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4つ星急流

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4つ星急流
川 は魚 の通 り道
海 に も川 に も、 た くさんの 魚 た
ちが す ん で い ます が 、 な か には 海
と川 の 両 方 に またが って す む魚 た
ちが い ます。 お iF月 の 食 卓 に欠 か
\ ・
せ な い サ ケ ・ マ スの 仲 間、 夏 ば て
の 妙 薬 ウナ ギな どです 。 川 の 味覚
の 王 者 ア ユ も子供 時代 は海 で 育 ち
ます。 これ らの 魚 た ち は 、 一 生 の
うちに海 と川 を行 き米す るので 「i亘
し回遊 魚」 と呼 ば れ て い ます 。 通
¬
し回遊 魚 に とって 、川 は大 切 な通
り道 で あ り、 か けが え の な い 生 活
の 場 な の です。 川 が な けれ ば生 き
て い け な い 魚 た ちの 生 活 を考 えて
み ま し ょう。
D:
0
表紙 の 写真
アユ 、サクラマス を対象 と して 、
青森 県 が 、水産庁 の 補 助 に よ り
野 内川 に設 置 した階段 式魚道
Q
し回遊 す る魚 た ち に は 、川 で 生 まれ て 幼稚 魚 が 海 ヘ トリ、 親 にな る と産卵 の ため に また川 へ 帰
って くるサ ケ ・ マ ス類 、 シ シ ャ モ な どの 11:1句 と、
幼 魚 が 川 へ 上 り、 親 に な る と産 卵 の た め に 中 ∼
j重
下 流 また は海 まで 下 るア ユ 、 ウナ ギ、 モ ク ズガ ニ な どの 仲 間 とが い ます 。 それ で は 、 日本産 の 主 な
通 し回遊 魚 が どん な生 活 を して い るの か を み て み ま し ょう。
生 後 1年 、川 で 育 ったの ち、 卜に雌 が ,毎 ヘ ドリます。
海 で もう 1年 過 ご してか メ
っ、春 ∼夏 に、 また川 に帰 り、
ll流 域 で秋 に産 llllし
ます 。
`
││で 生 まれ て 、不
り
位魚 か 1毎 ヘ ト ます 。 海 で 3∼ 51:
過 ごす と親 にな り、 秋 ∼ 冬に、 /liま れ た川 の 11流 まて
^り
11っ
て産り‖します。
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塾
一―
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夕 =く 、 1_
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ム
春 に、 海 か ら川 へ 11っ た 若ア ュ は 、岩や 小イギの あ る
瀬 で は、 なわは りをつ くり、 い わゆ る「 コケ」を食べ て
育 ち ます 。秋 に「落 ちアユ Jと な り、 中 ∼ ド流域 まで F
って産卵 します。
JL海 道 太平 洋 沿岸 の特 産 で、 1∼ 2月 に川 で
生 まれ る とす ぐ海 へ 下 って 育 ち ます。 2年 で親
にな る と、秋 に群 をな して川 の 中流 まで 11っ て
産 Jllし ます。
・二 は、 「口近 くまで川 を ドって
親力
化 した幼 生 は、海 へ 流
産り‖します。 お、
れ下 って育 ち 、稚 ガ ニ にな る と、 中流
│口
││を 上 りなが ら成 長 します。
域 までり
レフ トセ フ ァル ス
主 に、 中流 か ら河 │]城 で 育 ち、親 にな る と川 を ドリ、 深海 で産 ll「 します 。稚 魚 は、初‖
の 葉 の よ うな姿
で、 レプ トセフ ァルス と呼 ばれてい ますが、 変態 して シラ ス ウナ ギ とな り、群 をつ くって川 を上 ります。
日本の川 は、 い ま
ダムや堰 には魚道 を
わが国 には、 1級 河川 と 2級 河川 を合 わせ て2,739水 系が あ ります。 これ らの川 には、水や
上砂 をせ き止め るため の い ろ い ろな工作物 が た くさん造 られて い ます。 ここで は、種類や規
模 の 大小 を問わず、 それ らをまとめ て 「 ダムや堰 」 と呼ぶ こ とに します と、 ダムや堰 の うち、
ご く一部 に過 ぎな い高 さ15メ ー トル 以上 の ものだ けで も、 684水 系 に 2,850ヵ 所 も造 られて い
ダムや堰 を造 って も魚が通 れ るようにす るには、魚 の通 り道 を一緒 に造 らなければな りま
せ ん。 つ ま り、魚道 です 。 ただ し、造 りさえすれば よい とい う もの ではな く、 いつ で も魚が
通 れ るように、 日常 の 管 理が欠かせ ませ ん。
ます。 もっ と規模 の 小 さい もの も入れ ます と大 変 な数 にな り、 まさに 日本 の 川 はこ まぎれに
な って い るので す。
これ らの ダムや堰 は 、魚 の 回遊 を阻害 した り、瀬や淵 の形や位 置 を変 え るな ど、 さまざま
な面 で 魚 た ちの生 活 と漁 業 に影 響 して い ます。 た しか に、 ダムや堰 は各種 用水 の 安定供 給 や
洪水 の 防止 に大切 な役 目を して い ます が 、 一 方 で は、川 にすむ魚 た ちを 「通せ んぼ 」 して い
るの です。
日本 の 川 とそ こにすむ魚たちが い まどうなって い るのか 、私 たちは もっ と関心 を もつ 必 要
下 の 図 は、 ア ンケー ト調 査 に よ
が あ るので はな い で しょうか。
って 、川や 湖 で 漁業 を して い る人
達 の ダム建 設 に対す る要望 をま と
め た もので す。 第一 位 は「魚道 の
鰤y ⑬ 凛
多摩川利水模式図
設置 」 で した。 しか し、現状 で は、
わが 国 の ダムや 堰 の うち、 とに も
ム
ダ
か くに も魚道 が造 られて い るの は、
堰
ご くわず か しか あ りませ ん。 しか
水道用取水
も、 その うち壊 れ た り埋 まった り
発電所
して、役 に 立って い な い もの も少
な くな いの です 。
わぁ、川に│よ
ダムや堰が
こんなに沢山
あるんだね ′
二 ヶ領 上 河 原 1日
どう して川を
せきとめるの
か しら ?
二 ヶ領 宿 河 原 1日
ど
゛
ぅ゛
調布 取 水堰
(水 産庁 資料 ・昭和 59年
神奈川県
サクラマスが一生 懸命 はねて
い ますが これで は上れ ません
)
魚道 の いろ いろ
魚道 には、魚が 自力で Lる こ とがで
階段 式
きる型 と、 自力では上 れ な い型 とが あ
りますが、近 年 は、 自力通過型 の 魚道
全面 式
力
星垂
が 要望 されて い ます。 さ らに、 ダムや
堰 の 近 くまで回遊 して きた魚が迷 わず
ら
せん式
に魚道 の入 日 を見付 られ るように、 ま
た構 造や通 水量 を魚が泳 い で通 りやす
い ようにす るな ど、 さまざまな工夫 が
導壁 式
こ らされて い ます 。最近 では、 通水量
を コ ンピュー ターで 自動調節す る魚道
舟 通 し式
一 番 多 い型 の 魚道 で 、魚 は一
>
段 ず つ 階段状 の 水 た ま りを上 り
ます 。強 い流 れ に 向 か う魚 の性
質 を利 用 して 、 上 り 口 まで誘
導 す るよ うに 、「呼 び水 」を付 属
させ た もの もあ ります 。
も一 部 には造 られて い ます 。
それで は、 主 な魚道の型 を ご紹 介 し
間 門式
ま し ょっ。
自力で上
れない型
エ レベ ー ター式
(1奮
よ
T鰊
)
く
ダムや堰 の下 流 へ だんだん低
くな る隔壁 を並 べ て 、全面 か ら
魚 が 上 る よ う に工 夫 され た 魚
道 です 。 また 、 ダムや堰 の下 流
北 海道 見市川 の らせ ん式魚道
頃斜
側 をか まぼ この よ うな形 にイ
を緩 くした もの を全面 か まぽ こ
‖や
式 といい ます 。滋 賀 県 の姉 り
知 内川 な どに あ ります 。
階 段 式 魚 道 の 水 路 を らせ ん 状
に した もの で 、 高 い ダム や 比 較
的 狭 い 土 地 に も造 れ ます 。北 海
滋賀 県知 内川 の 全面 式魚道
道 南 部 の 見 市 川 な どに あ ります。
魚道は活 か して
平 坦 な斜 路 に 流 れ を横 切 つて
交 互 に壁 が つ け て あ り、魚 は 蛇
行 す る水 路 を泳 い で上 り ます 。
せ っか く魚道 を造 って も、壊 れた り、水 がかれた り、 上砂 で埋 まった りし
たの ではなん に
もな りませ ん。魚道 で一 番肝心 なこ とは、魚が上 るの に十分 な量 の 水が流 れ てぃ
るこ とで す。
豊 か な水 さえあれ ば、魚 たちは少 々の 急流 で も元気 に泳 い で上 ります。 とこ ろが
、大 変残 念
なこ とに、 管 理不 十分や L流 での大 量取 水 の ため 、水がかれた り、流 木や ゴ ミ
が 詰 まった ま
ま放置 されて い る魚道 を見 るこ とが 少 な くな いのが 実情 で す。
IIは 、急流が 多 く、雪解 け水や 台風 に伴 う豪 雨 に よって
わが 国 の 河り
魚道 の い たみが早 い の
で、 日頃の 管理 を怠 ると忽 ち無 用 の 長物 になって しまい ます。役 に立 ってぃ い
な 魚道 を見 る
こ と くらい むな しい こ とはあ りませ ん。 せ っか く造 った魚道 です か ら、ぜ ひ
活か して使 い、
元気 に泳 ぎ上 る魚 たちの姿 を見 た い もの です。
山形 県 寒 河 江 川 な どに あ り ます。
ゆ る く傾 斜 した水 路 を魚 が上
>
る方 式 の 魚 道 で 、舟 も通 れ ます 。
宮 崎 県 五 ヶ瀬 川 な どにあ ります 。
]流 木が詰まった魚道 C
■.=■ 掲
====薯 =饉 颯議論■=き ■■ぎ
間門式魚道
上 流 と下 流 にゲ ー トを設 け 、
そ れ を人 工 的 に 開 閉 しな が ら魚
を上 らせ る方式 の魚 道 で 、舟 も通
れ ます 。新 潟 県 信 濃 川 な どに あ
り ます 。
元 気 に段階 式魚道 を上 るサクラマス
山青 く、水清 き
川 には、通 し回遊魚 の ほかに も、
一生 をそ こで幕 らす た くさんの 魚
た ちがす んで い ます 。川で生 まれ、
川 で 育 ち、川 をす みか と して い る
よごさないで
ほしいなぁ
これ らの 魚 たちに とって も、 こ ま
ぎれ になった川 で種族 を維持 して
ダムができると
い くため に、魚 道 はか けが えの な
い役 目を果 た して い ます 。
先祖 か ら受 け継 い だわが │コ の 山
は<た ちだつて川を
河 は 、私 たちが守 らなければな り
上 つた り下 つた り
ませ ん。青 い 山 と、清 い水 と、 そ
魚道があれ ば
だいじようぶ
だから、ぼ<た ち
みんなにとつて、
魚道 は大切なんだね
して水 にす む数 え切 れ な い魚 たち
蚊の退治なら
おまかせ /
との触れ 合 い を、 か って私 たちが
楽 しんだ ように、 これか ら生 まれ
て くる子供 たちに もその権 利 を残
してお くこ とは、現代 に責任 を も
つ 大人たちの 義務 で はな い で しょ
うか 。
こ│ま
ずいぶん
いろいろな
生きものが
いるんだね /
ょく似てるけど
アメリカ生まね
││‖
つれるかな?
魚道があるから
出 して上 まで
1安
ぼれるよ
地震がきそうな
ダンスでメス
│の
そ って い る
予
‘
,
ヽ
い<つ わかるかしら?
また
ナマズさ
□ぐせ が
カラスガイさん、
をよろしく
カ マツ ヵ
'口
卵を産みに
川へ上ります
ζ
覆
クサ フ グ
ヤ マ トシ ジ ミ
守 っ て もら うと
考え たね ′
イ シ ガイ
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