Comments
Description
Transcript
THE SMILE TIMES 特 集
No,13 No,133 133 THE SMILE TIMES 平成 19(2007 (2007)年4月 20日(金)発行 0日(金)発行 発行者 小浜市多田 2-2 中山クリニック 院長 中山茂樹 http:// http://www.nakayama //www.nakayama clinic.jp 特 集 は 12.3 歳頃の少年がずらりと織機の前に座って織っており 4月8日から9日間、当院総務松井がトルコ共和国へ観 ました。しかし、トルコでは着飾った若い女、インドでは裸 光に行ったので、世界各国事情を知る一端となれば幸い 足で半裸の少年でした。共通するのは、いずれも指が細いと と、ここに報告させていただきます。 いうことで、でないと縦糸が密集した中へ指を入れることが できないのです。 兄弟の国 兄弟の国 総務 松井 正 インドはいまや世界の I T 王国になっているが、ヒンズー 教による2千もあるというカースト制を廃さない限り底辺 「 “昔、二人の兄弟がいましたが兄は東の方の日の出る土 の国民に幸せはないでしょう。今もあの奴隷のような少年た 地へ行って、白地に赤い日の丸を国旗として日本の国を作り ちは工業化に向かうインドの底辺で絨毯を織っているので ました。弟は西の方の日の沈む土地へ行って、赤地に白い星 しようか。 「トルコはイスラム世界では一番宗教に縛られな と三日月を国旗としてトルコの国を作りました” 私たちの い国です。それに何より農業国だから食料は完全に自給自足 国では昔話として皆知っています。だから日本とトルコは昔 なのです。 」とガイド嬢が初めて自慢げに言ったのが嬉しか から兄弟なのです。 」 った。日本の食糧自給率は 40%といわれています。どちら バスの中で、我々11 人のツアー客を相手にガイドを務め が安全、安心な国といえるのかな、と思ったものです。そし てくれた実に日本語のうまいトルコの女性(28 歳独身)か てふと“日はまた沈む”とつぶやいたものでした。 らそんな話を聞いて驚きました。我々日本人は殆どがその昔 本題に入ります。今回の観光で一番よかったのは私にはカ 話?を知らないからです。第一、大人でもトルコ共和国の国 ッパドギア=2・30m の林立する奇岩による自然の不思議で 旗を知っている者はどれほどいるでしょうか。 幻想的な風景、3 世紀半ば、ローマ帝国により迫害されたキ そういえば7世紀初め、日本からの遣隋使が、大和朝廷の リスト教徒たちがその岩をくり貫いて住処とし、彩色した壁 手紙として「日の出る国より、日の没する国に使いす、つつ 画を残した処。日本はその頃、歴史上の記録すらなかった。 がなきや」とか書かれた手紙を差し出したら、それを見て隋 次はパムッカレ=石灰棚が千枚田のように上下に広がる。裸 の国王が烈火のごとく怒(いか)ったというのを思い出しまし 足で歩いたが、かって写真で見てこんな自然があるのかな、 た。隋の国王は恐ろしく自尊心を傷つけられたのでしょうが、 と思ったのが今、私はその中に居るという感動を覚えた。次、 トルコでは自らそれを兄弟として、親日であってくれる。 ヒエラポリス=紀元前から後にかけて造られ繁栄した石造り 「トルコでは地震の度に日本と比較して、我が国の立ち後 の神殿、劇場、凱旋門、浴場など。ローマ帝国と並び称され れを反省しています。 」とも言ったし、また私のデジタルム た古代都市。そのほかトロイの遺跡(木馬) も感慨深かった。 ービー兼カメラを見て「日本はこんなすごい物を作っている のですね、トルコは未だに手織りの絨毯を一生懸命織ってい ます。 」とも言った。 なるほど、日本はカメラや、電気製品や、自動車を作り、 世界に冠たる工業国ではあります。それに比べ確かにまだト ルコは基本的には農業国です。何しろ、正味7日の間バスで 2000km以上も走りまくって、トルコの西半分を廻ったわけ ですが、通る道の 80%は丘陵地帯で畑があり、羊が群れを なしている。首都アンカラに 300 万人、イスタンブールには 1200 万人が住んでいて、人口 6500 万人の4分の1を2都で 占めている。国土は日本の倍もあるのに…。 先に話の出たトルコの絨毯を織る工房へも行って見まし たが、若い女の人が目まぐるしく手を動かし、絹糸の絨毯を 織っていました。太さが 0、5 ミリにも満たない糸を積み重 ねていくので、手が疲れるのと絹の光で目が疲れるのとで 3 時間ごとに休まねばならないということでした。15 年ほど 前、インドでも同じような絨毯の工房を見ましたが、ここで