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Pymol

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Pymol
Pymol の使い方
個人的に学んだ Pymol の使い方をまとめてみました。基本的にはマウスを使った操作方法(コマ
ンドを使わない)をまとめました。
0. 何はともあれまず Pymol 用の directory をつくる
ディレクトリーのパスにはどこにも日本語が入らないように注意。
(日本語が入っていると pymol 本体から pdb を読み込めないことがある)
そのディレクトリに pdb ファイルを保存。
作った png ファイルなどはこのディレクトリに保存される。
pov ファイルを出力する際(後ででてくる)にも、ここに make_pov.py ファイルを作るのでこのディ
レクトリを切ることは重要です。
1. Pymol software をダブルクリックで立ち上げる
勿論、[スタート]→[すべてのプログラム]→[pymol]でも立ち上がります
pymol console, pymol GUI, pymol viewer が立ち上がる
2. ファイルを読み込む
[file]→[open]→(current directory)→(your favorite file.pdb)
立ち上がらない場合、パスの中に日本語が入っていないか確認
default なら構造は line で表示されます(下は 1uas を立ち上げた図)。
External GUI
name panel
Internal
GUI
Viewer
3. 基本操作
基本操作の多くは external GUI, internal GUI で操作可能。
残基の選択、分子表示法の変換は internal GUI で行う
背景色、トランスペアレンシー、cartoon の設定、原子間距離の測定などは external GUI で行う
3.1 表示方法を変える
internal GUI の name panel で操作する
name panel は下のように表示されているはず。
A (action, command 入力無しでいろんなことができる), S (show, 表示したい方法を選ぶ),
H (hide, 表示されているものを消す), L (label, 原子、残基にラベルを付けます), C (表示色
を変えます)
以後、残基、原子を選択するとこの name panel に選択したものが表示されます。
all はすべての分子、pdb ファイル名(ここでは 1uas)はその分子のみを操作できる。
例)line を消して、cartoon 表示にしたい。
H (hide)ボタンをクリック {lines}を選択→line が消えます。
H ボタンクリック {nonbonded}を選択→水分子 etc が消えます。
S ボタンクリック{cartoon}を選択→cartoon 表示されます。
それ以外の表示は S ボタンの中から自分で好きな表示方法を選択できます。
もし cartoon 表示を消したいなら H ボタンから{cartoon}を選択すれば消えます。
3.2 マウスを使う
マウスでできる操作は internal GUI の下に表示されています。
✗ 右クリックを押しながらマウスを動かすと図を回転させることができます。
✗ ホイールボタンを押しながらマウスを動かすと上下左右に動かすことができます。
✗ 右クリックで拡大・縮小ができます。
✗ ホイールボタンでスラブ表示が可能です。
マウスを使った特定残基の選択については「特定残基の選択」で説明します。
3.3 特定残基の選択
3.3.1 シーケンスから選択する
external GUI の[display]→[sequence]を選択→viewer の上部にアミノ酸配列が表示さ
れます。選びたい残基をシングルクリックで選択可能です。
3.3.2 表示分子から選択
表示分子の中から選びたいところを左シングルクリック
下のように viewer に表示されます。name panel には(sel01)と表示されます
選択された残基
選択された残基
name panel, sel01 の A をクリック{rename selection}で名前を付けておくと後々選択
数が増えたときに混乱が避けられるので便利。間違って選択した場合、name panel の
A ボタンの中の{delete selection}で選択解除が可能です。
このように表示されるのでキ
ーボードで好きな名前を入力
して Enter キー
3.3.3 コマンドで残基を選択する
select Trp16, /A/16/
で mol A の 16 番目の残基が Trp16 という名前で選択され name panel に登録されま
す。
ここで A は 1uas の mol A という意味。
もし
select Trp16, 16/
と入力すると Trp16 の他に水分子の 16 番も選択されてしまうので注意が必要。
また、もし多量体の分子を表示している場合、すべての protomer の Trp16 が選択され
てしまうので注意が必要です。かならず A 分子を指定する必要があります。
(Tip 1, ある2次構造エレメントだけを選択する)
分子中のへリックス構造のみを選択してみましょう。
select helix, ss h
これで分子中のヘリックスが選択できます。
同様に
select strand, ss s
select loop, ss l
(Tip 2, 分子中の特定の種類の残基を選択する)
select Asp, resn asp
これで分子中のすべての Asp 残基を選択できます。
(Tip 3, 残基番号 1 から 15 までを選択する)
select 1-15, 1-15/
1-15 までを 1-15 という名前で選択しました。
(Tip 4, Cα を選択する)
select Ca, name ca
分子中(pdb ファイル中)で ca と名前の付いた原子を Ca として選択します。
'Ca'の部分は簡単に応用できますね。
(Tip 5, バックボーンの選択)
select bb, name c+ca+n+o
Tip 4 の応用編です。
3.3.4選択した残基の表示
name panel 中から 3.1 に従って好きな表示方法で分子を表示できます。
また viewer もしくは上で説明した sequence を直接右クリックすると下のような表示がさ
れるので[show]→[residues]→[sticks]などで表示できます。
3.4 原子間の距離を測る
距離を測りたい残基を stick もしくは line で表示しておく。
原子間の距離を測定するためには external GUI の[Wizard]→[Measurement]を選びます。
(右上に please click on the first atom の表示が出る)
二つの原子のうちひとつめの原子を control キーを押しながら右クリックで選択 。
(右上に please click on the second atom の表示が出る)
ふたつめの原子を同様に ctrl+右クリックで選択。
まだ測りたいところがあるなら同様に続けます。もしこれで終わりたいなら、{Done}をクリック
します。(白点線で囲った部分)
3.5 ある残基 X から Y Ẳ 以内にある残基、原子を選択する
対象となる残基 X を選択しておきます。
name panel にその残基が表示される。ここでは 1uas の Asp130 から 5 Ẳ 範囲内の残基を
表示してみます。
select D130, A/130/
name panel の D130 の A ボタンから{around}を選択。
ここで residue within 5 A を選べば 5 Ẳ 内の残基を選択できます。atom within 5 A を選べ
ば、5 Ẳ 内の原子を選択できます。ここでは残基を選んでみます。
これで name panel の D130 は Asp130 から 5 Ẳ 内の残基を選択しています。S ボタンで
{sticks}を選べば、stick 表示してくれます。
もし D130 は Asp130 だけの選択にしておきたかったら、D130 の A ボタンから{duplicate
selection}を選択して D130 を複製しておきましょう。
3.6 Cα で二つの分子を重ねる
align prot1////ca,prot2
prot1, prot2 のところに重ねたい分子の名前がそれぞれ入ります。
しかし私はこの機能で分子を重ね合わせたことはありません。通常
DaliLite(http://www.ebi.ac.uk/DaliLite/)を使います
3.7 保存された残基で重ねる
External GUI の[Wizard]→[Pair Fitting]をクリック
最初に動かしたい方の分子の重ねる原子を Ctrl+右クリックで選択
次に相手側の対照となる原子を同様に選択
Wizard 画面の Fit x Pairs(灰色のボタン)をクリック。
pair_fit prot1///11-26/CA, prot2///34-49/CA
のコマンドで prot1 の残基番号 11-26 の Cα、prot2 の残基番号 34-49 の Cα を重ね合わ
せることができます。
3.8 作業ファイルの保存
External GUI の[File]→[Save Session]で保存可能です(.pse ファイル)。また作った絵(画
面)を External GUI の[Scene]→[Store]→[F1-12]で.pse ファイル内に保存可能です。(す
なわち 12 個の画面を.pse ファイル内に保存できる)もちろん、保存した画面は.pse ファイル
に含まれるので、画面を保存した後は必ず、[Save Session]を行う。.pse ファイルに保存し
た画面は[Scene]→[Recall]→[F1-12]で呼び出せます。
4. その他、格好いい絵を作るために
ここから先は個人的趣味がかなりはいっています。
(hint) もしコマンドをコピペして使いたい場合、Viewer にはペーストができないので、external
GUI にペーストして Enter キーを押す。
4.1 背景色を白にする
set bg_rgb=[1,1,1]
or
bg_color white
で白くなります。
また External GUI からも設定できます。
[Display]→[Background]→[White]
4.2 全体像の作製
個人的には全体像の cartoon 表示では rainbow (name panel, C から選択可能)highlight
([Setting]→[Cartoon]→[Highlight Color]で設定)にするのが好き。
secondary structure ごとに色を変えたいなら、
color red, ss h
color yellow, ss s
color green, ss l+''
で好きな色に設定できる。
4.3 cartoon に stick モデルで残基を表示する
External GUI の[Setting]→[Cartoon]→[Smooth loop]のチェックは外しておく。残基が浮い
たように描かれる。
[Setting]→[Cartoon]→[Side Chain Helper]を選択しておくと主鎖の CA, C, O, N を自動的
に消してくれる。
4.4 ball & stick 表示
default で ball & sticks は用意されていません。
name panel の A ボタン{preset}の中にはありますが、個人的には非常に使いにくい。
色を変えるのが面倒くさい。
私は stick を細くして sphere を小さく表示することで、ball & stick を示しています。
set stick_radius=0.15
set sphere_scale=0.15
とコマンドを入れて、stick 表示と sphere 表示すれば ball & stick 様で表示できる。
4.5 surface だけ色を変える
surface だけをグレーにして、トランスペアレンシー表示し、中の残基を stick 表示(color by
element など)にしたい。
set surface_color, gray
こんな絵が作れます。
4.6 高解像度の Ray (PNG ファイル)をつくる
通常の Ray は External GUI の Ray ボタンでできる。
影を消したいなら[Setting]→[Rendering]→[Shadows]→[None]を選択
set ray_shadows, 0
のコマンドでも可能。
もっと大きい絵を作りたいなら以下のコマンドを入れる
set
set
set
ray
png
ray_trace_fog,0
ray_shadows,0
antialias,1
1600,1200
img.png
img というファイル名で最初に作ったディレクトリに png ファイルが保存されます。
'ray 1600, 1200'の行で画像サイズが変えられる。
surface で表示したファイルは ray に非常に時間がかかり、かつかなりの頻度で PC がフリーズし
てしまうので注意。
4.7 Stereo view の図をつくる
set antialias, 1
ray angle=-3, 1600,1200
png image1.png
ray angle=3, 1600,1200
png image2.png
4.8 作製した絵を POV 形式で吐き出す
make_pov.py を使います
current directory に make_pov.py を作製します。
以下のファイルをテキストに張り付けて current directory に保存する(make_pov.py)
*********************************************
# make_pov.py
# Do "run make_pov.py" from within pymol and then execute the
script
# with "make_pov('povray.inp')" to create the povray.inp file.
#
# written by Robert Campbell 2003
#
from pymol import cmd
def make_pov(file):
(header,data) = cmd.get_povray()
povfile=open(file,'w')
povfile.write(header)
povfile.write(data)
povfile.close()
**********************************************
External GUI から[File]→[Run...]選択
make_pov を選択する。
(これで pythron が動きます)
make_pov('file.inp')
と入れれば pov 用のファイルを作製してくれる。
あとは吐き出された pov ファイルを Povray で処理。
影を消したいなら inp ファイルに”shadowless”を挿入するのをお忘れなく。
霧をかけるなら inp ファイルを povray 上で書き足す。
fog {
distance 10
fog_type 2
fog_alt 10.
fog_offset -160.
up <0.,1.,.4>
colour rgbt<1.0, 1.0, 1.0, 0.1>
turbulence 0.8
}
参考
DeLano, W.L. The PyMOL User's Manual (2002) DeLano Scientific, San Carlos, CA,
USA.
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