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1 Unit 2 ラポールとは? ~ 心の架け橋から催眠誘導まで

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1 Unit 2 ラポールとは? ~ 心の架け橋から催眠誘導まで
即効魅惑術 エッセンシャル・コース
Unit 2
ラポールとは?
~ 心の架け橋から催眠誘導まで ~
ラポールの正体を理解する近道
心理学ではラポールを平たく信頼と訳しています。このラポール
をしっかりと理解する為には、その真逆、つまり不信とはどのよう
な状態かを理解する事が近道だと思われます。光を知る為には闇を
知る、表を知る為には裏を知る事が大切だからです。
では不信、つまり「警戒している」という状態とはどのようなモ
ノなのでしょうか?
人間は根源的に警戒心をもっている
世界中には様々な生き物がいます。その中には
群れを形成する動物や縄張りを持つ動物がいます。
それは激しい生存競争を勝ち残るためです。この
ような動物の多くは生得的に(生まれながらに)
警戒心というもの備えています。例え同じ種であ
っても、相手が部外者か仲間か、敵か味方かを本
能的に嗅ぎ分けようとします。
(キューイ君→)
一方、生得的にまったく警戒心を持たない動物もいます。ガラパゴス諸島やニュージーラ
ンドなどに生息する生き物たちです。そこには肉食獣、捕食動物が元々いませんでした。よ
って動物達は、安全で豊かな自然に恵まれ、食べるモノにまったく困らず、進化の過程で彼
らは生得的に警戒心を発達させませんでした。今現在でもかれらは人が近づいて行っても、
全く逃げようとすらしません。
仲間 ------------------------------ ラポールがある状態
部外者 ---------------------------- ラポールがない状態
ラポールの技術 --------------- 部外者ではなく仲間だと感じさせる技術
リラックスして何かに集中している状態、もの思いにふけって内向している状態、何かに
没頭しているような状態(トランス状態)というのは、実は本来とても不自然な状態です。
我々人間は警戒している状態が実は正常な状態で、安心している状態、つまりラポールの
ある状態の方が実は異常な状態なのです。
この不自然な状態を相手の中に作り出そうという試みが、ラポールの技術であり催眠誘導
でもあるのです。
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即効魅惑術 エッセンシャル・コース
警戒
散漫
(仲良くなれない)
安心
集中
(仲良くなれる)
柔道と催眠
柔道の中におけるクズシという概念を取り上げることで、催眠におけるラポールという
概念を理解する助けになると思われます。
①崩れていない
②崩している
③投げている
④堪えられている
柔道の場合
クズシ
⇒
投技
催眠の場合
ラポール
⇒
誘導
ラポール = トランス
ラポール状態がつまりはトランス状態なのです。またラポールとは信頼であり、トラン
スが催眠なのですから、信頼しているという状態こそが実は催眠状態なのです。
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極論すれば、柔道のクズシも極めると投げ技は必要なくなります。クズシ切れば、相手
はもう既に立ってはいないからです。同じようにラポールが深まれば、催眠誘導は必要な
くなります。なぜならば、相手はもう既に催眠状態にあるからです。
理性や警戒の廃用がラポール
廃用と呼ばれる現象があります。これは「使わない機能は使えなくなっていく」という
生物の法則です。そこで相手の心理的負担や心理的労力を極限まで軽減してあげる事で、
脳の考える機能を廃用させてしまうとどうなるでしょかう?
これが魅惑術で誘導したい
相手の意識状態です。
「徹底的に相手の幸せを考える」
「徹底的に相手を守る」という自分のスタンス、立場を
明確に心がける事で、相手の理性と警戒心にも怠けてもらうのです。女性のエスコートと
は、つまり口説いている相手に心理的な集団的無責任を引き起こさせるように導く事であ
り、それがまさにラポールの技術そのものなのです。
この技術を、この後の Unit でさらに勉強していきましょう。
ポイントの確認
※ ラポールの基本は同種族、つまりは似た者同士
※ ラポールが形成されると言葉の影響力が大きくなる
※ 論理的な信頼と人間的な信頼(何を言うかよりも誰が言うか)
※ 両親(育ての親)とは生得的にラポール関係にある
※ 尊敬・敬服している人とは既にラポール関係にある
催眠誘導や魅惑術におけるラポールは、通常使われる意味での、いわゆる“信頼関係”と
は少々異なります。ある種の主従関係がなくては、決して上手くいきません。それがある
からこそ、被術者は術者の誘導に自主的に、そして心地よく付いて行こうと感じるのです。
それはちょうど、先生と生徒・師匠と弟子・医師と患者との間にある信頼関係、あるいは
もっと平たくいうとタクシーの運転手と乗客、のような関係です。ですから相手に対し気に
へつら
入られようとするあまり、日和見や 諂 い、迎合をしては決していけません。
自分がどの場面で、どのように対処すれば良いのかをこれから一緒に学び、毅然とした態
度で、毅然と誘導できるようにしていきましょう。すると、あなたの信頼はいつしか頼り
がいになり、頼りがいはいつしか恋愛感情に発展してきます。
〔 信頼 = ラポール = トランス = 頼りがい = 恋愛感情 〕
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