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新西工場建設事業 環境影響評価準備書 要 約 書
新西工場建設事業 環境影響評価準備書 要 約 書 平成 24 年 8 月 長 崎 市 目 次 第1章 都市計画決定権者の名称、代表者の氏名 ······························ 1 第1節 都市計画決定権者の名称及び代表者の氏名 ·························· 1 第2節 都市計画決定権者の主たる事務所の所在地 ·························· 1 第2章 都市計画対象事業の目的及び内容(事業特性) ························ 1 第1節 事業の名称 ······················································ 1 第2節 事業の目的 ······················································ 1 第3節 事業計画の検討経緯(建設候補地決定の経過) ······················ 1 第4節 事業の内容 ······················································ 2 1 事業の種類及び規模 ················································ 2 2 実施区域の位置 ···················································· 2 第5節 事業計画の概要 ·················································· 4 1 施設規模の設定根拠 ················································ 4 2 事業方式 ·························································· 4 3 施設配置計画 ······················································ 4 4 施設計画 ·························································· 6 第6節 工事計画 ························································ 11 1 工事工程 ·························································· 11 2 工事関係車両 ······················································ 12 第7節 配慮事項 ························································ 14 1 環境保全計画 ······················································ 14 2 防災計画 ·························································· 16 3 環境モニタリング(監視)計画 ······································ 18 第3章 都市計画対象事業実施区域及びその周囲の概況(地域特性) ·············· 19 第1節 社会的状況 ······················································ 19 第2節 自然的状況 ······················································ 21 第4章 環境影響評価実施地域 ·············································· 23 第5章 方法書についての意見及び事業者の見解 ······························ 25 第1節 方法書についての環境の保全の見地からの意見を有する者の意見の 概要及び事業者の見解 ············································ 25 第2節 方法書についての知事の意見及び事業者の見解 ······················ 29 第6章 都市計画対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び 評価の手法 ························································ 32 第1節 環境影響要因の抽出 ·············································· 32 第2節 環境影響評価項目の選定 ·········································· 34 第3節 調査、予測及び評価の手法 ········································ 36 第7章 都市計画対象事業に係る環境影響評価の調査、予測及び評価の結果 第8章 環境保全措置 ······ 44 ······················································ 95 第9章 都市計画対象事業に係る環境影響の総合的な評価 第 10 章 環境影響評価を委託されて実施した者 ······················ 98 ······························· 98 本書に掲載した地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の 2 万 5 千分の 1 地形図を複製し たものである。 (承認番号 平 24 九複、第 25 号) 第1章 都市計画決定権者の名称、代表者の氏名 第1節 都市計画決定権者の名称及び代表者の氏名 事業者の名称 :長崎市 た う え とみひさ 長崎市長 田上 富久 第2節 都市計画決定権者の主たる事務所の所在地 〒850-8685 長崎県長崎市桜町 2 番 22 号 第2章 都市計画対象事業の目的及び内容(事業特性) 第1節 事業の名称 新西工場建設事業 第2節 事業の目的 現西工場は昭和 54 年稼働開始以来、33 年経過しており、炉本体やボイラなど老朽化してい る設備が増加している。平成 6~8 年度に大規模改良工事を行ったが、これは低下していた処理 能力を元の能力に復帰させるための部分的な設備機器の更新工事及び余熱利用発電設備の設置 工事に限られており、炉本体をはじめとして更新等がなされていない設備機器も多く存在して いる。また、昭和 56 年の耐震基準強化以前の設計であることから、重要な都市施設として危機 管理上問題がある。 このような状況を踏まえて、平成 28 年度の稼働を目標として新しい焼却施設を建設すること とした。 第3節 事業計画の検討の経緯(建設候補地決定の経過) 長崎市では、平成 28 年度稼働を予定しているごみ焼却施設の整備にあたり、その適地選定の ために「新西工場建設地検討委員会」を平成 20 年 5 月に設置し、その開催に先立ち、用地取得 交渉を必要としない市有地に建設することとして、8 箇所を候補地と選定して委員会に諮った。 「新西工場建設地検討委員会」では、一次選定において、自然環境に対する負荷が大きな候 補地や周辺の景観と調和が取れない候補地を除外し、二次選定検討対象候補地 5 箇所を抽出し た。さらに、二次選定において、経済面、環境面、その他の面における 13 項目について評価を 行い、最終的に全体的な評価が最も高い西部下水処理場敷地内と、評価項目においては収集運 搬効率の面などでやや劣る点があるが、全体的な評価においては地盤やその他の立地条件が整 っている三京クリーンランド埋立処分場の 2 箇所を適地として選定した。 報告を受けた長崎市は、2 箇所の候補地を慎重に検討した結果、収集運搬効率等の面から西 部下水処理場敷地内を適地とした。 1 第4節 事業の内容 1 事業の種類及び規模 都市計画対象事業(以下、 「対象事業」という)の概要を表 2-1 に示す。 表 2-1 都市計画対象事業の種類及び規模 項 目 内 対象事業の種類 施設の種類及び規模 施設の住所 敷地面積 容 一般廃棄物処理施設(ごみ焼却施設)の設置 ごみ焼却施設(高効率ごみ発電施設) 240t/日(120t/日×2 炉)24 時間連続運転 長崎県長崎市神ノ島町 3 丁目 526 番 23 ほか 約 20,000 ㎡ ただし、都市計画決定手続きでは計画されている余熱利用施設用地 を除き約 14,500m2 として取り扱う 2 実施区域の位置 都市計画対象事業実施区域(以下、 「対象事業実施区域」)という)の位置を図 2-1 及び図 2-2 に示す。なお、対象事業実施区域を管轄する市町村は、長崎市である。 対象事業実施区域の都市計画法に基づく用途地域は、工業専用地域となっている。 対象事業実施区域位置 図 2-1 対象事業実施区域の位置 2 対象事業実施区域位置 図 2-2 対象事業実施区域の位置 対象事業実施区域 西部下水処理場 北側上空より撮影 3 第5節 事業計画の概要 1 施設規模の設定根拠 新西工場の施設規模は、稼働開始予定の平成 28 年度の長崎市における焼却処理予測量(災 害廃棄物量を含む)から、現東工場の平成 28 年度時点における処理能力を勘案し 240t/日と した。 なお、方法書作成時の施設規模は平成 18 年 9 月策定の「長崎市ごみ処理基本計画」での焼 却処理量の予測に基づき 300t/日としていたが、平成 24 年 3 月の同計画の改訂にあたり実施 した最新の焼却処理量の予測結果を踏まえ、施設規模を 240t/日に変更するものとする。 2 事業方式 国内における廃棄物処理施設の民間活力導入の傾向については、運営を長期間にわたり事 業者に委託するため維持管理費の財政支出の平準化が期待できること、また、各年度の費用 が明確となっていることから、計画的な資金運用が可能であること等の理由から、DBO 方式 を採用する自治体が多くなっている。 対象事業においても、計画的な資金運用を図ること、また、施設の建設は市が行う従来と 同様の建設方式であることから、公設民営方式(DBO 方式)注 1)により整備することを予定 している。 公設民営方式(DBO 方式)では、施設の運営は民間事業者が主体で実施することになる。 ただし、一般廃棄物の適正な処理は市の責務であり、民間事業者の運営・維持管理状況をモ ニタリングしていくことが必要となる。また、地域住民に安心を与えるため、監視した内容 については積極的に情報公開する。 注 1) 公共が資金調達を負担し、設計(Design)、・建設(Build)、運営(Operate)を民間事業者 に一括して委託する事業方式のこと。建設と運営を一体の事業とすることにより、民間の能 力を生かし、事業コストの縮減と質の高いサービスが期待できる。 3 施設配置計画 施設配置は、図 2-3 に示す配置を基本とする。 煙突高さについては、59m、80m、100m の 3 パターンの煙突高を検討中であるが、煙突高 80m 及び 100m の場合は、構造強度上煙突は工場棟から独立した配置とする場合が多い。 煙突高は、59m を基本として、本環境影響評価の結果を踏まえ、今後決定するものとする。 施設配置における基本方針は、以下のとおりである。 ・工場棟は周辺の集落から極力離れた西側(海側)に配置し、余熱利用施設は利用者の 利便性に配慮し東側(陸側)に配置し、残りの敷地に管理棟、計量棟を配置する。 ・プラットホームは、掘削土量の削減及び浸水対策のため 2 階に配置し、廃棄物運搬車 両の出入のためのスロープを設置する。 ・洗車場は悪臭対策のため工場棟内プラットホーム下部に確保する。 ・廃棄物運搬車両の待機スペースは場内に設ける。 ・管理棟と工場棟は、2 階渡り廊下でつなぐ等、見学者及び職員の安全性を確保する。 ・敷地境界には、可能な限り緑地帯を配置する。 4 西部下水処理場 工場棟 煙突 管理棟 車庫 余熱利用 施設 神ノ島工業団地 事業所 煙突高 59m の場合の施設配置案 図 2-3 施設配置計画(案) 凡例 : 対象事業実施区域 5 4 施設計画 (1)処理フロー ごみの焼却及び処理フロー(案)を図 2-4 に示す。 場外余熱利用施設 余熱利用設備 高 圧 蒸 気 だ め 受入供給設備 可 燃 ご み 計 量 機 プ ラ ッ ト ホ ー ム ご み ピ ッ ト 燃焼ガス 冷却設備 燃焼設備 ご み ク レ ー ン ホ ッ パ 給 じ ん 装 置 焼 却 炉 ( ス ト ー カ ) 廃 熱 ボ イ ラ 焼 却 灰 押 出 装 置 汚 泥 等 蒸 気 タ ー ビ ン 焼 却 灰 搬 出 装 置 エ コ ノ マ イ ザ 蒸 気 復 水 器 復 水 タ ン ク 排ガス 処理設備 ( 減 温 塔 ) 通風設備 ろ 過 式 集 じ ん 機 排 ガ ス 加 熱 器 ( 触 媒 脱 硝 装 置 ) 誘 引 通 風 機 飛 灰 搬 送 装 置 飛 灰 貯 留 装 置 飛 灰 処 理 装 置 飛 灰 ピ ッ ト 主 灰 ピ ッ ト 灰出し設備 図 2-4 ごみの焼却・処理フロー(案) 6 煙 突 大 気 拡 散 灰 ク レ ー ン 場 外 搬 出 (2)施設概要 施設概要を表 2-2 に示す。 表 2-2 施設概要 項 目 計画概要 燃焼ガス冷却設備 ピット・アンド・クレーン方式 切断式破砕機の設置 ・プラットホームは、掘削土量の削減及び浸水対策のため 2 階に配置し、廃棄物 運搬車両の出入のためのスロープを設置する。 ・投入扉のうち、1 基は処理困難物の混在状況を確認するためのダンピングボッ クス用とする。 全連続燃焼式ストーカ方式 240t/日(120t/日×2 炉) 24 時間連続運転 年間稼働日数 358 日(年間稼働日数は全休炉時の 7 日間を除いた日数である) 廃熱ボイラ式 排ガス処理設備 ろ過式集じん機等の有害ガス除去装置を設置 給水計画 上水、再利用水を利用 排水処理計画 原則、再生利用したうえで、余剰水は下水道処理施設へ排水(下記、排水フロー 図参照) 受入供給設備 燃焼設備 有機系排水 スクリーン 生物処理 凝集沈殿、 ろ過等の処理 再生利用 余剰水 無機系排水 余熱利用設備 施設内外への蒸気または高温水供給、発電 煙突設備 灰処理方法 平衡通風方式、外部保温構造、白煙防止設備 煙突高さは 59mを原則とするが、80m、100mについても検討する。 薬剤処理法(キレート剤添加法) 脱臭設備 運転停止時の脱臭装置を設置 放流 (3)処理対象物の性状 一般廃棄物のうち、燃やせるごみ(プラスチック製容器包装以外のプラスチック(以下、 「その他プラ」という。 )も含む) 、古紙・プラスチック製容器包装の処理施設からの可燃残 渣、可燃性粗大ごみ、し尿汚泥等を処理対象とする。 (4)ごみ搬入計画 ごみ搬入及び搬出車両(以下、廃棄物運搬車両とする)の種類及び台数を表 2-3 に示す。 表 2-3 ごみ搬入及び搬出車両の種類及び台数 項 目 車 両 可燃ごみ収集車 2~4tパッカー車 4tトラック(平ボディ) 焼却灰の搬出車両 10t ダンプトラック(天蓋装置付き)等 一般持込車両 - 台数(台/日) 267 台 4台 68 台 注 1) 可燃ごみ収集車の台数は、移転元である現西工場の最新年度の実績(平成 22 年 4 月~平成 23 年 3 月)から 算出した。 注 2) 焼却灰の搬出車両の台数は、移転元である現西工場の実績からから算出した。 注 3) 一般持込車両の台数は、現西工場では受け入れ実績がないため、受入実績のある東工場の最新年度の実績 (平成 22 年 4 月~平成 23 年 3 月)から算出した。 7 (5)廃棄物運搬車両の経路 廃棄物運搬車両の来場、退出経路を図 2-5 に示す。 廃棄物運搬車両の対象事業実施区域への来場、退出経路は、以下の搬入経路がある。 廃棄物運搬車両のうち、焼却灰の搬出車両の経路は、すべて金水トンネル経由の経路とす る。 ルート① ルート② ルート③ ルート④ ルート⑤ 女神大橋→木鉢 JCT→金水トンネル→対象事業実施区域 飽の浦トンネル→大浜トンネル→金水トンネル→対象事業実施区域 大浜町方面から→大浜トンネル→金水トンネル→対象事業実施区域 秋月トンネル→大浜トンネル→金水トンネル→対象事業実施区域 木鉢トンネル→小榊支所前→対象事業実施区域 (6)余熱利用計画 1)施設内利用 ボイラから発生した蒸気を利用し、発電設備(蒸気タービン)、燃焼空気加熱用予熱器等を 作動させる。また、蒸気を媒体とした熱交換器および温水発生器等により温水を発生させ、 その温水を利用して、冷・暖房設備、給湯設備等を作動させるものとする。 本施設の発電設備(蒸気タービン)は、発電量と熱利用が最も有効に行える抽気復水ター ビン式を予定する。 廃棄物分野でのさらなる温暖化対策の推進等、国の考え方に資する施設整備を行うことの 可能性が十分に見込めることから、本施設は 17%以上の高効率発電施設とする。 2)施設外利用 施設外利用としては、温水プールや温浴施設等での利用を想定するが、今後、市民の要望 等を踏まえながら決定する予定である。 したがって、現時点では余熱利用施設の利用形態が決まっていないことから、蒸気または 高温水による熱供給を基本として計画する。 8 図 2-5 廃棄物運搬車両の経路 9 (7)計画値 1)排出ガス関連 本施設の煙突排出ガスの性状と量を表 2-4 に、排出ガスに関して自主管理濃度として設定 する計画値(保全協定値)及び規制基準値を表 2-5 に示す。 硫黄酸化物、ばいじん、塩化水素、窒素酸化物、一酸化炭素の 5 項目の排ガス濃度につい ては、小榊支所に公害監視盤を設置しデジタル表示する。 なお、水銀については、現在では分別収集の徹底及び電池など製品の無水銀化が進んでい ることから、通常の一般廃棄物処理施設では数値は低いと考えられるため、当面基準値とし て設定しないが、適宜調査しつつ、今後の法規制の動向を見守り必要に応じ基準を定めてい くこととする。 表 2-4 排出ガスの性状と量 項目 湿り排出ガス量 乾き排出ガス量 排出ガス温度 新西工場 41,300 N m3/h・炉 32,900 N m3/h・炉 160℃ 表 2-5 排出ガスに関する計画値(保全協定値) 項 目 硫黄酸化物 ばいじん(g/m3N) 塩化水素(mg/m3N) 窒素酸化物(ppm) ダイオキシン類 (ng-TEQ/m3N) 新西工場 20ppm 0.01 50 50 現西工場 K 値 2.34 0.03 220 135 東工場 K 値 2.34 0.03 220 135 規制基準値注 1) K 値 8.76 0.04 注 2) 700 250 0.05 1 1 0.1 注 3) 注 1) 大気汚染防止法及びダイオキシン類対策特別措置法に基づき、本施設に適用される規制基準値 注 2) 既設施設(現西工場、東工場)については、0.08 g/Nm3 注 3) 既設施設(現西工場、東工場)については、1 ng-TEQ/Nm3 2)騒音関連 本施設の騒音に関する計画値(保全協定値)及び規制基準値を表 2-6 に示す。 表 2-6 騒音に関する計画値(保全協定値) 朝夕 昼間 夜間 (6:00~8:00) (8:00~20:00) (22:00~6:00) (20:00~22:00) 項目 計画値 敷地境界 70dB(A) (保全協定値) 周辺の居住地域の境界 規制基準値 注 1) 65dB(A) 55dB(A) 工場の稼働音を感じない程度 70dB(A) 65B(A) 55dB(A) 注 1) 騒音規制法に基づく特定工場等において発生する騒音の規制基準(第 4 種区域)により、敷地 境界に適用される基準値 10 3)悪臭関連 本施設の悪臭に関する計画値(保全協定値)及び規制基準値を表 2-7 に示す。 表 2-7 悪臭に関する計画値(保全協定値) 項目 計画値 (保全協定値) 基準値 周辺の居住地域の境界 排出基準注 1) ごみ臭を感じない程度 工場等の敷地の境界線における臭気濃度 30 注 1) 長崎県悪臭防止指導要綱に基づく第 2 種区域の工場等の敷地の境界線における基準 注 2) 臭気濃度 30 は、臭気指数では約 15 【参考】 (参考)臭気濃度の範囲 10~約 32 約 16~約 63 約 25~約 126 注 1) 左記の臭気指数の範囲を換算 出典:「悪臭防止のしおり」 (平成 20 年 8 月、長崎市環境部環境保全課)に一部加筆 第6節 工事計画の概要 1 工事工程 本施設の工事工程(案)を表 2-8 に示す。 表 2-8 工事工程表(案) 年度 項目 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 全 体 工 程 建 焼却施設建設工事 設 実施設計 工 土木・建築工事 事 プラント工事 関 試運転 連 竣工 必要 作業 日数 160 575 350 120 注1) 必要作業日数試算上、月労働時間を以下に設定。 実施設計:20日/月,土木・建築工事:25日/月,プラント工事:25日/月,試運転:30日/月 注2) 単体機器調整及び乾燥焚き時間はプラント工事期間に含む。 11 2 工事関係車両 (1)建設機械稼働計画 最大となる年月は、工事開始から 1 年 4 か月目から 6 か月目にかけての期間で、日最大台 数として 48 台である。 (2)資機材の運搬車両計画 最大となる年月は、工事開始から 2 年 4 か月目で、日最大台数として 39 台である。 (3)工事関係車両の経路 資機材の運搬車両の来場、退出経路を図 2-6 に示す。 資機材の運搬車両(大型車)は、すべて金水トンネル経由の経路とする。 工事関係通勤車両(小型車)の来場、退出の経路は、金水トンネル経由の経路を主として、 一部小榊支所前を経由する経路を予定する。 (4)工事中の公害防止対策 工事中における基本的な公害防止対策を以下に示す。 1)騒音対策 ・工事機械は、低騒音の機材を積極的に使用する。 ・騒音を抑制できる工法により施工する。 ・建設機械の空ぶかし運転等はしない。 ・建設機械の定期的な点検整備を実施する。 ・車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運転は行わないよう 指導を徹底する。 ・資機材の運搬車両が一時的に集中しないような運行管理に努める。 ・資機材の運搬車両の定期的な整備・点検の実施を徹底する。 2)振動対策 ・工事機械は、低振動の機材を可能な限り積極的に使用する。 ・振動を抑制できる工法により施工する。 ・建設機械の空ぶかし運転等はしない。 ・建設機械の定期的な点検整備を実施する。 ・車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運転は行わないよう 指導を徹底する。 ・資機材の運搬車両が一時的に集中しないような運行管理に努める。 ・資機材の運搬車両の定期的な整備・点検の実施を徹底する。 3)水質汚濁防止策 ・現場内で発生した湧水(地下水)及び雨水等は、沈砂池や濁水処理施設を設置する等、 濁り等を取除いたうえで公共用水域へ放流する。 ・工事中の排水には自主管理値を定め、自主管理値内であることを確認して放流する。 ・自主管理値を超えた場合は、中和剤を混入するなどの対策を講じ、自主管理値以下と なったことを確認してから放流する。 ・土側溝等の適切な集水・導水施設を設置し、工事エリア外への汚濁水流出を防止する。 12 図 2-6 資機材の運搬車両の経路 13 4)粉じん・排ガス対策 ・工事現場内から退場する車両のタイヤの付着土砂による道路の汚れを防止するため、 タイヤ洗浄用の洗車プールを設置し、場内散水やゲート出口での工事関係車両タイヤ 洗浄を行い、粉じんの飛散防止に努め、周辺道路に泥などを持出さないよう徹底する。 ・掘削土搬出時はタイヤ洗浄器で搬出車両のタイヤの泥を落とし、周辺道路の汚染防止 に努める。 ・工事車両管理(タイヤ洗浄、荷台の荷台のシート養生等)の徹底を図る。 ・周辺道路の清掃・散水を行う。 ・建設機械の空ぶかし運転等はしない。 ・建設機械の定期的な点検整備を実施する。 ・車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運転は行わないよう 指導を徹底する。 ・資機材の運搬車両が一時的に集中しないような運行管理に努める。 ・資機材の運搬車両の定期的な整備・点検の実施を徹底する。 ・資機材の運搬車両は、金水トンネルを経由する経路とする。 ・建設作業員の通勤車両は、主として金水トンネルを経由する経路とする。 5)地下水位の低下等の防止 建設地の地下水位は GL-1.10m~-4.20m であり、水位が高い。また、海岸に近接し、さらに 地質は高透水性の砂礫層が主体であるため潮汐が大きく影響し、地下水位は上下に変動する と考えられる。 周辺には、地下水を利用している家屋や民間業者がないことから、地下水位の低下等の影 響は低いものと考えられるが、万全を期すために、工事着工前に周辺調査を行い、状況を把 握した上で工事計画を立案する。 6)交通対策 ・資機材の運搬車両は、金水トンネルを経由する経路とする。 ・建設作業員の通勤車両は、主として金水トンネルを経由する経路とする。 ・資機材の運搬車両が一時的に集中しないような運行管理に努める。 ・車両運転者に対して、走行速度や一旦停止の遵守といった交通法規を厳守させるとと もに、未成年や高齢者には特に配慮した運転を行わせる。 第7節 配慮事項 1 環境保全計画 施設の稼働に伴う周辺の環境保全の観点から、以下に示す環境配慮事項を実施する。 (1)大気汚染 ・硫黄酸化物(SOX)、ばいじん、塩化水素(HCL)、窒素酸化物(NOX)、ダイオキシン類の 5 項目の排出ガス濃度については、大気汚染防止法より厳しい保全協定値を定めて運転 管理を実施する。 ・硫黄酸化物(SOX)、ばいじん、塩化水素(HCL)、窒素酸化物(NOX)、一酸化炭素(CO)の 5 項目の排ガス濃度は、施設内、屋外及び小榊支所にデジタル表示された公害監視盤を 設置し、定常運転時の常時測定の結果を公開する。 ・排ガス処理設備として、ろ過式集じん機(バグフィルタ)等の有害ガス除去装置を設 置する。 14 ・炉の起動時、停止操作時において、助燃装置を使用し炉内の適切な温度管理を実施す る。 ・ごみピット内の粉じんの拡散防止のため、燃焼設備に供給する空気をごみピット内か ら取り込み、ごみピット内を負圧に保つ。 ・ごみピットの投入扉は、ごみピット内の粉じんの拡散防止のため、開閉時間が短く、 気密性に優れた観音開き方式とする。 ・廃棄物運搬車両の定期的な整備・点検の実施を徹底する。 ・車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運転は行わないよう 指導を徹底する。 ・本施設から排出する焼却灰、飛灰は、天蓋装置付きの灰搬出車両で搬出し、運搬時の 飛散を防止する。 (2)騒音・振動・低周波音 ・施設から発生する騒音については、敷地境界及び周辺の居住地域の境界における保全 協定値を定めて管理する。 ・プラント設備は原則として建屋内に配置し、騒音、振動、低周波音の発生を防止する。 ・騒音、振動、低周波音を発生する機器を配置する箇所では、構造方式の選定に十分な 検討を行う。 ・本施設への出入口(プラットフォーム出入り口を除く)にシャッター等を設け、外部 への騒音、低周波音の漏洩を防ぐため可能な限り閉鎖する。 ・騒音、低周波音の大きな機器については、騒音の伝播を緩和させるため、吸音材、隔 壁、防音室及びサイレンサを設置する等の防音対策を施す。 ・振動の著しい設備機器の基礎・土台は、独立基礎とし、振動が伝播しにくい構造とす る。 ・主要な振動発生機器については,基礎部への防振ゴムの施工等の防振対策を施す。 ・一般持込車両を除く車両の運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負 荷運転は行わないよう指導を徹底する。 ・廃棄物運搬車両の定期的な整備・点検の実施を徹底する。 (3)悪臭 ・施設からの悪臭については、周辺の居住地域の境界における保全協定値を定めて管理 する。 ・ごみピット内の臭気の漏洩防止のため、燃焼設備に供給する空気をごみピット内から 取り込み、ごみピット内を負圧に保つ。 ・プラットホームの出入口には、悪臭の漏洩防止のため、自動開閉式の鋼性シャッター、 シートシャッター及びエアカーテンを設置する。 ・ごみピットの投入扉は、悪臭の漏洩防止のため、開閉時間が短く、気密性に優れた観 音開き方式とする。 ・全休炉時においても、ごみピット内の臭気の漏洩防止のため、脱臭装置の設置及び消 臭剤の散布を実施する。 ・排水処理設備、ごみピット汚水槽等の臭気発生源にも換気設備を設け、ごみピットに 排気する。 ・廃棄物運搬車両の洗車場を建物内に設置する。 ・廃棄物運搬車両の定期的な洗車・整備・点検の実施を徹底する。 15 (4)水質 ・本施設の排水は、原則、場内の排水処理施設で処理して再生利用水として循環利用し たうえで、余剰水は関係法令による基準を遵守し下水道へ放流する。 (5)景観 ・親しみやすくシンプルで清潔な建築とし、清掃工場のイメージを変えられるような建 物外観の色彩やデザインの工夫を行う。 ・清掃工場は単独で巨大なボリュームを持つため、工場棟高さは可能な限りそのボリュ ームを低減させるデザインを採用する。 ・周辺地域に圧迫感を与えない、地域と調和する景観づくりとする。 ・敷地境界には、可能な限り緑地帯を配置する。 (6)その他 ・廃棄物運搬車両は、主として金水トンネルを経由する経路とする。 ・灰搬出車両及び職員通勤車両は、金水トンネルを経由する経路とする。 ・車両運転者に対して、走行速度や一旦停止の遵守といった交通法規を厳守させるとと もに、未成年や高齢者には特に配慮した運転を行わせる。 ・プラットホームを 2 階に配置する等、可能な限り掘削土量を削減するとともに、発生 した掘削土は盛土に利用し場外に搬出しないように努める。 ・高効率発電施設を導入し、地球温暖化防止に貢献する。 ・市民の要望等を踏まえながら余熱利用施設を設置し、地球温暖化防止に貢献する。 ・環境エネルギー(自然採光、雨水利用など)を積極的に取入れ、環境と調和した施設 とする。 ・見学者への啓発を通じて、ごみ問題や地球環境に貢献する。 2 防災計画 (1)風水害 風水害対策における基本的な配慮事項を以下に示す。 ・過去の気象データを十分に把握したうえで、建物、煙突の強度及び雨水排水対策等の 設計値を定める。 ・機器配置については、可能な限り建屋内配置とする。 ・重要機器や受配電設備等は地下階への設置を避ける。 ・1 階床面のレベルを可能な限り高くする。 ・プラットホームは、浸水及び津波対策のため 2 階に配置し、ごみピットへの浸水を防 ぐ。 ・地震時の転倒防止のための設置基準を考慮する。 (2)塩害 塩害対策における基本的な配慮事項を以下に示す。 ・本施設では、基本的に岩礁隣接地域として「重耐塩」の塩害対策を設計時点で考慮す る。 ・設備機器は建物内に収納する。 ・出入口、給排気口といった建物の主要な開口部の位置及び緑地帯等は、風向を考慮し た配置とする。 16 ・屋外にやむを得ず設置する機器については、覆い等により風の吹き込みを防ぐととも に、材質選定、耐塩被覆、耐塩塗装などで対応する。 (3)地震 地震対策における基本的な配慮事項を以下に示す。 ・「官庁施設の総合耐震計画基準及び同解説」に準拠した構造とする。 ・本施設は、構造体の耐震性能の向上を図るべき施設として位置づけ、 「建築構造設計基 準及び同解説」 ((社)公共建築協会)による耐震安全性の分類Ⅱ類※(重要度係数 1.25) とする。 ・焼却処理棟は、焼却炉関連施設を備えた特殊な建築物であり、これらの施設は重量が 大きいことから、十分な構造耐力を持つ建築構造とする。 ・煙突は、長周期地震動を考慮した構造物とする。 ・上部構造形式は軽量化に留意し、下部構造は十分に剛なものとする。 ・構造耐力上重要な外壁は RC 構造とする。 ・地震感知器を設置し、概ね震度 5 以上を感知した場合にはごみ処理を自動的に停止で きるシステムを構築する。 (4)液状化・地盤沈下 液状化については、地質調査結果によると、液状化判定をマグニチュード 7.5 とし、水平 加速度 150gal、200gal の 2 パターンで試算を行った結果、建設予定地の埋立層は「総体的に は液状化しないが、局部的に液状化する。 」との判定となっている。 地盤の沈下については、現地の地質調査結果によると、当地の地層では圧密沈下が問題と なるような軟弱な粘性土は分布していない。また、砂礫や捨石によって構成される埋土の層 厚が厚く、埋土の施工時期が昭和 56 年で、約 30 年経過していることから、埋土や砂の圧縮 沈下についても問題ないと考えられる。 液状化、地盤沈下対策における基本的な配慮事項を以下に示す。 ・工場の建物や煙突及び機械設備類は、十分な強度を持った支持基盤まで打ち込んだ杭 上に設置する。 ・基礎構造は、上部構造の形式、規模、支持地盤の条件及び施工性等を総合的に検討し 建物に有害な障害が生じないように配慮する。 ・杭基礎は、支持地盤の状況を勘案し選定する。 ・地下水槽等は水密性の高い構造とし、槽内部からの漏水及び槽外部からの地下水等の 流入を防止する。 ・敷地内の道路については、液状化の影響を受けることが考えられ、仮に発生した場合 は、周辺道路と同様、早急な復旧により搬入に支障がないよう対応する。 (5)停電 緊急時においても施設の安全を確保するために、本施設では消防法や建築基準法に基づく 非常用設備並びに施設内の停止することが許されない重要負荷、保安用負荷、計装設備等に 電力を供給するための非常用発電設備を設置する。 17 3 環境モニタリング(監視)計画 周辺環境の保全のための環境モニタリング(監視)計画を表 2-9 に示す。 表 2-9 環境モニタリング(監視)計画 項 排ガス 目 測定地点 硫黄酸化物、ばいじん、塩化水素、窒素酸化物、一酸化炭素、 二酸化炭素、酸素 硫黄酸化物、ばいじん、窒素酸化物、塩化水素、一酸化炭素、 二酸化炭素、酸素 焼却灰 連続注 1) 煙突 1 回/月 ダイオキシン類 2 回/年 ダイオキシン類 1 回/年 熱灼減量(熱灼減量、水分、未燃物、不燃物、灰分) 主灰ピット 重金属含有量(総水銀、カドミウム、鉛) 1 回/月 2 回/年 溶出試験(水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、セレン) 飛灰 測定頻度 ダイオキシン類 重金属含有量(総水銀、カドミウム、鉛) 飛灰ピット 2 回/年 溶出試験(水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、セレン) 放流水 ダイオキシン類 2 回/年 ふっ素及びその化合物 1 回/月 生物化学的酸素要求量(BOD)、窒素含有量、燐含有量、鉄及び その化合物(溶解性) 、マンガン及びその化合物(溶解性) 、 銅及びその化合物、亜鉛及びその化合物、クロム及びその化 合物、六価クロム化合物、砒素及びその化合物、シアン化合 物、有機燐化合物、ポリ塩化ビフェニル、アルキル水銀化合 物、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロ メタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエ チレン、シス-1,2‐ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエ タン、1,1,2‐トリクロロエタン、1,3-ジクロロプロペン、チ ウラム、シマジン、チオベンカルブ、セレン及びその化合物、 ベンゼン、フェノール類、アンモニア態及び硝酸、亜硝酸態 窒素、ほう素及びその化合物、ノルマルヘキサン抽出物質含 有量、 排水処理 5 回/年 設備 総水銀、カドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物 2 回/年 水素イオン濃度(pH)、浮遊物質量(SS)、化学的酸素要求量 1 回/年 (COD) 騒音 騒音レベル 敷地境界 3 回/年 悪臭 臭気強度 敷地境界 2 回/年 注 1) 硫黄酸化物、ばいじん、塩化水素、窒素酸化物、一酸化炭素は、施設内外及び小榊支所の公害監視盤でデ ジタル表示する。 18 第3章 都市計画対象事業実施区域及びその周囲の概況(地域特性) 対象事業実施区域及びその周囲(以下、「調査範囲」という。)の概況について、既存の文献 または資料に基づきとりまとめた。 地域特性の把握の範囲は、周辺地形、市街地及び環境に関する既存測定局の位置等を勘案し て、対象事業実施区域から半径約 4km の範囲とした。なお、統計資料等、市単位で地域特性を 把握する事項については、対象事業実施区域が存在する長崎市について把握した。 第1節 社会的状況 1 行政区画 こうやぎ いおうじま のもざき 長崎市は、平成 17 年に西彼杵郡香 焼 町、伊王島町、高島町、野母崎町、三 行政区画 2 平成 22 年の長崎市の人口は 441,749 人、189,486 世帯であり、人口密度は 1,087 人/km2 である。近年、周辺町との合併により一時的に人口は増加したも のの、人口密度は減少傾向が続いている。一方、世帯数は対照的に年々増加 傾向にある。 産業 産業の状況 4 きんかい 人口 人口の状況 3 そとめ 和町及び外海町が、平成 18 年に西彼杵郡琴 海 町が編入され現在の長崎市にな った。 長崎市の就業者数は、第 3 次産業が最も多く、第 2 次産業は平成 7 年以降 減少傾向にある。 土地利用 長崎市では山林が最も多く、次いで畑、宅地が多い。長崎県全体と比較す ると田の比率が低く、宅地の利用が多い。 対象事業実施区域は、都市地域(市街化区域)に指定されている。 土地利用計画の状況 対象事業実施区域に最も近いものは神の島公園であり、次いで鼠島公園で 公園の立地状況 ある。 土砂及び砂利採取の状況 調査範囲では、土砂及び砂利採取は行われていない。 調査範囲では、新幹線、その他の住宅団地、工業団地、公園・緑地、公有 主要な事業計画の状況 水面埋め立ての整備が進められている。 5 環境保全についての配慮が必要な施設の状況 対象事業実施区域に最も近いものは、東側約 0.7km の小百合園保育所であ 学校、幼稚園、保育園 り、次いで同じく東側約 0.8km の小榊小学校である。 対象事業実施区域に最も近いものは、東側約 1.4km のデイサービスセンタ 病院、社会福祉施設 ーアスカ(社会福祉施設)であり、次いで北東側約 1.7km の老人福祉センター もみじ荘である。 6 水利用 調査範囲には、水道水源の取水施設はない。最も近い水源位置は式見ダム 水道の状況 となっている。 「長崎県の水資源ホームページ」(平成 24 年 4 月現在)によると、調査範囲 工業用水・農業用水の利 では、三菱重工業㈱香焼工場に海水淡水化施設が設置されており、飲料水・ 用状況 工業用水として利用されている。 対象事業実施区域は海に囲まれており、調査範囲においては、みなと漁協、 福田漁協、西彼南部漁協による漁業区域が設定されている。 漁業区域及び港湾区域 また、港湾法により定められた港湾区域として、長崎港が重要港湾に指定 されており、港湾計画が定められている。 土地利用の状況 19 7 交通 主要な道路の状況 鉄道の状況 港湾・航路の状況 8 調査範囲における主要な幹線道路としては、長崎駅を中心に複雑に交差し ており、国道 206 号と国道 499 号が南北方向を、国道 34 号、国道 324 号と国 道 202 号が東西方向をつないでいる。 対象事業実施区域に向かう道路として、ながさき女神大橋道路が平成 17 年 12 月より供用されている。 調査範囲における鉄道については、JR が長崎駅に乗り入れており、長崎駅 を中心に路面電車が市内を走っている。 調査範囲における港湾として、長崎港がある。 航路については、長崎と福江、天草、伊王島~高島、上五島などとを結ぶ 航路がある。 環境整備 下水道 廃棄物の状 況 平成 22 年度末の長崎市の下水道普及率等の状況は、 行政区域内人口 442,291 人、処理区域人口は 398,877 人で普及率は 90.2%となっている。 長崎市における平成 22 年度のごみの総排出量は年間 163,129t(1 日平均 447t)、このうち直営及び委託による収集量は 107,658t(1 日平均 295t)、民間 一般廃棄物 搬入等は 55,471t(1 日平均 152t)となっている。一般廃棄物排出量及び処分量 は、平成 18 年度以降減少傾向にある。 産業廃棄物 長崎市における産業廃棄物の処分量は、平成 19 年度から平成 20 年度にか けて減少したが、平成 21 年度は再び増加している。 9 環境法令等の指定、規制等 調査範囲において、環境法令等により規定されている指定地域等は、以下 のとおりである。 ○排水基準を定める省令に規定する湖沼・海域 長崎湾(長崎県長崎港神ノ島防波堤、港口防波堤、同防波堤南端と長崎県 西彼杵郡香焼町馬手ケ浦五番の五北西端を結ぶ線及び陸岸により囲まれ た海域)がある。 ○水質汚濁防止法による排水基準が定められた区域(上乗せ排水基準) 長崎湾がある。 ○騒音規制法に基づく自動車の限度に係る地域の指定 対象事業実施区域は、c 区域に指定されている。 ○騒音規制法に基づく特定工場等において発生する騒音の規制区域 対象事業実施区域は、第 4 種区域に指定されている。 ○騒音規制法に基づく特定建設作業に伴って発生する騒音の規制区域 環境法令等の指定、規制 対象事業実施区域は、第 2 号区域に指定されている。 等の状況 ○長崎県未来につながる環境を守り育てる条例に基づく騒音の規制基準 対象事業実施区域は、第 4 種区域に指定されている。 ○自然公園法等により指定された国定公園等 野母半島県立公園がある。 ○鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する鳥獣保護区 鳥獣保護区が 1 箇所、特定猟具使用禁止区域(銃)が 4 箇所ある。 対象事業実施区域は神ノ島特定猟具使用禁止区域(銃)に指定されてい る。 ○都市計画法に基づく用途地域 対象事業実施区域は、工業専用地域に指定されている。 ○都市計画法により指定された風致地区の区域 東山手風致地区、唐八景風致地区、魚見風致地区及び高鉾風致地区があ る。 20 第2節 自然的状況 1 大気環境 気象の状況 大気質の状況 騒音の状況 振動の状況 悪臭の状況 土壌及び地盤環境 土壌の区分 及び分布状 況 土壌の状況 土壌汚染の 状況 平成 23 年の長崎海洋気象台における平均気温は 17.0℃、降水量は 2,169.0mm、平均風速は 2.3m/s であり、風向は西北西~南西が卓越している。 対象事業実施区域の周囲には、大気汚染防止法に基づき実施される大気汚 染常時監視局として、一般環境大気測定局 2 局(小ヶ倉支所局、稲佐小学校 局)、自動車排出ガス測定局 2 局(長崎駅前局、長崎市役所局)が配置されて いる。平成 20 年度における各測定局での測定結果は、以下の通りである。 浮遊粒子状物質 すべての測定局において、環境基準(長期的評価・短期的 評価)を非達成である。 二酸化硫黄 稲佐小学校局において環境基準を達成している。 二酸化窒素 すべての測定局で環境基準を達成している。 一酸化炭素 長崎駅前局において環境基準を達成している。 有害大気汚染物質 小ヶ倉局及び長崎市役所局において、19 物質の測定結 果は、環境基準値、指針値が設定されている項目について、 値を下回っている。 ダイオキシン類 小ヶ倉支所局及び中央橋局において、環境基準を達成し ている。 道路交通騒音 騒音に係る環境基準により地域の類型が指定された 6 地点 のうち、4 地点で環境基準を達成していない。要請限度についてはいずれも超 過していない(平成 22 年度) 。 一般環境騒音 一般環境騒音の測定地点 8 地点のうち、1 地点で環境基準を 達成していないが、残りの地点では環境基準を達成している(平成 22 年度) 。 対象事業実施区域の周囲において、昼間の測定を行った 6 地点すべてで要 請限度を下回っている(平成 22 年度) 。 長崎市における平成 22 年度の苦情件数についてみると、悪臭は 25 件 (26.3%)で、騒音の 51 件(53.7%)に次いで多くなっている。 2 地盤の状況 地形の区分及び分布状況 地質の区分及び分布状況 学術上又は希少性の観点 から重要な地形及び地質 の分布 3 水環境 水象の状況 河川の水質の状況 底質の状況 調査範囲は、山地・丘陵地の大部分を乾性褐色森林土壌が占めている。ま た、一部に褐色森林土壌と黄色土壌が分布している。 調査範囲には、「土壌汚染対策法」(平成 14 年法律第 53 号)に基づく要措置 区域及び形質変更時要届出区域が 3 箇所ある(平成 23 年 4 月 1 日現在) 。 「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」による土壌汚染対策地域に指定 された地域はない。 長崎市においては、地盤沈下に関する問題は発生していない。 調査範囲には、北部及び東部に小起伏火山地、中起伏火山地が広く分布し、 南部に中起伏山地、小起伏山地が分布する。長崎湾沿いの低地には、人工改 変地が分布している。 調査範囲には、北部及び東部に「安山岩質凝灰角礫岩及び凝灰岩」及び「複 輝石安山岩」が広く分布し、南部に「黒色片岩を主とする部分」及び「緑色 片岩を主とする部分」が分布している。 調査範囲には、天然記念物等、法令等により定められた重要な地形及び地 質として、長崎市レッドデータブック改訂版により選定された岩石・層序、 岩石・地形、及び地形がある。 調査範囲を流れる主な河川は、二級河川の 4 河川(浦上川、中島川、大浦 川、鹿尾川)があり、概ね北から南に向かって流れている。 調査範囲に主な湖沼はない。 生活環境項目 鹿尾川の取水口跡で測定されており、大腸菌群数は環境基 準(A 類型)を上回っている。 要監視項目 全 27 項目中 17 項目について年 1 回の測定がされており、す べて検出されていない。 「平成 23 年度版 長崎市環境白書」(平成 23 年 8 月、長崎市)によると、 浦上川 稲佐橋等の 13 河川 13 地点、長崎湾の突堤間、内港、臨海工業沖、 港口、木鉢沖 1 海域 5 地点において、底質中の総水銀、PCB の含有量は除去基 準を超過していない。 21 長崎市では平成元年度から地下水の常時監視を目的として、トリクロロエ チレン等の有機塩素系化学物質及び重金属等の有害物質について、「概況調 査」、 「汚染井戸周辺地区調査」、 「継続監視調査」が行われている。 概況調査 平成 22 年度は 20 地点の井戸において測定が行われており、全 地点で環境基準の超過はなかった。 地下水の状況 汚染井戸周辺地区調査 平成 22 年度は 22 地点の井戸において測定が行わ れており、2 地点で総水銀、1 地点でトリクロロエ チレン、2 地点でほう素が環境基準を超過していた。 継続監視調査 平成 22 年度は 6 地点の井戸において測定が行われており、 1 地点で砒素、1 地点で総水銀、1 地点で 1,2-ジクロロエチレ ン、3 地点でトリクロロエチレンが環境基準を超過していた。 対象事業実施区域の周囲における海域の水質汚濁に係る環境基準の水質測 定地点は 8 地点(突堤間、内港口、臨海工業沖、港口、木鉢沖、香焼西港、 小江沖、福田沖)ある。 DO、COD すべての測定地点で環境基準を達成。 海域の水質の状況 大腸菌群数 測定されている 6 地点(臨海工業沖、港口、木鉢沖、香焼西 港、小江沖、福田沖)すべてで環境基準を達成。 全窒素、全燐 測定されている 5 地点(突堤間、内港口、臨海工業沖、港 口、木鉢沖)すべてで環境基準を達成。 n-ヘキサン抽出物質(油分等) すべての測定地点で環境基準を達成。 4 植物、動物及び生態系 調査範囲には、アカネズミ、ヤマガラ、カスミサンショウウオ、ヒラタク ワガタ、エビネ等の森林性のもの、アブラコウモリ、スズメ、トカゲ、トノ 文献による植物及び動物 サマガエル、ナミアゲハ、キキョウ等の人里環境で見られるもの、クロサギ、 の生育又は生息状況 アオマダラウミヘビ、ハマスズ、ボラ、カブトガニ、ハマボウ等の沿岸性の もの等、それぞれの環境に生息・生育する多様な動植物が確認されている。 文献その他の資料調査により、ミヤジマシダ、オオバウマノスズクサ、ミ ゾコウジュ、コウボウムギ等、86 科 239 種の重要な種が確認されている。ま 植物の重要な種及び重要 た、天然記念物として、長崎県指定の「大徳寺の大クス」、 「デジマノキ」が な植物群落の状況 確認されている。 調査範囲において、重要な植物群落は確認されていない。 対象事業実施区域は海で囲まれており、周囲の丘陵地には、ヤブツバキク 植生の状況 ラス域代償植生のシイ・カシ萌芽林が分布する。自然植生は、ハマビワ-オニ ヤブソテツ群集が周辺の小島と一部海岸部に見られる程度である。 文献その他の資料調査による動物の重要な種の確認状況は以下のとおであ る。 哺乳類 ホンドカヤネズミ、ホンドキツネ等 6 科 12 種が確認されている。 鳥 類 チュウサギ、コチドリ等 34 科 65 種が確認されている。 爬虫類 クサガメ、アオダイショウ等 6 科 9 種が確認されている。 動物の重要 両生類 イモリ、ニホンヒキガエル等 5 科 6 種が確認されている。 動物の重要 な種の状況 魚 類 ドジョウ、メダカ等 9 科 30 種が確認されている。 な種及び注 昆虫類 オニヤンマ、 オオチャバネセセリ等 43 科 142 種が確認されている。 目すべき生 クモ類 キノボリトタテグモ及びドウシグモの 2 科 2 種が確認されている。 息地の状況 剣尾類・甲殻類 カブトガニ、テナガエビ、ヤマトヌマエビ等 6 科 19 種が 確認されている。 注目すべき 調査範囲には、法令、条例及び条約により指定された注目すべき生息地は 生息地の状 分布していない。 況 調査範囲に典型的に見られる植物・動物の生育・生息環境としては、シイ・ カシ萌芽林及び畑地雑草群落があげられる。 生態系の概況 行動圏が広く、食物連鎖の上位に位置する留在性の高次捕食者としては、 ホンドキツネ等の哺乳類、ミサゴ等の鳥類があげられる。 調査範囲においては、特殊性を示すような環境は確認されていない。 22 5 景観 対象事業実施区域は昭和 47 年からの埋め立てにより造成された区域に位置 し、周囲は堤防や西部下水処理場、工場等で囲まれている。 地域の景観特性 調査範囲には良好な海岸景観を呈している自然海岸が点在しており、この 海岸地域の一部は野母半島県立公園となっている。 主要な眺望点の分布及び 調査範囲には、マリーナや展望台など 10 箇所の主要な眺望点が存在してい 概要 る。 調査範囲における景観資源としては、非火山性孤峰の稲佐山、海食崖の福 景観資源の分布及び概要 田崎のほか、火山群や自然海岸、野母半島県立公園があげられる。 6 人と自然との触れ合い活動の場 調査範囲には、野母半島県立公園があり、山岳と海岸地域の自然豊かな場 人と自然との触れ合い活 所となっている。この中に、主要な人と自然との触れ合いの活動の場が 7 箇 動の場の状況 所分布しており、そのうち、対象事業実施区域に最も近い人と自然との触れ 合い活動の場としては、 「神の島公園」がある。 7 歴史的文化的環境 調査範囲には、 「長崎県文化財保護条例」及び「長崎市文化財保護条例」に より指定された天然記念物、史跡、有形文化財があり、そのうち、対象事業 文化財等の状況 実施区域に最も近い指定文化財として、北東 2.2 ㎞に登録有形文化財「三菱 重工業長崎造船所ハンマーヘッド型起重機」がある。 対象事業実施区域は埋立地であるため、埋蔵文化財はない。最寄りの埋蔵 埋蔵文化財包蔵地の状況 文化財としては、対象事業実施区域の南約 600m に、 「神ノ島台場跡」がある。 第4章 環境影響評価実施地域 環境影響評価実施地域は、事業規模、内容等を考慮し、対象事業実施区域及びその周囲の概 況を把握した結果に加え、概略予測計算により求めた施設からの排ガスの最大着地濃度出現地 点が約 1 ㎞であることから安全側に考慮し、事業の実施により1以上の環境要素に係る環境影 響を受けるおそれのある地域として、図 4.1 に示す対象事業実施区域から半径 2 ㎞の範囲に係 る長崎市福田本町、大浜町、木鉢町、みなと坂、西泊町、小瀬戸町、神ノ島町の各町の一部の 地域とした。 なお、各環境要素の調査、予測地域は、環境影響評価実施地域において環境要素ごとに環境 影響を受ける範囲を考慮し、個別に調査、予測地域(第6章 都市計画対象事業に係る環境影 響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法」参照)を設定した。 23 半径 2 ㎞ 図 4.1 環境影響評価実施地域図 24 第5章 方法書についての意見及び事業者の見解 第1節 方法書についての環境の保全の見地からの意見を有する者の意見の概要及び事業者 の見解 方法書についての環境の保全の見地からの意見を有する者の意見の概要(住民等意見)及び 当該意見についての事業者の見解を表 5.1 に示す。 なお、方法書に対する関係市町長からの意見はなかった。 表 5.1 住民等意見と事業者の見解 № 意見の概要 1 環境項 調査期間等について 目全般 「4 季 7 日間」との表現ですが、工 事中もしくは操業中の調査について は、工事量やごみ処分量の少ない期間 に調査をしても、それは環境を評価す るデータにはならないと考えます。以 下の視点で調査時期を特定し、得られ た情報が意味のあるもの、つまり新西 工場の操業負荷の低い期間を狙ったも のではないデータを取得いただきた く、ご検討ください。 現西工場の操業実績に基づき、各季 でもっともごみ処理量の増える期間 (市管理の、別のごみ焼却設備の定期 点検期間中など) 。 事業者の見解 大気汚染の一般環境、道路沿道等の調査 については、現西工場の操業中に実施しま すが、その際には、現西工場のごみ処分量 が多い期間を考慮して調査するように致 します。 なお、予測・評価については、新西工場 の供用開始後の施設の稼働が定常状態と なる時期を対象として行います。 2 長崎県環境影響評価技術指針では、予測 対象時期等は「供用開始後の定常状態及び 工事の実施による影響が最大になる時期 その他予測に適切かつ効果的であると認 められる時期、期間又は時間帯」とされて います。 起動時、停止操作時においては、廃棄物 処理法施行規則に維持管理基準として「運 転を開始する場合には、助燃装置を作動さ せる等により、炉温を速やかに上昇させる こと」、 「運転を停止する場合には、助燃装 置を作動させる等により、炉温を高温に保 ち、ごみを燃焼し尽くすこと」の記述があ り、有害ガスの排出量を低く抑える方法に 主眼がおかれております。 そこで、本市におきましても施設の維持 管理においては、炉の立ち上げ時の炉温の 速やかな上昇、立ち下げ時の燃し切り運転 の他、立ち上げ時にもバグフィルタへの通 ガスを可能にする等、有害ガスの排出量を 低く抑えるよう、十分に配慮致します。 環境項 予測対象時期等について 目全般 「供用開始後の施設の稼働が定常状 態となる時期」とありますが、設備の 建設を終えた後の試験運転期間中と、 設備完成後の通常の設備起動・停止操 作における期間は、設備の安定操業を 検証する期間や、当初の性能を発揮す る操業状態に至る、もしくは設備停止 のためにそこから外れる期間に当た り、操業状態も不安定で、計画した性 能を発揮できない期間と考えます。 これらの期間は設備のトータル操業 期間と比較すれば微々たる期間であ り、地域と環境協定値による管理に含 まれるか否か、今後協議させていただ く必要があると考えますが、環境に対 する影響を管理しないで済む期間では ないと考えます。 「供用開始後の施設の稼働が定常状 態になる時期」に調査をするとの表現 が多用されていますが、上記状況をご 考慮いただき、新西工場運転中の環境 調査時期(予測対象時期等)について、 見直しをご検討下さい。 25 № 3 大気 汚染 意見の概要 調査期間等について 「全休炉時 7 日間」との記載があり ますが、これは「現西工場の操業停止 期間中の 7 日間」であると理解します。 工場がないことを想定した環境条件で の大気汚染データを取得いただき、建 設工事中および新工場操業中の環境管 理をお願いします。 事業者の見解 「全休炉時 7 日間」とは「現西工場の操 業停止期間中の 7 日間」を指し、ご意見の とおり「工場がないことを想定した環境条 件での大気汚染データ」ということになり ます。 現西工場が稼働中のデータ、全休炉時の データの両方を取得したうえで、より地域 の大気環境を代表できると考えられるデ ータを用いて、予測・評価してまいります。 4 大気 汚染 降下ばいじん濃度測定について 調査地点として、 「対象事業実施区域 敷地境界 1 地点」とありますが、煙突 から排出された煤塵は敷地外にも到達 することが予想され、地域住民にとっ てはこちらも管理していただきたい項 目と考えます。調査地点を、 「悪臭」の 調査地点を参考に、工場の周辺地域ま で拡大することをご検討いただきた く、よろしくお願いします。 降下ばいじんの現況測定は、建設工事、 特に造成工事の実施による粉じんの発生 による影響を予測・評価するために調査す るものです。工場建設前の敷地内の降下ば いじん量を把握するために敷地境界1地 点で代表して測定するものです。 煙突から排出されるばいじんによる新 西工場建設地周辺地域での影響について は、環境基準が設定されている浮遊粒子状 物質として対象事業実施区域周辺 4 地点、 道路沿道 2 地点で、4 季 7 日間と休炉時 7 日間の調査期間で現況を調査したうえで、 それらの地点で影響を予測・評価します。 5 大気 汚染 大気汚染に関する項目のうち 気象条件に関する調査について 地上気象・上層風・上空気象につい て、 「対象事業実施区域内 1 地点での計 測」と記載がありますが、現在想定し ている新西工場の煙突高さ(60~100 m)はみなと坂団地の標高とほぼ一致 するため、気象条件によっては煙突か ら排出された排ガスがあまり拡散せず にみなと坂団地まで流れてくることを 懸念しております。 「悪臭」の調査地点 のように、調査場所を増やす必要があ ると考えますので、環境影響評価方法 書への反映をご検討ください。 地上気象と上層風につきましては、対象 事業実施区域内 1 地点で 1 年間測定し、地 域の風向風速データを取得します。上層風 については新西工場の煙突高さに該当す る上空の風向風速データを取得し、地上気 象データと併せて、この地域の高度別の風 の強まり具合を詳細に把握します。上空気 象については、上空 1,000m程度までの気 温、風向・風速データを取得し、高濃度が 出現する時の気象条件下の出現状況を把 握します。 これらの気象調査は煙突から排出され る排ガスを予測するための気象データを 取得する調査であることから、煙突位置に 該当する対象事業実施区域内 1 地点での 調査としております。 なお、地上気象については、対象事業実 施区域周辺 4 地点、道路沿道 2 地点でも風 向風速を測定し、地形等による地点間の違 いを把握し、予測する際には地形も考慮 し、上記気象調査により取得したデータと 併せ、詳細な大気汚染の予測を実施しま す。 26 № 意見の概要 6 騒音 調査期間等について 振動 平日 1 日(24 時間連続) ・休日 1 日 低周波 (24 時間連続)と記載ありますが、こ 音 の表現では、 「建設工事期間(数年間) 中の平日・休日各 1 日と、新西工場安 定操業中(約 30~40 年間程度)の平 日・休日各 1 日」とも理解できます。 騒音・振動・低周波音は地域の住民 にとって、健康に影響があると懸念さ れる代表的なものと考えますが、その 調査が上記のとおりでは不十分と考え ます。調査期間について改善も含め、 具体的にご説明いただく機会を設けて 下さい。 事業者の見解 ここでの調査期間等とは、施設の建設前 の現況を把握するための調査について記 載しています。 騒音、振動、低周波音については、季節 による変動が少ない項目であることから、 平日 1 日、休日 1 日で周辺地域の環境を把 握できるものと考えています。 なお、予測・評価については、建設工事 の実施による影響が最大となる時期及び 新西工場の供用開始後の施設の稼働が定 常状態となる時期を対象として行います。 稼働後に実施する調査等については、地 元の皆様に十分に説明を行い、ご理解とご 協力をいただきながら検討致します。 7 悪臭 町民が最も心配しているのが、焼却 場の大気汚染と悪臭。 悪臭については、調査期間が 1 季 2 日となっている。悪臭については、年 間そこに居住していないと解らない。 1季 2 日の調査期間での環境アセスの 結果について信憑性が薄いものとな る。 調査期間は 4 季をお願いする。 臭気についての予測と評価の実施にお いては、当初計画で問題ないと考えており ます。しかし、住民の皆様の現況の臭気に 対する指摘や新西工場から生じる臭気に 対する懸念をふまえ、臭気強度と臭気指数 については、年間を通じた変化を把握する こととし、4 季で各 2 日(もしくは時間変 動が想定される場合は、時間帯を変えて 2 回)測定します。 また、特定の発生源等により臭気が変動 する可能性も勘案し、梅雨時にも 2 日(も しくは時間変動が想定される場合は、時間 帯を変えて 2 回)臭気強度と臭気指数を測 定します。 8 水質 汚濁 調査について 先日のご説明会で、排水は隣接する 既設の排水処理施設で処理するご計画 であると伺いました。それであれば、 本項目の調査期間は建設工事中だけで はなく、新西工場操業開始後も、隣接 する排水処理設備も含めて環境影響管 理を継続いただく必要があると考えま す。ご検討ください。 施設稼働後の水質については、施設から の排水は極力再利用した後、余剰水につい てはすべて隣接する下水処理場で処理す る計画であり、公共用水域への排水の排出 はありません。そのため、環境影響評価の 項目として選定しておりません。 工事中に敷地内に降った雨水は沈砂池 に集水した後、高濃度の濁り成分を沈降さ せた後に公共用水域に排出する計画です。 その排水については、公共用水域の水質に 影響を及ぼすおそれがあるため、工事中に おける水質に及ぼす影響について予測・評 価することとしております。 新西工場稼働後の施設からの排水につ いては、下水処理場で処理されることにな ります。なお、下水処理場からの放流水の 水質は、上下水道局が適正に維持管理する こととなっています。 27 № 意見の概要 9 廃棄物 調査期間等について 等 調査期間を説明する内容として「最 温室効 新の資料」とありますが、意図を理解 果ガス できません。最新の環境管理基準に基 づく調査期間との意味でしょうか。ご 説明いただく機会をいただきたく、ご 検討下さい。 28 事業者の見解 廃棄物等及び温室効果ガスの予測につ いては、事業計画及び類似事例等の既存資 料によるデータをもとに予測することに なります。その際、予測作業開始時点で入 手可能な最新の事業計画内容及び類似事 例等の資料を収集することを計画してい ます。 したがいまして、現況調査として現地調 査を計画しておりませんので、「調査期間 等」欄に「最新の資料」の既存資料等を収 集する意味を含めて記述したものです。 第2節 方法書についての知事の意見及び事業者の見解 環境影響評価方法書に対する知事意見及び当該意見についての事業者の見解を表 5.2 に示す。 表 5.2 知事意見と事業者の見解 № 意 見 事業者の見解 1建設予定地について (1) 建設地の地質調査の結果に基づき、煙突 地質調査の結果を踏まえ十分な強度を持っ (予定高 60m~100m)の耐震性について た支持基盤まで基礎杭を打ち込むこととしま 検討すること。 す。 構造設計では、耐震安全性において割増し の係数を見込んでいきます。 また、煙突は長周期地震動を考慮した構造 物とします。 (2) 建設地が埋立地であることから、地盤沈 地質調査の結果から局部的に液状化の危険 下について検討すること。 が予想されていることから、工場建物、煙突 及び機械設備類は、十分な強度を持った支持 基盤まで打ち込んだ杭上に設置し、液状化の 対策とします。 2炉の起動・停止操作について 炉の起動・停止の操作手順について、具 炉の起動・停止操作については、起動時は 体的に準備書に記載するとともに、必要に 助燃装置を用いて炉温の速やかな上昇を行な 応じて起動・停止時の大気汚染物質の影響 い、停止時は燃やし切り運転を行います。ま 予測を行うこと。 た、起動時にもバグフィルタへの通ガスを可 能にする等、有害ガスの排出量を低く抑える ように配慮します。その操作手順を準備書「第 2 章 第 7 節 1 環境保全計画(1)大気汚染」 に記載しました。 また、起動時、停止操作時を含んだ期間で 大気汚染の測定を実施し、現西工場の焼却炉 の起動、停止の影響について検討した結果、 当該施設からの排ガスが周辺の環境に及ぼし ている影響はほとんどない、もしくは小さい と考えられました。その内容は「第 7 章 表 7-1(1)」に記載しました。 3大気汚染について (1) 数値流体解析(RANS)に関するモデ 地形を考慮したモデルとして、数値流体解 ルの詳細な説明とともに、初期値や境界条 析の予測式の説明、また、べき指数、地表面 件等の計算条件や観測値との整合性の検 境界条件及び流入風速境界条件等の初期値や 証結果について、準備書に記載すること。 計算条件については、準備書「第 7 章 第 1 節 2 予測及び評価(3)施設等の存在及び供用(焼 却施設の稼働)」及び準備書「資料編 3 予測 結果」に記載しました。 また、風向風速の再現性等の観測値との整 合性の検討結果は、準備書「資料編 3 予測結 果」に記載しました。 29 № (2) 意 見 大気汚染物質の拡散の予測評価におい て、有効煙突高の入力の仕方を工夫し、排 ガスの上昇過程も考慮したシミュレーシ ョンを行い、その分析を基に煙突の高さの 決定について明確に分かりやすく準備書 に記載すること。 また、当該数値シミュレーションの際、 プルームモデル(平板モデル)でも予測を 行い、地形を考慮した場合との対比を明ら かにすること。 事業者の見解 排ガスの上昇過程も考慮したシミュレーシ ョンを行ったうえで、高さ 59m、80m及び 100 mの煙突の予測を行ない、 「第 7 章 表 7-3(1) ~(5)」に記載しました。 また、地形を考慮したモデルの予測結果と 対比できるようプルームモデル(平坦地形モ デル)の予測も行い、その結果を「第 7 章 表 7-3(1)~(5)」に記載しました。 (3) 排ガス中の水銀濃度の監視の必要性に ごみ焼却排ガス中には、一般的に 0.1~ ついて検討し、その結果を準備書に記載す 0.5mg/Nm3 程度の水銀が検出され、これらの発 ること。 生源はごみ中に含まれる廃乾電池、体温計、 蛍光灯等であると考えられています。しかし、 現在では分別収集の徹底や電池など製品の無 水銀化が進んでおり、排ガス中の水銀濃度は 0.1mg/Nm3 以下の場合もあります。 東京都の清掃工場で自主基準値である 0.05mg/Nm3 を上回り、焼却炉を停止した事例 がありましたが、原因は産業廃棄物の混入と されており、通常の一般廃棄物処理施設では 数値は低いと考えられるため、基準値として 設定しないこととします。 しかしながら、分別収集を徹底し、異物混 入等の監視を行い、排ガス中の水銀をはじめ とした有害物質の濃度が適正に保たれるよう に努めるとともに、稼働後は排ガス中の水銀 濃度を適宜、調査します。 排ガス中の水銀濃度の監視の必要性につい ては「第 2 章 第 5 節 4 施設計画(7)計画値」 にその検討結果を記載しました。 4悪臭について 悪臭について炉の停止状態における予 現西工場の稼動時及び休炉時において、ピ 測評価を行うこと。 ットから漏洩する悪臭について測定した結果 を用い、炉の停止状態について予測評価しま した。 その内容は「第 7 章 表 7-18」に記載しま した。 5植物について 植物の調査項目において、準備書には維 ご指摘のとおり、 「第 7 章 表 7-22」の植物 管束植物と明記すること。 の調査項目は維管束植物とし、調査及び予測 評価しました。 30 № 6景観について 意 見 事業者の見解 建屋、煙突のデザイン及び色彩について 建屋、煙突のデザイン及び色彩は、地域の 景観を損なうことのないように十分検討 景観との調和について十分に考慮したものと すること。また、景観の調査地点として、 します。また、色彩については、複数のパタ 五島航路からの眺望を追加すること。 ーンを作成し「第 7 章 図 7-11~13」に記載 しました。 また、五島航路から眺望を景観の調査とし て追加しました。 7温室効果ガスについて ごみ焼却による発電の積極的な利用を 高効率発電を導入し、熱エネルギーの有効 検討するとともに、温室効果ガスの削減に 利用を行ない温室効果ガスの削減に努めま ついても既存施設と対比して予測評価を す。その効果については既存施設との対比を 行うこと。 行い「第 7 章 表 7-32」に記載しました。 また、余熱利用施設を設置し、熱エネルギ ーの有効利用に配慮します。 8その他 (1) 「ダイオキシン類対策特別措置法」によ ご意見のとおり、準備書「第 3 章 第 1 節 9 る廃棄物焼却炉に係る排ガスの排出基準 環境法令等の指定、規制等(1)環境法令等に について準備書に記載すること。 よる指定地域及び地区並びに規制内容」に記 載しました。 (2) 「大気汚染防止法」による廃棄物焼却炉 ご意見のとおり、準備書「第 3 章 第 1 節 9 に係る大気汚染物質の排出基準について 環境法令等の指定、規制等(1)環境法令等に 準備書に記載すること。 よる指定地域及び地区並びに規制内容」に記 載しました。 31 第6章 都市計画対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法 本章に記載する環境影響評価の項目及び選定した項目における調査、予測及び評価の手法に ついては、現時点において検討されている事業計画を考慮して設定した。 環境影響評価の実施にあたっては、 「長崎県環境影響評価技術指針」(平成 12 年 4 月 18 日長 崎県告示第 559 号) (以下、 「県技術指針」という。)及び「長崎県環境影響評価技術マニュアル」 (平成 12 年 4 月) (以下、併せて「県技術指針等」という。 )に基づき行った。 第1節 環境影響要因の抽出 環境影響要因の抽出は、事業特性及び地域特性に関する情報を踏まえて行った。 環境影響要因の抽出結果を表 6.1 に示す環境影響要因と環境要素との関連に整理した。 工事中の環境影響要因としては、 「造成等の施工による一時的な影響」、 「建設機械の稼働」及 び「資機材の運搬車両の走行」を工事計画の内容を検討することにより抽出した。 また、施設等の存在及び供用の環境影響要因としては、 「焼却施設の存在」 、 「焼却施設の稼働」 及び「廃棄物運搬車両の走行」を事業計画の内容を検討することにより抽出した。 32 表 6.1 環境影響要因と環境要素との関連 施設等の存在及び 工事中 建 設 機 械 の 稼 働 資 機 材 の 運 搬 車 両 の 走 行 焼 却 施 設 の 稼 働 廃 棄 物 運 搬 車 両 の 走 行 大気汚染 ○ ○ ○ ○ 騒音 ○ ○ ○ ○ 振動 ○ ○ ○ ○ 低周波音 ○ ○ ○ ○ ○ ◎ 環境影響要因の区分 環境要素 大気環境 環境の自然的構成要素の良好 な状態の保持を旨として調 査、予測及び評価されるべき 環境要素 造 成 等 の 施 工 に よ る 一 時 的 な 影 響 供用 焼 却 施 設 の 存 在 電波障害 悪臭 水環境 水質汚濁 ○ × 水象 × × 土壌汚染 土壌に係る環境その 地盤沈下 他の環境 地形及び地質 生物の多様性の確保及び自然 植物 環境の体系的保全を旨として 動物 調査、予測及び評価されるべ き環境要素 生態系 ○ × ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ 景観 人と自然との豊かな触れ合い の確保及び歴史的文化的環境 人と自然との触れ合い活動の場 の保全を旨として調査、予測 及び評価されるべき環境要素 歴史的文化的環境 環境への負荷の量の程度によ 廃棄物等 り調査、予測及び評価される 温室効果ガス べき環境要素 ○ ○ ○ ○ ○ × × × ○ ○ 備考:1.○印は、県技術指針別表 10 に掲げられている標準項目であり、本事業の特性から各欄の環境要素が環境 影響要因の区分の項に掲げる各要因により影響を受けるおそれがあることから選定した環境要素を示す。 2.×印は、県技術指針別表 10 に掲げられている標準項目であるが、本事業の特性から各欄の環境要素が環境 影響要因の区分の項に掲げる各要因により影響を受けるおそれがないことから環境要素として選定しない ことを示す。 3.◎印は、県技術指針別表 10 に掲げられている標準項目以外であるが、本事業の特性から各欄の環境要素が 環境影響要因の区分の項に掲げる各要因により影響を受けるおそれがあることから、追加して選定した環 境要素を示す。 33 第2節 環境影響評価項目の選定 環境影響評価の項目の選定は、前節で抽出した環境影響要因に対し、各環境要素の選定を行 い、県技術指針の別表 10 に基づき、本事業に対する環境影響評価の項目を選定した。 環境影響評価の対象項目の選定の結果及びその選定理由は表 6.2(1)~(2)に示すとおりであ る。 表 6.2(1) 環境影響評価の項目及びその選定理由(工事中) 造 成 環境影響要因の区分 等 の 施 工 に よ る 一 時 的 な 影 響 環境要素 建 設 機 械 の 稼 働 大気汚染 ○ 騒音 ○ 振動 ○ 低周波音 ○ 大気環境 水質汚濁 ○ 水象 × 水環境 動物 ◎ ◎ 生態系 ◎ ◎ 人と自然との触れ合い活動の場 歴史的文化的環境 廃棄物等 ○ 資 機 材 の 運 搬 車 両 の 走 行 選定理由または選定しない理由 ・建設工事に伴い粉じんが発生する。 ○ ・資機材の運搬車両の走行に伴う自動車排ガスが発生す る。 ・建設工事に伴い稼働する工事機械から騒音が発生する。 ○ ・資機材の運搬車両の走行に伴い運搬経路沿道における騒 音が発生する。 ・建設工事に伴い稼働する工事機械から振動が発生する。 ○ ・資機材の運搬車両の走行に伴い運搬経路沿道における振 動が発生する。 ・建設工事に伴い稼働する工事機械から低周波音が発生す る。 ○ ・資機材の運搬車両の走行に伴い運搬経路沿道における低 周波音が発生する。 ・土工事中における土砂が降雨時に対象事業実施区域外へ 排出することが考えられる。 ・対象事業実施区域は海域に面している平坦な埋立地であ り、大規模な切盛土工事を行わないこと、地下水の揚水 を行わないことから水象に影響を与える要因はない。 ・施設の建設に伴い発生する土砂が降雨時に周辺水路に流 れ込むことが考えられる。 ・建設工事に伴い稼働する工事機械から騒音が発生するこ とによる動物への影響が考えられる。 ・施設の建設に伴い発生する土砂が降雨時に周辺水路に流 れ込むことが考えられる。 ・建設工事に伴い稼働する工事機械から騒音が発生するこ とによる生態系への影響が考えられる。 ・周辺には人と自然との触れ合い活動の場があり、資機材 ○ の運搬車両が人と自然との触れ合い活動の場の周辺道 路を走行することが考えられる。 ・対象事業実施区域は埋立地であり、文化財等が存在しな × い。 ・施設の建設に伴い産業廃棄物及び残土が発生する。 備考:○、◎及び×印については、先の表の備考欄に示すとおりである。 34 表 6.2(2) 環境影響評価の項目及びその選定理由(施設等の存在及び供用) 焼 却 環境影響要因の区分 施 設 の 存 在 焼 却 施 設 の 稼 働 廃 棄 物 運 搬 車 両 の 走 行 大気汚染 ○ ○ 騒音 ○ ○ 振動 ○ ○ 低周波音 ○ ○ 悪臭 ○ ◎ 水質汚濁 × 水象 × 土壌汚染 ○ 環境要素 大気環境 水環境 土壌に係る環 境その他の環 境 地形及び地質 × 植物 ○ 動物 ○ 生態系 ○ 景観 ○ 人と自然との触れ合い活動の場 ○ 歴史的文化的環境 × 選定理由または選定しない理由 ・施設の稼働に伴うばい煙等が発生する。 ・廃棄物運搬車両の走行に伴う自動車排ガスが発生する。 ・施設の稼働に伴う工場騒音が発生する。 ・廃棄物運搬車両の走行に伴い運搬経路沿道における騒音 が発生する。 ・施設の稼働に伴う工場振動が発生する。 ・廃棄物運搬車両の走行に伴い運搬経路沿道における振動 が発生する。 ・施設の稼働に伴い低周波音が発生することが考えられ る。 ・廃棄物運搬車両の走行に伴い運搬経路沿道における低周 波音が発生することが考えられる。 ・施設の稼働に伴い煙突排出ガス及びごみピットからの漏 洩臭気による影響が考えられる。 ・廃棄物運搬車両の運搬経路沿道における廃棄物運搬車両 からの漏洩臭気による影響が考えられる。 ・施設からの排水は下水道へ放流することから周辺の水質 汚濁に影響を与える要因はない。 ・施設からの排水は下水道へ放流すること、また、地下水 の揚水を行わないことから水象に影響を与える要因は ない。 ・施設の稼働に伴う煙突排出ガスからの大気汚染物質が周 辺土壌を汚染することが考えられる。 ・対象事業実施区域は海域に面している平坦な埋立地であ り、重要な地形及び地質が存在しないことから地形及び 地質に影響を与える要因はない。 ・焼却施設の存在により、植物、動物の生育・生息環境及 び生態系が変化することによる影響が考えられる。 ・焼却施設の存在により、眺望景観への影響が考えられる。 廃棄物等 ○ 温室効果ガス ○ ・焼却施設の存在により、人と自然との触れ合い活動への 影響が考えられる。 ○ ・廃棄物運搬車両の運搬車両が人と自然との触れ合い活動 の場の周辺道路を走行することによる影響が考えられ る。 ・対象事業実施区域は埋立地であり、文化財等が存在しな × い。 ・施設の稼働に伴い産業廃棄物が発生する。 ・施設の稼働に伴い温室効果ガスを排出する。 備考:○、◎及び×印については、先の表の備考欄に示すとおりである。 35 第3節 調査、予測及び評価の手法 (1)大気汚染 調査の手法 環境 項目 調査地域・ 調査期間等 調査地点 「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年 対 象 事 業 実 施 区 域 4季各7日間 5月環境庁告示第25号)に定める溶液導電率また 周辺4地点 全休炉時7日間 は紫外線蛍光法(JIS B7952) 調査項目 大気質 の状況 調査方法 一般環境 硫黄酸化物 窒素酸化物 「二酸化窒素に係る環境基準について」(昭和53年 7月環境庁告示第38号)に定めるザルツマン試薬によ る吸光光度法また はオゾンを 用い る化 学発 光法 (JIS B7953) 「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年 5月環境庁告示第25号)に定めるβ線吸収法(JIS B7954) 浮遊粒子状物質 微小粒子状物質 「微小粒子状物質による大気汚染に係る環境基 準について」(平成21年9月環境庁告示第33号)に 定める濾過捕集による質量濃度測定方法によっ て測定された質量濃度と等価な値が得られると 認められる自動測定機による方法 注)「微小粒子状物質の標準測定法と等価性を有 する自動測定機について」(平成22年10月 環 境省水・大気環境局大気環境課)により、PM2.5 の環境基準の新しい測定手法として定義された ことから、方法書記載の手法から変更した。 塩化水素 「大気汚染物質測定法指針」(昭和62年8月環境 庁編)に基づくイオンクロマトグラフ法 ダイオキシン類 「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び 土壌の汚染に係る環境基準について」(平成11 年環境庁告示第68号)に定めるハイボリュームエアサンプ ラーで採取した試料を高分解能ガスクロマトグラフ質量分 析計により測定する方法 「地上気象観測指針」(平成14年3月気象庁編) に基づく風向風速計により測定する方法 風向風速 ベンゼン、トリクロロエチレン、テト 「有害大気汚染物質測定方法マニュアル」(平成22年 対 象 事 業 実 施 区 域 4季各1日間 ラクロロエチレン、ジクロロメタン 3月環境省)に基づくキャニスターまたは捕集管に採取 周辺4地点 した試料をガスクロマトグラフ質量分析法により測定す る方法 大 気 汚 染 その他有害物質 注1) 降下ばいじん濃度 道路沿道 窒素酸化物 浮遊粒子状物質 風向風速 気象の 状況 「有害大気汚染物質測定方法マニュアル」(平成22年 3月環境省)に基づくキャニスター、捕集管、ハイボリューム エアサンプラー等で採取した試料をガスクロマトグラフ質量分 析法や原子吸光光度法などにより測定する方法 「衛生試験法・注解2005」(2005年2月日本薬学 対 象 事 業 実 施 区 域 1ヶ月連続12回 会編)に基づくダストジャー法 敷地境界1地点 「二酸化窒素に係る環境基準について」(昭和53年 運 搬 経 路 と し て 想 4季各7日間 7月環境庁告示第38号)に定めるザルツマン試薬によ 定される道路沿道2 全休炉時7日間 る吸光光度法また はオゾンを 用い る化 学発 光法 地点 (JIS B7953) 「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年 5月環境庁告示第25号)に定めるβ線吸収法(JIS B7954) 「地上気象観測指針」(平成14年3月気象庁編) に基づく風向風速計により測定する方法 地上気象 風向風速、日射 量、 「地上気象観測指針」(平成14年3月気象庁編) 対 象 事 業 実 施 区 域 1年間連続 気温、湿度、放 射収 に基づく風向風速計等の測定器により測定する 内1地点 支量 方法 上層風 風向風速 地上からのドップラー音波レーダ(リモートセンシング装置) により観測する方法 上空気象 気温及び風向風 速の 「高層気象観測指針」(2004年気象庁)に基づ 鉛直分布 く低層レーウィンゾンデによる観測する方法(地上か ら高度200mまでは25mごと、高度200m~500mまで は50mごと、高度500m~1,500mまでは100mごと に観測) 1年間連続 4季各7日間 その他の 地形及び工作物の状況 既存の資料の収集・整理による方法(必要に応 対 象 事 業 実 施 区 域 最新の資料 必要事項 土地利用の状況 じて現地踏査) 周辺 主要な発生源の状況 法令による基準等 注1) :アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀及びその化合物、ニッケル化合物、クロロホルム、1、2-ジクロロエタン、1、3-ブタジエン、酸化エチレン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒ ド、ベンゾピレン、ひ素及びその化合物、ベリリウム及びその化合物、マンガン及びその化合物、クロム及びその化合物 36 予測の手法 環境 項目 評価の手法 予測地域・ 予測対象時期等 予測地点 建設工事に伴い発生す 「道路環境影響評価の技術手法2007改訂 対 象 事 業 実 施 区 工事の実施によ ① 環境影響の回避・低減 る粉じん 版」(2007年9月財団法人道路環境研究 域周辺 る影響が最大と 事業の実施による影響が、 所編)に基づく事例の引用または解析に なる時期 事業者により実行可能な範 よる方法 囲内でできる限り回避さ れ、または低減されてお り、必要に応じその他の方 法により環境の保全につい ての配慮が適正になされて いるかどうかについて検討 資機材の運搬車両走行 「道路環境影響評価の技術手法2007改訂 資 機 材 の 運 搬 車 することにより行う。 に よ る 浮 遊 粒 子 状 物 版」(2007年9月財団法人道路環境研究 両 の 走 行 経 路 沿 質、窒素酸化物 所編)に基づく大気拡散式による方法 道 ② 環境保全施策との整合 国、県または市町村による 環境の保全の観点からの施 策によって、評価項目に係 る環境要素に関して基準ま たは目標が示されている場 合には、当該基準または目 標と調査及び予測の結果と の間に整合が図られている かどうかについて検討する ことにより行う。 予測項目 工事中 施 設 の 存 煙突排出ガスから発生 在 及 び 供 する年平均値(硫黄酸 用 化物、窒素酸化物、浮 遊粒子状物質、水銀、 ダイオキシン類) 予測方法 ③ 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示 されている手法に基づくこ 「 窒 素 酸 化 物 総 量 規 制 マニュアル[ 新版 ]」 対 象 事 業 実 施 区 供用開始後の施 ととする。 (平成12年12月公害研究対策センター編)、 域周辺 設の稼働が定常 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュアル」(昭 状態となる時期 和 61 年 6 月 社 団 法 人 全 国 都 市 清 掃 会 議 編)に基づく大気拡散式による方法(地 形の影響を考慮した数値計算) 大 気 汚 染 煙突排出ガスから発生 す る 1時 間 値 ( 硫 黄 酸 化物、窒素酸化物、浮 遊粒子状物質、塩化水 素) 「 窒 素 酸 化 物 総 量 規 制 マニュアル[ 新版 ]」 (平成12年12月公害研究対策センター編)、 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュアル」(昭 和 61 年 6 月 社 団 法 人 全 国 都 市 清 掃 会 議 編)に基づく大気拡散式による方法(地 形の影響を考慮した数値計算) 大気安定度不安定時等の高濃度が生じる 可能性があるケースを抽出し予測する。 煙突排出ガスから発生 する日平均値(二酸化 硫黄、二酸化窒素、浮 遊粒子状物質) 「 窒 素 酸 化 物 総 量 規 制 マニュアル[ 新版 ]」 (平成12年12月公害研究対策センター編)、 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュアル」(昭 和 61 年 6 月 社 団 法 人 全 国 都 市 清 掃 会 議 編)に基づく大気拡散式による方法(地 形の影響を考慮した数値計算) 廃棄物運搬車両の走行 「道路環境影響評価の技術手法2007改訂 廃 棄 物 運 搬 車 両 に伴う自動車排ガスに 版」(2007年9月財団法人道路環境研究 の走行経路沿道 よる窒素酸化物、浮遊 所編)に基づく大気拡散式による方法 粒子状物質 37 (2)騒音・振動・低周波音・悪臭 環境 項目 騒音の 状況 騒 音 調査の手法 調査項目 調査方法 調査地域・調査地点 調査期間等 環境騒音 「騒音に係る環境基準について」(平成10年 対象事業実施区域敷地 平日1日 (等価騒音レベル及び時間率騒音レ 環境庁告示第64号)に規定する騒音の測定方 境界及びその周辺 計 (24時間連続) ベル) 法 3地点 休日1日 (24時間連続) 道路交通騒音(等価騒音レベル) 「騒音に係る環境基準について」(平成10年 運搬経路として想定さ 交通量 環境庁告示第64号)に規定する騒音の測定方 れる道路沿道2地点 法 地形及び工作物の状況 既存の資料の収集・整理による方法(必要に 対象事業実施区域周辺 最新の資料 応じて現地踏査) 土地利用の状況 その他の 必要事項 主要な発生源の状況(道路状況 (車線数、道路幅、法定速度) を含む) 法令による基準等 環境振動(時間率振動レベル) 振動の 状況 振 動 「特定工場において発生する振動の規制に関 対象事業実施区域敷地 平日1日 する基準」(昭和51年環境庁告示第90号)に 境界及びその周辺 計 (24時間連続) 規定する振動の測定方法 2地点 休日1日 (24時間連続) 道路交通振動(時間率振動レベ 「振動規制法施行規則」(昭和51年総理府令 運搬経路として想定さ ル) 第58号)に規定する振動の測定方法 れる道路沿道2地点 地盤及び地形の状況 (地盤卓越振動数を含む) 土地利用の状況 その他の 必要事項 主要な発生源の状況 既存の資料の収集・整理による方法(必要に 応じて現地踏査) ただし、地盤卓越振動数については県技術指 針に基づく1/3オクターブバンド分析器を用いる方 法とする 法令による基準等 環境低周波音(音圧レベル) 低 周 波 音 低周波音 の状況 道路交通低周波音(音圧レベル) 地形及び工作物の状況 その他の 必要事項 土地利用の状況 主要な発生源の状況 悪臭の 状況 悪 臭 気象の 状況 既存の資料の収集につ いては対象事業実施区 域周辺 地盤卓越振動数につい ては運搬経路として想 定 さ れ る 道 路 沿 道 2地 点 既存の資料の収 集については最 新の資料 地盤卓越振動数 については1回 「低周波音の測定方法に関するマニュアル」(平 対象事業実施区域敷地 平日1日 成12年環境庁)に基づく低周波音の測定方法 境界及びその周辺 計 (24時間連続) 3地点 休日1日 (24時間連続) 運搬経路として想定さ れる道路沿道2地点 既存の資料の収集・整理による方法(必要に 対象事業実施区域周辺 最新の資料 応じて現地踏査) 特定悪臭物質、臭気指数、臭気 「特定悪臭物質の測定の方法」(昭和47年5 対象事業実施区域敷地 強度 月環境庁告示第9号)、「臭気指数及び臭気 境界及びその周辺 計 排出強度の算定の方法」(平成7年9月環境庁 6地点 告示第63号)に規定する測定方法 運搬経路として想定さ れる道路沿道2地点 特定悪臭物質: 1季2日 臭気指数、臭気 強度:4季及び 梅雨時 各2回 地上気象 風向風速、日射 量、 「地上気象観測指針」(平成14年3月気象庁 対 象 事 業 実 施 区 域 内 1 1年間連続 気温、湿度、放 射収 編)に基づく風向風速計等の測定器により測 地点 ※「大気汚染」 支量 定する方法 の調査結果を流 用 地形及び工作物の状況 その他の 土地利用の状況 必要事項 主要な発生源の状況 既存の資料の収集・整理による方法(必要に 対象事業実施区域周辺 最新の資料 応じて現地踏査) 法令による基準等 38 予測の手法 環境 項目 予測項目 工事中 建設機械の稼働に伴い 発生する騒音レベル 資機材の運搬車両の走 行に伴い発生する騒音 レベル 騒 音 施 設 の 存 施設の稼働に伴い発生 在 及 び 供 する騒音レベル 用 廃棄物の運搬車両の走 行に伴い発生する騒音 レベル 評価の手法 予測地域・ 予測対象時期等 予測地点 「道路環境影響評価の技術手法 対 象 事 業 実 施 区 工事の実施によ ① 環境影響の回避・低減 2007改訂版」(2007年9月財団法 域周辺 る影響が最大と 事業の実施による影響が、事業者により 人道路環境研究所編)に基づく伝 なる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ 播過程を考慮した距離減衰式によ れ、または低減されており、必要に応じ る方法 その他の方法により環境の保全について の配慮が適正になされているかどうかに 「ASJ RTN-Model 2008」(2009年 資 機 材 の 運 搬 車 ついて検討することにより行う。 日本音響学会)に基づく道路交通 両 の 走 行 経 路 沿 騒音の予測式による方法 道 ② 環境保全施策との整合 国、県または市町村による環境の保全の 観点からの施策によって、評価項目に係 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュア 対 象 事 業 実 施 区 供用開始後の施 る環境要素に関して基準または目標が示 ル」(昭和61年6月社団法人全国都 域周辺 設の稼働が定常 されている場合には、当該基準または目 市清掃会議編)に基づく伝播過程 状態となる時期 標と調査及び予測の結果との間に整合が を考慮した距離減衰式による方法 図られているかどうかについて検討する ことにより行う。 「ASJ RTN-Model 2008」(2009年 廃 棄 物 運 搬 車 両 日本音響学会)に基づく道路交通 の走行経路沿道 ③ 評価の手法の選定理由 騒音の予測式による方法 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 予測方法 工事中 建設機械の稼働に伴い 「道路環 境影 響評 価の 技術 手法 対 象 事 業 実 施 区 工事の実施によ ① 環境影響の回避・低減 発生する振動レベル 2007改訂版」(2007年9月財団法 域周辺 る影響が最大と 事業の実施による影響が、事業者により 人道路環境研究所編)に基づく事 なる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ 例の引用または解析による方法 れ、または低減されており、必要に応じ その他の方法により環境の保全について の配慮が適正になされているかどうかに 資機材の運搬車両の走 「道路環 境影 響評 価の 技術 手法 資 機 材 の 運 搬 車 ついて検討することにより行う。 行に伴い発生する振動 2007改訂版」(2007年9月財団法 両 の 走 行 経 路 沿 レベル 人道路環境研究所編)に基づく振 道 ② 環境保全施策との整合 動レベルの80%レンジの上端値を予測 国、県または市町村による環境の保全の するための式による方法 観点からの施策によって、評価項目に係 振 動 施 設 の 存 施設の稼働に伴い発生 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュア 対 象 事 業 実 施 区 供用開始後の施 る環境要素に関して基準または目標が示 在 及 び 供 する振動レベル ル」(昭和61年6月社団法人全国都 域周辺 設の稼働が定常 されている場合には、当該基準または目 用 市清掃会議編)に基づく伝播過程 状態となる時期 標と調査及び予測の結果との間に整合が 図られているかどうかについて検討する を考慮した距離減衰式による方法 ことにより行う。 廃棄物の運搬車両の走 「道路環 境影 響評 価の 技術 手法 廃 棄 物 運 搬 車 両 行に伴い発生する振動 2007改訂版」(2007年9月財団法 の走行経路沿道 レベル 人道路環境研究所編)に基づく振 動レベルの80%レンジの上端値を予測 するための式による方法 工事中 建設機械の稼働に伴い 類似事例または伝播理論計算式に 対 象 事 業 実 施 区 工 事 の 実 施 に よ ① 環境影響の回避・低減 発生する低周波音の音 よる方法 域周辺 る 影 響 が 最 大 と 事業の実施による影響が、事業者により 圧レベル なる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ れ、または低減されており、必要に応じ その他の方法により環境の保全について 資機材の運搬車両の走 資機材の運搬車 の配慮が適正になされているかどうかに 行に伴い発生する低周 両の走行経路沿 ついて検討することにより行う。 波音の音圧レベル 道 低 周 波 施 設 の 存 施設の稼働に伴い発生 類似事例または伝播理論計算式に 対 象 事 業 実 施 区 供 用 開 始 後 の 施 音 在 及 び 供 する低周波音の音圧レ よる方法 域周辺 設の稼働が定常 用 ベル 状態となる時期 廃棄物の運搬車両の走 行に伴い発生する低周 波音の音圧レベル 施設の存 在及び供 用 悪 臭 ③ 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 煙突排出ガスから発生 する特定悪臭物質等 (特定悪臭物質の濃度 及び臭気指数) 廃棄物運搬車両 の走行経路沿道 ② 環境保全施策との整合 国、県または市町村による環境の保全の 観点からの施策によって、評価項目に係 る環境要素に関して基準または目標が示 されている場合には、当該基準または目 標と調査及び予測の結果との間に整合が 図られているかどうかについて検討する ことにより行う。 ③ 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 窒素酸化物総量規制マニュアル増補改 対 象 事 業 実 施 区 供用開始後の施 ① 環境影響の回避・低減 訂版」(平成7年8月環境庁編)、 域周辺 設の稼働が定常 事業の実施による影響が、事業者により 「ごみ焼却施設環境アセスメントマニュア 状態となる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ ル」(昭和61年6月社団法人全国都 れ、または低減されており、必要に応じ 市清掃会議編)に基づく大気拡散 その他の方法により環境の保全について 式による方法(地形の影響を考慮 の配慮が適正になされているかどうかに した数値計算) ついて検討することにより行う。 施設の稼働に伴い漏洩 類似事例の引用による方法 する特定悪臭物質等 (特定悪臭物質の濃度 及び臭気指数) 廃棄物の運搬車両の走 類似事例の引用による方法 行に伴い漏洩する特定 悪臭物質等(特定悪臭 物質の濃度及び臭気指 数) 廃棄物運搬車両 の走行経路沿道 ② 環境保全施策との整合 国、県または市町村による環境の保全の 観点からの施策によって、評価項目に係 る環境要素に関して基準または目標が示 されている場合には、当該基準または目 標と調査及び予測の結果との間に整合が 図られているかどうかについて検討する ことにより行う。 ③ 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 39 (3)水質汚濁・土壌汚染・植物・動物 環境 項目 水質の 状況 水 質 水域の 汚 状況 濁 気象の 状況 調査の手法 調査項目 調査方法 調査地域・調査地点 水質(浮遊物質量、濁度、透 「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和 流入前後の2地点 視度、生活環境項目) 46年12月環境庁告示第59号)に規定する水質 の測定方法 濁度についてはJIS K0101に、透視度につい てはJIS K0102に基づく方法 河川の状況 調査期間等 4季各1日 既存の資料の収集・整理による方法 対象事業実施区域周辺 最新の資料 既存の資料の収集・整理による方法 対象事業実施区域周辺 最新の資料 海域の状況 降水量 土砂の沈降状況(土砂沈降試 験) その他の 必要事項 主要な発生源の状況 法令による基準等 既存の資料の収集・整理による方法 対象事業実施区域周辺 最新の資料 土砂沈降試験については、「公害防止の技術 と法規(水質編)」(平成7年5月通商産業 省)の沈降試験方法に基づく方法 土壌の汚染に係る環境基準27 「土壌の汚染に係る環境基準について」(平 対 象 事 業 実 施 区 域 内 5 1回 項目 成3年8月環境庁告示第46号)に定める方法 地点 土 壌 汚 染 土壌汚染 ダイオキシン類 の状況 「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁 対象事業実施区域周辺 及び土壌の汚染に係る環境基準について」 6地点 (平成11年環境庁告示第68号)に定める方 法 地歴の状況 既存の資料の収集・整理による方法 その他の 土地利用の状況 必要事項 発生源の状況 対象事業実施区域 最新の資料 地歴については 適宜 法令による基準等 植物(維 植物(維管束植物)の生育状 現地踏査 況 管束植 物)の生 植生 植物社会学的植生調査法 育状況 地形、地質、土壌、水象等の 文献その他の資料及び現地調査による情報の 状況 収集並びに当該情報の整理及び解析 対象事業実施区域及び 3 季 ( 春 季 、 夏 周辺約1㎞範囲内 季、秋季) 対象事業実施区域及び 最新の資料につ その周辺 いては適宜 植 生育環境 気象の状況 物 大気汚染、水質汚濁等の状況 法令による基準等 文献その他の資料及び現地調査による情報の 対象事業実施区域及び 最新の資料につ 収集並びに当該情報の整理及び解析 その周辺 いては適宜 国、県及び市町村の作成した その他の 絶滅のおそれのある野生生物 必要事項 の種のリスト等 動物の 状況 動 物 脊椎動物 哺乳類 昆虫類その他 の主な動物の 鳥類 状況 両生類 直接観察法、フィールドサイン法、トラップ 対象事業実施区域及び 4季(春季、夏 法 周辺約1㎞範囲内 季、秋季、冬 季) ラインセンサス法、ポイントセンサス法 直接観察法 3季(春季、夏 季、秋季) 爬虫類 直接観察法 昆虫類 任意採取法、ライトトラップ法、ベイトト ラップ法 水生動物の状 底生動物 況 定量採集、定性採集 2季(夏季、冬 季) 地形、地質、土壌、水象、植 文献その他の資料及び現地調査による情報の 対象事業実施区域及び 最新の資料につ 生等の状況 収集並びに当該情報の整理及び解析 その周辺 いては適宜 生息環境 気象の状況 大気汚染、水質汚濁等の状況 法令による基準等 文献その他の資料及び現地調査による情報の 対象事業実施区域及び 最新の資料につ 収集並びに当該情報の整理及び解析 その周辺 いては適宜 その他の 国、県及び市町村の作成した 必要事項 絶滅のおそれのある野生生物 の種のリスト等 40 予測の手法 環境 項目 評価の手法 予測地域・ 予測対象時期等 予測地点 出 水 時 の 浮 遊 物 質 量 工 事 計 画 及 び 土 壌 沈 降 試 対 象 事 業 実 施 区 工事の実施によ ① 環境影響の回避・低減 (SS) 験に基づく方法 域の沈砂池出口 り造成裸地面が 事業の実施による影響が、事業者により 最大となる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ れ、または低減されており、必要に応じ その他の方法により環境の保全について の配慮が適正になされているかどうかに ついて検討することにより行う。 予測項目 工事中 予測方法 ② 環境保全施策との整合 国、県または市町村による環境の保全の 観点からの施策によって、評価項目に係 る環境要素に関して基準または目標が示 されている場合には、当該基準または目 標と調査及び予測の結果との間に整合が 図られているかどうかについて検討する ことにより行う。 水 質 汚 濁 ③ 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 施 設 の 存 煙突からのダイオキシン類 在及び供 用 大 気 質 予 測 結 果 及 び 現 況 対 象 事 業 実 施 区 供 用 開 始 後 の 施 ① 環境影響の回避・低減 調査結果に基づき予測 域周辺 設 の 稼 働 が 定 常 事業の実施による影響が、事業者により 状態となる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ れ、または低減されており、必要に応じ その他の方法により環境の保全について の配慮が適正になされているかどうかに ついて検討することにより行う。 ② 環境保全施策との整合 国、県または市町村による環境の保全の 観点からの施策によって、評価項目に係 る環境要素に関して基準または目標が示 されている場合には、当該基準または目 標と調査及び予測の結果との間に整合が 図られているかどうかについて検討する ことにより行う。 土 壌 汚 染 ③ 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 施設の存 在及び供 用 植 物 植生の改変の程度、重 現 況 調 査 結 果 及 び 事 業 計 対 象 事 業 実 施 区 供 用 開 始 後 の 施 ① 環境影響の回避・低減 要な植物種及び植物群 画 を も と に 類 似 事 例 の 引 域及び周辺約1km 設 の 稼 働 が 定 常 事業の実施による影響が、事業者により 落の消滅の有無 用や解析による予測 範囲内 状態となる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ れ、または低減されており、必要に応じ その他の方法により環境の保全について の配慮が適正になされているかどうかに ついて検討することにより行う。 ② 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されている手 法に基づくこととする。 工事中 動 物 生息環境の改変の程 現 況 調 査 結 果 及 び 事 業 計 対 象 事 業 実 施 区 工 事 の 実 施 に よ ① 環境影響の回避・低減 度、重要な動物種の生 画 を も と に 類 似 事 例 の 引 域及び周辺約1km る 影 響 が 最 大 と 事業の実施による影響が、事業者により 息状況への影響 用や解析による予測 範囲内 なる時期 実行可能な範囲内でできる限り回避さ れ、または低減されており、必要に応じ その他の方法により環境の保全について の配慮が適正になされているかどうかに ついて検討することにより行う。 施 設 の 存 生息環境の改変の程 在 及 び 供 度、重要な動物種の生 用 息状況への影響 供 用 開 始 後 の 施 ② 評価の手法の選定理由 設 の 稼 働 が 定 常 県技術指針第1章総論に示されている手 状態となる時期 法に基づくこととする。 41 (4)生態系・景観・人と自然との触れ合い活動の場・廃棄物等・温室効果ガス 環境 項目 調査項目 生態系の概況 生 態 系 複数の注目種及び群集の状況 主要な眺望点及び視点場 景観資源の状況 景 観 景観の 状況 主要な眺望景観の状況 土地利用の状況 その他の 地形及び地質の状況 必要事項 関係法令による指定、規制等 主要な人と自然との触れ合い活 動の場の状況(位置、規模、区 域、分布状況) 人 と 自 活然 動と のの 場触 れ 合 い 調査の手法 調査方法 調査地域・調査地点 植物、動物調査結果に基づき整理及び解 植物、動物に同じ 析 文献その他の資料及び現地調査による情 報の収集並びに当該情報の整理及び解析 文献その他の資料及び写真撮影等の現地 対象事業実施区域及び 最新の資料について 調査による情報収集並びに当該情報の整 周辺4km は適宜。 理及び解析 写真撮影については 眺望点及び視点場の 利用状況、景観資源 の自然特性を考慮 対象事業実施区域及び し、主要な眺望景観 周辺4㎞にある主要な が当該地域において 眺望点及び視点場7地 代表的なものとなる 点 期間、時期及び時間 帯を設定する。 既存の資料の収集・整理による方法(必 対象事業実施区域及び 最新の資料について 要に応じて現地踏査) その周辺 は適宜 文献その他の資料による情報収集並びに 対象事業実施区域及び 主要な人と自然との 当該情報の整理及び解析 その周辺 触れ合い活動の場を 利用状況を適切に把 握できる時期及び時 間帯に1回 主要な人 と自然と 主要な人と自然との触れ合い活 文献その他の資料及び写真撮影等の現地 対象事業実施区域及び の触れ合 動の場の利用状況及び利用環境 調査による情報収集並びに当該情報の整 その周辺 理及び解析 い活動の 交通量調査(駐車場の利用者数・利用台 主要ルートの沿道1地 場の状況 数)及び利用者への聞き取り調査 点 土地利用の状況 その他の 関係法令による指定、規制等 必要事項 産業廃棄物 廃棄物及 建設発生土 び建設発 生土の処 理並びに 廃 処分等の 棄 状況 物 等 関係法令等による指定、規制等 既存の資料の収集・整理による方法(必 対象事業実施区域及び 最新の資料について 要に応じて現地踏査) その周辺 は適宜 文献その他の資料による情報の収集及び 事業に伴う産業廃棄物 最新の資料 事業内容から発生状況や発生時期等の当 等が処理・処分される 該情報の整理による方法 区域 既存の資料の収集・整理による方法 その他の 必要事項 温室効果 温室効果ガス ガス 温 ガ室 ス効 果 調査期間等 植物、動物に同じ 事業に伴う産業廃棄物 最新の資料 等が処理・処分される 区域 文献その他の資料による情報の収集及び 対象事業実施区域及び 最新の資料 事業内容から温室効果ガスの排出量の原 その周辺 単位等の当該情報の整理による方法 関係法令等による指定、規制等 既存の資料の収集・整理による方法 その他の 必要事項 42 対象事業実施区域及び その周辺 予測の手法 環境 項目 予測地域・ 予測地点 注目種及び群集の生息 現況調査結果及び事業計画 対 象 事 業 実 施 区 環境または生育環境へ をもとに類似事例の引用や 域及び周辺約1km の影響並びにそれによ 解析による予測 範囲内 り把握される生態系の 構造及び機能への影響 予測項目 工事中 予測方法 予測対象時期等 評価の手法 工 事 の 実 施 に よ ① 環境影響の回避・低減 る 影 響 が 最 大 と 事業の実施による影響が、事業 なる時期 者により実行可能な範囲内でで きる限り回避され、または低減 されており、必要に応じその他 の方法により環境の保全につい 生 ての配慮が適正になされている 態 施 設 の 存 注目種及び群集の生息 現況調査結果及び事業計画 対 象 事 業 実 施 区 供 用 開 始 後 の 施 かどうかについて検討すること 系 在 及 び 供 環境または生育環境へ をもとに類似事例の引用や 域及び周辺約1km 設 の 稼 働 が 定 常 により行う。 用 の影響並びにそれによ 解析による予測 範囲内 状態となる時期 ② 評価の手法の選定理由 り把握される生態系の 県技術指針第1章総論に示されて 構造及び機能への影響 いる手法に基づくこととする。 施 設 の 存 主要な眺望点及び視点 改変の程度について事例の 対象事業実施区 供用開始後の施 ① 環境影響の回避・低減 在 及 び 供 場並びに景観資源の変 引用または解析による方法 域及び周辺約4km 設の稼働が定常 事業の実施による影響が、事業 用 化の程度 状態となる時期 者により実行可能な範囲内でで きる限り回避され、または低減 されており、必要に応じその他 の方法により環境の保全につい ての配慮が適正になされている 景 かどうかについて検討すること 観 主要な眺望点及び視点 フォトモンタージュを用い 7地点 により行う。 場からの景観の変化 た視覚的な方法 ② 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されて いる手法に基づくこととする。 工事中 人 と 自 活然 動と のの 場触 れ 合 い 人と自然との触れ合い 場の分布及び利用環境の改 対象事業実施区 工事の実施によ ① 環境影響の回避・低減 活動の場の分布または 変の程度について把握し、 域周辺1地点 る影響が最大と 事業の実施による影響が、事業 利用環境の改変の程度 利用性の変化及び快適性の なる時期 者により実行可能な範囲内でで 変化について事例の引用ま きる限り回避され、または低減 たは解析による方法 されており、必要に応じその他 の方法により環境の保全につい 人と自然との触れ合い 資機材の運搬車両が一般交 主 要 ル ー ト の 沿 ての配慮が適正になされている 活動の場へのアクセス 通量に与える寄与率等によ 道1地点 かどうかについて検討すること ルートへの影響 り予測 により行う。 施 設 の 存 人と自然との触れ合い 場の分布及び利用環境の改 対象事業実施区 供用開始後の施 在 及 び 供 活動の場の分布または 変の程度について把握し、 域周辺1地点 設の稼働が定常 ② 評価の手法の選定理由 用 利用環境の改変の程度 利用性の変化及び快適性の 状態となる時期 県技術指針第1章総論に示されて 変化について事例の引用ま いる手法に基づくこととする。 たは解析による方法 人と自然との触れ合い 廃棄物運搬車両が一般交通 主 要 ル ー ト の 沿 活動の場へのアクセス 量に与える寄与率等により 道1地点 ルートへの影響 予測する方法 工事中 産業廃棄物 建設発生土 廃 棄 物 施 設 の 存 産業廃棄物 等 在及び供 用 施 設 の 存 温室効果ガス 在及び供 用 温 ガ室 ス効 果 工事計画及び類似事例の引 対 象 事 業 実 施 区 工 事 の 実 施 に よ ① 環境影響の回避・低減 用から推定する方法 域 る 影 響 が 最 大 と 事業の実施による影響が、事業 なる時期 者により実行可能な範囲内でで きる限り回避され、または低減 されており、必要に応じその他 の方法により環境の保全につい ての配慮が適正になされている 事業計画及び類似事例の引 対 象 事 業 実 施 区 供 用 開 始 後 の 施 かどうかについて検討すること 用から推定する方法 域 設 の 稼 働 が 定 常 により行う。 状態となる時期 ② 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されて いる手法に基づくこととする。 事業計画及び類似事例をも 対 象 事 業 実 施 区 供 用 開 始 後 の 施 ① 環境影響の回避・低減 とに推定する方法 域 設 の 稼 働 が 定 常 事業の実施による影響が、事業 状態となる時期 者により実行可能な範囲内でで きる限り回避され、または低減 されており、必要に応じその他 の方法により環境の保全につい ての配慮が適正になされている かどうかについて検討すること により行う。 ② 評価の手法の選定理由 県技術指針第1章総論に示されて いる手法に基づくこととする。 43 第7章 都市計画対象事業に係る環境影響評価の調査、予測及び評価の結果 表 7-1(1) 大気汚染(1) 環境要素の区分 大気環境 大気汚染 粉じん(降下ばいじん) 影響要因の区分 工事中(建設機械の稼働) 調査結果 a 大気質の状況 二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)、ダイオキシン類(DXN)、ベンゼン、 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンは、すべての期間のすべての地点 で環境基準を下回った。 微小粒子状物質(PM2.5)は、日平均値の最大値を 1 日平均値の環境基準と比較すると、すべての 地点において 1 日平均値の環境基準を上回った。また、1 時間値の平均値の四季平均値を 1 年平均 値の環境基準と比較すると、すべての地点において 1 年平均値の環境基準を上回った。平成 22 年 度の全国の微小粒子状物質(PM2.5)の有効測定局数 は、一般環境測定局では 34 局であり、その年 平均値は 15.1μg/m3 となっている。長期基準(1 年平均値)及び短期基準(1 日平均値の年間 98% タイル値)のいずれの環境基準も達成した一般環境測定局は 11 局であり、その達成率は 32.4%に とどまっている。 塩化水素(HCL)は、すべての期間のすべての地点で定量下限値未満であり、指針値等の基準を下 回った。 その他有害物質は、すべての地点で指針値等の基準を下回った。 降下ばいじんは、調査期間中、すべての地点で指標値を下回った。 【現西工場の稼働時、休炉時】 二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)の明らかな濃度差はなく、現西工場の排ガスが周辺の大気環 境に及ぼしている影響は小さいと考えられる。 浮遊粒子状物質(SPM)の濃度差はほとんどなく、現西工場の排ガスが周辺の大気環境に及ぼして いる影響はほとんどないと考えられる。 微小粒子状物質(PM2.5)は 1 時間値の平均値では、休炉時に比べ稼働時の方がやや高くなった。 塩化水素(HCL)はすべての地点で定量下限値未満であることから差が見られなかった。 ダイオキシン類(DXN)は期間平均値において比較すると、稼働時に比べ休炉時の方が低くなった。 【焼却炉の起動時、停止操作時】 高濃度の二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)は発生しておらず、また、現西工場の排ガスが周辺 の大気環境に及ぼしている影響は小さいと考えられる。 高濃度の浮遊粒子状物質(SPM)は発生しておらず、また、現西工場の排ガスが周辺の大気環境に 及ぼしている影響はほとんどないと考えられる。 b 気象の状況 【地上気象】 年間を通じての最多風向は北北西(NNE)であり、平均風速は 2.5m/s であった。 月平均気温は 7.2~28.0℃、月平均湿度は 60~88%、日射量の月平均値は 7.44~22.25MJ/m2、放 射収支量の月平均値は 1.35~12.80MJ/m2 であった。 【上層風】 風向は、高度 60m では年間を通して、昼間はすべての風速階級において西~北の風が卓越してい た。夜間は 0.5m/s~4m/s の階級で北北東~東南東の風、風速 4m/s 以上の階級では北西~北の風が 卓越していた。 風速は、年間を通じて、下層から高度 180m をピークに、高度とともに風速が大きくなり、高度 200m ではやや小さくなった。 【上空気象】 風向は、年間では高度 25m~50m で東風、75m~300m では北よりの風が多く観測され、350m~800m では南よりの風が多く観測された。高度 900m~1,500m までは北西~南の風が多く観測された。 風速は、年間を通して、昼間、夜間ともに高度とともに風速が大きくなる傾向が見られた。 気温は、年間を通じて、昼間は日射により地面付近が温められることから、高度が上昇するに従 い気温が低下する鉛直分布となった。 煙突からの排出ガスの拡散に影響を及ぼす逆転層である全層・二段逆転及び上層逆転の出現率 は、指定高度 100m では四季合計で約 26%、指定高度 180m では四季合計で約 19%、指定高度 200m では四季合計で約 18%であった。 44 表 7-1(2) 大気汚染(1) 環境要素の区分 大気環境 大気汚染 粉じん(降下ばいじん) 影響要因の区分 工事中(建設機械の稼働) 建設工事に伴い発生する粉じん(降下ばいじん)の予測結果を下表に示す。 建設工事に伴い発生する粉じんは、最も多い夏季で 15.4t/km2/月となり、基準を下回った。 予測地点 対象事業実施区域 敷地境界 (最大地点) 予測結果 時期 春 夏 秋 冬 寄与濃度 (t/km2/月) ① 7.4 10.2 8.7 10.2 現況濃度 (t/km2/月) ② 4.9 5.2 2.5 4.0 予測濃度 (t/km2/月) ①+② 12.3 15.4 11.2 14.2 基準 20t/km2/月 以下 注 1) 赤枠で示した値が各季のうちの最大値を示す。 注 2) 粉じんについては環境基準が設定されていないことから、「浮遊粒子状物質による環境汚染の環境基 準に関する専門委員会報告」 (1970 年、生活環境審議会公害部会浮遊粉じん環境基準専門委員会)で 示されている指標値と比較した。 環境保全措置 場内散水 タイヤ洗浄用の プールの設置 荷台のシート養 生等の徹底 周辺道路の清 掃・散水 環境保全措置 期待される効果 場内を散水することにより、飛散する粉じんの発生の低減が見込まれる。 資機材の運搬車両等のタイヤ洗浄を義務付けることで、粉じんの発生の低 減が見込まれる。 ダンプトラック等の粉じんが発生する車両について、荷台のシート養生等 の飛散防止策を徹底することにより、粉じんの発生の低減が見込まれる。 道路上の粉じんを清掃し、散水することにより、飛散する粉じんの発生の 低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから粉じんの発生の低減が図られ、事 業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 建設工事に伴い発生する粉じんは基準を下回ることから、環境保全施策との整合が図られている ものと評価した。 45 表 7-2 大気汚染(2) 環境要素の区分 大気環境 大気汚染 窒素酸化物、浮遊粒子状物質 影響要因の区分 工事中(資機材の運搬車両の走行) 調査結果 表 7-1(1) 調査結果に記載したとおりである。 資機材の運搬車両の走行により発生する二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の予測結果を下表に示 す。 二酸化窒素の日平均値の年間 98%値は 0.015~0.016ppm、浮遊粒子状物質の年間の日平均値の 2%除外値は 0.054mg/m3 であり、いずれの地点も環境基準を下回った。 項 予測結果 目 予測地点 二酸化窒素 (ppm) No.6(金水地区) 浮遊粒子状 物質 (mg/m3) No.6(金水地区) No.7(小榊港公園) No.7(小榊港公園) 寄与濃度 ① 年平均値 現況濃度 ② 予測濃度 ①+② 年間 98% 値・2%除 外値 0.00011 0.005 0.00511 0.015 0.0000003 0.006 0.00600 0.016 0.00001 0.023 0.02301 0.054 0.00000004 0.023 0.02300 0.054 環境基 準 0.04~ 0.06 以下 0.10 以下 注 1)現況濃度は各地点の現地調査の四季平均値を示す。 注 2) 年間 98%値とは二酸化窒素の環境基準である「日平均値の年間 98%値」、2%除外値とは浮遊粒子状物 質の環境基準である「年間の日平均値の 2%除外値」を示す。 環境保全措置 環境保全措置 資 機 材 の 運 搬車 両 の 走 行時期の分散化 資 機 材 の 運 搬車 両 の 整 備・点検の実施 車 両 運 転 者 に対 す る 運 行方法等の指導徹底 建 設 副 産 物 発生 量 を 削 減 期待される効果 排出ガス発生源の集中化を避けることにより、大気汚染物質の発生 の低減が見込まれる。 資機材の運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、大気汚染物 質の発生の低減が見込まれる。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運 転は行わないよう指導を徹底することにより、大気汚染物質の発生 の低減が見込まれる。 建設副産物発生量を削減することで、資機材の運搬車両の走行台数 が減少し、大気汚染物質の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、排出ガスの発生抑制、車両台数 の削減が図られ、事業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で回避、低減されているもの と評価した。 b 環境保全施策との整合 資機材の運搬車両の走行により発生する二酸化窒素及び浮遊粒子状物質は環境基準を下回るこ とから、環境保全施策との整合が図られているものと評価した。 46 表 7-3(1) 大気汚染(3) 環境要素の区分 大気環境 煙突から発生する硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒 子状物質、水銀、ダイオキシン類、塩化水素 大気汚染 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-1(1) 調査結果に記載したとおりである。 a 年平均値(長期予測) 平坦地形モデルを除く煙突高 59m、80m 及び 100m の各地点の二酸化硫黄の年間の日平均値の 2% 除外値は 0.006ppm、二酸化窒素の日平均値の年間 98%値は 0.009ppm、浮遊粒子状物質の年間の日 平均値の 2%除外値は 0.054~0.056 mg/m3、水銀の年平均値は 1.7~3.5ng/m3、ダイオキシン類の 年平均値は 0.00856~0.02568pg-TEQ/m3 であり、すべての地点のすべての煙突高で環境基準または 基準(指針値)を下回った。 硫黄酸化物 予測地点 年平均値(長期予測) 予測モデル 地形を考慮した No.2 モデル (神ノ島一 丁目緑道) 平坦地形モデル 予測結果 No.3 地形を考慮した (神ノ島三 モデル 丁目公民 館) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.4 モデル (みなと坂 船の公園) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.5 モデル (福田中学 校) 平坦地形モデル 最大着地濃 度地点 地形を考慮した モデル 平坦地形モデル 煙突高 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 年平均値(ppm) 寄与濃度 現況濃度 予測濃度 ① ② ①+② 0.000047 0.00205 0.000032 0.00203 0.002 0.000024 0.00202 0.000030 0.00203 0.000033 0.00203 0.000023 0.00202 0.002 0.000018 0.00202 0.000024 0.00202 0.000036 0.00204 0.000029 0.00203 0.002 0.000025 0.00203 0.000021 0.00202 0.000010 0.00201 0.000008 0.00201 0.002 0.000006 0.00201 0.000008 0.00201 0.000086 0.002 0.00209 0.000056 0.002 0.00206 0.000043 0.002 0.00204 0.000053 0.002 0.00205 2%除外値 (ppm) 環境基準 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 日平均値 の2%除外 値 0.04ppm 以下 注 1)現況濃度は、各地点の現地調査の休炉時を除く四季平均値を示す。 注 2) 2%除外値とは二酸化硫黄の環境基準である「年間の日平均値の 2%除外値」を示す。 注 3) 参考として、平坦地形モデルによる結果も示す。 注 4) 最大着地濃度地点とは、対象事業実施区域外で最も高濃度となる地点を示す。 注 5) 最大着地濃度地点の現況濃度は、最大着地濃度地点に近い地点の現況濃度を用いた。(地形を考慮した モデルの煙突高 59m、80m 及び平坦地形モデル:No.2(神ノ島一丁目緑道)地点、地形を考慮したモデル の煙突高 100m:No.4(みなと坂船の公園)地点) 47 表 7-3(2) 大気汚染(3) 環境要素の区分 大気環境 煙突から発生する硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒 子状物質、水銀、ダイオキシン類、塩化水素 大気汚染 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 二酸化窒素 年平均値(長期予測) 年平均値(ppm) 寄与濃度 現況濃度 予測濃度 ① ② ①+② 59m 0.000080 0.00408 地形を考慮した No.2 80m 0.000055 0.00406 (神ノ島一 モデル 0.004 100m 0.000040 0.00404 丁目緑道) 平坦地形モデル 59m 0.000050 0.00405 59m 0.000056 0.00406 No.3 地形を考慮した 80m 0.000040 0.00404 (神ノ島三 モデル 0.004 丁目公民 100m 0.000030 0.00403 館) 平坦地形モデル 59m 0.000040 0.00404 59m 0.000062 0.00406 地形を考慮した No.4 80m 0.000050 0.00405 (みなと坂 モデル 0.004 100m 0.000042 0.00404 船の公園) 平坦地形モデル 59m 0.000036 0.00404 59m 0.000017 0.00402 地形を考慮した No.5 80m 0.000013 0.00401 (福田中学 モデル 0.004 100m 0.000011 0.00401 校) 平坦地形モデル 59m 0.000014 0.00401 59m 0.000145 0.004 0.00415 地形を考慮した 80m 0.000095 0.004 0.00410 最大着地濃 モデル 度地点 100m 0.000074 0.004 0.00407 平坦地形モデル 59m 0.000091 0.004 0.00409 注 1)現況濃度は、各地点の現地調査の休炉時を除く四季平均値を示す。 予測地点 注 2) 注 3) 注 4) 注 5) 予測結果 予測モデル 煙突高 年間98%値 (ppm) 環境基準 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 0.009 日平均値 の年間 98%値 0.04 ~ 0.06ppm 以下 年間 98%値とは二酸化窒素の環境基準である「日平均値の年間 98%値」を示す。 参考として、平坦地形モデルによる結果も示す。 最大着地濃度地点とは、対象事業実施区域外で最も高濃度となる地点を示す。 最大着地濃度地点の現況濃度は、最大着地濃度地点に近い地点の現況濃度を用いた。(地形を考慮した モデルの煙突高 59m、80m 及び平坦地形モデル:No.2(神ノ島一丁目緑道)地点、地形を考慮したモデル の煙突高 100m:No.4(みなと坂船の公園)地点) 浮遊粒子状物質 予測地点 年平均値(長期予測) 予測モデル 地形を考慮した No.2 (神ノ島一 モデル 丁目緑道) 平坦地形モデル No.3 地形を考慮した (神ノ島三 モデル 丁目公民 館) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.4 (みなと坂 モデル 船の公園) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.5 (福田中学 モデル 校) 平坦地形モデル 地形を考慮した 最大着地濃 モデル 度地点 平坦地形モデル 煙突高 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 年平均値(mg/m3) 寄与濃度 現況濃度 予測濃度 ① ② ①+② 0.000023 0.02102 0.000016 0.02102 0.021 0.000012 0.02101 0.000015 0.02102 0.000016 0.02002 0.000012 0.02001 0.020 0.000009 0.02001 0.000012 0.02001 0.000018 0.02102 0.000015 0.02102 0.021 0.000012 0.02101 0.000011 0.02101 0.000005 0.02001 0.000004 0.02000 0.020 0.000003 0.02000 0.000004 0.02000 0.000043 0.021 0.02104 0.000028 0.021 0.02103 0.000022 0.021 0.02102 0.000027 0.021 0.02103 2%除外値 (mg/m3) 環境基準 0.056 0.056 0.056 0.056 0.054 0.054 0.054 0.054 0.056 0.056 0.056 0.056 0.054 0.054 0.054 0.054 0.056 0.056 0.056 0.056 日平均値 の2%除外 値 0.10ppm 以下 注 1)現況濃度は、各地点の現地調査の四季平均値を示す。 注 2) 2%除外値とは浮遊粒子状物質の環境基準である「年間の日平均値の 2%除外値」を示す。 注 3) 参考として、平坦地形モデルによる結果も示す。 注 4) 最大着地濃度地点とは、対象事業実施区域外で最も高濃度となる地点を示す。 注 5) 最大着地濃度地点の現況濃度は、最大着地濃度地点に近い地点の現況濃度を用いた。(地形を考慮した モデルの煙突高 59m、80m 及び平坦地形モデル:No.2(神ノ島一丁目緑道)地点、地形を考慮したモデル の煙突高 100m:No.4(みなと坂船の公園)地点) 48 表 7-3(3) 大気汚染(3) 環境要素の区分 大気環境 煙突から発生する硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒 子状物質、水銀、ダイオキシン類、塩化水素 大気汚染 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 水銀 年平均値(長期予測) 予測地点 予測モデル No.2 (神ノ島一 丁目緑道) 地形を考慮した モデル 平坦地形モデル 地形を考慮した No.3 モデル (神ノ島三 丁目公民館) 平坦地形モデル No.4 (みなと坂 船の公園) 地形を考慮した モデル No.5 (福田中学 校) 地形を考慮した モデル 最大着地濃 度地点 平坦地形モデル 平坦地形モデル 地形を考慮した モデル 平坦地形モデル 煙突高 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 年平均値(ng/m3) 寄与濃度 現況濃度 予測濃度 ① ② ①+② 1.2 2.6 0.8 2.2 1.4 0.6 2.0 0.7 2.1 0.8 2.5 0.6 2.3 1.7 0.4 2.1 0.6 2.3 0.9 2.4 0.7 2.2 1.5 0.6 2.1 0.5 2.0 0.2 1.7 0.2 1.7 1.5 0.2 1.7 0.2 1.7 2.1 1.4 3.5 1.4 1.4 2.8 1.1 1.5 2.6 1.3 1.4 2.7 基準 年平均値 40ng/m3以下 注 1)現況濃度は、各地点の現地調査の休炉時を除く四季平均値を示す。 注 2) 参考として、平坦地形モデルによる結果も示す。 注 3) 最大着地濃度地点とは、対象事業実施区域外で最も高濃度となる地点を示す。 注 4) 最大着地濃度地点の現況濃度は、最大着地濃度地点に近い地点の現況濃度を用いた。(地形を考慮した モデルの煙突高 59m、80m 及び平坦地形モデル:No.2(神ノ島一丁目緑道)地点、地形を考慮したモデル の煙突高 100m:No.4(みなと坂船の公園)地点) 予測結果 ダイオキシン類 予測地点 年平均値(長期予測) 予測モデル 地形を考慮した No.2 モデル (神ノ島一 丁目緑道) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.3 モデル (神ノ島三 丁目公民館) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.4 モデル (みなと坂 船の公園) 平坦地形モデル 地形を考慮した No.5 モデル (福田中学 校) 平坦地形モデル 最大着地濃 度地点 地形を考慮した モデル 平坦地形モデル 煙突高 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 59m 80m 100m 59m 年平均値(pg-TEQ/m3) 寄与濃度 現況濃度 予測濃度 ① ② ①+② 0.000117 0.00922 0.000081 0.00918 0.0091 0.000059 0.00916 0.000074 0.00917 0.000082 0.02568 0.000059 0.02566 0.0256 0.000045 0.02565 0.000059 0.02566 0.000091 0.00859 0.000073 0.00857 0.0085 0.000062 0.00856 0.000053 0.00855 0.000024 0.00932 0.000019 0.00932 0.0093 0.000016 0.00932 0.000021 0.00932 0.000214 0.0091 0.00931 0.000140 0.0091 0.00924 0.000108 0.0085 0.00861 0.000133 0.0091 0.00923 環境基準 年平均値 0.6pg-TEQ/m3 以下 注 1)現況濃度は、各地点の現地調査の休炉時を除く四季平均値を示す。 注 2) 参考として、平坦地形モデルによる結果も示す。 注 3) 最大着地濃度地点とは、対象事業実施区域外で最も高濃度となる地点を示す。 注 4) 最大着地濃度地点の現況濃度は、最大着地濃度地点に近い地点の現況濃度を用いた。(地形を考慮した モデルの煙突高 59m、80m 及び平坦地形モデル:No.2(神ノ島一丁目緑道)地点、地形を考慮したモデル の煙突高 100m:No.4(みなと坂船の公園)地点) 49 表 7-3(4) 大気汚染(3) 環境要素の区分 大気環境 煙突から発生する硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒 子状物質、水銀、ダイオキシン類、塩化水素 大気汚染 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) b 1 時間値(短期予測) 焼却施設の稼働に伴い煙突から発生する大気汚染物質濃度(硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒子 状物質、塩化水素)の予測結果を下表に示す。 最も高濃度となる条件下での二酸化硫黄の 1 時間値の予測濃度は 0.0175ppm、二酸化窒素の 1 時 間値の予測濃度は 0.0331ppm、浮遊粒子状物質の 1 時間値の予測濃度は 0.0648mg/m3、塩化水素の 1 時間値の予測濃度は<0.0096ng/m3 であり、すべての地点で環境基準または基準を下回った。 1 時間値(地形を考慮したモデル:風向 W) 寄与濃度(最大着地濃度) ① 予測項目 煙突高 通常 逆転層 59m 0.0025 0.0055 二酸化硫黄 80m 0.0021 0.0050 (ppm) 100m 0.0019 0.0045 59m 0.0033 0.0072 二酸化窒素 80m 0.0028 0.0064 (ppm) 100m 0.0026 0.0058 59m 0.0013 0.0028 浮遊粒子状物質 80m 0.0010 0.0025 (mg/m3) 100m 0.0010 0.0022 59m 0.0039 0.0086 塩化水素 80m 0.0032 0.0077 (ppm) 100m 0.0030 0.0069 予測結果 現況濃度 ② 0.012 0.021 0.054 <0.001 予測濃度 ①+② 逆転層 0.0175 0.0170 0.0165 0.0282 0.0274 0.0268 0.0568 0.0565 0.0562 <0.0096 <0.0087 <0.0079 環境基準 ・基準 0.1 以下 0.1~0.2 以下 0.20 以下 0.02 以下 注 1) 現況濃度は、最大着地濃度地点に近い No.2(神ノ島一丁目緑道)を用いた。 注 2) 二酸化硫黄及び浮遊粒子状物質の基準は、環境基準である。 注 3) 二酸化窒素の基準は、 「二酸化窒素の人の健康に係る判定条件等について」 (中央公害対策審議会、昭 和 53 年 3 月 22 日答申)に示された短期暴露指針値を示す。 注 4) 塩化水素の基準は、「大気汚染防止法に基づく窒素排出基準の改訂等について」(昭和 52 年、環大規 第 136 号)に示された目標環境濃度を示す。 1 時間値(地形を考慮したモデル:風向 WSW) 寄与濃度(最大着地濃度) ① 予測項目 煙突高 通常 逆転層 59m 0.0018 0.0039 二酸化硫黄 80m 0.0015 0.0034 (ppm) 100m 0.0013 0.0031 59m 0.0024 0.0051 二酸化窒素 80m 0.0020 0.0045 (ppm) 100m 0.0018 0.0040 59m 0.0009 0.0019 浮遊粒子状物質 80m 0.0007 0.0017 (mg/m3) 100m 0.0007 0.0015 59m 0.0029 0.0060 塩化水素 80m 0.0023 0.0053 (ppm) 100m 0.0021 0.0048 現況濃度 ② 0.013 0.028 0.063 <0.001 予測濃度 ①+② 逆転層 0.0169 0.0164 0.0161 0.0331 0.0325 0.0320 0.0648 0.0647 0.0645 <0.0070 <0.0063 <0.0058 環境基準 ・基準 0.1 以下 0.1~0.2 以下 0.20 以下 0.02 以下 注 1) 現況濃度は、最大着地濃度地点に近い No.4(みなと坂船の公園)を用いた。 注 2) 二酸化硫黄及び浮遊粒子状物質の基準は、環境基準である。 注 3) 二酸化窒素の基準は、 「二酸化窒素の人の健康に係る判定条件等について」 (中央公害対策審議会、昭 和 53 年 3 月 22 日答申)に示された短期暴露指針値を示す。 注 4) 塩化水素の基準は、「大気汚染防止法に基づく窒素排出基準の改訂等について」(昭和 52 年、環大規 第 136 号)に示された目標環境濃度を示す。 50 表 7-3(5) 大気汚染(3) 環境要素の区分 大気環境 煙突から発生する硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒 子状物質、水銀、ダイオキシン類、塩化水素 大気汚染 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 1 時間値(【参考】平坦地形モデル) 予測項目 予測結果 二酸化硫黄 (ppm) 二酸化窒素 (ppm) 浮遊粒子状物質 (mg/m3) 塩化水素 (ppm) 煙突高 寄与濃度 (最大着地濃度)① 通常 逆転層 現況濃度 ② 予測濃度 ①+② 逆転層 環境基準 ・基準 59m 0.0015 0.0031 0.014 0.0171 0.1 以下 59m 0.0020 0.0040 0.028 0.0320 0.1~0.2 以下 59m 0.0008 0.0015 0.071 0.0725 0.20 以下 59m 0.0024 0.0047 <0.001 <0.0057 0.02 以下 注 1) 現況濃度は、No.2~No.5 地点の 4 地点の最大値を用いた。 注 2) 二酸化硫黄及び浮遊粒子状物質の基準は、環境基準である。 注 3) 二酸化窒素の基準は、 「二酸化窒素の人の健康に係る判定条件等について」 (中央公害対策審議会、昭和 53 年 3 月 22 日答申)に示された短期暴露指針値を示す。 注 4) 塩化水素の基準は、 「大気汚染防止法に基づく窒素排出基準の改訂等について」(昭和 52 年、環大規第 136 号)に示された目標環境濃度を示す。 環境保全措置 環境保全措置 ろ過式集じん機(バグフィ ルタ)等の有害ガス除去装 置の設置 自主管理濃度の設定 期待される効果 ろ過式集じん機(バグフィルタ)等の有害ガス除去装置を設置す ることにより、煙突から発生する大気汚染物質濃度の低減が見込 まれる。 大気汚染防止法による規制値より厳しい基準を設定することに より、煙突から発生する大気汚染物質濃度の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、煙突排出ガスから発生する大気 汚染物質の抑制が図られ、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されて いるものと評価した。 b 環境保全施策との整合 煙突排出ガスから発生する大気汚染物質の濃度は、環境基準等を下回ることから、環境保全施策 との整合が図られているものと評価した。 51 表 7-4 大気汚染(4) 大気質 環境要素の区分 大気環境 窒素酸化物、浮遊粒子状物質 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(廃棄物運搬車両の走行) 調査結果 表 7-1(1) 調査結果に記載したとおりである。 廃棄物運搬車両の走行により発生する二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の予測結果を下表に示す。 二酸化窒素の日平均値の年間 98%値は 0.016ppm、浮遊粒子状物質の年間の日平均値の 2%除外値 は 0.054mg/m3 であり、環境基準を下回った。 年平均値 項 予測結果 目 二酸化窒素 (ppm) 浮遊粒子状 物質 (mg/m3) 予測地点 寄与濃度 ① No.6(金水地区) No.7(小榊港公園) No.6(金水地区) No.7(小榊港公園) 現況濃度 ② 予測濃度 ①+② 年間 98% 値・2%除 外値 0.00057 0.005 0.00557 0.016 0.0000070 0.006 0.00601 0.016 0.00007 0.023 0.02307 0.054 0.0000008 0.023 0.02300 0.054 環境 基準 0.04 ~ 0.06 以下 0.10 以下 注 1)現況濃度は各地点の現地調査の四季平均値を示す。 注 2) 年間 98%値とは二酸化窒素の環境基準である「日平均値の年間 98%値」、2%除外値とは浮遊粒子状 物質の環境基準である「年間の日平均値の 2%除外値」を示す。 環境保全措置 環境保全措置 廃棄物運搬車両の整備・点 検の実施 車両運転者に対する運行 方法等の指導徹底 期待される効果 廃棄物運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、大気汚染物 質の発生の低減が見込まれる。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷 運転は行わないよう指導を徹底することにより、大気汚染物質の 発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、排出ガスの発生抑制、車両台数 の削減が図られ、事業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で回避、低減されているもの と評価した。 b 環境保全施策との整合 廃棄物運搬車両の走行により発生する二酸化窒素及び浮遊粒子状物質は環境基準を下回ること から、環境保全施策との整合が図られているものと評価した。 52 No.5(福田中学校) No.6(金水地区) 対象事業実施区域 No.4(みなと坂船の公園) No.1(対象事業実施区域内) No.2(神ノ島一丁目緑道) No.8(対象事業実施区域敷地境界) No.7(小榊港公園) No.3(神ノ島三丁目公民館) 図 7-1 大気汚染調査地点 :地上気象、上層風、上空気象調査地点 No.1(対象事業実施区域内) : 一般環境の大気質調査地点 No.2(神ノ島一丁目緑道) No.3(神ノ島三丁目公民館) No.4(みなと坂船の公園) No.5(福田中学校) :道路沿道の大気質調査地点 No.6(金水地区) No.7(小榊港公園) : 降下ばいじん調査地点 No.8(対象事業実施区域敷地境界) 53 表 7-5(1) 騒音(1) 環境要素の区分 大気環境 騒音 騒音レベル(LAX、LAeq) 影響要因の区分 工事中(建設機械の稼働) a 環境騒音 No.3(みなと坂船の公園)地点では平日の夜間及び休日の昼間で環境基準を上回ったが、その他の 地点では平日、休日ともに環境基準を下回った。 No.3(みなと坂船の公園)地点の平日の夜間では樹木による風雑音の影響により、休日の昼間では 公園利用者の影響により騒音が大きくなったと考えられる。 調査結果 b 道路交通騒音 平日、休日ともにすべての地点で環境基準及び要請限度を下回った。 c 交通量 №4(金水地区)地点及び№5(小榊港公園)地点の 2 地点ともに休日よりも平日において交通量が多 く、大型車混入率が高かった。 測定期間中の時間帯あたりの最大断面交通量は、平日では№4(金水地区)地点が 7 時台の 727 台、 №5(小榊港公園)地点が 15 時台の 378 台、 休日では№4(金水地区)地点が 17 時台の 381 台で、 №5(小 榊港公園)地点が 12 時台及び 16 時台の 228 台であった。 54 表 7-5(2) 騒音(1) 環境要素の区分 大気環境 騒音 騒音レベル(LAX、LAeq) 影響要因の区分 工事中(建設機械の稼働) 建設機械の稼働に伴い発生する騒音レベルの予測結果を下表に示す。 建設作業による騒音は、騒音規制法に基づく特定建設作業に伴って発生する騒音の規制基準によ り敷地境界で評価する。しかし、建設作業による騒音が住居位置に及ぼす影響を把握するため、住 居位置での寄与騒音を求め現況騒音と合成し、建設作業による騒音は適用外であるが、参考までに 環境基準と比較した。 対象事業実施区域敷地境界における LA5 が 85 dB の規制基準に対し寄与騒音で 89dB となり基準を 超過したため、防音シートを設置した場合についても予測を行った。 高さ 1.8m の防音シートで対策を講じることにより、建設機械の稼働に伴い発生する騒音レベル の予測結果は、対象事業実施区域敷地境界の最大地点で 81dB となり、騒音規制法の敷地境界にお ける規制基準を下回った。 予測結果(dB) 防音シート無 防音シート有 予測地点 予測結果 対象事業実施区域敷地境界(最大地点) 【LA5】 【LA5】 89 81 基準 55dB 以下 注 1) 対象事業実施区域敷地境界の基準は、騒音規制法に基づく特定建設作業に伴って発生する騒音の規制基 準(第 2 号区域)の昼間の規制基準を示す。 また、No.2(神ノ島一丁目緑道)地点で 59dB、No.3(みなと坂船の公園)地点で 50dB となり、参考 までに環境基準と比較すると基準値を下回った。 寄与騒音(dB) 現況騒音 予測結果 基準 (dB) (dB) 予測地点 防音シート無 防音シート有 (参考) 【LAeq16h】 【LAeq16h】 【LAeq16h】 【LAeq16h】 No.2(神ノ島一丁目緑道) 54 58 57 59 60dB 以下 No.3(みなと坂船の公園) 49 49 45 50 55dB 以下 注 1) 予測結果は、現況騒音に防音シート有の寄与騒音を合成した値を示す。 注 2) No.2(神ノ島一丁目緑道)の基準は、C 類型の昼間の環境基準を示す。 注 3) No.3(みなと坂船の公園)の基準は、A 類型の昼間の環境基準を示す。 環境保全措置 防音シートの設置 環境保全措置 低騒音型機械の積極的 な使用 可能な限り騒音を低減 できる工法による施工 工事工程の平準化 建設機械の整備・点検 の実施 建設機械のアイドリン グストップの励行 期待される効果 高さ 1.8m の防音シートで防音対策を講じることで、騒音の発生の低 減が見込まれる。 【予測に考慮済】 低騒音型機械の積極的な使用により、騒音の発生の低減が見込まれ る。 可能な限り騒音を低減できる工法により施工を行うことで、騒音の 発生の低減が見込まれる。 騒音源の集中化を避けることで騒音の発生の低減が見込まれる。 建設機械の定期的な整備・点検の実施により、無理な負荷を与えず、 騒音の発生の低減が見込まれる。 建設機械の高負荷・空ぶかし運転等の回避を徹底することにより、 騒音の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、騒音の発生抑制及び騒音発生時 間帯の規制が図られ、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されている ものと評価した。 b 環境保全施策との整合 建設機械の稼働に伴い発生する騒音レベルは基準を下回ることから、環境保全施策との整合が図 られているものと評価した。 55 表 7-6 騒音(2) 環境要素の区分 大気環境 騒音 騒音レベル(LAeq) 影響要因の区分 工事中(資機材の運搬車両の走行) 調査結果 表 7-5(1) 調査結果 に記載したとおりである。 資機材の運搬車両の走行に伴う騒音の予測結果を下表に示す。 資機材の運搬車両の走行に伴い発生する騒音の予測結果は、59~67dB となり、2 地点とも現況騒 音からの増加は 1dB 未満であり、環境基準の 70dB を下回った。 予測結果 現況騒音 【LAeq16h】(dB) 予測結果 【LAeq16h】(dB) 増加分 No.4(金水地区) 67 67 +<1dB No.5(小榊港公園) 59 59 +<1dB 予測地点 環境基準 70dB 以下 注 1) 環境基準は、幹線交通を担う道路に近接する空間における昼間の基準値を示す。 環境保全措置 環境保全措置 資機材 の運搬車両の走 行時期の分散化 資機材 の運搬車両の整 備・点検の実施 車両運 転者に対する運 行方法等の指導徹底 建設副 産物発生量を削 減 期待される効果 騒音源の集中化を避けることにより、騒音の発生の低減が見込まれ る。 資機材の運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、騒音の発生 の低減が見込まれる。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運 転は行わないよう指導を徹底することにより、騒音の発生の低減が 見込まれる。 建設副産物発生量を削減することで、資機材の運搬車両の走行台数 が減少し、騒音の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、騒音の発生抑制及び車両台数の 削減が図られ、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されている ものと評価した。 b 環境保全施策との整合 資機材の運搬車両の走行に伴い発生する騒音レベルは環境基準を下回ることから、環境保全施策 との整合が図られているものと評価した。 56 表 7-7 騒音(3) 環境要素の区分 大気環境 騒音 騒音レベル(LA、LAeq) 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-5(1) 調査結果 に記載したとおりである。 焼却施設の稼働に伴い発生する騒音の予測結果を下表に示す。 工場からの騒音は、騒音規制法に基づく特定工場等において発生する騒音の規制基準により敷地 境界で評価する。しかし、工場からの騒音が住居位置に及ぼす影響を把握するため、住居位置での 寄与騒音を求め現況騒音と合成し、参考までに環境基準と比較した。 対象事業実施区域の敷地境界では、焼却施設の稼働に伴い発生する騒音の予測結果はすべての時 間帯で 50dB となり、騒音規制法の敷地境界における規制基準を下回った。 予測地点 時間区分 対象事業実施区域の敷地境界(最大地点) 朝 昼間 夕 夜間 予測結果 【LA】(dB) 50 50 50 50 基準 65dB 以下 70dB 以下 65dB 以下 55dB 以下 注 1) 対象事業実施区域敷地境界の基準は、騒音規制法に基づく特定工場等において発生する騒音の規制基準 (第 4 種区域)の基準値を示す。 予測結果 No.2(神ノ島一丁目緑道)地点では、予測結果は昼間が 54dB、夜間が 47dB となり、現況騒音から 増加せず、参考として環境基準と比較すると基準値を下回った。 No.3(みなと坂船の公園)地点では、予測結果は昼間が 49dB、夜間が 48dB となり、参考までに環 境基準と比較すると夜間の基準値を上回った。現況騒音から増加しないが、当該地点の現況の夜間 の騒音レベルが風雑音の影響により環境基準を上回っているためである。 予測地点 No.2 (神ノ島一丁目緑道) No.3 (みなと坂船の公園) 時間 区分 現況騒音 【LAeq】(dB) 寄与騒音 【LAeq】(dB) 予測結果 【LAeq】(dB) 基準 (参考) 昼間 夜間 昼間 夜間 54 47 49 48 30 30 22 21 54 47 49 48 60dB 以下 50dB 以下 55dB 以下 45dB 以下 注 1) No.2(神ノ島一丁目緑道)の基準は、C 類型の昼間の環境基準を示す。 注 2) No.3(みなと坂船の公園)の基準は、A 類型の昼間の環境基準を示す。 注 3) 網かけの値は基準値を上回ったことを示す。 環境保全措置 プラント設備の建屋内配 置 環境保全措置 工場棟からの騒音の漏洩 防止 隔壁、防音室及びサイレ ンサ等の設置 期待される効果 プラント設備は原則として建屋内に配置することにより、騒音の 発生の低減が見込まれる。 工場棟への出入口にはシャッター等を設置し、騒音の漏洩防止の ため可能な限り閉鎖することにより、騒音の発生の低減が見込ま れる。 騒音が著しい設備機器については、隔壁、防音室及びサイレンサ 等を設置することにより、騒音の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、騒音の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 焼却施設の稼働に伴い発生する騒音レベルは基準を下回ることから、環境保全施策との整合が図 られているものと評価した。 57 表 7-8 騒音(4) 環境要素の区分 大気環境 騒音 騒音レベル(LAeq) 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(廃棄物運搬車両の走行) 調査結果 表 7-5(1) 調査結果 に記載したとおりである。 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する騒音の予測結果を下表に示す。 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する騒音の予測結果は、59~68dB となり、現況騒音から最大で 1dB 増加するが、環境基準の 70dB を下回った。 予測結果 現況騒音 【LAeq16h】(dB) 予測結果 【LAeq16h】(dB) 増加分 No.4(金水地区) 67 68 +1dB No.5(小榊港公園) 59 59 +<1dB 予測地点 環境基準 70dB 以下 注 1) 環境基準は、幹線交通を担う道路に近接する空間における昼間の基準値を示す。 環境保全措置 施設の受付時間の規制 環境保全措置 車両運転者に対する運行 方法等の指導徹底 廃棄物運搬車両の整備・ 点検の励行 期待される効果 早朝・夜間の受付を行わないことで騒音の発生の回避が見込まれ る。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷 運転は行わないよう指導を徹底することにより、騒音の発生の低 減が見込まれる。 廃棄物運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、騒音の発生 の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、騒音の発生抑制及び車両台数の 削減が図られ、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されている ものと評価した。 b 環境保全施策との整合 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する騒音レベルは環境基準を下回ることから、環境保全施策と の整合が図られているものと評価した。 58 No.4(金水地区) No.3(みなと坂船の公園) 対象事業実施区域 No.2(神ノ島一丁目緑道) No.1(対象事業実施区域敷地境界) No.5(小榊港公園) 図 7-2 騒音調査地点 :環境騒音調査地点 No.1(対象事業実施区域敷地境界) No.2(神ノ島一丁目緑道) No.3(みなと坂船の公園) :道路交通騒音調査地点 No.4(金水地区) No.5(小榊港公園) 59 表 7-9 振動(1) 環境要素の区分 大気環境 振動 振動レベル 影響要因の区分 工事中(建設機械の稼働) 調査結果 a 環境振動 平日、休日ともにすべての地点で 25dB 未満であった。 b 道路交通振動 平日、休日ともに 25dB 未満~26dB であり、すべての地点で要請限度を下回った。 c 地盤及び地形の状況(地盤卓越振動数を含む) 地盤卓越振動数は、№3(金水地区)地点では 23.0Hz、№4(小榊港公園)地点では 27.6Hz であった。 d 東工場(類似施設)の振動 最も振動が大きい設備機器は蒸気タービンで 58dB(距離 1.0m) 、次いで蒸気式予熱器で 55dB(距 離 1.7m)であった。 工場棟周辺の振動は、距離 2.0~3.0m で、26~30dB であった。 建設機械の稼働に伴い発生する振動レベルの予測結果を下表に示す。 建設作業による振動は、対象事業実施区域は振動規制法の規制区域に指定されていないため、参 考として振動規制法に基づく特定建設作業に伴って発生する振動の規制基準により敷地境界で評 価し、さらに建設作業による振動が住居位置に及ぼす影響を把握するため、住居位置での寄与振動 を求め現況振動と合成し、振動規制法の規制基準により厳しい値である、人が振動を感じ始めるレ ベルである閾値(いきち)と比較した。 建設機械の稼働に伴い発生する振動レベルの予測結果は、対象事業実施区域敷地境界の最大地点 で 68dB となり、振動規制法の敷地境界における規制基準を下回った。 予測結果 基準 【L10】(dB) (参考) 対象事業実施区域敷地境界(最大地点) 68 75dB 以下 注 1) 対象事業実施区域敷地境界が振動規制法の規制区域に指定されていないことから、参考とし て、振動規制法に基づく特定建設作業に伴って発生する振動の規制基準(第 2 号区域)の昼間の基 予測地点 予測結果 準値を示す。 No.2(神ノ島一丁目緑道)地点の予測結果は 25dB 未満となり、参考までに人が振動を感じ始める レベルである閾値と比較すると、その値を下回った。 予測地点 No.2(神ノ島一丁目緑道) 現況振動 【L10】(dB) <25 寄与振動 【L10】(dB) <0.0 予測結果 【L10】(dB) 25 基準 (参考) 55dB 以下 注 1) No.2(神ノ島一丁目緑道)地点の基準は、参考として、人が振動を感じ始めるレベルである閾値を示す。 注 2) 現況振動が「<25」の場合、25dB として寄与振動と合成し、予測結果の振動レベルを算出した。ただ し、寄与振動が「<0.0」の場合は、予測結果は「<25」とした。 環境保全措置 環境保全措置 低振動型機械の積極的な 使用 可能な限り振動を低減で きる工法による施工 工事工程の平準化 建設機械の整備・点検の 実施 建設機械のアイドリング ストップの励行 期待される効果 低振動型機械の積極的な使用により、振動の発生の低減が見込ま れる。 可能な限り振動を低減できる工法により施工を行うことで、振動 の発生の低減が見込まれる。 振動源の集中化を避けることで振動の発生の低減が見込まれる。 建設機械の定期的な整備・点検の実施により、無理な負荷を与え ず、振動の発生の低減が見込まれる。 建設機械の高負荷・空ぶかし運転等の回避を徹底することによ り、振動の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、振動の発生抑制及び振動発生時 間帯の規制が図られ、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されている ものと評価した。 b 環境保全施策との整合 建設機械の稼働に伴い発生する振動レベルは基準を下回ることから、環境保全施策との整合が図 られているものと評価した。 60 表 7-10 振動(2) 環境要素の区分 大気環境 振動 振動レベル 影響要因の区分 工事中(資機材の運搬車両の走行) 調査結果 表 7-9 調査結果 に記載したとおりである。 資機材の運搬車両の走行に伴う振動の予測結果を下表に示す。 資機材の運搬車両の走行に伴い発生する振動の予測結果は、昼間で 25 未満~27dB、夜間で 25 未 満~25dB となり、現況振動から最大で 1dB 増加するが、振動規制法の要請限度の基準を下回った。 予測地点 予測結果 時間区分 No.3(金水地区) No.4(小榊港公園) 昼間 夜間 昼間 夜間 現況振動 【L10】(dB) 26 <25 <25 <25 予測結果 【L10】(dB) 27 25 <25 <25 増加分 基準 +1dB +<1dB +<1dB +<1dB 65dB以下 60dB 以下 65dB以下 60dB 以下 注 1) 2 地点の基準は、振動規制法に基づく道路交通振動に係る要請限度(第 1 種区域)の基準値を示す。 注 2) 現況振動が「<25」の場合、25dB として予測結果の振動レベルを算出した。ただし、寄与振動が「<0.0」 の場合は、予測結果は「<25」とした。 環境保全措置 資機材の運搬車両の走 行時期の分散化 環境保全措置 車両運転者に対する運 行方法等の指導徹底 建設副産物発生量を削 減 期待される効果 振動源の集中化を避けることにより、振動の発生の低減が見込まれ る。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運 転は行わないよう指導を徹底することにより、振動の発生の低減が 見込まれる。 建設副産物発生量を削減することで、資機材の運搬車両の走行台数 が減少し、振動の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、振動の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 資機材の運搬車両の走行に伴い発生する振動レベルは基準を下回ることから、環境保全施策との 整合が図られているものと評価した 61 表 7-11 振動(3) 環境要素の区分 大気環境 振動 振動レベル 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-9 調査結果 に記載したとおりである。 建焼却施設の稼働に伴い発生する振動の予測結果を下表に示す。 工場からの振動は、振動規制法に基づく特定工場等において発生する振動の規制基準により敷地 境界で評価するが、対象事業実施区域は振動規制法の規制区域に指定されていないため、参考とし て第 2 種区域の規制基準と比較した。また、工場からの振動が住居位置に及ぼす影響を把握するた め、住居位置での寄与振動を求め現況振動と合成し、参考までに人が振動を感じ始めるレベルであ る閾値と比較した。 焼却施設の稼働に伴い発生する振動レベルの予測結果は、対象事業実施区域敷地境界の最大地点 で昼間が 58dB、夜間が 47dB となり、参考までに振動規制法の敷地境界における規制基準と比較す ると、すべての時間帯で基準を下回った。 予測結果 予測地点 時間区分 現況振動 【L10】(dB) 予測結果 【L10】(dB) 基準 (参考) 対象事業実施区域敷地境 界(最大地点) 昼間 <25 58 65dB 以下 夜間 <25 47 60dB 以下 注 1)対象事業実施区域は振動規制法の規制区域に指定されていないことから、参考として、振動規制法に基 づく特定工場等において発生する振動の規制基準(第 2 種区域)の基準値を示した。 No.2(神ノ島一丁目緑道)地点の予測結果は、昼間、夜間ともに 25dB 未満となり、参考までに閾 値と比較すると、すべての時間帯で閾値を下回った。 予測地点 時間区分 現況振動 【L10】(dB) No.2(神ノ島一丁目緑 道) 昼間 夜間 <25 <25 寄与振動 【L10】(dB) <0.0 <0.0 予測結果 【L10】(dB) 基準 (参考) 25 25 55dB 以下 注 1) No.2(神ノ島一丁目緑道)地点の基準は、人が振動を感じ始めるレベルである閾値を示す。 注 2) 現況振動が「<25」の場合、25dB として予測結果の振動レベルを算出した。ただし、寄与振動が「<0.0」 の場合は、予測結果は「<25」とした。 環境保全措置 環境保全措置 独立基礎の採用 基礎部への防振ゴムの 施工 期待される効果 振動が著しい設備機器の基礎・土台は独立基礎とし、振動が伝搬し にくい構造とすることにより、振動の発生の低減が見込まれる。 主要な振動発生設備機器については、基礎部への防振ゴムを施工す ることにより、振動の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、振動の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 焼却施設の稼働に伴い発生する振動は基準を下回ることから、環境保全施策との整合が図られて いるものと評価した。 62 表 7-12 振動(4) 環境要素の区分 大気環境 振動 振動レベル 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(廃棄物運搬車両の走行) 調査結果 表 7-9 調査結果 に記載したとおりである。 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する振動の予測結果を下表に示す。 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する振動の予測結果は、昼間で 25~29dB、夜間で 25 未満~25dB となり、現況振動から最大で 3dB 増加するが、振動規制法の要請限度の基準を下回った。 予測地点 予測結果 時間区分 No.3(金水地区) No.4(小榊港公園) 昼間 夜間 昼間 夜間 現況振動 【L10】(dB) 26 <25 <25 <25 予測結果 【L10】(dB) 29 <25 25 <25 増加分 基準 +3dB +<1dB +<1dB +<1dB 65dB以下 60dB 以下 65dB以下 60dB 以下 注 1) 2 地点の基準は、振動規制法に基づく道路交通振動に係る要請限度(第 1 種区域)の基準値を示す。 注 2) 現況振動が「<25」の場合、25dB として予測結果の振動レベルを算出した。ただし、寄与振動が「<0.0」 の場合は、予測結果は「<25」とした。 環境保全措置 施設の受付時間の規制 環境保全措置 車両運転者に対する運行 方法等の指導徹底 期待される効果 早朝・夜間の受付を行わないことで振動の発生の回避が見込まれ る。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷 運転は行わないよう指導を徹底することにより、振動の発生の低 減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、振動の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する振動レベルは基準を下回ることから、環境保全施策との整 合が図られているものと評価した。 63 No.3(金水地区) 対象事業実施区域 No.2(神ノ島一丁目緑道) No.1(対象事業実施区域敷地境界) No.4(小榊港公園) 図 7-3 振動調査地点 :環境振動調査地点 No.1(対象事業実施区域敷地境界) No.2(神ノ島一丁目緑道) :道路交通振動調査地点 No.3(金水地区) No.4(小榊港公園) 64 表 7-13 低周波音(1) 環境要素の区分 大気環境 低周波音 低周波音レベル(LG5) 影響要因の区分 工事中(建設機械の稼働) 調査結果 予測結果 a 環境低周波音 低周波音は、№1(対象事業実施区域敷地境界)地点の平日で 58dB~78dB、休日で 54dB~71dB、№ 2(神ノ島一丁目緑道)地点の平日で 54dB~70dB、休日で 50dB~75dB、№3(みなと坂船の公園)地点 の平日で 54dB~70dB、休日で 50dB~75dB の範囲であり、参考までに「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載された「ISO 7916」による閾値(いきち) の 100dB と比較すると、その参考値を下回った。 b 道路交通低周波音 低周波音は、№4(金水地区)地点の平日で 58dB~73dB、休日で 55dB~71dB、№5(小榊港公園)地 点の平日で 61dB~74dB、休日で 49dB~76dB の範囲であり、参考までに環境低周波音と同じく閾値 の 100dB と比較すると、その参考値を下回った。 c 現西工場からの低周波音の発生状況 建屋からの距離が 10m 地点の測定値で比較すると、E 測線が最も高く 74.6dB であり、次いで A 測線が高く 74.2dB であった。E 測線は、3 方向を建屋に囲まれた地点であるため結果が高くなった と考えられる。 参考までに閾値の 100dB と比較すると、すべての測線で閾値を下回った。 建設機械の稼働に伴い発生する低周波音レベルの予測結果を下表に示す。 低周波音については基準がないため、参考値として、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載された「ISO 7916」による閾値により敷地境界で比較し、 さらに建設作業による低周波音が住居位置に及ぼす影響を把握するため、住居位置での寄与低周波 音を求め現況低周波音と合成し、同じく閾値と比較した。 建設機械の稼働に伴い発生する低周波音の予測結果は、対象事業実施区域敷地境界の最大地点で 89dB となり、参考値の 100dB を下回った。 予測地点 予測結果 【LG5】(dB) 参考値 対象事業実施区域敷地境界(最大地点) 89 100dB 以下 注 1) 参考値とは、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載され た「ISO 7916」による閾値(1~20Hz の周波数範囲において、平均的な被験者が知覚できる G 特性音 圧レベル LG5 で概ね 100dB としているもの)を示す。 また、住居位置での予測結果は 68~89dB であり、参考値の 100dB を下回った。 予測地点 現況低周波音 【LG5】(dB) 寄与低周波音 【LG5】(dB) 予測結果 【LG5】(dB) 参考値 70 67 67 58 72 68 100dB 以下 No.2(神ノ島一丁目緑道) No.3(みなと坂船の公園) 注 1) 参考値とは、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載され た「ISO 7916」による閾値(1~20Hz の周波数範囲において、平均的な被験者が知覚できる G 特性音 圧レベル LG5 で概ね 100dB としているもの)を示す。 環境保全措置 工事工程の平準化 環境保全措置 建設機械の整備・点検 の実施 建設機械のアイドリ ングストップの励行 期待される効果 低周波音源の集中化を避けることで低周波音の発生の低減が見込ま れる。 建設機械の定期的な整備・点検の実施により、無理な負荷を与えず、 低周波音の発生の低減が見込まれる。 建設機械の高負荷・空ぶかし運転等の回避を徹底することにより、 低周波音の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、低周波音の発生抑制が図られ、 事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 建設機械の稼働に伴い発生する低周波音レベルは参考値を下回ることから、環境保全施策との整 合が図られているものと評価した。 65 表 7-14 低周波音(2) 環境要素の区分 大気環境 低周波音 低周波音レベル(LG5) 影響要因の区分 工事中(資機材の運搬車両の走行) 調査結果 表 7-13 調査結果 に記載したとおりである。 資機材の運搬車両の走行に伴う低周波音の予測結果を下表に示す。 低周波音については基準がないため、参考値として、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載された「ISO 7916」による閾値と比較した。 資機材の運搬車両の走行に伴い発生する低周波音の予測結果は、71~74dB となり、2 地点とも現 況の低周波音レベルからの増加は 1dB 未満であり、参考値の 100dB を下回った。 予測結果 予測地点 No.4(金水地区) No.5(小榊港公園) 現況低周波音 【LG5】(dB) 71 74 予測結果 【LG5】(dB) 71 74 増加分 〈1dB 〈1dB 参考値 100dB 以下 注 1) 参考値とは、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載され た「ISO 7916」による閾値(1~20Hz の周波数範囲において、平均的な被験者が知覚できる G 特性音 圧レベル LG5 で概ね 100dB としているもの)を示す。 環境保全措置 環境保全措置 資機材の運搬車両の 走行時期の分散化 資機材の運搬車両の 整備・点検の実施 車両運転者に対する 運行方法等の指導徹 底 建設副産物発生量を 削減 期待される効果 低周波音源の集中化を避けることにより、低周波音の発生の低減が 見込まれる。 資機材の運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、低周波音の 発生の低減が見込まれる。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運 転は行わないよう指導を徹底することにより、低周波音の発生の低 減が見込まれる。 建設副産物発生量を削減することで、資機材の運搬車両の走行台数 が減少し、低周波音の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、低周波音の発生抑制及び車両台 数の削減が図られ、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されて いるものと評価した。 b 環境保全施策との整合 資機材の運搬車両の走行に伴い発生する低周波音は参考値を下回ることから、環境保全施策との 整合が図られているものと評価した。 66 表 7-15 低周波音(3) 環境要素の区分 大気環境 低周波音 低周波音レベル(LG5) 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-13 調査結果 に記載したとおりである。 焼却施設の稼働に伴い発生する低周波音の予測結果を下表に示す。 低周波音については基準がないため、参考値として、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載された「ISO 7916」による閾値により敷地境界で比較し、 さらに工場からの低周波音が住居位置に及ぼす影響を把握するため、住居位置での寄与低周波音を 求め現況低周波音と合成し、同じく閾値と比較した。焼却施設の稼働に伴い発生する低周波音レベ ルの予測結果は、対象事業実施区域敷地境界の最大地点で 76dB となり、参考値の 100dB を下回っ た。 予測結果 予測地点 予測結果 【LG5】(dB) 参考値 対象事業実施区域敷地境界(最大地点) 76 100dB 以下 注 1) 参考値とは、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載され た「ISO 7916」による閾値(1~20Hz の周波数範囲において、平均的な被験者が知覚できる G 特性音 圧レベル LG5 で概ね 100dB としているもの)を示す。 また、住居位置での予測結果は 70~72dB であり、参考値の 100dB を下回った。 予測地点 現況低周波音 【LG5】(dB) 寄与低周波音 【LG5】(dB) 予測結果 【LG5】(dB) 参考値 70 72 56 51 70 72 100dB 以下 No.2(神ノ島一丁目緑道) No.3(みなと坂船の公園) 注 1) 参考値とは、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載され た「ISO 7916」による閾値(1~20Hz の周波数範囲において、平均的な被験者が知覚できる G 特性音 圧レベル LG5 で概ね 100dB としているもの)を示す。 環境保全措置 プラント設備の建屋 内配置 環境保全措置 工場棟からの低周波 音の漏洩防止 隔壁、防音室及びサイ レンサ等の設置 期待される効果 プラント設備は原則として建屋内に配置することにより、低周波音の 発生の低減が見込まれる。 工場棟への出入口にはシャッター等を設置し、低周波音の漏洩防止の ため可能な限り閉鎖することにより、低周波音の発生の低減が見込ま れる。 低周波音が著しい設備機器については、隔壁、防音室及びサイレンサ 等を設置することにより、低周波音の発生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、低周波音の発生抑制が図られ、 事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 焼却施設の稼働に伴い発生する低周波音は参考値を下回ることから、環境保全施策との整合が図 られているものと評価した。 67 表 7-16 低周波音(4) 環境要素の区分 大気環境 低周波音 低周波音レベル(LG5) 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(廃棄物運搬車両の走行) 調査結果 表 7-13 調査結果 に記載したとおりである。 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する低周波音の予測結果を下表に示す。 低周波音については基準がないため、参考値として、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載された「ISO 7916」による閾値と比較した。廃棄物運搬車 両の走行に伴い発生する低周波音の予測結果は、73~74dB となり、現況の低周波音レベルから最大 で 2dB 程度増加するが、参考値の 100dB を下回った。 予測結果 予測地点 現況低周波音 【LG5】(dB) 予測結果 【LG5】(dB) 増加分 参考値 No.4(金水地区) No.5(小榊港公園) 71 74 73 74 +2dB <1dB 100dB 以下 注 1) 参考値とは、 「低周波音防止対策事例集」 (平成 14 年 3 月、環境管理局大気生活環境室)に記載され た「ISO 7916」による閾値(1~20Hz の周波数範囲において、平均的な被験者が知覚できる G 特性音圧レベル LG5 で概ね 100dB としているもの)を示す。 環境保全措置 施設の受付時間の規制 環境保全措置 車両運転者に対する運 行方法等の指導徹底 廃棄物運搬車両の整 備・点検の励行 期待される効果 早朝・夜間の受付を行わないことで低周波音の発生の回避が見込ま れる。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させ、高負荷運 転は行わないよう指導を徹底することにより、低周波音の発生の低 減が見込まれる。 廃棄物運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、低周波音の発 生の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、低周波音の発生抑制が図られ、 事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 廃棄物運搬車両の走行に伴い発生する低周波音は参考値を下回ることから、環境保全施策との整 合が図られているものと評価した。 68 現西工場 No.4(金水地区) No.3(みなと坂船の公園) 対象事業実施区域 No.2(神ノ島一丁目緑道) No.1(対象事業実施区域敷地境界) No.5(小榊港公園) 図 7-4 低周波音調査地点 :環境低周波音調査地点 No.1(対象事業実施区域敷地境界) No.2(神ノ島一丁目緑道) No.3(みなと坂船の公園) :道路交通低周波音調査地点 No.4(金水地区) No.5(小榊港公園) :類似施設の低周波音 現西工場 69 表 7-17(1) 環境要素の区分 大気環境 悪臭(1) 煙突排出ガスから発生する特定悪臭物質の 濃度及び臭気指数 悪臭 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 予測結果 a 悪臭の状況 ①特定悪臭物質 特定悪臭物質については、アンモニアは 1 回目の No.3(小榊小学校)地点~No.6(みなと坂船の公 園)地点、2 回目の No.3(小榊小学校)地点、No.7(小榊港公園)地点及び No.8(福田中学校)地点で、 硫化水素は 2 回目の No.1(対象事業実施区域敷地境界)地点及び No.6(みなと坂船の公園)地点で、 アセトアルデヒドは 2 回目の No.4(金水地区)地点及び No.6(みなと坂船の公園)地点で、プロピオ ン酸は 1 回目の No.3(小榊小学校)地点、No.4(金水地区)地点及び No.8(福田中学校)、2 回目の No.1(対象事業実施区域敷地境界)地点で検出されたが、いずれも濃度は低く、悪臭防止法で定めら れた A 区域の敷地境界における規制基準を下回った。参考までに悪臭防止法で定められた A 区域の 敷地境界における規制基準と比較すると、基準を下回った。なお、特定悪臭物質の規制基準は、当 該区域に工場が設置された場合にその工場の敷地境界に対して適用される基準であるが、参考まで に当てはめ比較した。 (No.1(対象事業実施区域敷地境界)地点は規制区域に指定されていない。 ) ②臭気指数・臭気強度 臭気指数はすべての測定のすべての地点で定量下限値未満であった。臭気指数の基準は定められ ていないが、長崎県悪臭防止指導要綱において、臭気濃度は工場等の敷地の境界線で基準が定めら れており、第 1 種区域では 20、第 2 種区域では 30 となっている。臭気指数と臭気濃度には、 「臭気 指数=10×log(臭気濃度)」といった関係があることから、参考までにその関係式を用いて臭気指 数を換算すると、No.1(対象事業実施区域敷地境界)地点(第 2 種区域)が 15、その他の地点が 13 となり、臭気指数はすべての測定のすべての地点で臭気濃度から換算した臭気指数を下回った。な お、臭気濃度の基準は、当該区域に工場等が設置された場合にその工場等の敷地境界に対して適用 される基準であるが、参考までに当てはめ比較した。 臭気強度はすべての測定のすべての地点で 0(無臭)であった。 b 現西工場からの悪臭の発生状況 稼働時では、臭気指数、臭気強度ともに投入ステージ出口からの距離に関係なく、臭気指数はす べての地点で定量下限値未満であり、臭気強度はすべての地点で 1.5 となった。 休炉時では、臭気指数、臭気強度ともに投入ステージ出口からの距離が遠くなるに従い小さくな る傾向がみられ、臭気指数は 12~17、臭気強度は 2.5~3.5 となった。 c 廃棄物運搬車両からの悪臭の発生状況 ①特定悪臭物質 すべての項目で定量下限値未満であり、臭気濃度と同じく参考として第 1 種低層住居専用地域等 に適用される A 区域の基準と比較すると、すべての項目で基準を下回った。 なお、特定悪臭物質の基準も臭気濃度と同様に、当該区域に工場等が設置された場合にその工場 等の敷地境界に対して適用される基準であるが、参考までに当てはめ比較した。 ②臭気指数・臭気強度 臭気指数は定量下限値未満であり、廃棄物運搬車両が走行する沿道は主として住居地域と考えら れることから、参考として第 1 種低層住居専用地域等に適用される第 1 種区域の臭気濃度の基準か ら換算した臭気指数(臭気濃度 20 ≒ 臭気指数 13)と比較すると、基準を下回った。 なお、臭気濃度の基準は、当該区域に工場等が設置された場合にその工場等の敷地境界に対して 適用される基準であるが、参考までに当てはめ比較した。 臭気強度は 0.5 となった。 焼却施設の稼働に伴い発生する臭気指数及び特定悪臭物質濃度の予測結果を下表に示す。 地形を考慮しない平坦モデルでの予測結果より、地形を考慮したモデルでの予測結果で高濃度が 出現し、地形を考慮したモデルでは西風の時が高濃度となった。 なお、対象事業実施区域は、悪臭規制法の規制区域に指定されていないが、その周辺地域では A 区域に区分されていることから、当該区域の基準と比較した。 臭気指数の予測結果は、最も高濃度となる西風の時に 6.6 と予測された。対象事業実施区域では 臭気指数の基準は定められていないが、参考までに換算した臭気指数 13 と比較すると、最も高濃 度となる西風の時においてもその臭気指数を下回った。 特定悪臭物質濃度の予測結果は、いずれの物質も西風の時に最も高濃度と予測された。対象事業 実施区域は、悪臭防止法の規制区域に指定されていないが、その周辺地域では多くが A 区域に区分 されていることから、当該区域の基準と比較すると、すべての物質で基準を下回った。 なお、臭気濃度及び特定悪臭物質の規制基準は、当該区域に工場等が設置された場合にその工場 等の敷地境界に対して適用される基準であるが、参考までに当てはめ比較した。 70 表 7-17(2) 環境要素の区分 大気環境 悪臭(1) 煙突排出ガスから発生する特定悪臭物質の 濃度及び臭気指数 悪臭 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) (地形を考慮したモデル・西風) (地形を考慮したモデル・西南西の風) 予測結果 (平坦モデル) 71 表 7-17(3) 環境要素の区分 大気環境 悪臭(1) 煙突排出ガスから発生する特定悪臭物質の 濃度及び臭気指数 悪臭 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 環境保全措置 環境保全措置 期待される効果 悪臭原因物質は高温で熱分解されるため、炉内温度を適切に管理す ることにより、煙突排ガスから発生する悪臭の低減が見込まれる。 適切な温度管理の実施 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、悪臭の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 焼却施設の稼働に伴い煙突排出ガスから発生する臭気指数及び特定悪臭物質濃度は、基準を下回 ることから、環境の保全に関する施策との整合が図られているものと評価した。 表 7-18 悪臭(2) 環境要素の区分 大気環境 施設の稼働に伴い漏洩する特定悪臭物質 の濃度及び臭気指数 悪臭 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-17(1) 調査結果 予測結果 新西工場の工場棟の投入ステージ出入口から敷地境界までの最短距離は約 18mである。 臭気指数は、現西工場の測定結果から、稼働時では 10 未満、休炉時では 12.9 と予測された。対 象事業実施区域では臭気指数の基準は定められていないが、長崎県悪臭防止指導要綱において、臭 気濃度は工場等の敷地の境界線で基準が定められており、第 2 種区域の 30 が適用される。臭気指 数と臭気濃度には、「臭気指数=10×log(臭気濃度)」といった関係があることから、参考までに その関係式を用いて換算した臭気指数 15 と比較すると、稼働時及び休炉時ともにその臭気指数を 下回る。 特定悪臭物質は、現西工場の測定結果をみるとアンモニア、硫化水素及びトリメチルアミンが検 出されているが、その他の物質は検出されていない。新西工場では現西工場で既に実施している臭 気対策に加え、プラットホーム(投入ステージ)出入口に自動扉を設置すること、洗車場を建物内 に設置すること、全休炉時には脱臭装置を運転し消臭剤を散布する、といった対策を新たに講じる ことから、特定悪臭物質の濃度は現西工場以下になると予測され、対象事業実施区域は悪臭防止法 の規制区域に指定されていないが、参考までに悪臭防止法で定められた B 区域の敷地境界における 規制基準と比較すると、すべての物質で規制基準を下回る。 に記載したとおりである。 環境保全措置 ごみピット内の負圧保持 環境保全措置 全休炉時用の脱臭装置の設 置及び消臭剤の散布 プラットホーム出入口(投 入ステージ)に自動扉及び エアカーテンを設置 洗車場の屋内設置 期待される効果 ごみピット内を負圧に保持することにより、施設から漏洩する悪 臭の低減が見込まれる。 ごみピット内の臭気物質を熱分解できない焼却炉の全休炉時に おいて、脱臭装置を設置し、消臭剤を散布することにより、施設 から漏洩する悪臭の低減が見込まれる。 プラットホーム出入口(投入ステージ)に自動扉及びエアカーテ ンを設置することにより、施設から漏洩する悪臭の低減が見込ま れる。 洗車場を建物内に設置することにより、施設から漏洩する悪臭の 低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、悪臭の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 施設の稼働に伴い漏洩する臭気指数及び特定悪臭物質濃度は、基準を下回ることから、環境の保 全に関する施策との整合が図られているものと評価した。 72 表 7-19 悪臭(3) 環境要素の区分 大気環境 廃棄物運搬車両の走行に伴い漏洩する特定 悪臭物質の濃度及び臭気指数 悪臭 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(廃棄物運搬車両の走行) 調査結果 表 7-17(1) 調査結果 予測結果 廃棄物運搬車両の測定結果から、臭気指数は 10 未満と予測された。廃棄物運搬車両が走行する 沿道は主として住居地域と考えられることから、参考として、長崎県悪臭防止指導要綱に基づき第 1 種低層住居専用地域等に適用される第 1 種区域に工場等の敷地境界に適用される臭気濃度の基準 から換算した臭気指数(臭気濃度 20 ≒ 臭気指数 13)を下回る。 同様に廃棄物運搬車両の測定結果から、特定悪臭物質は検出されないものと予測された。臭気濃 度と同じく参考として、悪臭防止法で定められた第 1 種低層住居専用地域等に適用される A 区域の 敷地境界における規制基準と比較すると、すべての物質の規制基準を下回る。 なお、臭気濃度及び特定悪臭物質の基準は、当該区域に工場等が設置された場合にその工場等の 敷地境界に対して適用される基準であるが、参考までに当てはめ比較した。 環境保全措置 環境保全措置 廃棄物運搬車両の定 期的な清掃 に記載したとおりである。 期待される効果 廃棄物運搬車両の定期的な整備・点検の実施により、廃棄物運搬車両 から漏洩する悪臭の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、悪臭の発生抑制が図られ、事業 の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 廃棄物運搬車両の走行に伴い漏洩する臭気指数及び特定悪臭物質濃度は、基準を下回ることか ら、環境保全施策との整合が図られているものと評価した。 73 No.8(福田中学校) 現西工場 No.4(金水地区) 対象事業実施区域 No.6(みなと坂船の公園) No.1(対象事業実施区域敷地境界) 気象(対象事業実施区域内) No.3(小榊小学校) No.2(神ノ島一丁目緑道) No.7(小榊港公園) No.5(神の島三丁目公民館) 図 7-5 悪臭調査地点 :悪臭調査地点 No.1(対象事業実施区域敷地境界 No.2(神ノ島一丁目緑道 No.3(小榊小学校) No.4(金水地区) No.5(神ノ島三丁目公民館) No.6(みなと坂船の公園) No.7(小榊港公園) No.8(福田中学校) 現西工場 :気象調査地点(対象事業実施区域内) 74 表 7-20 水質汚濁 環境要素の区分 水環境 水質汚濁 出水時の浮遊物質量(SS))の濃度 影響要因の区分 工事中(造成等の施工による一時的な影響) 調査結果 予測結果 a 水質等・気象の状況 調査地点は、環境基準の類型指定がされていない排水路であり、通常は流れがほとんどないため 降雨時に測定した。測定時の流量は、No.1(流入前)地点では 64~23,154 L/min、No.2 地点では 309 ~9,982 L/min であった。降雨により短時間で流量が著しく変化した。 主な水質として pH は、No.1(流入前)地点では 7.2~7.7、No.2 地点では 7.1~7.4 の範囲にあり、 参考までに環境基準と比較すると AA 類型の基準を満足していた。BOD は、No.1(流入前)地点では 1.1~3.1mg/L、No.2(流入後)地点では 0.7~3.8mg/L の範囲にあり、参考までに環境基準と比較す ると C 類型の基準を満足していた。SS は、No.1(流入前)地点では 4~6mg/L、No.2(流入後)地点で は 6~16mg/L の範囲にあり、参考までに環境基準と比較すると AA 類型の基準を満足していた。 b 水域の状況 対象事業実施区域から流出する河川は、対象事業実施区域の南西側を流れる排水路のみである。 排水路は、通常は流れがほとんどないが、降雨時には短時間で流量が著しく変化する。 排水路は、No.1(流入前)地点の上流側は暗渠となっており、また、No.2(流入後)地点の下流側も 暗渠となったのち、海域に注ぐ。 c 土砂の沈降状況(土砂沈降試験) 時間(分) 時間(時間) SS(mg/L) 流出率 SS除去率(%) 0 0.0 2100 1.000 0.0% 1 0.02 1800 0.857 14.3% 5 0.08 1700 0.810 19.0% 10 0.17 1600 0.762 23.8% 20 0.33 1400 0.667 33.3% 30 0.50 1300 0.619 38.1% 60 1 1100 0.524 47.6% 120 2 910 0.433 56.7% 180 3 770 0.367 63.3% 時間(分) 時間(時間) SS(mg/L) 流出率 SS除去率(%) 480 8 490 0.233 76.7% 600 10 460 0.219 78.1% 1,440 24 240 0.114 88.6% 2,880 48 180 0.086 91.4% 4,380 73 120 0.057 94.3% 5,820 97 77 0.037 96.3% 7,200 120 58 0.028 97.2% 8,640 144 53 0.025 97.5% 10,080 168 43 0.020 98.0% 240 4 680 0.324 67.6% a 沈砂池出口(濁水放流口)における SS 流出濃度 工事中の降雨による濁水発生量、沈砂池における滞留時間、沈砂池出口における SS 流出濃度の 予測結果を下表に示す。 沈砂池出口(濁水放流口)における工事中の降雨時の SS の流出濃度は、90.5mg/L となる。濁水 処理施設を設置する場合には、沈砂池と同等の能力を有する濁水処理施設を設置するものとする。 予測対象 降雨強度 濁水発生量 調節池容量 滞留時間 SS 流出濃度 SS 流出率 時期 (mm/hr) (m3/hr) (m3) (hr) (mg/L) 工事中の 3 30 1,000 33.3 0.091 90.5 降雨時 b 放流先排水路における SS 濃度 放流先河川における SS 濃度の予測結果を下表に示す。 工事中の降雨による沈砂池出口(濁水放流口)からの濁水を加えた放流先の排水路の SS 濃度は 6.8mg/L と予測され、工事による SS 濃度の増加は 1.8 mg/L であることから、基準を下回った。 沈砂池出口(濁水放流口) 合流前の排水路 工事による 予測対象 予測結果 濃度の増加 基準 濁水発生量 SS 流出濃度 流量 SS 濃度 時期 (mg/L)② (mg/L)②-① (m3/hr) (mg/L) (m3/hr) (mg/L)① 工事中の 増加分 30 90.5 1,389 5 6.8 +1.8 降雨時 2 以下 注 1) 浮遊物質量(SS)濃度の基準は、放流先である排水路は環境基準の類型指定がなされておらず、すぐ下流で 海域に注ぐことから「水産用水基準(2005 年度版)」 (平成 18 年 3 月、社団法人日本水産資源保護協会) に定められている基準(人為的に加えられる懸濁物質(SS)量は 2mg/L 以下)とした。 環境保全措置 環境保全措置 沈砂池と濁水処 理施設の併設 土側溝等の適切 な集水・導水施設 の設置 期待される効果 沈砂池に加え濁水処理施設も併設し、より濁水処理能力を充実させるこ とにより、工事中の濁水(浮遊物質量(SS))の発生の低減が見込まれる。 土側溝等の適切な集水・導水施設の設置することで、より確実な濁水処 理が実施されることから、工事中の濁水(浮遊物質量(SS))の発生の低 減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、濁水発生の防止が図られ、事業 の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で低減されているものと評価した。 b 環境保全施策との整合 出水時の浮遊物質量(SS)濃度の増加分は基準を下回ることから、環境保全施策との整合が図られ ているものと評価した。 75 対象事業実施区域 No.2(流入後) No.1(流入前) 図 7-6 水質調査地点 (土砂の沈降状況) :水質調査地点 No.1(流入前) No.2(流入後) 76 表 7-21 土壌汚染 環境要素の区分 土壌に係る環境その他の 土壌汚染 環境 土壌汚染(煙突排ガスからのダイオキシン類) 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 予測結果 環境保全措置 a 土壌の汚染に係る環境基準項目 鉛が A 地点の深さ 0.5~5 ㎝・5~50 ㎝の深度で、ふっ素が A 地点の深さ 2m、C 地点の深さ 2m、 3m 及び 7m の深度で、砒素が B 地点の深さ 2m の深度で基準を超過した。 D 地点及び E 地点ではすべての項目で基準を下回った。 基準を超過した試料はすべて埋土であり、埋土の一部に基準を超過する有害物質が含まれていた と考えられる。調査未実施の埋土についても基準を超過する有害物質が含まれている可能性がある ことから、土壌汚染対策法に従って適切に対応していくこととする。 b ダイオキシン類(DXN) 土壌のダイオキシン類はすべての地点で環境基準を下回った。 焼却施設の稼働に伴う周辺土壌へのダイオキシン類の影響の予測結果を下表に示す。 35 年間施設を稼働させた場合、付加濃度は 0.758~2.265pg-TEQ/g となる。 土壌中のダイオキシン類濃度は最大で 5.958 pg-TEQ/g と予測され、すべての地点で環境基準を 下回った。 予測地点 稼働 年数 No.1(西部下水処理場内) No.2(みなと坂船の公園) No.3(小榊小学校) No.4(神ノ島一丁目公園) No.5(神ノ島三丁目公園) No.6(現西工場テニスコート周辺) 最大着地濃度地点(事業実施区域 より南東に 577m地点) 35 年 環境保全措置 ろ過式集じん機(バグフ ィルタ)の設置 自主管理濃度の設定 ダイオキシン類濃度(単位:pg-TEQ/g) 付加濃度 現況濃度 予測濃度 0.813 2.3 3.113 0.758 0.36 1.118 0.813 0.058 0.871 2.265 0.87 3.135 2.265 0.51 2.775 0.758 5.2 5.958 0.821 0.87 基準 1,000 以下 1.691 期待される効果 ろ過式集じん機(バグフィルタ)を設置することにより、煙突から 発生するダイオキシン類濃度の低減が見込まれる。 大気汚染防止法による規制値より厳しい基準を設定することによ り、煙突から発生するダイオキシン類濃度の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、煙突排ガスから発生するダイオ キシン類の抑制が図られ、事業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で低減されているも のと評価した。 b 環境保全施策との整合 焼却施設の稼働により変化する土壌中のダイオキシン類濃度は、環境基準を下回ることから、環 境保全施策との整合が図られているものと評価した。 77 No.6(現西工場テニスコート周辺) No.2(みなと坂船の公園) No.1(西部下水処理場内) 対象事業実施区域 No.3(小榊小学校) No.4(神ノ島一丁目公園) No.5(神ノ島三丁目公園) 図 7-7 土壌汚染調査地点 (土壌の汚染に係る環境基準項目) : ダイオキシン類調査地点 No.1(西部下水処理場内) No.2(みなと坂船の公園) No.3(小榊小学校) No.4(神の島一丁目公園) No.5(神の島三丁目公園) No.6(現西工場テニスコート周辺) 78 表 7-22 植物 環境要素の区分 植物 植生の改変の程度、重要な植物種及び植物群落の消滅の有無 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の存在) a 現地で確認された維管束植物 97 科 413 種 b 植生 森林植生で 4 タイプ、竹林・大型高茎草地で 3 タイプ、在来二次草地・自然草地で 3 タイプ、先 駆草地で 3 タイプ、人工植生で 2 タイプ、施設地・その他の合計 16 タイプに区分された 調査結果 現存植生図 予測結果 c 植物の重要な種及び群落の分布、生育の状況及び生育環境の状況 重要な植物として、シマヒメタデ (1 種)が確認された。重要な群落は確認されなかった。 d 生育環境 対象事業実施区域を含む工業団地は工業専用地域に指定され、周辺には工場が点在しており、自 然植生は海岸周辺や斜面部など一部に限られる。調査地域には小河川及び排水路があるのみであ り、降雨時を除くと満潮時の海水の流入以外にあまり流れはない。 a 植生の改変の程度 対象事業実施により約 2ha の土地を改変し、先駆性低木林が 0.06ha、大型高茎草地が 0.05ha、 マント群落が 0.21ha、乾生草地が 0.54ha、多年生荒地雑草群落が 0.57ha、一年生荒地雑草群落が 0.13ha、開放水面が 0.05ha 消失する。残り 0.39ha は工場、事業所用地である。 いずれの植生も改変の程度は小さくなっており、影響はほとんどないと考えられる。 b 重要な植物種及び植物群落の消滅の有無 重要な植物種は 1 種(シマヒメタデ)が確認されたが、対象事業実施区域内には重要な植物種は ない。シマヒメタデは対象事業実施区域より約 300m 離れた周辺埋立地内の湿地で確認されており、 直接的な影響は及ばないことから、重要な植物種への影響はないと考えられる。 また、重要な植物群落は確認されていないため、重要な植物群落への影響はないと考えられる。 環境保全措置 現存植生等を考慮 した緑化及び植栽 環境保全措置 粉じん等の発生抑 制 期待される効果 緑化に際しては在来種を選定し、周辺植生の構成等による植栽及び緑化を 行うことで隣接する動植物の生息・生育への影響の低減が見込まれる。 粉じん等が植物の葉に付着することにより、光合成や蒸散等に影響が生じ ることが考えられるため、 「第 7 章 表 7-1(1)~(2)」で実施する環境保 全措置を行うことにより、粉じん等の発生を抑制することで、植物への影 響の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域を避けるように計画している。 また、上記の環境保全措置を講じることにより、生育環境の保全が図られることから、事業の実施 が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 79 № №33 ク クヌ ヌギ ギ群 群落 落 № №11 タ タブ ブノ ノキ キ群 群落 落 №6 チガヤ群落 №5 タブノキ群落 № №22 タ タブ ブノ ノキ キ群 群落 落 №4 マサキ‐トベラ群集 図 7-8 植生の調査地点 80 表 7-23 動物(1)表 7-24 環境要素の区分 動物 生息環境の改変の程度、重要な動物種の生息状況への影響 影響要因の区分 工事中(造成等の施工による一時的な影響、建設機械の稼働) 調査結果 予測結果 a 脊椎動物及び昆虫類その他の主な動物の状況、水生動物の状況 哺乳類 5 目 6 科 7 種 鳥類 10 目 29 科 51 種 両生類 1 目 2 科 2 種 爬虫類 1 目 4 科 4 種 昆虫類 13 目 110 科 290 種 底生動物 6 鋼 11 目 18 科 23 種 b 動物の重要な種及び群集の分布、生息の状況及び生息環境の状況 哺乳類:イタチ属 鳥類:チュウサギ、クロサギ、ミサゴ、ハイタカ、ヒクイナ、コチドリ、コアオアシシギ、アオ アシシギ、セイタカシギ、ユリカモメ、オオヨシキリ 昆虫類:クロスジギンヤンマ、オニヤンマ、コガムシ、ヒラタクワガタ、ヤマトアオドウガネ 底生動物:モノアラガイ、トゲナシヌマエビ、テナガエビ 重要な個体群は確認されなかった。 c 生息環境 対象事業実施区域を含む工業団地は、工業専用地域に指定され、周辺には工場が点在しており、 自然植生は海岸周辺や斜面部など一部に限られる。調査地域には小河川及び排水路があるのみであ り、降雨時を除くと、満潮時の海水の流入以外にあまり流れはない。 また、対象事業実施区域及び周辺の植生は、丘陵地の斜面にモザイク的にタブノキ、エノキ林等 の樹林地が見られるが、埋立地の大部分は、外来種が多く生育している先駆草地や、ススキ群落や チガヤ群落などの乾生草地を中心とした在来二次草地となっており、人為的影響を受けて比較的単 調な環境となっている。 a 生息環境の改変の程度 工事の実施により、稼働する工事機械から騒音が発生することが考えられるが、騒音の予測結果 (第 7 章 表 7-5(1)~(2))によると、防音シートの設置が計画されており騒音の発生の抑制が図 られている。また、対象事業実施区域周辺には工場や事業所が点在しており、現況においても騒音 等の影響が対象事業実施区域内に及んでいると考えられることから、造成等の施工による影響は一 時的で、動物の生息環境を著しく悪化させることはなく、影響は小さいと考えられる。 また工事に伴い濁水が発生することが考えられるが、水質汚濁の予測結果(第 7 章 表 7-20)に よると、工事中の排水は、ビオトープ及び周辺水路ではなく敷地境界南西側の排水路へ排水する計 画であること、発生する濁水については、沈砂池または同等の能力を有する濁水処理施設を設置す ることから、造成等の施工による影響は一時的で、動物の生息環境を著しく悪化させることはなく、 影響は小さいと考えられる。 b 重要な動物種の生息状況への影響 哺乳類 1 種、鳥類 9 種を対象とした。 哺乳類:イタチ属については建設機械の稼働による騒音のために、対象事業実施区域内を忌避す ることが予測されるが、周辺の環境を利用することが可能であると考えられることから、 本種の生息及び生息環境に与える影響は小さいと考えられる。 鳥類:建設機械の騒音による忌避することが予測されるが、周囲に同様の環境が広く存在するこ とから影響は小さいと考えらえる。 環境保全措置 騒音発生の低減 環境保全措置 濁水発生の低減 期待される効果 工事期間中に防音シートを設置する等、 「第 7 章 表 7-5(1)~(2)) 」で 実施する環境保全措置を行うことにより、工事に伴う騒音の発生が低減 され、生息環境の保全を図ることが見込まれる。 工事期間中に濁水処理施設等を設置する等、 「第 7 章 表 7-20) 」で実施 する環境保全措置を行うことにより、工事に伴う濁水の発生が低減され、 水域を主な生息域とする種の生息環境の保全を図ることが見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域を避けるように計画している。 また、上記の環境保全措置を講じることにより、生息環境の保全が図られることから、事業の実施 が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 81 表 7-25 動物(2) 環境要素の区分 動物 生息環境の改変の程度、重要な動物種の生息状況への影響 影響要因の区分 施設の存在及び供用(焼却施設の存在) 調査結果 表 7-23 調査結果 予測結果 a 生息環境の改変の程度 対象事業の実施により約 2ha の土地を改変し、先駆性低木林が 0.06ha、竹林・大型高茎草地が 0.05ha、マント群落が 0.21ha、乾生草地が 0.54ha、先駆草地が 0.70ha、開放水面(水路)が 0.05ha 消失する。 最も改変される生息環境は開放水面の 20.5%であるが、西部下水処理場内のビオトープから続く 水路であり、ビオトープは改変しない。 また、対象事業実施区域内で哺乳類及び鳥類の繁殖は確認されていないこと、水路以外の生息環 境の改変の程度は小さいことから、施設等の存在及び供用による動物への影響は小さいと考えられ る。 b 重要な動物種の生息状況への影響 哺乳類 1 種、鳥類 11 種、昆虫類 5 種、底生動物 3 種を対象とした。 哺乳類:イタチ属は行動範囲が広く、周辺の樹林地、草地や水辺等多様な環境を利用するため、 周辺にも同様の環境が存在するため影響は小さい。 鳥類:改変割合の比較的大きい対象事業実施区域内の水域は主な生息環境ではないと考えられる ことから、生息及び生息環境に与える影響は小さいと考えられる。 昆虫類:ヒラタクワガタについては生息環境である広葉樹林を、ヤマトアオドウガネについては 広葉樹林及び砂浜を改変しないことから影響はないと考えられる。 底生動物:生息環境となるビオトープは改変しないことから、本種の生息及び生息環境に与える 影響は小さいと考えられる。 環境保全措置 環境保全措置 施設の受付時間 の規制 照明の工夫 に記載したとおりである。 期待される効果 早朝・夜間の受付を行わないことにより、動物の生息環境への影響の低減 が見込まれる。 夜間照明等の設置においては、必要最低限の照明を残し消灯することによ り動物の生息環境への影響の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域を避けるように計画している。 また、上記の環境保全措置を講じることにより、生息環境の保全が図られることから、事業の実施 が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 82 P2 RR22 W1 LL22 TT22 T1 R1 L1 P1 T3 TT44 RR33 P4 図 7-9 動物調査地点 :哺乳類トラップ・昆虫類ベイトトラップ地点(T1~T4) :鳥類ラインセンサス(R1~R3) :鳥類ポイントセンサス(定点観察)地点(P1~P4) :昆虫類ライトトラップ地点(L1~L2) :底生動物定量採集地点(W1) 83 P3 表 7-26 生態系(1) 注目種及び群集の生息環境または生育環境への影響 生態系の構造及び機能への影響 環境要素の区分 生態系 影響要因の区分 工事中(造成等の施工による一時的な影響、建設機械の稼働) a 生態系の概況 環境類型区分図、食物網模式図を以下に示す。 ① 境類型区分 ②食物網模式図 調査結果 (海岸含む) 予測結果 b 複数の注目種及び群集の状況 上位性:イタチ、トビ 典型性:スズメ、多年生荒地雑草群落、乾生草地 特殊性:湿原、洞窟、噴気孔の周辺など特殊な環境は見られないため、選定なし a 注目種及び群集の生息環境または生育環境への影響 注目種に選定した種のうち、上位性:イタチ、トビ、典型性:スズメに対し、予測を行った。そ の結果、影響は一時的で生息及び生息環境に与える影響は小さいと予測された。 b 生態系の構造及び機能への影響 埋立地周辺の草地環境の主な機能は、林縁種や草地性種の生息機能や環境形成・維持機能を果た していると考えられる。 注目種各種に対する予測の結果、各種の生息・生育環境については対象事業の実施により一時的 に影響が見られたものの、生態系への影響につながる、特定の環境類型区分に対する改変や自然性 の高い環境の改変等は行われないこと、同様の環境は周辺に広く存在することから、生態系の構造 及び機能へ与える影響は小さいと考えられる。 環境保全措置 粉 じん等の 発生 抑制 環境保全措置 騒音発生の低減 濁水発生の低減 期待される効果 粉じん等が植物の葉に付着することにより、光合成や蒸散等に影響が生じ ることが考えられるため、 「第 7 章 表 7-1(1)~(2)」で実施する環境保全 措置を行うことにより、粉じん等の発生を抑制することで、植物への影響 の低減が見込まれる。 工事期間中に防音シートを設置する等、 「第 7 章 表 7-5(1)~(2)) 」で実施 する環境保全措置を行うことにより、工事に伴う騒音の発生が低減され、 生息環境の保全を図ることが見込まれる。 工事期間中に濁水処理施設等を設置する等、 「第 7 章 表 7-20) 」で実施す る環境保全措置を行うことにより、工事に伴う濁水の発生が低減され、水 域を主な生息域とする種の生息環境の保全を図ることが見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域を避けるように計画している。 また、上記の環境保全措置を講じることにより、生育環境及び生息環境の保全が図られることから、 事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 84 表 7-27 生態系(2) 環境要素の区分 生態系 注目種及び群集の生息環境または生育環境への影響 生態系の構造及び機能への影響 影響要因の区分 施設の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-25 調査結果 予測結果 a 注目種及び群集の生息環境または生育環境への影響 注目種に選定した上位性:イタチ、トビ、典型性:スズメ、多年生荒地雑草群落、乾生草地種に 対し、予測を行った。その結果、生態系の変化はないまたはほとんどないと予測された。 b 生態系の構造及び機能への影響 埋立地周辺の草地環境の主な機能は、林縁種や草地性種の生息機能や環境形成・維持機能を果た していると考えられる。 注目種各種に対する予測の結果、各種の生息・生育環境については対象事業の実施により一部減 少が見られたものの、生態系への影響につながる、特定の環境類型区分に対する改変や自然性の高 い環境の改変等は行わないことから、当該地域における生態系への影響は小さいと考えられる。 また、施設の存在により隣接するビオトープと周辺草地環境の分断が考えられるが、周辺環境に 配慮した緑化を早期に行うなど、環境保全措置を実施することから生態系の構造及び機能へ与える 影響は小さいと考えられる。 環境保全措置 環境保全措置 現存植生等を考 慮した緑化及び 植栽 施設の受付時間 の規制 照明の工夫 に記載したとおりである。 期待される効果 緑化に際しては在来種を選定し、周辺植生の構成等による植栽及び緑化を 行うことで隣接する動植物の生息・生育への影響の低減が見込まれる。 早朝・夜間の受付を行わないことにより、動物の生息環境への影響の低減 が見込まれる。 夜間照明等の設置においては、必要最低限の照明を残し消灯することによ り動物の生息環境への影響の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域を避けるように計画している。 また、上記の環境保全措置を講じることにより、生育環境及び生息環境の保全が図られることから、 事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 85 表 7-28 景観 環境要素の区分 景観 主要な眺望点及び視点場並びに景観資源の変化の程度 主要な眺望点及び視点場からの景観の変化 影響要因の区分 施設の存在及び供用(焼却施設の存在) 調査結果 予測結果 a 主要な眺望点及び視点場の状況 神の島公園展望台(眺望点) 、みなと坂船の公園(眺望点) 、天門峰山頂(眺望点) 、女神大橋(視 点場) 、長崎サンセットマリーナ(眺望点) 、稲佐山展望台(眺望点) 、五島航路(視点場)の 7 地 点について、景観写真を撮影した。 b 景観資源の状況 ・稲佐山:標高 333m で山頂付近は公園として整備されていて、草スキー場や野外音楽堂などの施 設や、テレビ塔、展望台がある。ロープウェイで簡単に行くことができるため夜景を楽 しむ観光スポットになっている。展望台からは、360 度の大パノラマを楽しむことがで き、長崎市街全域を始め、長崎港、港口の島々、五島灘、時には遠く五島列島の島陰影 を見ることができる。主要な視点場(№7 五島航路)から対象事業実施区域方向を向い た場合、背後遠方に山頂付近が視認できる。 ・福田崎:「日本の自然景観九州版Ⅰ」 (平成元年、環境庁)によると、延長 2.5km、複輝石安山岩 でできた比高 180m の海食崖である。主要な眺望点(№1 神の島公園展望台及び№4 天門 峰山頂)から対象事業実施区域方向を向いた場合、背後遠方に視認できる。 ・野母半島県立公園:昭和 30 年 10 月 13 日に指定され、面積は 7,090.0ha である。野母崎半島か ら長崎市にかけての山間部及び海岸からなる地域で、半島の大部分は西彼杵変成岩類か らなり多くの断層がみられる。山間部は起伏に富みキュウシュウジカが生息する。半島 の海岸では砂浜が発達し、ハマユウの群生がみられ、東海岸は海蝕崖となりハマビワ林 が残存する。主要な眺望点(№2 みなと坂船の公園及び№6 稲佐山展望台)及び視点場 (№7 五島航路)から対象事業実施区域方向を向いた場合、海岸線が視認できる。 c 主要な眺望景観の状況 みなと坂船の公園、天門峰山頂、長崎サンセットマリーナ、稲佐山展望台、五島航路の 5 地点で 対象事業実施区域が視認された。 a 主要な眺望点及び視点場並びに景観資源の変化の程度 主要な眺望点及び視点場、並びに景観資源の改変は行わないため、眺望点及び視点場には変化は なく影響はない。 b 主要な眺望点及び視点場からの景観の変化 作成したフォトモンタージュを図 7-11 に示す。 №1 神の島公園展望台及び№4 女神大橋からは建物はほとんど視認できない。 №2 みなと坂船の公園からは、周辺に樹木があるものの正面に視認され、他の地点からの景観に 比べ、建物の視野に占める割合が大きくなっている。しかし、背後の伊王島の稜線は遮らないこと、 周辺景観と調和した意匠とすることから影響は小さいと予測された。 その他の視点からも視認されるものの周辺景観と調和した意匠とすることから影響は小さいと 予測された。 環境保全措置 色彩の検討 環境保全措置 形状の検討 施設周辺の緑 化・植栽 期待される効果 威圧感や圧迫感を与えないような周辺景観と調和した色彩を採用すること で影響の低減が見込まれる。 周辺地域に圧迫感や閉塞感、不快感等の印象を与えない、親しみやすいシ ンプルなデザインとし、圧迫感を与えないような煙突の位置・高さを採用 することにより影響の低減が見込まれる。 施設周辺の緑化・植栽を行うことにより、駐車場が目立たなくなり影響の 低減が見込まれる。 注 1) 色彩の検討例を図 7-12 に、形状の検討例を図 7-13 に示す。 事後調査 - 評価結果 a 環境影響の回避・低減 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域や周辺の景観と調和が取れない 地域を避けるように計画している。また、上記の環境保全措置を講じることにより、景観の保全が 図られることから、事業の実施が環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されて いるものと評価した。 b 環境保全施策との整合 対象事業実施区域及び周辺は、長崎市景観条例に基づく景観計画区域のうち「一般地区」に指定 されているため、対象事業実施区域に新設する建築物は景観形成基準に適合させる。今後、施設の 詳細な設計においては、ながさきデザイン会議など専門家からの助言・指導を仰ぎながら検討して いく。このことから整合を図るべき基準等と予測結果との間に整合が図られていると評価した。 86 図 7-10 景観調査地点 87 対象事業実施区域 №1 対象事業実施区域 神の島公園展望台 №2 みなと坂船の公園 対象事業実施区域 対象事業実施区域 №3 天門峰山頂 №4 女神大橋 対象事業実施区域 対象事業実施区域 №5 長崎サンセットマリーナ №6 稲佐山展望台 対象事業実施区域 №7-1 対象事業実施区域 五島航路① №7-2 五島航路② 対象事業実施区域 №7-3 五島航路③ 図 7-11 各調査地点からの景観の変化 88 白 水色 ブルー系 茶 外壁または外観の基調となる色彩は、長崎市景観計画(平成 23 年 12 月、長崎市)の景観形成基準 に適合させ、周辺景観と調和した色彩を採用することで影響は小さくなる。 図 7-12 色彩検討の例(煙突高 左 100m、右 59m:№2 みなと坂船の公園) 煙突高 100m:№2 みなと坂船の公園 煙突高 50m:№2 みなと坂船の公園 煙突高 100m:№5 長崎サンセットマリーナ 煙突高 50m:№5 長崎サンセットマリーナ 煙突高 59m では背後の稜線や海岸線、水平線を遮らないため煙突高 100m より影響は小さくなる。 図 7-13 形状(煙突高さ・位置)検討の例(煙突高 89 左 100m、右 59m) 表 7-29 人と自然との触れ合い活動の場(1) 人と自然との触れ合い活動の場の分布または利用環 境の改変の程度、アクセスルートへの影響 環境要素の区分 人と自然との触れ合いの活動の場 影響要因の区分 工事中(資機材の運搬車両の走行) a 主要な人と自然との触れ合い活動の場の状況 対象事業実施区域周辺の主要な人と自然との触れ合い活動の場として、神の島公園がある。 神の島公園は、対象事業実施区域の南東方向約 600m に位置し、長崎港西側の半島先端の神ノ島 の標高 100m の位置にあり、昭和 51 年 12 月 25 日に開設され、広さは 7.61ha で駐車場、トイレ等 を備えている公園である。イベントが行われるステージや遊具があり、地元の人の憩いの場となっ ている。 b 主要な人と自然との触れ合い活動の場の利用状況及び利用環境 神の島公園について利用者が多い花見時期とアジサイ祭り開催時に、写真撮影、交通量調査(駐 車場の利用者数・利用台数)及び利用者に対する聞き取り調査を実施した。調査結果を以下に示す。 調査結果 予測結果 環境保全措置 【花見時期】 花見時期は約 170 人が神の島公園へ来園しており、乗用車での来園は 101 台であった。聞き取り 調査は 38 組(延べ 146 人)に対して実施した。花見時期の神の島公園の利用目的は、聞き取り調 査の結果、花見(67.8%) 、清掃活動(19.2%)が全体の約 90%を占めていた。交通量は約 100 台と なっており、アクセスルートについては、町内ルートを除けば、木鉢・三菱ルートが最も多く、次 いで福田・金水ルートが多かった。 【アジサイ祭り開催時】 アジサイ祭り開催時は、アジサイ祭り開催時の神の島公園の利用目的は、聞き取り調査の結果、 アジサイ鑑賞(74.3%) 、ドライブ(14.9%)で全体の約 90%を占めていた。交通量は 37 台(小榊 小学校を含めると 81 台)となっており、アクセスルートについては、町内ルートを除けば、福田・ 金水ルートが最も多く、次いで木鉢・三菱ルートが多かった。 a 人と自然との触れ合い活動の場の分布または利用環境の改変の程度 神の島公園は対象事業実施区域から 600m 離れており、騒音の影響は受けないと考えられるため 事業の実施による影響はないと考えられる。 また利用環境については、写真撮影した結果、現況で対象事業実施区域が視認できないため、利 用環境に影響はないと考えられる。 b アクセスルートへの影響 福田・金水ルートは資機材の運搬車両の走行ルートと重複する。町内からの来園手段についても ほとんどが自動車を利用している。 また、資機材の運搬車両台数は 470 台/日で、一般交通量に与える寄与率は 7.8%であり、工事に よる影響は一時的なものであり、アクセス特性の変化はないことから、利用者への影響はほとんど ないと考えられる。なお、木鉢・三菱ルートを利用する通勤車両(小型車)が 8 台/日あるが、寄 与率は 0.2%であるため影響はないと考えられる。 環境保全措置 建設副産物発生量を削 減 車両運転者に対する運 行方法等の指導徹底 期待される効果 建設副産物発生量を削減することで、資機材運搬車両の走行台数が 減少し、利用環境の保全が見込まれる。 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させるよう指導 を徹底することにより、利用環境の保全が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域や周辺の景観と調和が取れない 地域を避けるように計画しており、資機材の運搬車両の走行ルートについても配慮されている。ま た、上記の環境保全措置を講じることにより、利用環境の保全が図られることから、事業の実施が 環境に与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 90 表 7-30 人と自然との触れ合い活動の場(2) 人と自然との触れ合い活動の場の分布または利用環 境の改変の程度、アクセスルートへの影響 環境要素の区分 人と自然との触れ合いの活動の場 影響要因の区分 施設の存在及び供用(廃棄物運搬車両の走行、焼却施設の存在) 調査結果 表 7-29 調査結果 予測結果 a 人と自然との触れ合い活動の場の分布または利用環境の改変の程度 神の島公園は対象事業実施区域から 600m 離れており、改変されないため事業の実施による分布 への影響はないと考えられる。 また利用環境については、 「第 7 章 図 7-11」のフォトモンタージュによると、神の島公園展望 台からは煙突の一部が視認できる程度であり、利用環境に影響はないと考えられる。 b アクセスルートへの影響 福田・金水ルート及び木鉢・三菱・女神大橋重複ルートは廃棄物運搬車両の走行ルートと重複す る。神の島公園利用者のほとんどは自動車を利用しており、廃棄物運搬車両の走行台数はそれぞれ のルートで 766 台/日と 12 台/日で、一般交通量に与える寄与率は 12.1%と 0.3%であり、影響は小 さいと考えられる。 環境保全措置 に記載したとおりである。 環境保全措置 車両運転者に対する運 行方法等の指導徹底 期待される効果 車両運転者に対して、走行速度等の交通法規を厳守させることによ り、利用環境の保全が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、事業計画段階で自然環境に対する負荷が大きい地域や周辺の景観と調和が取れない 地域を避けるように計画しており、廃棄物運搬の走行ルートについても配慮されている。また、上 記の環境保全措置を講じることにより、利用環境の保全が図られることから、事業の実施が環境に 与える影響について、実行可能な範囲で回避、低減されているものと評価した。 91 小榊小学校 神の島公園 図 7-14 人と自然との触れ合い活動の場 調査地点 92 表 7-31 廃棄物(1) 環境要素の区分 廃棄物等 産業廃棄物及び発生土の種類、発生量 影響要因の区分 工事中(造成等の施工による一時的な影響) 調査結果 予測結果 a 産業廃棄物 長崎県廃棄物処理計画」 (平成 23 年 3 月 長崎県)によると、平成 21 年度末現在、県内の産業 廃棄物処理施設は 376 施設が設置されている。また、最終処分場の残余容量は、安定型処分場が 1,313 千 m3、管理型処分場が 1,636 千 m3 となっている。 b 建設発生土 「平成 20 年度建設副産物実態調査結果」 (平成 22 年 3 月、国土交通省)によると、県内の市町 村発注の公共土木工事では、506.0 千 m3 の建設発生土が場外排出されており、利用土砂の建設発生 土利用率は 79.5%である。 建設工事に伴い発生する建設発生土の量は約 5,000m3 であるが、現場内の盛土で再利用するため 場外排出は行わない。よって、建設廃棄物としての残土は発生しない。 建設廃棄物発生量は、合計で約 280t の発生が予測され、最も多いものは混合廃棄物、次にコン クリート塊となっている。 本事業では、工事の実施に伴って発生する廃棄物等の抑制に努めるとともに、分別排出された廃 棄物は、関係法令に基づき再資源化や適正処理に努める計画であることから影響は小さいと予測さ れた。 環境保全措置 適正な工法による施工 環境保全措置 再生資源の利用 再利用が困難なものは、関 係法令に基づき適正に処理 期待される効果 可能な限り建設廃棄物を低減できる工法による施工を行うこと で、廃棄物の発生の低減が見込まれる。 資材等に可能な限り再生資源を利用することで、廃棄物が環境に 及ぼす影響の低減が見込まれる。 分別排出し、関係法令に基づき再資源化や適正に処理を行うこと で、廃棄物が環境に及ぼす影響の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、廃棄物発生量の削減及び廃棄物 の適正処理が図られ、事業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で低減されているものと 評価した。 表 7-32 廃棄物(2) 環境要素の区分 廃棄物等 産業廃棄物の種類、発生量 影響要因の区分 施設の存在及び供用(焼却施設の稼働) 調査結果 表 7-31 調査結果 予測結果 施設の稼働に伴い発生する産業廃棄物は焼却灰及び飛灰であり、その発生量は 8,200t/年と予測 された。これらの焼却灰及び飛灰は、当市が所有する処分場に搬出し、埋立処分する計画であるこ とから影響は小さいと予測された。 環境保全措置 に記載したとおりである。 環境保全措置 適正な運転管理により焼 却 天蓋装置付の灰運搬車両 による灰の飛散防止 期待される効果 適正な運転管理により未燃分が残らないよう焼却されることで、 廃棄物となる焼却灰の低減が見込まれる。 天蓋装置付の灰運搬車両を用いて灰の飛散防止策を講じること で、廃棄物が周辺環境に及ぼす影響の低減が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、廃棄物発生量の削減及び廃棄物 の適正処理により、事業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で低減されているものと評 価した。 93 表 7-33 温室効果ガス 温室効果ガスの排出量又はエネルギー使用量の程度及びそれら の削減の程度 環境要素の区分 温室効果ガス 影響要因の区分 施設等の存在及び供用(焼却施設の稼働) a 温室効果ガス排出状況 調査結果 「平成 22 年度版長崎市地球温暖化対策実行計画年次報告書」 (平成 23 年 3 月、長崎市)による と、平成 20 年(2008 年)度の温室効果ガス排出量は、2,206 千トンとなっている。廃棄物部門の CO2 排出量は、基準年度(1990 年度)に比べ 76%増加しており、近年ほぼ横ばいに推移している。 b 温室効果ガスの排出量原単位 「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver.3.2) 」 (平成 23 年 4 月、環境省・経済産業省) より、本事業に関連する温室効果ガス排出量の原単位を整理した。 焼却施設の稼働に伴い発生する温室効果ガスの排出量は、下表に示すとおりであり、約 10 万 t-CO2/年と予測された。 単位 温暖化 温室効果ガス 項 目 活動量 排出係数 発熱量 係数 排出量 一般廃棄物中 862t - 2.77t-CO2/t 1 2,388t-CO2/年 のプラスチック - 0.00000095tCH4/t 21 1t-CO2/年 一般廃棄物 64,560t の焼却 - 0.0000567tN2O/t 310 1,135t-CO2/年 灯油 電気 38,500kL 36.7GJ/kL 11,000,000kWh - 合 0.0185tC/GJ 1 0.000385t-CO2/kWh 1 計 95,845t-CO2/年 4,235t-CO2/年 103,604t-CO2/年 予測結果 また、高効率発電施設における発電量に相当する温室効果ガス量は、下表に示すとおり、約 1 万 t-CO2/年と予測された。現西工場の発電量に相当する温室効果ガス量は約 4 千 t-CO2/年弱であり、 新西工場は現西工場に比べ約 2.5 倍以上の温室効果ガスの排出量が削減される。 よって、本事業では、高効率発電施設の発電により温室効果ガスの排出の低減を図っていること から影響は小さいと考えられる。 単位 温暖化 温室効果ガス 項 目 活動量 排出係数 発熱量 係数 相当量 発電量(新西工場) 発電量 (参考:現西工場) 28,000,000kWh - 10,118,310kWh 環境保全措置 適正な運転管理による助 燃用等の灯油の消費低減 積極的な省エネルギー設 備や機器の導入 環境保全措置 0.000385t-CO2/kWh 不要な照明の消灯や冷暖 房温度の適正な設定 ごみの焼却に伴う熱エネ ルギーの有効利用 可能な限り事業計画地内 を植栽 1 10,780t-CO2/年 3,896t-CO2/年 期待される効果 適正な運転管理により助燃用等の灯油の消費が低減されること から、温室効果ガス排出量の低減が見込まれる。 積極的な省エネルギー設備や機器の導入することで、温室効果ガ ス排出量の低減が見込まれる。 不要な照明の消灯や冷暖房温度の適正な設定等を積極的に行う ことにより場内の消費電力が低減されることから、温室効果ガス 排出量の低減が見込まれる。 ごみの焼却に伴う熱エネルギーを発電や余熱利用施設で有効利 用することで、温室効果ガス排出量の低減が見込まれる。 事業計画地内に植栽を実施し、できる限り緑地を確保すること で、温室効果ガスの吸収が見込まれる。 事後調査 - 評価結果 本事業では、上記の環境保全措置を講じる計画であることから、省エネルギーの推進、エネルギ ーの有効利用及び緑地の確保が図られ、事業の実施が環境に与える影響は、実行可能な範囲で低減 されているものと評価した。 94 第8章 環境保全措置 環境保全措置の一覧を表 8.1~表 8.3 に示す。 表 8.1 環境要素毎の環境保全措置の一覧(1) 環境要素 影響要因 環境保全措置 建設機械の稼 働 場内散水 タイヤ洗浄用のプールの設置 荷台のシート養生等の徹底 周辺道路の清掃・散水 資機材の運搬 車両の走行 資機材の運搬車両の走行時期の分散化 資機材の運搬車両の整備・点検の実施 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 建設副産物発生量を削減 焼却施設の稼 働 ろ過式集じん機(バグフィルタ)等の有害ガス除去装置 の設置 自主管理濃度の設定 廃棄物運搬車 両の走行 廃棄物運搬車両の整備・点検の実施 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 建設機械の稼 働 防音シートの設置 低騒音型機械の積極的な使用 可能な限り騒音を低減できる工法による施工 工事工程の平準化 建設機械の整備・点検の実施 建設機械のアイドリングストップの励行 資機材の運搬 車両の走行 資機材の運搬車両の走行時期の分散化 資機材の運搬車両の整備・点検の実施 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 建設副産物発生量を削減 焼却施設の稼 働 プラント設備の建屋内配置 工場棟からの騒音の漏洩防止 隔壁、防音室及びサイレンサ等の設置 廃棄物運搬車 両の走行 施設の受付時間の規制 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 廃棄物運搬車両の整備・点検の励行 工事中 大気汚染 施設等の存 在及び供用 工事中 騒音 施設等の存 在及び供用 95 表 8.2 環境要素毎の環境保全措置の一覧(2) 環境要素 影響要因 建設機械の 稼働 低振動型機械の積極的な使用 可能な限り振動を低減できる工法による施工 工事工程の平準化 建設機械の整備・点検の実施 建設機械のアイドリングストップの励行 資機材の運 搬車両の走 行 資機材の運搬車両の走行時期の分散化 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 建設副産物発生量を削減 焼却施設の 稼働 独立基礎の採用 基礎部への防振ゴムの施工 廃棄物運搬 車両の走行 施設の受付時間の規制 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 建設機械の 稼働 工事工程の平準化 建設機械の整備・点検の実施 建設機械のアイドリングストップの励行 資機材の運 搬車両の走 行 資機材の運搬車両の走行時期の分散化 資機材の運搬車両の整備・点検の実施 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 建設副産物発生量を削減 焼却施設の 稼働 プラント設備の建屋内配置 工場棟からの低周波音の漏洩防止 隔壁、防音室及びサイレンサ等の設置 廃棄物運搬 車両の走行 施設の受付時間の規制 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 廃棄物運搬車両の整備・点検の励行 焼却施設の 稼働(煙突排 ガス) 適切な温度管理の実施 焼却施設の 稼働(施設か らの漏洩) ごみピット内の負圧保持 全休炉時用の脱臭装置の設置及び消臭剤の散布 プラットホーム出入口(投入ステージ)に自動扉及びエア カーテンを設置 洗車場の屋内設置 廃棄物運搬 車両の走行 廃棄物運搬車両の定期的な清掃 沈砂池と濁水処理施設の併設 土側溝等の適切な集水・導水施設の設置 工事中 振動 施設等の存 在及び供用 工事中 低周波音 施設等の存 在及び供用 悪臭 施設等の存 在及び供用 環境保全措置の内容 水質汚濁 工事中 造成等の施 工による一 時的な影響 土壌汚染 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 稼働 ろ過式集じん機(バグフィルタ)の設置 自主管理濃度の設定 96 表 8.3 環境要素毎の環境保全措置の一覧(3) 環境要素 植物 影響要因 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 存在 現存植生等を考慮した緑化及び植栽 粉じん等の発生抑制 工事中 造成等の施 工による一 時的な影響、 建設機械の 稼働 騒音発生の低減 濁水発生の低減 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 存在 施設の受付時間の規制 照明の工夫 工事中 造成等の施 工による一 時的な影響、 建設機械の 稼働 粉じん等の発生抑制 騒音発生の低減 濁水発生の低減 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 存在 現存植生等を考慮した緑化及び植栽 施設の受付時間の規制 照明の工夫 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 存在 色彩の検討 形状の検討 施設周辺の緑化・植栽 工事中 資機材の運 搬車両の走 行 建設副産物発生量を削減 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 存在、廃棄物 運搬車両の 走行 車両運転者に対する運行方法等の指導徹底 工事中 造成等の施 工による一 時的な影響 適正な工法による施工 再生資源の利用 再利用が困難なものは、関係法令に基づき適正に処理 施設等の存 在及び供用 焼却施設の 稼働 適正な運転管理により焼却 天蓋装置付の灰運搬車両による灰の飛散防止 焼却施設の 稼働 適正な運転管理による助燃用等の灯油の消費低減 積極的な省エネルギー設備や機器の導入 不要な照明の消灯や冷暖房温度の適正な設定 ごみの焼却に伴う熱エネルギーの有効利用 可能な限り事業計画地内を植栽 動物 生態系 景観 人と自然と の触れ合い 活動の場 廃棄物等 温室効果ガ ス 環境保全措置の内容 施設等の存 在及び供用 97 第9章 都市計画対象事業に係る環境影響の総合的な評価 本事業の実施に伴う環境影響の評価は、 「事業の実施による影響が、事業者により実行可能 な範囲内でできる限り回避され、または低減されており、必要に応じその他の方法により環 境の保全についての配慮がなされていること」及び「国、県または市町村による環境の保全 の観点からの施策によって、評価項目に係る環境要素に関して基準または目標が示されてい る場合には、当該基準または目標と調査及び予測の結果との間に整合が図られていること」 の観点から実施した。 その結果、いずれの環境要素に対しても事業の実施による影響は小さく、環境保全措置を 適切に実施することにより、影響は回避または低減されるものと評価した。 また、現段階で予測し得なかった環境に影響を及ぼす事態が発生した場合には、その時点 での状況に応じ、調査等を行い、必要な環境保全措置等の検討を行う。 以上のことから、本事業の実施による環境影響は、事業者により実行可能な範囲内で回避 または低減されていると評価する。 第10章 環境影響評価を委託されて実施した者 第1節 名称 応用地質株式会社 九州支社 第2節 代表者の氏名 常務執行役員支社長 佐々木 和彦 第3節 主たる事務所の所在地 福岡県福岡市南区井尻 2 丁目 21 番 36 号 98