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452 複数車線道路における白線の同時検出

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452 複数車線道路における白線の同時検出
複数車線道路における白線の同時検出
○長岡 孝太郎、胡 振程、王 臣豪(熊本大学)
1.はじめに
近年,実画像を用いた直接視覚ナビゲーション
システム(VICNAS)の開発が盛んに行われてお
り,正確な実画像上への仮想物体の投影(拡張現
実感技術の実現)が必要となっている .しかし,そ
のためには自車両の正確な位置を把握する必要が
あり,位置合わせ問題を解決しなければならない .
本研究は,拡張カルマンフィルタを用いて白線検
出することにより,道路中央と車両との距離,カ
メラ姿勢データを取得し,マップマッチング処理
後の車両位置を特定する手法により作成したモデ
ルを利用し隣接車線を推定し複数車線を持つ道路
にも対応させることを目的とする.
2.自車走行白線の推定
図 1 に従来の車線検知システムの全体の概要を
示す.
3.複数車線への対応
3.1 車線モデル
モデルの構築部では,検出処理を行うために必
要とされる初期モデルの定義を行う.設定される
モデルは,『初期の車線モデルを表す状態ベクト
ル Xd』である.このモデルは,各カメラパラメー
タ(L,X0, φ, α),および道路の一次,二次水平
曲率情報 C0,C1 から構成される.
T
uiL ,u iR  = g  L , X 0 , Φ ,α ,C 0 ,C 1 
uiL = f


x
u iR= f x
2
2
 vi − f y α   X 0−L
C0 f y h
C 1 f yh
−tanΦ

f yh
2 vi − f y α  6 v i − f y α 2
2
2
 v i− f y α  X 0
C 0 f yh
C1 f y h
−tan Φ

f yh
2 v i − f y α  6 v i − f y α 2


(1)
ただし i=1‥‥n とする
左右隣接車線の白線データの初期値は両側とも
に検出できた場合の自車線の白線データ uiL,uiR
を用いて以下の式により設定する.
u iL '=u iL −width i
uiR '=uiR widthi (2)
ここで uiL',uiR' は,自車線検出後の白線データ
であり, width i =uiR −u iL である.この値から左右
それぞれの隣接車線の位置を推定する.
3.2 特徴抽出処理
他車線は自車線よりも距離が遠く線が薄いため
図 2 のように中央点最候補画像では点があまり取
れず中央点候補画像ではノイズによる影響が大き
いため右モーメント画像を特徴点として隣接車線
の検出を行う.
図 1 車線検知システムの概要
この車線検知アルゴリズムにより,白線の存在
する一般的な車道においては,分岐部や複数の白
線の存在時を除き,十分な検出精度が達成された.
そのため,今後は,車線検知システムの技術応
用が重要な研究課題となると言える.
本稿では,複数車線での自車線以外の隣接した
車線の検出と信頼度推定を行う.
図 2 特徴点比較
3.3 信頼(安定)評価
自車線より推定された隣接する車線の推定モデ
ル Xd(p) と右モーメント画像とのマッチングを以
下の式で計算する.
N
N
P L= L , P R= R
(3)
ΔvL
Δ vR
ここで,PL, PR は左白線モデルおよび右白線モ
デルの信頼性を評価するスコアであり,NL,NR
は各モデルの左右 3 ピクセル内の探索で右モーメ
ント画像での候補点が検出できたライン数,
ΔvL,ΔvR は画像内に含まれる各モデルの高さ
(=探索したライン数)を表す.
隣接車線では自車線に比べ候補点が少ないが右
モーメント画像では白線以外のノイズは抑えられ
るためスコアが 10%以上になった際は白線として
信頼できるものとする.
4.実験結果
図 3 のような片側 2 車線の道路で実験を行った
結果を図 4 に示す.
図 3 実験画像
図 6 右モーメント画像
図4では自車線と推定されたモデルを黄色で隣
接している車線と推定された車線モデルをピンク
で表示している.また左上のピンクの数字は信頼度
スコアを表したもでであり左側が右モーメントを
用いた場合で右側が中央点最候補を利用した場合
であり上が隣接する左車線,下が隣接する右車線
をそれぞれ表している.
5.考察
今回隣接している右車線は中央点最候補を利用
しての信頼度推定では検出できなかったが右モー
メント画像を利用してのスコアが 10%を超えてい
るため隣接車線として検出できた.自車線に比べ検
出できる長さが短く情報が少ないためノイズを削
除しより正確にした中央点最候補画像に比べ右モー
メント画像を利用した場合のほうがスコアがよく
なったと考えられる.
6.おわりに
本研究では現在走行している車線検知に加えて,
走行車線と左右に隣接する車線の検出を行った.
これにより,走行車線の周辺環境が,道路領域で
あるか,非道路領域であるかの識別が可能であり,
識別結果と地図情報などを用いての車線数情報な
どから,走行車線番号の推定が可能である.
今後は車線の色や形状情報から車線変更である
か車線逸脱かの判別などを行っていきたい.
参考文献
[1]Romuald Aufrere, Roland Chapuis, Frederic
Chausse,“ A model-driven approach for real-time road
recognition”, Machine Vision and Applications, 2001,
pp. 95-107.
図 4 実験結果
[2]Y. Wang, D. Shen, and E. K. Teoh, “ Lane detection
using spline model ”,Pattern Recognit. Lett., vol. 21, no.
8, pp. 677-689, Jul. 2000.
[3] Dickmanns, E.D.; Mysliwetz, B.D.”Recursive
3-D road and relative ego-state recognition”Pattern
Analysis and Machine Intelligence, IEEE
Transactions on Volume 14, Issue 2, Feb 1992
Page(s):199 - 213
図 5 中央点最候補画像
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