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山﨑慶寛さん
Daito law News letter Vol. 10 -平成 27 年度司法試験合格者ご紹介- 実は三振して、司法試験受験から一度撤退して います。受験制度変更により、法科大学院修了後 5 年目に「敗者復活」で受験し、合格しました。 法曹の道の目指したのは、曾祖父が裁判官とい う環境もありますが、大学で法学部に入ってから の後付けで、小学 5 年生以降は、プロサッカー選 手を目指していました。私は、法曹というのは、 人の気持ちや行動、欲望や愛、愛がどういうふう に人を動かすのか、欲望がどういうふうに人を制 御してしまうのか、それらに深く関われるものだ と考えます。事実は 1 つなんだけども、実際には 法廷にてその事実を明らかにするために当事者 は本当に真剣に戦う、全生命を賭けている、法廷 に対する強い思いが渦巻いている、そこに強く引 き付けられます。法廷で一緒に戦っていきたい、 人の根源に深く関わり、人を知りたい、このよう な形で社会に参加したい。職業を決めるなら法曹 しかないと考えたのが、法曹を目指した一番の動 機です。 仕事をしているので、勉強時間確保には苦労し ました。私は、 「5 時-9 時(21 時)勉強法」を 行っていました。仕事の行き先や始業時間問わず 朝 5 時に起き、5 時半には家を出る。始業前、休 憩時間中、そして終業後帰宅するまで、喫茶店や 24 時間営業のお店、街のベンチ、駅のホームな ど、場所を問わず時間を惜しんで勉強しました。 しかし、21 時過ぎに家に帰ると、何もしません でした。休日に一日中勉強できる日は、午前中あ る喫茶店で 3,4 時間勉強し、昼ご飯は雪の日でも 移動中に済ませ、また別の喫茶店やファストフー ドのお店で 3,4 時間勉強していました。移動時の みを休憩にし、学習時間を捻出していました。 試験勉強において苦戦したのは、憲法です。特 に、「書き方」です。対立している人達の意見を 全部書かなければいけない。私は論文を書く時間 配分が非常に苦手でした。論文全体にも言えるの ですが、始めのほうは詰まって、終わりのほうは 急いで駆け抜ける。答案構成のところで「あの事 も書いておけばよかった。 」と尻切れトンボの答 案を乱発、よく後悔をしました。書くべきことの 取捨選択も下手でした。10 種類ぐらいの文章が 頭の中浮かび、その中で 2 つだけ書く必要があ やまざき 山﨑 慶寛さん (平成 22 年度修了) る。では、どれを選ぶのか。規制とその理由も含 め、取捨選択、重要性の判断など、憲法が一番苦 労しました。論文に関しては模試を受けず、自分 で過去問を購入し、時間を決めて解き、見直す。 それをひたすら繰り返していました。 最後のチャンスである今回が今までと一番大 きいな違いは、気持ちです。追い詰められ度合い が格段に違いました。 今後については、裁判官を志望しています。私 は 33 歳ですが、山本和敏先生(元・本法科大学 院教員)とお話させていただいた際、「年齢や司 法試験の成績、学部の成績も一切関係が無い。入 ってからが勝負である。本気でやれば可能性は残 されていると、だから裁判官を目指すのなら、頑 張りなさい。」と言っていただきました。 法曹、裁判官になる夢は、どこかの時期で本気 で目指し、全て巻き込みながら突き進まなけれ ば、実現できないと考えます。 よしひろ 日本大学法学部法律学科 卒業 2