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コンパクトなまちづくりのための公共交通政策 ~富山市の取組から

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コンパクトなまちづくりのための公共交通政策 ~富山市の取組から
調査
コンパクトなまちづくりのための公共交通政策
∼富山市の取組から∼
(財)
静岡総合研究機構 総括研究員 良
知 徹
人口が減少していく中で、コンパクトなまちづくりによって行政コストを削減するとともに、住民が
暮らしやすいまちを作ろうという考え方が広まりつつある。富山市の取組を中心に、コンパクトなまち
づくりのための公共交通政策について考える。
となる重要な政策の一つである。
1
コンパクトなまちづくりの必要性
少子化により人口減少が進み、都市の人口密度は
3
ヨーロッパにおける取組
低下していく。一方で、地方自治体の財政状況は厳
LRT(Light Rail Transit)1を中心とした交通政
しさを増しており、道路、病院、学校等の新設、維
策によりコンパクトなまちづくりを行い、中心市街
持管理やゴミ収集、上下水道の供給など行政サービ
地に活気をもたらしている例としては、ストラスブ
スの提供についての効率化が強く求められてくる。
ール(フランス)やフライブルク(ドイツ)などが
また、自動車中心の道路整備、大型商業施設の郊
よく知られている。
外出店、中心商店街の衰退、公共施設の郊外設置な
これらの都市では、中心市街地の外側にバイパス
どにより、町中に住み自動車の運転ができない高齢
道路を作るなどして通過交通を抑えるとともに、中
者などが日常の生活に必要な買い物や病院通いなど
心市街地では自動車が進入できる道路を一部に制限
に不便をきたす場合も出てきている。
し、また、商店街や歴史的な町並みのある場所に歩
さらに、活発な経済活動により大きな税収を生ん
行者とLRTやバスなどの公共交通だけが通行できる
できた中心市街地の衰退は、地価の下落による固定
トランジットモールを設置して、買い物客や観光客
資産税減収と相まって、都市の財政基盤を弱くする。
にとっての魅力を増している。
このような中で、都市の機能や人口を中心市街地
都市の中心部から郊外に向けて放射状に数路線の
を中心としてコンパクトに集めるまちづくりの必要
LRTを設置し、時刻表を気にせずに済むほどの高頻
性が議論されている。
度運行を行っている。中心部の駐車場の料金を高く
する一方、LRTのターミナル駅や中心部外縁の駅の
2 コンパクトなまちづくりのため
の公共交通政策
前には無料や料金の安い駐車場を設置してパークア
ンドライドに誘導している。また、周辺地区の複数
コンパクトなまちづくりを行うためには、都市計
交通会社の鉄道やバスなどと共通で使える割安の定
画、大規模商業施設の出店規制、中心商店街の活性
期券(家族や友人の間で使い回しできたり、休日に
化、中心市街地の再開発、都市景観の整備、公園な
同伴家族が無料になるものもある)を発行したりし
ど住環境の整備、道路整備、住宅施策、公共施設の
設置場所の選択、大学等の誘致などさまざまな面か
らの取組が必要であるが、その中で、公共交通は鍵
18
SRI 2011.4 No.105
1本稿では、低床で速度やデザインなどに優れる新世代型路面電
車を「LRT」と呼び、旧来型路面電車を「路面電車」と呼ぶ。
LRTと旧来型路面電車を総称する場合も「路面電車」という。
コンパクトなまちづくりのための公共交通政策
て、LRTの利用促進に努めている。
が、富山市では、一極集中型ではなく、徒歩圏(団
これらにより、LRT沿線の不動産投資が活発にな
子)を公共交通(串)でつなぐことにより、自動車
り、地価が上昇するとともに、新しい店が出店して
を自由に使えない市民も日常生活に必要な機能にア
町のにぎわいが増し、中心商店街の売上げが増加し
クセスできることを目指している。
た。中心商店街は、多くの人でにぎわっている。
図表1 富山市のまちづくりのイメージ
平日の昼間とは思えないほどにぎわう
フライブルクの中心商店街
4 公共交通を軸とした富山市のコ
ンパクトなまちづくり
(1) 富山市の状況
富山市は、郊外の安い地価、強い持ち家志向(富
山県は全国2位)、高い道路整備率(同全国1位)、
高い世帯当たり自動車保有台数(同全国2位)など
の要因から市街地の外延化が進んでおり、県庁所在
地では全国で最も低密度な市街地となっている。
富山市では、今後の高齢化による行政コストの増
出典:富山市都市マスタープラン
大、生産年齢人口の減少による税収減、自動車を自
由に使えない人の不便さの増大、都市全体の活力・
魅力の低下などの課題の深刻化に備え、公共交通を
軸としたコンパクトなまちづくりを目指している。
(3) 「串」づくりの政策
ア 富山ライトレールの整備
JR富山駅と市北部を結ぶ延長8キロメートルの
JR富山港線が、利用者減により廃止されるに当たり、
(2) 富山市の目指すコンパクトなまちづくり
富山市では、「都市マスタープラン」のほか、「公
共交通活性化計画」「中心市街地活性化基本計画」
平成18年4月からLRTが導入された。
導入に当たっては、バスによる代替など複数案の
比較がなされたが、定時性や輸送能力、バス利用が
「まちなか居住推進計画」等の各種計画の中に、コ
全般的に減少していること、北陸新幹線開通に伴う
ンパクトなまちづくりを位置付け、公共交通政策と
JR富山駅高架化後の駅南側の市内路面電車との接続
整合性の取れた政策を実施している。
による利便性向上等を考慮し、LRTが採用された。
コンパクトなまちづくりというと、人口や都市機
LRT化の際、駅数をJR時代の9駅から13駅に増や
能を都心部中心に集めるというイメージが一般的だ
し、運行間隔を30∼60分から10∼15分、終電時間を
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調査
21時から23時としたり、全車両の低床化、電停のバ
担したほか、施設維持管理費約1億円/年を富山市
リアフリー化などにより、利用者の利便性向上を図
が負担している。人件費、電力費等の運営費につい
っている。
て富山市は負担しない方針とのことであるが、約2
これらの結果、JR時代と比べた利用者数は平日で
億円/年は経営主体である第3セクターの富山ライ
約2.1倍(1日平均4,819人)、休日で約3.7倍(1日平
トレール㈱が運賃収入等で賄うことができている。
均1,045人)と大きく増加した。
通勤や通学の増加が多いが、買い物や通院も増え
イ 市内路面電車の環状線化
ている。年代別では50歳代∼70歳代を中心に高齢者
従来、富山市内には、富山地方鉄道の南富山駅か
の利用が大幅に増加している。また、LRT導入以前
らJR富山駅を経て富山大学前までの6.4キロメート
の利用交通手段別では新規利用が多い(平日20.5%、
ル、20電停の路面電車路線があり、1日当たり約1
休日51.0%)ことから、高齢者の外出機会の創出に
万人が利用者していた。
貢献していると考えられる。自動車からの転換は平
日で11.5%、休日で12.6%である。
(A)富山駅周辺地区と平和通り周辺地区という二
つの都心のアクセスを強化する、(B)中心市街地全
体の回遊性を高める、(C)北陸新幹線開通に伴うJR
富山駅高架化後の富山ライトレールとの接続による
図表2 LRT導入以前の利用交通手段
平日利用者の以前の手段【合計】
平 日
休日利用者の以前の手段【合計】
タクシー等(174人)
3.5%
二輪(81人)
1.6%
JR港線(1,261人)
22.6%
休 日
新規(1,024人)
20.5%
JR港線(2,331人)
46.7%
新規
(2,847人)
51.0%
徒歩(142人)
2.8%
自動車(572人) 地鉄バス(664人)
11.5%
13.3%
タクシーなど
(60人)
1.1%
地鉄バス(511人)
9.2%
自動車(700人)
12.6%
二輪(74人)
1.3%
路面電車ネットワークの機能を更に高めるという目
的から、従来路線の電停間に新たな軌道900メート
ルと3か所の新しい電停を設置して環状線化するこ
ととし、平成21年12月から運行を開始した。
徒歩(123人)
2.2%
出典:富山市交通政策課資料
図表4 市内路面電車の環状線化
また、合併(平成17年)前の旧富山市域全体では
住宅の新規着工件数が減少傾向にあるのに対して、
富山ライトレール沿線では増加傾向にある。
図表3 住宅新規着工件数の推移
年度
沿線500m圏域
旧富山市域
17年度
95件
2,018件
18年度
125件
2,014件
19年度
112件
1,742件
20年度
145件
1,747件
21年度
119件
1,455件
出典:富山市交通政策課資料
富山ライトレールでは、公設民営の考え方を取り
入れ、建設費約58億円の全てを行政(市約17億円、
県約9億円、国約22億円、JR協力金約10億円)が負
20
SRI 2011.4 No.105
出典:市内電車環状線化の事業概要
コンパクトなまちづくりのための公共交通政策
ここでも公設民営方式を取り入れ、延伸区間の線
度と比べて約9.5%増加した。
路、電停設備等の整備、低床車両購入は富山市が行
また、利用者のうち自動車からの転換(平日17%、
い、経費約30億円は全て行政(市約17.5億円、国約
休日16%)、新規(平日7%、休日6%)がかなり
12.8億円)が負担した。また、それらの維持管理費
あり、公共交通機関利用への誘導効果があることが
も富山市が負担している。運行を行う民間事業者の
証明された。
富山地方鉄道㈱は維持管理費相当分を線路使用料と
して富山市に支払っている。
これを受けて富山市では第2期実験終了後も市の
負担による増便を続ける予定とのことだが、利用者
環状線化により、市内路面電車の利用者は15%増
加し、特に休日の利用者が増えている。
増は朝夕中心であったことから、通勤、通学時間帯
に的を絞った増便により、市の経費負担の効率化を
図るとのことである。
ウ JR高山本線における高頻度運行社会実験
図表5 JR高山本線の利用者数の推移(西富山・越中八尾間)
富山市内のJR高山本線の1日平均乗車人数は、平
約9.5%の増加
成12年度に2,877人であったものが、平成17年度には
3,000
2,736
2,800
そこで、富山市が中心となり、列車の高頻度運行
と駅周辺の整備を併せて行う社会実験を行った。
高頻度運行実験の第1期(平成18年10月∼20年3
月)は富山駅・猪谷駅(富山駅から8駅目)間で行
2,696
2,583
2,440人に減少し、それに伴って列車の運行頻度も低
下するという悪循環に陥っていた。
140
2,877
2,600
年
度
1
日
平
均
乗
車
人
数
2,478
2,422 2,440
2,471
2,672
2,592
120 1
日
100 あ
2,400
80
2,200
2,000
60
60
1,800
50
1,600
46
59
50
40
46
1,400
36
36
36
36
H14
H15
H16
H17
20
た
り
列
車
運
行
本
数
︵
本
/
日
︶
0
1,200
H12
H13
普通列車運行本数
H18
H19
年度1日平均乗車人数
H20
H21
トレンド曲線
われ、第2期(平成20年3月∼23年春)では、その
うち効果の高かった富山駅・越中八尾駅(富山駅か
出所:富山市交通政策課資料
ら4駅目)間を重点に行われている。
(4) 「団子」整備の施策
図表4 JR高山本線の1日の運行頻度
区間
実験前
富山∼速星
36本
富山∼越中八尾
34本
富山∼猪谷
21本
第1期
富山市では、公共交通機関の整備と併せて、中心
第2期
50本
59本
33本
24本
出典:富山市交通政策課資料
市街地や鉄道・路面電車駅周辺などの徒歩圏の環境
整備を進めているが、次はその一例である。
自転車共同利用システム(アヴィレ)
中心市街地での移動手段の選択肢を増やし、自動
これに併せて、富山市は駅前に無料駐車場、駐輪
車がなくても活動できる環境を整えるため、フラン
場、トイレなどを整備し、第2期では臨時駅が1か
スの諸都市などで採用されている自転車共同利用サ
所設置された。
ービスを平成22年3月から開始した。
増便に要する費用1億5千万円/年を富山市が負
あらかじめ登録をした利用者は月500∼700円の基
担し、実験開始前の平成17年度の乗車人数を基準と
本使用料で、1回30分以内であれば1か月間24時間
した運賃収入の増加分はJRが富山市に返還する仕組
何回でも自転車を利用でき、中心市街地に15か所設
みで行われている。
置されたステーションのどこでも借入れ、返却が可
実験の結果、平成21年度の乗車人数は、平成17年
能である。各ステーションにあるラックにカードを
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かざすだけで簡単に借りられ、基本使用料や30分を
たJR富山駅の高架化をにらみ、市内路面電車路線の
超えた場合の料金はクレジットカードや口座振替で
体系化を視野に入れているほか、富山地方鉄道の路
決済されるので、利用に当たっての手間はほとんど
線への路面電車の乗り入れも検討している。
かからない。
ステーションの設置や自転車の購入、維持管理、
また、軌道交通でカバーできない地域については、
幹線バス路線の整備、人口が減少する地区でのコミ
事業運営の一切は民間の運営会社が行い、運営会社
ュニティバスの運行や自主運行バスへの支援など、
は利用料金とステーションなどに掲示する広告料収
地域の特性に合わせた交通施策を実施している。
入によって費用を賄う仕組みとなっている。
ユニークな取組として「富山レールライフプロジ
富山市は、初期費用として国の補助金を活用して
ェクト」がある。モビリティ・マネジメントと呼ば
1億5千万円を支援したほかは金銭的負担の必要が
れるもので、交通に対する市民一人一人の意識を変
ない。
えていく取組である。例えば、自動車の代わりに公
ビジネスマンを中心に月平均120回程度の利用が
されている。
共交通を利用すると1日でご飯1杯分、1年で脂肪
5キログラム分のカロリーを消費するなどと、分か
りやすい表現で市民に伝えるもので、人気パーソナ
(5) 富山市の公共交通政策の特徴
富山市が取り組むコンパクトなまちづくりのため
の公共交通政策の特徴として、次のようなことを挙
リティのラジオ番組が毎週あったり、市長も参加す
るシンポジウムを開催している。交通手段を整えた
上で行うことで効果が上がる施策である。
げることができる。
ウ 行政の積極的な役割
ア まちづくり全体の中に交通政策を位置付ける
公共交通の経営について、日本では、交通事業者
最初に、目指すべきコンパクトなまちづくりの分
が運営費のみならず施設整備費も含めて独立採算で
かりやすいイメージ図を描いて市民に示し、それに
行うべきという考え方が伝統的にある。行政担当者
整合するように公共交通政策を進めている。
や市民もそれが当然であるとして疑いを入れない場
そのため、個々の交通施策の実施に当たって、そ
合が多いと思われる。
の意味が市民に理解され、スムーズな事業実施が可
しかし、まちづくり全体の中に交通政策を位置付
能になった。単にLRTなどの新しい交通システムの
けるのであれば、行政がより大きな経費負担をすべ
一般的な利点(定時性、輸送能力、バリアフリー等)
きという考え方はあり得る。また、現実的な問題と
や欠点(道路の占有等)を取り上げて議論をしても、
して、地方の交通事業者の経営状態を考えれば、そ
簡単には導入のコンセンサスを得られない。
の負担のみによって必要な交通体系を構築するのは
中心市街地、鉄道・路面電車沿線における再開発
難しい。
事業やまちなか居住推進事業(共同住宅の建築補助、
富山ライトレールや市内路面電車の環状線化では
住宅取得補助、転入者家賃補助等)などの施策も、
公設民営方式を取り入れており、JR高山本線の高頻
コンパクトなまちづくりの考え方の下に交通政策と
度運行社会実験にも市が積極的に関わっている。こ
の整合性が図られている。
のような方式を取らなければ、これらの施策は実施
できなかったと思われる。
イ 交通政策自体が体系的である
平成26年に予定される北陸新幹線の開通に合わせ
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SRI 2011.4 No.105
ヨーロッパでは、運営経費の一部まで行政が補助
している例が多く、公共交通の利用を促進するため
コンパクトなまちづくりのための公共交通政策
に、採算を度外視した割安の定期券を発行させ、そ
市のように中心商店街が人であふれるという状況に
の経費を負担しているような場合もある。
はまだ程遠いと言えるが、施策の成果は現れつつあ
まちづくりとの関わりの中で、行政の役割につい
て再考する必要があると思われる。
る。コンパクトなまちづくりにはさまざまな施策が
必要であり、大きな成果が出るには20∼30年、ある
いはさらに長い年数が必要かもしれないが、富山市
エ 国の政策をリード
の取組は今後も注目すべきものである。
LRT整備については、従来から路面整備、電停整
備、低床車導入などに対する国の個別の補助制度が
本年2月に静岡市が開催したシンポジウム「考え
あったが、富山ライトレールの事業化決定に引っ張
よう これからの静岡市のまちづくりと公共交通」
られる形で、平成17年度に「LRT総合整備事業制度」
には非常に多くの市民が参加し、公共交通に対する
が作られ、富山ライトレールが適用第1号となった。
関心の高さがうかがわれた。
これは国土交通省の鉄道局、都市・地域整備局、道
あるべき公共交通の姿について、静岡市、静岡鉄
路局が連携して、LRTの整備に対して総合的に支援
道、市民の議論は必ずしもかみ合っていなかったが、
する制度である。
その原因は、どのようなまちづくりをするかという
また、路面電車は「軌道法」によって事業者が運
絵が明確でなかったからだと思われる。
行と軌道整備を一体で行うことが原則となっている
明確で分かりやすいまちづくりの絵があれば、ど
が、平成19年10月に施行された「地域公共交通の活
のような交通手段や交通施策が最適か、行政と民間
性化及び再生に関する法律」により、同法による認
事業者の責任分担、費用分担はどうあるべきかとい
定を受けた場合は、運行と軌道整備を別の主体が行
うことが、少しずつ見えてくるのではないか。明確
うことが可能となった。これに基づき、市内路面電
な絵を示すのは行政の役割であり、まず行政がまち
車の環状線化は上下分離(公設民営)方式で行われ
づくりの絵を描くことが必要だが、富山市の事例は
た。これも富山市の構想にリードされて行われた国
一つの大きな参考になると思われる。
(らち とおる)
の制度の改正である。
オ 市長の強いリーダーシップ
参考文献
市長自身がコンパクトなまちづくりの構想を考え
交通まちづくり研究会(2006)「交通まちづくり世界
出し、100回以上のタウンミーティングを実施する
の都市と日本の都市に学ぶ」(社)
交通工学研究会
などして、市民に分かりやすく説明をした。また、
辻本勝久(2009)「地方都市圏の交通とまちづくり」
個々の交通施策の実施にあたっても強いリーダーシ
ップを発揮した。
交通施策は、住民同士の利害が対立したり、地域
学芸出版社
西村幸格(2006)「日本の都市と路面公共交通」学
芸出版社
による不公平感を持たれやすいものであるので、市
長のリーダーシップが大きな役割を果たしている。
5
おわりに
富山市では、公共交通を軸としたコンパクトなま
ちづくりを進めている。先に挙げたヨーロッパの都
SRI 2011.4 No.105
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