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糖尿病患者さんや透析患者さんでは、足の病気を 引き起こすリスクが高く
監 修: 永寿総合病院 糖尿病臨床研究センター センター長 渥美 義仁先生 糖 尿病患者さんや透析患者さんでは、足の病 気を 引き起こすリスクが 高くなります。重 症化すると、 足を切断しなくてはならないおそれもあります。 足を守るためには、まずは足を毎日しっかり見て、 手入れをすることが 重 要で す。行きたいところへ 行くためにも、毎日の 生 活を支える足の 手入れを こまめに行いましょう。 あし は た い せ つ あ しをチェック 毎日、明るい場所で しっかりチェック! 傷、ヤケド、皮膚の変色、 足や爪の変形がないか よく確認。 足の裏も鏡を使って忘れずに。 家族に見てもらったり、 手で直接触れることも大事。 水虫やウオノメ、タコが あったら自分で処置せずに 医師や看護師に相談を。 し っかり靴選び は いる前に 温度の確認 足に合った蒸れにくい靴を 選ぶ。 高いヒールや 先端のとがった靴は避け、 足に合ったものにする。 靴を履く前に、小石などの 異物が入っていないか 確認する習慣を。 足首と靴の間に 大きな隙間ができない よい靴 の 条件 サイズが合ったもの 入浴時は必ず、手でお湯の 温度を確かめる。 暖房器具は身体から 離して使う。 足の甲が 圧迫されない 爪先があたらない ヒールが高くないもの 湯たんぽ、 カイロは用いず、 靴下で暖かく する。 た ばこをやめる い つも靴下を履く 糖尿病と診断されたら 禁煙! (タバコは動脈硬化を 進展させ、血流障害を 悪化させます) 通気性のよい素材で、 しめつけないものを選ぶ。 白い靴下なら出血を容易に 発見できる。 あ し は た い せ つ( 足 は 大 切 ) せ いけつを保つ 足の裏や足のゆび(足趾) の間も丁寧に洗う。 つ めの手入れ 【爪の切り方】 爪の先端を 真っすぐに切る 両角は少し丸める 程度にとどめ、 深爪をしない 洗った後は清潔なタオルで 水分をしっかりふき取る。 最後にヤスリをかけ 滑らかにする まず、爪の状態を しっかりチェック。 乾燥してひび割れしやすい ところにはクリームを塗る。 伸びた爪はケガのもと。 こまめに手入れを! 切りにくい場合は無理に 自分で切らず、 医師や看護師に相談する。 ) と覚えて毎日の生活にとりいれてください 糖尿病患者さん・ 透析患者さんの足病変 糖尿病および透析患者さんに足病変が起こりやすい 主な原因に“ 神経障害”と“動脈硬化による血流 障害”があります。 高血糖状態が続くと末端(足)の知覚神経等に異常 が起こり(神経障害) 、痛みや熱さに対する感覚が 鈍くなります。そのためケガやヤケドに気づかず、 かいよう え そ ひどくなると潰瘍や壊疽にまで進んでしまいます。 また、糖尿病患者さんは全身の血管に動脈硬化を きたしやすく、足に動脈硬化が起こると血管が 詰まったり、狭くなったりして血流が悪くなる閉塞性 動脈硬化症を起こすおそれがあります。 もし、神経障害と閉塞性動脈硬化症を合併して いると、足の状態はさらに悪くなります。だからこそ、 糖尿病および透析患者さんは、足を日頃からこまめ に見て手入れをすることが重要です。 ご家族の皆様へ 糖尿病患者さんや透析患者さんには視力障害 や知覚障害が起こっていることが多いために、 自分自身で足をしっかりチェックしたり、自ら症状 を訴えるといったケースは多くありません。 ですから、ご家族の皆様も足の手入れのポイント を理解していただき、患者さんをサポートして あげてください。 あ し は た い せ つ 医療機関名 APG−367D− 2016年6月作成 (審)16Ⅲ081