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未払賞与、通知なければ損金と認めず
◉週刊T&Amaster 商品概要 https://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_2531.html ☎0120-6021-86 見本誌請求 http://www.lotus21.co.jp/mihonsi.html 立ち読みコーナー http://www.lotus21.co.jp/ta 税務 未払賞与、通知なければ損金と認めず 裁判所、給与規程などによる周知のみでは “ 通知 ” があったとはいえず 原告法人の職員に対する未払定期 賞与の損金算入時期が争われた事 件で原告法人敗訴(東京地裁平成 27 年 1 月 22 日判決・控訴あり)。 地裁、支給額の通知(法令 72 の 3 二)は職員ごとの支給額を決定し たうえで職員に表示することが必 この点に関し原告法人は、職員に周知さ れている給与規程などにより、所定の計算 式に従った金額が定期賞与として支給され ることを職員は本件事業年度末時点で了知 していたと指摘。さらに、原告法人は、職 員が定期賞与の金額を自ら計算することが 可能であったことなどを指摘し、本件事業 要。給与規程などの周知のみでは 年度末時点で支給額の通知をしていたこと 通知があったとはいえず。 になると主張した。 しかし、この主張に対し裁判所は、支給 8 使用人賞与の損金算入時期に関し法人税 額の通知(法令 72 の 3 二)といえるために 法施行令 72 の 3 第 2 号では、「①支給額を は、法人において個々の使用人ごとの具体 各人別にかつ同時期に支給を受けるすべて 的な賞与の支給額を最終的、確定的に決定 の使用人に対し通知していること、②通知 したうえ、これを使用人に表示することを した金額を通知したすべての使用人に対し 要するという判断の枠組みを示した。 通知した日の属する事業年度終了日から 1 本件定期賞与について裁判所は、支給割 月以内に支払っていること、③支給額を通 合は基本的には在職期間などに応じて決ま 知した日の属する事業年度で損金経理して るものとされているが、業績などにより支 いること」という 3 つの要件をすべて満た 給割合が変更される余地が残されている点 していれば、使用人賞与が未払いであって を指摘。さらに、裁判所は、単に給与規程 も、支給額を通知した日の属する事業年度 および内規などによる所定の計算式が存在 で損金に算入できる旨が規定されている。 することを知るだけでは、賞与の具体的支 今回紹介する裁判事例で問題となったの 給額を知ることができるとはいえないと指 は、原告法人が職員に対し本件事業年度の 摘した。そのうえで、裁判所は、定期賞与 翌日以降に支給した定期賞与を本件事業年 に関する規程などが原告法人の職員に周知 度において損金算入することができるか否 されただけで通知があったとはいえないと か。より具体的には、原告法人が本件事業 したうえで、原告法人が本件事業年度の翌 年度において職員に対し賞与支給額を通知 日以降に支給した定期賞与は本件事業年度 していたといえるか否かが争点となった。 で損金算入することはできないと判断した。 こちらの記事を含む最新号の見本誌を無料で進呈しております。下記よりご請求下さい。 No.589 2015.4.6 見本誌お申し込みページへ