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自走式土質改良機技術資料 - 一般社団法人 日本建設機械施工協会
自走式土質改良機技術資料 社団法人日本建設機械化協会 施工部会 建設副産物リサイクル委員会 平 成 22 年 1 月 5 日 「建設副産物リサイクル委員会 自走式土質改良機技術資料」 目次 1. 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2. 自走式土質改良機の特長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 3. 2.1 装置構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.2 特長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.3 定置式プラントに対する優位性・・・・・・・・・・・・・・・2 2.4 混合装置による特徴比較表・・・・・・・・・・・・・・・・・3 自走式土質改良機による施工・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 3.1 施工フロー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 3.2 キャリブレーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 3. 3 施工上の留意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 4. 主要機種の仕様と特長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 5. 参考資料1:適用用途標準、品質管理の目安など・・・・・・・・・8 6. 参考資料2:稼働事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 参考(引用)文献 ・ 日本建設機械要覧 ・ 石灰安定処理工法 2007 (社)日本建設機械化協会 日本石灰協会 1.概要 国 土 交 通 省 に よ る と 工 事 現 場 外 に 搬 出 さ れ た 建 設 発 生 土 は 全 国 で 約 1 億 9,500 万 m 3 ( 平 成 17 年 度 )あ り 、こ の 内 工 事 間 で 利 用 さ れ た の が 排 出 量 の 約 30% で あ る 。ま た 工 事 に 使 用 す る 土 砂 の 建 設 発 生 土 利 用 率 は 62.9% と 、建 設 リ サ イ ク ル 推 進 計 画 2002( 国 土 交 通 省 ) に お け る 平 成 1 7 年 度 目 標 値 75% に 対 し て 未 達 と な っ て お り 、 他 の 建 設 副 産 物 が いずれも目標を達成している中、再利用の促進が求められている。発生土の利用におい て は 用 途 に 応 じ た 品 質 を 確 保 す る こ と が 重 要 で「 建 設 発 生 土 利 用 技 術 マ ニ ュ ア ル 」 (土木 研究所 編著)に詳細が解説されている。土質改良機は石灰やセメント等の固化材を用 いて土を所定の品質に改良するための機械であり、地盤改良・発生土改良・汚染土壌改 良等の目的に用いられ、原料土(改良前の土)の発生場所、発生量、処理施設までの搬 送 等 の 条 件 に 応 じ て 種 類 を 使 い 分 け 、主 に 自 走 式 、移 動 式 、定 置 式( プ ラ ン ト )、油 圧 シ ョベルなどのアタッチメントなどがある。 ここでは定置式プラント相当の改良品質が得られ、かつ機動性が高いことから近年採 用事例が増えてきている自走式土質改良機について特徴、主なメーカの機種、施工上の 留意点、実績例などを取りまとめる。 2.自走式土 質改良機の特 徴 2.1 装置構成 自走式は原料土を現地改良する場合に用いられ、プラントが建設できない狭隘地や堤防 等の長手方向への長距離移動が必要な場合でも現地施工が可能である。構造は走行装置部 分と作業装置部分とに分けられ、自走はクローラ形式で行うものが多い。作業装置部分は 工程の順に、 ① ホ ッ パ 装 置 ( 原 料 土 供 給 装 置 )、 ② 固化材貯留装置・供給装置、 ③ 処理装置(混合装置) ④ 排出装置 で 構 成 さ れ て お り 、こ の 他 に ア フ タ カ ッ タ 、篩 分 機( ほ ぐ し と 選 別 )、固 化 材 投 入 用 ク レ ー ン・記録装置等が必要に応じて装備される。作業装置および走行装置ともに油圧駆動が主 流である。 2.2 特長 ① 原 料 土 の 整 形 作 業 や 固 化 剤 散 布 作 業 を 必 要 と せ ず 、施 工 前 の キ ャ リ ブ レ ー シ ョ ン( 原 料土および固化材の供給量較正作業)を実施した後は連続処理が可能。 ② 原料土量の増減に比例した固化材の供給量を制御できる。 ③ 定置式プラントと同程度の安定した改良品質が得られる。 -1- ④ 原料土や固化材の量を確認できるので施工管理を行いやすい。 ⑤ 固化材は機械に搭載した貯留タンクから直接混合機に供給されるので飛散の懸念が 少ない。 ⑥ 自走式なので設置・撤収作業が簡便である。 2.3 定置式プラントに対する優位性 定置式プラントは原料土、改良土のストックヤードとしても機能させるため立地条件に 制約が大きく、発生場所および利用場所との間の運搬距離が問題となりやすい。自走式の 場合は機動性を活かして現場の近くまたは現場内でも簡易に設置・撤去が可能であり、か つ定置式プラントなみの改良品質を得ることができる。 定置式プラントでの改良土生産 プ ラ ン ト 設 置 に は 制 約 が 多 く 、現 場 近 く に 設 置 で き ない 現場 運搬 運搬距離 長 定置式プラント 現場 自走式土質改良機による改良土生産 現場 運搬距離 短 現場 自走式土質改良機 現場 現場の近くに設置しやすい。また複数の現場に対してストックヤードを 設けて、そこに設置して改良土を生産することも可能 現場 場内小運搬 自走式土質改良機 規模が大きい現場の場合は現場内設置も可能 -2- 2.4 混合装置による特徴比較表 表2-1 混合装置 施工概要 作業工程 混合装置による特徴比較 バックホウ スタビライザ 自走式土質改良機 対象地盤に固化材 対象地盤に固化材 固化材貯留装置を装 を散布し、バック を散布し、地盤上 備しており、原料土 ホウにより混合す を走行しながら装 ホッパに投入した材 る。均一な混合を 備した混合機で攪 料と固化材を設定し 行うために入念な 拌する。 た配合比率で連続的 施 工 が 求 め ら れ に混合し、ベルトコ る。 ンベヤで排出する。 原 料 土 の 整 形 作 原 料 土 の 整 形 作 原料土の整形作業、 業、固化材の散布 業、固化材の散布 固化材の散布作業が 作業及び混合作業 作業及び混合作業 不要。掘削した土砂 が必要。 が必要。 を連続的に混合する ことができる。 小規模現場に適す 大規模~小規模ま 大規模~小規模まで る。 で対応可。但し機 対応可(積込み用バ 械が走行稼動でき ックホウ、固化材置 る広さを確保でき 場が確保できるこ ること。 と )。現 場 が 狭 小 な 場 工事規模 合は、適切な場所に 作業ヤードを確保す ることで対応可能。 粉じん 固化材散布時、混 固化材散布時、混 周囲に対する粉じん 合作業時に発生。 合作業時に発生。 影響度は少ない。 ○ ○ 混合精度 ◎ (固化材供給制御あり) 施工管理 備 考 固化材の空袋管理 固化材の空袋管理 空袋管理以外にモニ および改良目的に および改良目的に タによる管理を行え 応じた管理項目に 応じた管理項目に る。 よる。 よる。 汎用性に優れてい 実績豊富。 機動性、混合性能お る。混合装置付き よび粉じんの発生し バケットも採用さ にくさなどから使用 れている。 実績が増加してい る。 -3- 3.自走式土質 改良機による 施工 3.1 施工フロー 自走式土質改良機の標準的な施工フローは以下の通りである。 自走式 土質改良 機 搬 出 自走式 土質改良 機撤 去 改良土搬出 土質改良 原料 土投 入 固化材投 入 キ ャリ ブ レー シ ョ ン 原料 土搬 入 自走式 土質改良 機 設置 自走式 土質改良 機 搬 入 3.2 キャリブレーション キャリブレーションは、固化材と原料土に対して行われる。 固化材や原料土について、機械の測定値と実測値を比較し、整合するように調整する作 業である。 機械を設置した際、あるいは固化材や原料土が変化した際などに行われる。 3.3 施工上の留意点 ① 設 置 に あ た っ て は 、自 走 式 土 質 改 良 機 本 体 、固 化 材 、バ ッ ク ホ ウ の ス ペ ー ス が 必 要 で ある。 ② 所定サイズ以上の石や礫は、事前に除去することが必要である。 ③ 自 走 式 土 質 改 良 機 は 固 化 材 を 取 り 扱 う の で 、日 々 の 稼 動 後 に 十 分 な 清 掃 、メ ン テ ナ ン スが必要である。 ④ 作 業 量 、固 化 材 添 加 量 や 種 類 は 、原 料 土 や 固 化 材 に よ っ て 大 き く 変 わ る の で 注 意 が 必 要である。 ⑤ 固 化 材 の 取 り 扱 い に 当 た っ て は 、固 化 材 メ ー カ か ら の 取 り 扱 い 注 意 事 項 、法 令 事 項 に 従うこと。 ⑥ 固 化 材 の 取 り 扱 い に 当 た っ て は 、小 型 移 動 式 ク レ ー ン 運 転 技 能 講 習 修 了 証 、玉 掛 け 技 能講習修了証の取得が必要である。 ⑦ 自 走 式 土 質 改 良 機 の オ ペ レ ー タ は 、車 輌 系 建 設 機 械 運 転 技 能 講 習 の 修 了 証 を 取 得 し た 者であることが望ましい。 -4- 4.主要機種 の仕様と特長 4.1 BZ210-1( コ マ ツ ) コマツ BZ210BZ210 - 1 メーカ コマツ ソイルカッタ+3 軸 ロータリハンマ 混合方式 +アフタカッタ 混合機 BZ210-1 型式 外観 最大許容塊 mm 200 混合機内部 kg 20,500 添 加 材 ホッパ容 量 m3 3.0 全長 mm 13,210 最大 m3 150 全 mm 2, 50 mm 500 全 mm 最 mm 走行部 主 要寸法 運転質量 , 00 3,1 0 ー k 3 0 m 3.2 コマツ エンジ ン タン 00 102 -2- 容量 k m 容 10 5. 1, 50 タン 3 2 0 m ーン ーンフ ー 長 m 2. 3 1. 1.05 3 .5 2. . 0 混合メカニズヘ 機械特長 混合機にはサイルカッタ、3 大型ロータリデンマ、アフタカッタを採用し、広 囲にわ たる建設発生土を改良できる。 混合モードは 4 土質に (G モ ー ド 、 H モ ー ド 、 M モ ー ド 、 L モ ー ド )に 切 り 適な混合性能を発 する。 -5- えられ、分 ・ 4.2 SR-G2000( 日 立 建 機 ) 日 立 建 機 SR - G2000 メーカ 機 混合方式 混合機 - 2000 型式 外観 最大許容塊 2 軸 パ ル mm 150 混合機内部 kg 1 , 00 添 加 材 ホッパ容 量 m3 3.0 全長 mm 12,500 最大 m3 135 全 mm 2, mm 500 k 5 0 走行部 主 要寸法 運転質量 全 mm 最 ,355 3, mm 5 300 m エンジ ン - B 1 k ー m 容 タン 容量 1, 50 5.3 2.0 . 230 タン 1 3 m ーン ーンフ ー 長 m 2. 1. 1.2 3 .0 2. 5 . 混合メカニズヘ 機械特長 2 に配置されたパドルがお いに き せながら混合、搬送できる 2 式を採用し、混合時間を確保することで十分な混合ができる。 -6- パドルプキサ方 4.3 MR126( キ ャ タ ピ ラ ー ジ ャ パ ン ) キャタピ キャタヒ ゚ ラージ ラーシ ゙ ャハ ゚ ン MR126 メーカ タ ゚ - パン 混合方式 混合機 12 型式 外観 最大許容塊 軸 mm 100 混合機内部 kg 2 ,000 添 加 材 ホッパ容 量 m3 3.0 全長 mm 12, 00 最大 m3 120 全 mm 2, mm 00 mm , k 3 mm 50 走行部 主 要寸法 運転質量 0 全 最 0 3,150 ー m 312 B- 混合 3.0 2- エンジ ン タン 500 容量 k m 容 1 0 1, 00 タン .2 310 m ーン ーンフ ー 長 m 2. 3 1. 1.03 3 .5 2.5 . 混合メカニズヘ 機械特長 土砂の流れに対し、攪拌 なった混合方式の 発 を直 み合わせで、 に 配置した 土質をはじめ 自構造を採用。移動、せん 々な土質に対して 切削と の混合性能を する。 それ れの 転 度を順に高 で運転させるメカニズヘにより、 合が可能。 -7- 率のよい攪拌、混 参考資料1 「 適 用 用 途 標 準 」、「 土 質 条 件 に よ る 固 化 材 選 定 の 目 安 」、「 改 良 土 の 用 途 別 品 質 管 理 の 目 安」をそれ (出 国 表 309 れ表 -1、表 -2、表 -1 「発生土利用 、表 - 2 、表 -3に す。 準 に つ い て 」平 成 1 年 -3 月 10 日 付 国 技 112 、 団法人土木研究センター 「発生土利用促進の た め の 改 良 工 法 マ ニ ュ ア ル 」) -8- -9- - 10 - 材 生 石灰 混合 効果 - 11 - 石灰系 固化材 材 料 改良 セメント系 固 化 材 土質 分 類 ・ 性状 良 高 炉 セメント 普 通 ポルトランドセメント 材 良 改 改良 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 - 12 - 参考資料 稼動事例 コマゼ - 13 - - 14 - - 15 - 稼動事例 日立建機 - 16 - - 17 - - 18 - - 19 - - 20 - - 21 - - 22 - - 23 - 稼動事例 キャタヌラーグャパン MR126 施 工 事 例 施工年月 平 成 16 年 6 月 工事 広 施工目的 ジヘ建設資材砂利プラントから発生した ジヘ ケーキを改良し 処 理 土 量 /日 200~ 300m 3 施工年月 平 成 17 年 5 月 工事 能 施工目的 地 立材として利用 工事 を切土運搬し、改良後、 土材として利用 処 理 土 量 /日 500~ 1,000m 3 施工年月 平 成 17 年 7 月 工事 施工目的 高 周 BL 保全のため、中性固化材を 用いた現場内リサイクル 処 理 土 量 /日 300m 3 施工年月 平 成 17 年 10 月 工事 上下 の 施工目的 上下 工事発生土を改良し、 削土壌改良 リサイクル材として利用 処 理 土 量 /日 300m 3 施工年月 平 成 18 年 1 月 工事 大 施工目的 処 理 土 量 /日 稼動 下流 掘削 内の建設発生土を改良 150~ 300m 3 - 24 -