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中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団

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中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団
2015 年 7 月(第 37 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
川田真理子
今月の注目トピックス
■中国サービス業の市場性
2015 年6月1日から化粧品・衣料品・紙おむつなど中国に輸入される一部の日用品に対する関税が概ね半分に
引き下げられました。中国国外での「爆買い」現象や「海淘(ハイタオ)」と呼ばれる海外ネットショッピング人気など、
消費の海外流出に歯止めをかけるとともに、国内消費促進により GDP 成長率を維持するための政策の一環です。
消費を拡大させるためには、中国の経済構造においてサービス業の比重を高めることも不可欠です。中国(海
南)改革発展研究院(中国の改革発展に関する研究を行っているシンクタンク)は、先月 12 日付けの『経済参考
報』(国営通信社・新華社が発行する経済専門紙)において、今後5年間でサービス業主導の経済構造を早急に
構築すべきだと提言した上で、サービス業成長によって以下3つの経済効果が期待できると発表しています。
① サービス業が年平均 10%成長することで経済成長率が4ポイント押し上げられる。
② サービス業の成長率が前年を1ポイント上回るごとに、約 100 万人の就業機会が創出される
③ 2020 年において、産業全体におけるサービス業の比重が 55%になった場合、エネルギー消費量を 14%、
CO2 排出量を 18%削減できる。
以上を踏まえて、サービス業の規模を 2014 年の 30 兆 7,000 億元から 2020 年までに約 50 兆元に拡大させるこ
とが重要だと主張されています。
サービス業は、日本企業が強みを発揮する業界です。上海では 2010 年上海万博以降、飲食店や百貨店・スー
パーなどの小売企業の進出が増えましたが、最近は幅広い分野のサービス業が進出しています。
例えば、日本一の店舗数を誇るスーパー銭湯「極楽湯」は、2013 年に海外1号店を上海にオープンし、その人
気ぶりから 2015 年2月、同市に2号店をオープンしました。今後、華東エリアに 100 店舗、そのうち半数はフランチ
ャイズで展開していく計画だそうです。同社は、中国でなじみのない日本式のお風呂文化を普及させるとともに、台
湾人CEOを起用して前述のようなスピーディな店舗展開を構想しています。
そして、ロングライフホールディングやセコムは、中国地場企業との合弁で老人介護施設を運営しており、高齢
者福祉分野に進出しています。日本貿易振興機構(ジェトロ)も今年度、高齢者産業を中国において重点的に取り
組む分野としています。今年4月に上海で開催された「中国国際福祉機器展示会」出展と同時に開催した「日中
(上海市)高齢者産業交流会」を皮切りに、9月には江蘇省、11 月には浙江省において、関連展示会出展及び関連
ローカル企業との交流会開催を実施予定とのことです。
これらの日系企業による進出動向を見ると、中国のサービス業での展開には、合弁相手や現地経営を任せら
れる優秀な人材など、パートナー選びが非常に重要であることが分かります。そして、この点が成功の秘訣でもあ
り、トラブルが発生しやすいポイントでもあります。香川県上海ビジネスチャンス開拓支援事業のサービスメニュー
には、中国における企業信用調査(有料サービス:4万円/社)もございます。ビジネスツールのひとつとして、是非
ご活用ください。
-1-
2015 年 7 月(第 37 号)
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■人民銀 大口の譲渡性預金の指針策定
中国人民銀行は「大口譲渡性預金管理暫定弁法」を公布した。市場金利に基づいて金利水準を自由に決めるこ
とができる大口の譲渡性預金(CD)に関する指針を策定した。これまでは対象を金融機関に限っていたが、個人
や企業向けの発行を解禁した。CDも預金保険制度の対象となる。最低額は個人が 30 万元、非金融機関や機関
投資家など法人は 100 万元。
■税収減免管理弁法 改正
国税総局は「改正 税収減免管理弁法」を公布した。今年の8月1日より施行する。認可類減免と書類提出減免に
分け、認可類減免は法律・法規に基づいて税務機関が認可するが、書類提出減免は税務機関の認可を必要とし
ない。
■台湾住民の訪中「査証」廃止
6 月 17 日、国務院の発表によると、台湾住民が中国を訪れる際に義務付けていた査証(ビザ)に相当する証明の
取得が7月1日付で廃止される。これにより「台湾居民来往大陸通行証」が有効であれば、合法的に滞在可能とな
った。
■融資規制 緩和
国務院は「商業銀行法改正案」を決めた。銀行の貸出残高が預金残高の 75%を超えてはならないとする比率制
限を撤廃する。金融当局が行政指導により基準を定め、中小企業や農業に資金が回りやすくなる。
■北京 外国人の不動産購入関連手続きをネットで
北京市住宅・都市建設委員会と北京市公安局は合同で「外国人(個人)の住宅購入関連問題の更なる規範化に
関する通知」を公布した。外国人(個人)が北京市で住宅を購入する際、「外国(個人)の中国国内居留状況証明」
を書類で提出する必要はなくなり、ネット上で不動産購入資格の申請ができるようになった。
【経済・産業】
■中国製造業 景況感 0.1 ポイント改善
中国国家統計局と中国物流購入連合会によると、5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が 50.2 で、前月より
0.1 ポイント改善した。景気判断の節目となる 50 を3カ月連続上回った。一方、英金融大手HSBCによる同PMI確
報値は 49.2 で、4月確報値(48.9)より 0.3 ポイント改善した。
■トリナ・ソーラー 大阪産業大ソーラーカーチームのスポンサーに
世界最大の太陽電池メーカーである中国のトリナ・ソーラーは、大阪産業大学のソーラーカーチームのスポンサー
となった。8月に鈴鹿サーキットで開催される国際ソーラーカーレースで同大チームの車両に太陽電池を提供す
る。同大チームは 2012~14 年の3大会連続で総合1位。
-2-
2015 年 7 月(第 37 号)
■対中投資 10.5%増、日本の対中投資 9.4%減
商務部によると、1~5月の対中直接投資(実行ベース、金融除く)は、前年同期比 10.5%増の 538 億3千万ドル
(約6兆 6300 億円)だった。また、日本からの対中直接投資額(実行ベース、金融除く)は、前年同期比 9.4%減の
17 億8千万ドル(約 2200 億円)で、米国からの投資も 32.6%減となった。一方、欧州連合(EU)からの投資は
23.2%増加している。
■輸出額 3カ月連続マイナス
税関総署によると、米ドルベースの輸出額は前年同月比 2.5%減と、3カ月連続で前年を下回った。輸入は 17.6%
減で、7カ月連続で前年比マイナスとなった。5月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は約 595 億ドル(約
7兆 4500 億円)の黒字。1~5月累計の輸出と輸入を合わせた貿易額は前年同期に比べ 8.0%減った。中国政府
の今年の目標値「6%前後増」の実現は難しい状況。
■消費者物価 1.2%上昇
国家統計局によると、5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比 1.2%上昇であった。上昇幅は前月比 0.3 ポイ
ント縮小、今年1月(0.8%上昇)以来の低い伸びとなった。卸売物価指数は 4.6%下落した。
■不動産投資 減速
国家統計局の5月の主要経済統計によると、不動産を中心に投資が一段と鈍った。1~5月の不動産販売額は前
年同期比 3.1%増えたが、不動産開発投資は同 5.1%増で、1~4月に比べると 0.9 ポイント減、リーマン・ショック
直後の 09 年1~4月(4.9%増)以来の低水準となった。「7%前後」とする 2015 年の経済成長目標達成のために
は、政策による対応が必要な状況。
■春秋航空 中部国際空港からの路線新設
中国の格安航空会社(LCC)「春秋航空」は、6月 29 日から中部国際空港に就航する。中部から上海、河北省石
家荘、内モンゴル自治区フフホト、黒龍江省ハルビン、安徽省合肥の中国5都市を結ぶ路線を新設する。
■華為 世界のIT大手と連携、開発者会議
中国IT(情報技術)機器大手の「華為技術」(ファーウェイ)は、今年秋にも世界のIT企業開発者を集めた会議を初
めて開く。世界のIT企業との協業を進めて欧米大手を追う。
■中国聯通 動画サイトと連携でスマホ発売
中国国有通信大手「中国聯合網絡通信集団」は、中国動画サイト運営大手「楽視網」と提携し、楽視網のスマート
フォン(スマホ)「楽1」の聯通版を全国で発売、年内 100 万台の販売を目指す。聯通の第4世代(4G)携帯電話サ
ービスに対応し、動画をどこでも快適に楽しめる。
■2014 年の平均年収
中国新聞網が地域別「2014 年の平均年収」を発表した。
地域名
非民営企業従業員
民営企業従業員
北京
102268
52902
陝西
50535
30483
浙江
61572
38689
海南
49882
32707
-3-
地域名
非民営企業従業員
民営企業従業員
2015 年 7 月(第 37 号)
広東
59481
41295
山西
48969
-
青海
57084
30337
湖南
47117
30568
重慶
55588
40139
甘粛
46960
-
寧夏
54858
33229
吉林
46516
26140
内モンゴル
53748
34778
江西
46218
30149
福建
53426
-
広西
45424
-
四川
52555
32671
河北
45114
31459
安徽
50894
35268
河南
42179
27414
単位:元
■豪とFTA署名
中国の高虎城商務相は 17 日にオーストラリアを訪問し、豪のロブ貿易・投資相との間で両国の自由貿易協定(FT
A)に署名した。早ければ年内の発効を目指す。オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手で、両国の貿易額
は年間約 1600 億豪ドル(約 15 兆2千億円)規模。乳製品は最長 11 年、牛肉は9年、ワインは4年で関税を撤廃す
る。最終的に中国へのモノの輸出は 95%が関税撤廃率となる。
■新築住宅価格 43 都市で値下がり
国家統計局によると、5月の新築住宅価格動向は、主要 70 都市中 43 都市が前月比値下がりし、20 都市が値上
がりした。5月の価格の前年同月比は、69 都市で下落している。
■中国製造業景況感 6月改善
英金融大手HSBCによると、中国の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は 49.6 で、5月確報値
(49.2)より 0.4 ポイント改善した。好不況の判断の境目の 50 を4カ月連続で下回っている。
■香港利豊 衣料品開発
香港の大手商社「利豊」(リー&フォン)は中国の流通大手「上海百聯集団」、「北京王府井百貨」の2社と共同出
資会社を設立する。新会社の出資比率は上海百聯、北京王府井が各 40%、利豊が 20%で、上海自由貿易試験
区に本社を置く。独自ブランドの衣料品や家庭用品を開発し、中国の中間層を取り込む。
■中国南方航空 国際線旅客 46%増
中国航空最大手の中国南方航空の5月の旅客数が 877 万 8350 人と前年同月比 11.6%増加した。日本をはじめ
国際線の集客が好調で、前年同月比 46.2%増の 95 万 2400 人となった。国内線も 8.4%増の 760 万 3020 人。
【日系・外資企業動向】
■ヤクルト 無錫工場生産開始
中国ヤクルトの製造子会社「無錫ヤクルト」(無錫工場)で、6月1日から乳酸菌飲料「ヤクルト」の生産を開始し
た。無錫工場は、広州、上海、天津に続く生産拠点となる。まずは1日あたり 80 万本で生産し、2015 年中に 180
万本/日とする予定。
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2015 年 7 月(第 37 号)
■旭化成 塗料原料増産
旭化成は江蘇省南通市で自動車や航空機向け塗料原料の生産能力を年2万トンに倍増した。耐候性に優れ、
経年劣化しにくい塗料。中国に進出する日米欧の自動車メーカーからの採用を目指す。
■LIXIL 中国子会社破産
住宅設備最大手のLIXIL(リクシル)グループの中国子会社「ジョウユウ」が破産手続に入った。昨年、約 4000 億
円で買収したドイツの水栓金具大手「グローエ」の傘下にあり、金具や衛生陶器の製造・販売を行っていた。中国
の銀行が出した督促状を受け、リクシルが調査したところ、中国系の創業一族による不正な会計処理と巨額の簿
外債務の存在が発覚した。
■トヨタ 新車販売 13.3%増
5月のトヨタ自動車の中国新車販売台数(小売台数)は、前年同月比 13.3%増の9万 1900 台だった。2カ月連続
で前年を上回った。小型車「カローラ」や、モデルチェンジした新型の多目的スポーツ車(SUV)「ハイランダー」の
販売が好調で全体の販売を押し上げた。
■日産の新車販売 0.1%増
5月の日産自動車の中国新車販売台数(小売台数)は、前年同月比 0.1%増の 10 万 2500 台だった。商用車の販
売不振が長期化し、前年実績並みにとどまった。
■マツダの新車販売 42.1%増
5月のマツダの中国新車販売台数(小売台数)は前年同期比 42.1%増の1万 9739 台となった。主力セダン「マツ
ダ3アクセラ」が約 7000 台とけん引した。
■JFEエンジ ごみ焼却・発電で合弁
JFEエンジニアリングは中国の自動車大手「東風汽車」と合弁で、現地でのごみ焼却・発電施設を建設する。JF
Eエンジは焼却施設で国内首位、焼却炉は大気汚染物質の排出量が少なく、中国製品に比べ環境性能が大幅
に優れている。
■関空 中国便急増
関西国際空港の中国を結ぶ路線が、4~5月の2カ月間だけで週 50 便超決定した。中国の就航都市も 30 を超
え、国内空港で最多となった。
■ヤフー 中国でネット通販
ヤフーは中国でインターネット通販に乗り出す。中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団と組んで、日本製
の日用品や化粧品の販売を始める。まず日本企業 100 社がヤフーを通じてアリババのサイトに出店する。
■松屋 はとバスと連携し中国人旅行者向けツアーに買い物時間組み込む
松屋は、はとバスと組んで中国人旅行者向けのツアーに松屋での買い物時間を組み込む。また、既設のウェブ
サイトを海外で閲覧、商品を予約できるようにし、日本で即座に商品を受け取れるようにする。
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2015 年 7 月(第 37 号)
■帝国データバンク 中国進出企業数減
帝国データバンクによると、業種別の運輸・通信業は前回比(2012 年9月 26 日)8.2%減だった。中国進出が判明
している日本企業について、都道府県別、業種別、年商規模別に分析を行った。業種別では、「製造業」が 5693
社(構成比 42.9%)で1位。「卸売業」が 11.7%減、「サービス業」が 15.7%減、「不動産業」が 22.2%減となってい
る。
■川崎重工 SI拠点を新設
川崎重工業は、重慶市で搬送装置を手掛ける中堅企業「イオチ社」と合弁で、システム構築(SI)の新会社を重慶
市内に設け、自動車工場向けのライン設計・施工事業を始める。搬送などに用いる簡易的なロボットのノックダウ
ン生産も拠点内で行う。
■日通 自動車物流分野で提携
日本通運の中国現地法人「日通国際物流(中国)」は、中国の大手自動車メーカー「奇瑞控股」などが出資する
「中世国際物流」と戦略的提携協議書を締結した。中国国内自動車物流市場を共同開発し、外資系メーカー以外
の物流案件についてもこれまで以上に積極的に取り組む。
■郵船ロジ 南沙-東京・名古屋のダイレクトサービス開始
郵船ロジスティクスの中国法人「Yusen Logistics (China)」が、広東省広州市の南沙発東京・名古屋向けに海上
自社混載によるダイレクトサービスを開始した。中国発日本向けの自社混載サービスは上海、深セン、香港に続
き4レーン目。
■ハウス食品 カレーを拡販
ハウス食品グループ本社は中国でのカレー販売を積極化する。2015 年度の中国でのカレー事業売上高 48 億円
を目指す。スーパーやコンビニエンスストア、イベント会場などで大衆食として日本式カレーをPRする。
■ソフトバンク 鴻海・アリババ出資と共同でロボット事業
ソフトバンクのロボット事業を統括する「ソフトバンクロボティクスホールディングス」に、世界最大手の台湾電子機
器受託製造サービス(EMS)「鴻海精密工業グループ」、中国の電子商取引(EC)最大手「アリババ集団」が出資
し、ヒト型ロボット「ペッパー」事業を日中台の3社で共同展開する。アリババと鴻海がそれぞれ 145 億円を出資す
る。
■羽田空港 10 月から中国路線増便
羽田空港は、10 月末から始まる冬ダイヤより、昼間時間帯(6~23 時)に乗り入れる中国路線を増やす。北京、
上海、広州を結ぶ3路線を1日4往復運航し、日中双方の航空会社に2往復ずつ割り振る。
■三井住友銀 中国医薬集団と提携
三井住友銀行は、医薬品・医療機器卸などを手がける国有企業「中国医薬集団」と業務提携で合意した。中国で
医療・健康分野の商品やサービスの市場開拓をめざす日本企業を支援する。
-6-
2015 年 7 月(第 37 号)
■セブンイレブン 中国でも日本基準を徹底
セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長は、北京大学での講演の中で、年内に中国本土で販売するパンや
弁当類から食感をよくするためのリン酸塩をなくすと表明した。トランス脂肪酸についても、極力含まない食用油
に切り替える。また日本製の化粧品など、店頭での日本製品の取り扱いを拡充する意向を示した。
■椿本チエイン 部品工場開所
椿本チエインの中国子会社「椿本鏈条(天津)」が、自動車エンジン用タイミングチェーンドライブシステムの工場
を開所した。8月から順次量産を開始し、外資自動車メーカーに加え、中国のローカルメーカー向けにも販売拡大
を図る。
■不二越 小型ロボ生産
不二越は、最大可搬質量4キログラムの小型ロボット「MZ04」の生産を開始する。中国での生産品目を順次拡
大し、17 年 11 月期末までに、中国でのロボット生産量を現状比約3倍の月 500 台程度まで引き上げる。
■信越化 光ファイバー用材料の新工場建設
信越化学工業は、中国最大の光ファイバーメーカー「Yangtze Optical Fibre and Cable Joint Stock Limited
Company」(YOFC 社)と、湖北省潜江市に合弁会社「長飛信越光棒」を設立し、光ファイバー用プリフォームの工
場を建設する。資本金は 80 億円で出資比率は、信越化学が 51%、YOFC 社が 49%。
■大塚製薬 ポカリスエット工場リニューアル
大塚製薬は、中国で最初に設立したポカリスエット工場「天津大塚飲料」をリニューアルし、操業を開始した。約3
倍の生産能力と品質の向上を実現した。更に見学者に対して水分電解質補給の大切さが伝わるよう、見学者通
路を刷新した。
■日立オートモティブ 自動車機器システム製造会社設立
日立オートモティブシステムズと、中国地域統括会社「日立汽車系統(中国)」、日立製作所の中国統括会社の
「日立(中国)」は、重慶市に自動車機器システム事業の新たな製造会社を設立する。自動車メーカーからの現地
サポート要請に応えるために、シャーシ系製品やエンジンマネジメントシステムなどの事業拡大をめざす。
■ダイキン フッ素シート生産
ダイキン工業は液晶パネル製造装置メーカーの淀川ヒューテックと、江蘇省で半導体工場向けフッ素樹脂シート
を生産する。総投資額は 30 億円程度で、出資比率は淀川ヒューテックが 60%、ダイキンが 40%。
■日立金属 レアアース磁石で合弁
日立金属は、磁石メーカー「北京中科三環高技術」(北京市)とレアアース(希土類)磁石を製造販売する合弁会
社を江蘇省に設立する。資本金は4億5千万元(約 90 億円)で日立金属が 51%を出資する。2016 年 12 月に量
産を始め予定。
■オンワードとラオックス 「日本製」衣料で中国開拓
オンワードホールディングスとラオックスは、衣料品を企画・販売する共同出資会社を9月に設立する。国内の免
-7-
2015 年 7 月(第 37 号)
税店や中国のインターネット通販というラオックスの販路を活用し、「日本製」を売り物にする。本社は都内に置
き、資本金は4億円、オンワードが 51%、ラオックスが 49%を出資する。中国の中間層の需要を取り込み、3年以
内に 200 億円の売上高をめざす。
■日本紙 中国の製紙会社株を売却
日本製紙が保有する中国の段ボール原紙メーカー「理文造紙」の株式を売却する。保有する約2億 100 万株(発
行済み株式の約4%)の全部または一部を香港証券取引所で売却する。
■三菱UFJ 人民元債発行
三菱東京UFJ銀行は、日本で初めて人民元建て債券を発行する。発行日は6月 24 日。利回りは 3.64%で、発行
額は 3.5 億元(約 70 億円)。償還期間は2年で、地方銀行や生命保険会社など国内の機関投資家が購入する。
みずほ銀行や三井住友銀行も人民元債の発行を検討している。
■損保ジャパン 中国の人気旅行サイトと提携
損害保険ジャパン日本興亜は、中国でネット通販型の旅行会社を運営する「南京途牛科技公司」と提携し、海外
旅行を計画する中国人向け旅行保険を販売する。保険料は7日間で 70 元(約 1400 円)。
■上海GM 社名変更
米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は、上海汽車集団との合弁会社「上海GM汽車」の社名を「上汽GM
汽車」に変更する。中国語では「上汽通用汽車」となる。7月1日付で社名を変更する方針を自動車ディーラーな
どに書面で通達した。
【人民元情報】
人民元市場レート(2015 年 6 月 30 日)
外貨名 100 日本円
中間値 4.9906 人民元
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】
 外資企業による減資の可能性と留意事項
経済成長に伴って中国国内の消費市場が拡大する一方、中国におけるコスト上昇で日本からの対中投資額は
減少傾向にあります。そして、製造業においては東南アジアなどへの進出による「チャイナ+1」体制構築とともに、
中国現地法人の製造規模を縮小する企業も増えています。
このような背景の中、先日、経営の重荷になっている過剰設備投資の一部を売却して減資をすることで、事業再
建をしたいと考える企業から当方に問い合わせがありました。そこで、今回は外資企業(外商投資企業)の減資の
可否とその留意事項についてご紹介します。
-8-
2015 年 7 月(第 37 号)
Q.外資企業が減資できるか?
A.規定上、認められていますが、実際の運用上、認められるケースは少ないのが現状です。
会社法 178 条及び外資企業法実施細則第 21 条により、外資企業による減資は認められていますが、投資総額
及び生産経営規模に変化が生じており、かつ所轄の認可機関(商務委員会等)からの批准がある場合にのみ認
められます。また、「外商投資企業の投資総額、登録資本の調整に係る規定及び手続に関する通知」第 1 条によ
り、以下の場合における減資は禁止されています。
 現行の法令に登録資本の下限に関する規定※があり、減資後の登録資本金が当該下限額を下回る場合。
※ 「中外合資経営企業の登録資本金と総投資の比率に関する暫定規定」第3条(外資企業にも適用)にお
いて、総投資額に対する登録資本金の最低基準が規定されています。総投資額 300 万米ドル以下の場
合、登録資本金は総投資額の 70%以上でなければなりません。
 経済的紛争が発生し、司法又は仲裁の手続に入っている場合。
 契約又は定款において生産、経営規模の最低規模に関する規定があり、減資後の投資総額が当該最低規
模を下回る場合。
 中外合作企業の契約中に外国側当事者が先行回収できる旨の規定があり、かつ既に回収が完了している
場合。
Q.減資にともなう留意事項
A.以下の点に留意が必要です。
 減資を申請する理由
上述のとおり、減資は規定上認められているものの、政府の認可機関としては奨励しておらず、実際に減
資が認められるケースは少ないのが現状です。そこで、減資申請をする際には、設備投資や登録資本金が
経営の実情に沿っていない過剰な状態にあることを説明する必要があります。言うまでもなく、単なる日本本
社への送金を目的とした減資や現地法人の清算を前提とした減資について、認可を得ることは極めて困難で
す。
 減資に対する内部・外部の同意が必要
債権者や取引先などの関係者に対して通知した上で、その 30 日以内に省レベル以上の新聞に減資に関
する公告を3回以上掲載しなければなりません。
 追加納税の必要性を確認
外商投資企業が減資前の投資総額に基づき免税輸入した設備、原材料等の金額が減少後の投資総額を
超える場合には、追加納税の要否について税関に審査確認を申請しなければいけません。
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