕
■+682°
0'c
6r"
CHC13)
Ia]20+49.6.(c=1.39,
CHCI.)
[d]ao+6.0"(c=1.17,
2 oq AICb
c 。 。M e 編
‐
CO.5h75%
20°
(C=067,CHCt)
[α
FЪ
134,9°
(4S,sS)-7(>99%ee)
(4S,5R)‐
3(,99%ee)
o, CHCIg)
Ic ]3$-er.+'1c=t.t
Wi掃
いt愧
饒
レ…
芍“
/
(3S,4R,5S)-12 (99o/oee)
)
I o ]21p +9.30"(c=2.84,CHC13
Me
.
一
NHB z
翌
00M」
ill昔
ti#と
73° /.
[α121D'159° (c,190,CHC13)
product
main‐
40°
α
3)
o 470,CHα
〔
〕
ζ+0、
O/
Me
Me
(3S,4R,5S)‐
10
(4R,5S)‐9(99°/・
ee)
Me
CHCI3)
["1260'9.s1c=0.60,
く
°
°
me
Meル cO?Me
ギ
::[11計
f=ノ
ゝ
│ヾ
' [α〕Miレ
4601c=094,CHCt)
Ъ■
Me
ueJ o
\:
t"ffcooMe
(4s,5s)-5 (>99%o€)
rcy"
Me
Ph
Cl
(4S,5S)‐
6(>99%00)
th w'
(4s,5R)-4 (>990l"€6)
IN(RtthSP/MeCN
Me「
'2ec
M% (>99%ee)
Ia ]ff +68.2"(c=1.33,CHGI3)
(iso-Pr)2N-Et
(iso-pr
H.
>
,hd, 'J
Md O H
fflirff"
(4s,5R)-3 (>99o/oe€)
3h
:
oH (4S,sR)-2
COOMe
OH
Alcl3 Me- I
26qArcrg
2q
^
_M"#COOMe
m-xylene/cH2cl2Ors
OCH'Ph
1- '
l''":A^cooMe
。Me
t-
+ u":A4cooMe
oAc (4R,5S)_1
48%(>99%ee)
CHCI3)
-tt.s" (c=1.35,
1o12!
(5.00s)
Mettc。
ocHoPh
ocH2Ph
t"ffcooMe
\
opcF3
O H NHBz
―-38-一
[α123D‐480° (c421,CHC13)
°H = L‐
H(》
(3S,4R,5S)13
19o 473°(c=077,EIDH)
[α〕 ‐
(3S,4R,5S)-11 (99%00)
N-TrifluoroacetylL-acosamin€
Acosamlne
B16
α ―キ モ ト リ プ シ ン を 触 媒 と す る ペ プ チ ド合 成 : 脂 肪 族 側 鎖 ア ミ ノ 酸 へ の 適 用
( 甲 南 大 理 ) 宮 澤 敏 文 。田 中 佳 善 子 ・柳 原 良 二 ・ 山 田 隆 己
我 々 は 、 プ ロ テ ア ー ゼ を 触 媒 と し て 用 い 、 N ―保 護 ア ミ ノ 酸 ( ま た は ペ プ チ ド)
の エ ス テ ル を ア シ ル ドナ ー と す る 方 法 に よ り、 非 タ ン パ ク 質 ア ミ ノ 酸 を 含 む ペ プ
チ ド の 合 成 を 検 討 し て い る 。 置 換 フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン を 酸 成 分 と して 用 い た 、 微 量
の 水 を 含 む ア セ トニ ト リル 中 で の α ―キ モ ト リ プ シ ン を 触 媒 と す る カ ッ プ リ ン グ で
は、 通 常 用 い られ る メ チ ル エ ス テ ル の 替 わ り に 2 , 2 , 2 ト リ フ ル オ ロ エ チ ル エ ス テ
ル の よ う な 活 性 型 の エ ス テ ル を 用 い る と、 ペ プ チ ドの 収 率 が 著 し く 向 上 す る こ と
1)。
を 見 出 した
こ の 活 性 型 の エ ス テ ル を ア シ ル ドナ ー と し て 用 い る 方 法 は 、 本 来 は こ の 酵 素 の
良 好 な 基 質 で は な い、 ア ラ エ ンな ど の 小 さ な ア ル キ ル 側 鎖 を もつ ア ミノ 酸 を 酸 成
分 とす る カ ップ リ ン グ に も適 用 で き る の で は な い か 、 と考 え て 検 討 を 行 っ た。 メ
チ ル エ ス テ ル を ア シ ル ドナ ー と して 用 い た 場 合 に は 、 や は リ ペ プ チ ドの 収 率 は 非
常 に 悪 か っ た が 、 ト リフ ル オ ロ エ チ ル エ ス テ ル や トリ ク ロ ロエ チ ル エ ス テ ル を 用
い る と、 収 率 は 著 し く 向 上 し た 。 更 に 、 ベ ン ジ ル エ ス テ ル 類 を 用 い て も ペ プ チ ド
の 収 率 は 向 上 す る こ と が 分 か っ た。 特 に 、 p ニ トロ お よ び p シ ア ノ ベ ン ジ ル エ ス
テ ル の 効 果 は 著 し か っ た 。 ま た 、 カ ル バ モ イ ル メ チ ル エ ス テ ル や ア セ トキ シ ム と
の エ ス テ ル を 用 い て も 非 常 に 高 い 収 率 で ペ プ チ ドが 得 ら れ た 。 特 に 、 前 者 は 優 れ
た ア シ ル ドナ ー と な る こ と が 分 か っ た 。
Z―L―Ala―OR +
L―Leu¨ 恥
Z―
L―Ala¨ L―Leu― NH2
Yield(%)
R
08
67
12CF3
CI‐
173
824
CH2Ph(4N02)
208
793
CH2CONH2
773
884
CH3
1)
48h
2h
T. ll,iyazawa et al.
J. Chen. Soc.,
-39-―
Perkin
Trans. I,
in press.
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