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特定商取引法等における現行規定について[PDF:128KB]

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特定商取引法等における現行規定について[PDF:128KB]
参考資料2
特定商取引法等における現行規定について
平成23年11月
消費者庁
1
特商法における指定商品制の見直しの経緯について
1.指定商品制を採っていた理由
特商法の対象となる訪問販売とは、第2条第1号及び第2号の要件のほかに、かつては本
条第4項において規定されていた要件(即ち、取引の対象が、政令において「指定商品」等
として法の適用対象として規定されているか否か)を充たすものであった。
過去の改正においては、これらの指定制を撤廃し、原則適用方式を採用すべしとの意見もあ
ったが、指定制を維持することとしたのは、
①
一般消費者の保護という本法の目的に照らし、一般消費者が訪問販売等によって通常購
入する可能性のない商品の販売まで本法の規制にかからしめることは、適切でないこと
②
いかなる商品等であっても原則として規制対象とし、対象とすることが適切でない商品
等のみを適用除外とするという方法もないではないが、訪問販売等の対象となる商品等
の種類が著しく多岐にわたるため、そもそも本法の規制対象とするべきでない商品等及
びクーリング・オフ規定の適用について除外又は特例の対象とするべき商品等をすべて
列挙することは困難であること
等の問題があったからである。(「特定商取引に関する法律の解説」P44より抜粋。
)
2.指定商品制を廃止した理由(平成 20 年改正)
しかしながら、従来の限定列挙方式では、基本的に「既にトラブルがあるもの・既に存在
しているもの」しか規制の対象とできないが、近年の市場環境の変化(商品や役務の開発が
加速化し、また提供方式が複雑化している状況)が進展すればするほど、こうした変化を追
い続けることが困難となってきた。特に限定列挙方式という制度の性質上、法の規制対象と
はならない商品等に悪質事業者が目を付ける傾向がある。
そのため、消費者被害の未然防止をより一層図るため、全ての商品・役務について、原則
として規制対象とした上で、必要に応じて適用除外を設ける方式を採る必要があり、上述の
方針を転換することが必要との判断の下、平成 20 年の改正において、指定商品制及び指定
役務制を廃止することとなった。(「特定商取引に関する法律の解説」P45より抜粋。
)
2
特商法等におけるクーリング・オフ期間について
1.類似制度のクーリング・オフ期間について
特定商取引法(訪問販売)
宅建業法
割販法(個別クレジット契約のうち BtoC のもの)
保険業法
金融商品取引法(投資顧問契約)
預託法
8日間
8日間
8日間
8日間
10日間
14日間
2.特商法における改正経緯
(1)昭和51年制定時
クーリング・オフ期間:4日間
(理由)
・消費者保護と取引安定のバランスをとったもの。
・セールスマンが帰った後、購入するかどうかについて再度塾慮し、又は家族と相談するの
は、その日のうちから遅くとも翌日中に行われるのが通例であり、多少の余裕を見ても4
日間は短いとは思われない。
(2)昭和59年改正
クーリング・オフ期間:7日間*割販法改正時の国会審議時の議員修正による。
(3)昭和63年改正
クーリング・オフ期間:8日間*国会審議時の議員修正による。
(参考)衆・商工委 昭和 59 年 4 月 18 日 長田武士議員
ヨーロッパあたりの立法例を見てまいりますと、フランスの訪問販売法、ベルギーの割
賦販売法、西ドイツの割賦販売法、スウェーデンの個別訪問販売法、これはいずれも一週間、
7日間であります。さらに、イギリスの消費者信用法は14日間、あるいは西ドイツの通信
教育法というのは、これも14日間です。各外国の例を見てまいりますと、大体一週間がそ
の趨勢であろうと考えております。そういう意味で、私は現在の4日間を3日延長して7日
間にすべきであると思いますが、この点どうでしょうか。
(参考)衆・商工委 昭和 63 年 4 月 19 日 森本晃司議員
例えば月曜日に訪問販売に来られて、月火水木金土日、最後の日曜日です。大抵判断に迷
ってできないのは、平日に来られて主婦が聞く、主人は帰りが遅い、もしそういったことを
協議する場が最大に考えられるとすると、日曜日ではないかと私は思うのです。間に日曜日
があればいいですけれども、月曜日から始まった場合は日曜日で終わりだ。朝起きて、家族
でおばあちゃん何したんやとなって、行こうと思っても郵便の回収の時間は、私の家の近所
では 10 時 15 分で終わってしまいますから、その日急に決心がつかない。
3
特商法第3条の2(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止等)
について
1.趣旨
昨今の訪問販売を中心とした消費者被害では、執拗な勧誘・販売行為による高額被害の増
加等もあり、深刻な問題が生じている。
いったん事業者の勧誘が始まってしまうと、明確に断ることが困難である場合が多く、言
葉巧みな話術に乗せられたり、数時間にわたりねばられた結果、最終的な契約にこぎつけら
れてしまうケースが多い。
したがって、勧誘開始段階において、消費者被害の端緒とも言える意思に反した勧誘行為
を受けてしまう状況そのものから、消費者を保護することが求められる。
そのため、平成 20 年改正において、第3条に加え、本条を規定し、①勧誘開始段階にお
いて、相手方に当該勧誘を受ける意思の有無を確認するよう努めること、②特定の訪問販売
に関する契約締結を受けつけない意思表明をした相手方については、勧誘の継続や再度の来
訪による勧誘を禁止することとした。
(「特定商取引に関する法律の解説」P54より抜粋。)
2.第3条の2第1項について
第1項においては、そもそも勧誘に先立って、相手方に勧誘を受ける意思があることを確
認するよう努めることを規定している。したがって、第3条に規定する氏名等明示を行う際
に、併せて勧誘を受ける旨の意思があることの確認が行われることを想定している。
具体的には、飛び込みの訪問販売については、その訪問先で、訪問販売を行おうとする相
手方に対して、商品説明等を行う前に、「当社の販売する商品についてお話を聞いていただ
けますでしょうか」などと口頭で明示的に伝えることが考えられ、相手方が「はい、いいで
すよ」等と勧誘を受ける意思があることを示した場合に本項の努力義務を果たしたこととな
る。(「特定商取引に関する法律の解説」P54より抜粋。)
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