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!11 母体から子へのダイオキシンの移行と 甲状腺機能への影響 !22 観測
次の一手 !11 母体から子へのダイオキシンの移行と 甲状腺機能への影響 ダイオキシンとポリ塩素化ビフェニル(PCB) は、血中の甲状腺ホルモン(T4:チロキシン) ダイオキシン 1 を運ぶたんぱく質と結合したり、肝臓の T4 を胆 肝臓酵素 (UGT1A)の活発化 汁中に排泄する酵素(UDP 1A)を多量に生成す 2 ることによって、血液中の甲状腺ホルモンレベル を減少させることが知られています。甲状腺ホル 出産 モンは脳の発達や分化に重要な役割を果たしてい 3 ることから、脳の発達過程における T4 の減少は、 胎児の脳の機能や形態に障害を引き起こすと考え 肝臓 血中甲状腺ホルモン (T4)の低下 血中甲状腺刺激ホルモン (TSH)の上昇 下垂体 妊娠ラット 仔ラット られています。 4 甲状腺過形成 母体がダイオキシンに曝露した時に生まれた仔 ラットの甲状腺への影響を調べるために、私たち は妊娠させたラットに少量のダイオキシンを口か ら与えました。生まれた仔ラットの甲状腺ホルモ ンの低下や甲状腺組織の変化は、胎盤を介するよ りも母乳を介してダイオキシンが仔に移行するこ とによっておこることを発見しました。次に、ダ イオキシン受容体(AhR) がない場合はダイオキ シンによる T4 の減少が起こらないことを遺伝子 正常ラットの甲状腺 ダイオキシン曝露ラットの 甲状腺過形成 欠損マウスを使って明らかにしました。 !22 観測ネットワーク、MODIS 衛星データ及び モデリングを用いた中国の生態系評価 我々は、中国における様々な生態系(草原:海北、畑地:禹 阜康 禹城 観測ネットワーク 城、水田:桃源、森林:千煙州、砂漠:阜康)を対象に、気象、 水文、土壌と植生に関する各項目の観測ネットワークを整備 し、熱、水と炭素フラックスを中心とした多くの生態学的要素 を観測しています。また、ウルムチと北京に地上受信局を設立 し、毎日数回の MODIS 衛星データを受信しています。受信 したデータをもとに、NASA が開発した画像処理アルゴリズ ムに従って MOD と呼ばれる画像解析結果(プロダクト)を 海北 桃源 作成します。これらのプロダクトは大気、海洋と陸地において 3 種類に分類されます。特に、陸地に関するプロダクト、いわ 地表面温度 植生指数 ゆる MODIS ランドプロダクトには、 地表面反射率(MOD09) 、 表面温度と放射率(MOD11)、土地被覆(MOD12) 、植生 指数(MOD13)、葉面積指数(MOD15)および純一次生産 量(MOD17)など重要な生態系要素を含んでいます。これ らの要素は地球環境を支配する陸面過程とその変動を理解する 上で大きな役割を果たすものと期待されます。最終的には、地 上観測データを用いて MODIS プロダクトを検証し、精密な 生態圏モデルを用いて広域な生態系の機能及びそれの変化を MODISランドプロダクト 陸面過程・生態圏モデル 評価します。 広域な生態系機能及びそれの変化の評価