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第2節 米国薬局方(USP)における包装資材の品質基準と留意点

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第2節 米国薬局方(USP)における包装資材の品質基準と留意点
第 2 章第 2 節
第 2 節 米国薬局方(USP)における包装資材の品質基準と留意点
東罐興業(株) 西 秀樹
USP において,包装資材としてはガラス,プラスチック,及び綿の品質基準が規定されて
いる(USP 31)。以下に各資材の品質基準の概要と留意点について述べる。
1. 容器−ガラス:USP〈660〉
ガラス容器は,薬剤と直接接触して使用されるが,材質からの微量の溶出物は避けられない
ので,加水分解に対する抵抗性により以下の 3 種類に分類して基準が規定されている。
・タイプⅠ:ホウケイ酸ガラス
酸化ホウ素,酸化アルミニウム,アルカリ土類酸化物等が主成分。耐加水分解性は高い。
・タイプⅡ:タイプⅢの表面処理品
タイプⅢの内部表面を化学処理して,耐加水分解性を中∼高レベルに改良したもの。
・タイプⅢ:ソーダライムガラス
アルカリ金属酸化物を含む酸化ケイ素が主成分。耐加水分解性は中程度。
ガラスの外側表面は,耐摩擦性,耐摩耗性,耐破壊性を改良するために表面処理されること
がある。又,耐光性を増すために着色したり,外側表面にコーティングを施すこともある。こ
の場合は,USP〈671〉の容器の光透過性の規定を遵守する必要がある。
ガラス容器は,化学的安定性が先ず要求され,更に水性注射剤用タイプⅠの容器はヒ素の試
験が,又着色容器は光透過性試験が要求される。
1.1 化学的抵抗性
水によるアルカリ溶出性を試験するものであるが,溶出するアルカリの量は微量であるの
で,試験環境,装置,操作に関しては充分な注意が必要である。
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第2部
1)ガラスのタイプ
表 1 ガラスのタイプと試験法
2)粉砕したガラスによる試験
①試料の調製
容器の内外を良く水洗して乾燥した後,約 25mm の大きさに粉砕する。高強度鉄製乳鉢
に入れて 3 ∼ 4 回ハンマーで粉砕した後,ステンレス製 20 号篩に入れ短時間振って通す。
篩に残ったものは再度粉砕し,20 号篩,更に 40 号篩,最後は 50 号篩を通した後,デシケー
ター内で保存する。得られた試料を紙の上に広げて,磁石で鉄を除去した後,250ml フラ
スコに入れる。フラスコに 30ml のアセトンを入れて洗浄した後,乾燥してデシケーター
内に保存する。
②測定と規格
試料 10mg を 250mL フラスコに入れ,精製水 50mL を加える。密栓後,フラスコを
オートクレーブに入れて 121℃,30 分保持する。冷却後,精製水を除去し,残った粉末を
15mL 精製水で 4 回洗浄する。メチルレッド試薬を 5 滴添加後,0.020N 硫酸で滴定する。
表 2 粉砕ガラス試験における規格
3)ガラス表面試験法
①容器の充填容量
容器の実容量の 90%を充填容量とする。
②試験法
容器の内外を洗浄した後,精製水を充填容量分入れる。オートクレーブに入れ,規定の
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