Comments
Description
Transcript
マイECO 43号(PDF)
持続可能な社会のための情報誌 水と緑の 地球環境本部 Vol. 43 INTERVIEW 「ものづくりから生まれる元気を届けたい」 タイ・チェンマイ郊外で子どもたちの生活施設運営 「バーンロムサイ」 代表 名取 美和さん REPORT 温泉熱の利用で エネルギーの自給を 長崎県の小浜温泉 CONSUMER 部屋の片付けから 社会貢献 FOOD フェアトレードの チョコレート カカオの生産者とつながろう MOTTAINAI 羽毛布団をリフレッシュ ヒラカワコーポレーション CSR 生産者との交流推進 大地を守る会 2015 FEBRUARY MARCH 名取美和さん 1946年、中国・南京生まれ。16歳でドイツに留学 タイ・チェンマイ郊外の ナンプレ ー 村 に 年から 抗 H I V の 療 法 を 取 り 入 れ た の で す が、「 も う ち ょ っ と 早 く 判 断 し て ―アプローチの方法が違う。 わくするようなことを考える。 ―東京での展覧会は、これまでの集大成 たちが働き、刺しゅう布や手織りのほか、 た。縫製場では、タイの山岳民族の女性 裁断した布の端切れを活用した「裂き織 ともいえる内容でしたね。 んの支援で始まった小さな施設。その成 付けたゲストハウスでは、ミャンマーか 「 h o s h i h a n a v i l 一 方、 l a g e( ホ シ ハ ナ ヴ ィ レ ッ ジ )」 と 名 り」で衣類や雑貨を製作しています。 長の軌跡を見てもらおうと、子どもたち らの難民をキッチンスタッフに迎え、故 バーンロムサイはタイ語で「ガジュマ ルの木の下の家」を意味します。みなさ が描いた絵をチェンマイの手すき和紙に 郷であるミャンマー・シャン州やタイの たちが訪れています。 料理を提供。日本から女性や若者、旅人 年の歩みをたどり、施設の近 印刷して 況を映像や写真で紹介しました。 ―隣接する土地では縫製場やゲストハウ 年、山あり谷あり ―買い物や宿泊が支援につながるわけで がると知り、絵画の展覧会を始めたのが ことが子どもたちの免疫力の向上につな ようという思いがありました。絵を描く 運営費を寄付金だけに頼るのではな く、私たち自身の能力を発揮して自立し 村の子どもたちと仲良くなり、大人とも れでも根を下ろして生活しているうちに、 ズに対する周囲の差別がありました。そ バーンロムサイはチェンマイ郊外のナ ンプレー村にあるのですが、当初はエイ の連続だったと思います。 すね。とはいえこの 2 0 0 1 年。 そ れ ら の 絵 を 額 装 し て 売 スを運営しています。 り、 カ ー ド な ど の 商 品 化 を 進 め、 「バー 友だちになれるところまで来ました。 ん さ ンロムサイのプロダクツ」が生まれまし 名取 美和 「バーンロムサイ」開設 年を記念した展覧会とトークイベントを東京で開催。「みんなで紡ぐものづくりの楽しさ。そこか )の呼びかけで設立され、ホームの自立のために衣類や雑貨などの「ものづくり」を手がけています。昨 タイ北部チェンマイの郊外にある「バーンロムサイ」は、日本人の女性たちが中心となって運営する、孤児たちの 生活施設です。 「エイズウイルス(HIV)に母子感染し、親を亡くした子どもたちが暮らす場を」と代表の名取美 月には開園 和さん( 年 ら生まれる元気を日本のみなさんに届けたい」と名取さんは語ります。 【聞き手・明珍美紀、写真も】 いれば」と 悔 や ま れ て な り ま せ ん 。 預 か った子ども の う ち 計 人 が 命 を 落 と し ま りHIVで命を失うことは減りましたが、 親が麻薬に手を染めるなど、いまはさま ざまな事情で親と一緒に暮らせない子ど 歳まで。その後の 就労や自立が一つの課題です。そのため もたちも受け入れています。ただし、ホ ナンプレー村で過ごしていると時間が ゆったりと流れ、私自身の心が穏やかに いまある縫製場やホシハナヴィレッジを ームにいられるのは います。当 時 は そ う 簡 単 に 薬 は 手 に 入 り な り ま す。「 こ の 心 地 よ さ を 分 か ち 合 い したが、そ の う ち 3 人 の 命 は 救 え た と 思 ま せ ん で し た。 副 作 用 の こ と を 考 え て、 職業訓練の場として活用していきたい。 と な り、「 協 力 し て く れ た 人 に は 幾 日 か たい。それならゲストハウスをつくろう」 返ると、そ れ が 一 番 悔 し い 。 ―バーンロムサイというコミュニティー りが寝たきりになることはまれで、元気 がない」というのです。つまり、お年寄 バンコクなどの都会は事情が異なりま すが、ナンプレー村では「介護のニーズ ―村の暮らしから学んだことは。 よくする流れをつくるのではないかと感 する。それが結果的に社会や地球環境を れが自分の能力を生かし、できることを いると知ったから。大切なのは、それぞ なぜタイで生活施設を開いているかと 言えば、そこに困っている子どもたちが ですね。 の宿泊権利をつけます」と寄付を募る。 に天寿をまっとうする人がほとんど。日 じます。 が、将来の子どもたちの職場になるわけ でHIV感 染 者 と 知 り 合 い 、 母 子 感 染 し 本では、老後を心配し、アンチエイジン ―タイとの 出 合 い は 。 た子どもた ち が 親 を 失 い 、 孤 児 に な っ て グに力を注いでいますよね。タイでは挨 東京で骨とう品の買い付けをしていた とき、タイ を 旅 し た の が き っ か け 。 そ こ ― そ の 後 の 行 動 力 に は 目 を 見 張 り ま す。 という言葉がありますが、人々にそうい いる現状を 知 り ま し た 。 アルマーニ な ど の フ ァ ッ シ ョ ン ブ ラ ン ド 拶代わりに「ご飯食べた?」と声をかけ 私 の 場 合 は、「 一 緒 に 楽 し い こ と を や う心がある社会に身を置くことができま ま す。 お 互 い さ ま。 譲 り 合 い。 「中庸」 りませんか。人 人が生活しています。薬の発達によ れたイベントではエイ ズ専門医の岩室紳也さ 展覧会にちなんで開か をはじめ、 企 業 の 支 援 も 引 き 出 し ま し た 。 した。 バーンロムサイでは2歳から 歳まで ―これからは。 の役に立つのは 気持ちいいです よ」という感じ で、相手がわく の 15 15 ちゅうちょ し た の で す 。 こ の 年 を 振 り 10 2 3 15 68 ホームの子どもたちと (バーンロムサイジャパン提供) 長女でデザイナーの美穂さん(左端)も「楽し い北タイ!」をテーマにトークに登場。料理研 究家で、バーンロムサイを訪れた島本美由紀 さん(左から2人目)らがゲストに 12 03 ホーム自立のために 「ものづくり」 それぞれの能力を生かし のナンプレー村にバーンロムサイを開設。 18 ん(右)と対談 写真家から受け継ぐスピリット 「消費することで社会を循環型にする仕組みを」 バーンロムサイ代表の名取 美和さん。東京の伊藤忠青 山アートスクエアで昨年 12月に開いた展覧会「バー ンロムサイの物語」は「15 年の歩みの集大成」 という 17 統刺しゅうをほどこした 衣類や雑貨なども 西洋骨董の店の経営などに携わる。99年にタイ ↘そのスピリットは、美和さんの長女で デザイナーの美穂さん (45)にも受け継 が れ ま し た。美 穂 さ ん も ド イツでの生 活や留学経験があり、現在はNPO法人・ バーンロムサイジャパンの代表として企 画に関わっています。 「日本は消費大国といわれます。それな ら消費することで社会を循環型にする仕 組みをつくっていけばいい。その意味で バーンロムサイの活動はやりがいがあり ます」 と美穂さんは話していました。 問い合わせはバーンロムサイジャパン (☎046・876・6209) 。 名取美和さんの父は、写真家の名取洋 之助さん(1910 ~ 62年)。同じく写真家 の木村伊兵衛さんやグラフィックデザイ ナーの河野鷹思さんらと親交を持ち、 「日 本の報道写真とデザインの父」とも呼ば れています。 「父は私がドイツに留学していた16歳 のときにこの世を去った」といい、 「 その 直前に父とヨーロッパを旅したことが一 番の思い出」と振り返ります。昼間は美術 館などをめぐり、ホテルやレストランで のマナーも伝授。 「女は仕事を持ちなさい と娘の私によく言っていました」↗ 15 縫製場でつくら れた衣類 30 ネコをかたどったクッシ ョン。製品にはタイの伝 し、商業デザインを学ぶ。その後、日本と欧州を往 復しながらCM撮影のコーディネーターや通訳、 「温泉バイナリー発電」 実用化へ 長崎県の小浜温泉 「日本一のエコ温泉地」を目指し 地 域住民と事業者 が 連 携 長崎県の雲仙普賢岳のふもとにある小浜温泉街(雲仙市小浜町)が、身近 な 資 源 を 生 か し て「 サ ス テ ィ ナ ブ ル( 持 続 可 能 ) な ま ち づ く り 」 を 推 進 し ています。地熱発電の一種で温泉熱を利用した「温泉バイナリー発電」の実 用化に力を入れ、エネルギーの自給と地域活性化を目指そうという取り組み。 地域住民の熱い思いが原動力になっています。 【明珍美紀、写真も】 長崎市の 中 心 街 か ら バ ス に 乗 っ て 1 時 間余り。雲 仙 市 南 東 の 海 岸 沿 い に あ る 小 浜温泉に着 き ま し た 。 ほんわか と 白 い 湯 気 。 観 光 客 ら が 裸 足 になって「 日 本 一 長 い 」 と い う 足 湯 に 浸 か っ て い ま す。 名 付 け て「 ほ っ と ふ っ と105」。長さは105㍍に及びます。 海岸沿いに は 海 を 臨 む 露 天 風 呂 。 温 泉 に よる蒸し釜 で 、 鮮 魚 や 地 元 産 の 野 菜 な ど を蒸し上げ て 提 供 す る 食 堂 も あ り ま し た 。 「 小 浜 温 泉 で は、 約 1 0 0 度 の 源 泉 が 1日に1万 5 0 0 0 ㌧ わ き 出 ま す 。 7 割 泉バイナリ ー 発 電 の 発 想 で す 」 と 一 般 社 ーとして有 効 活 用 し よ う と い う の が 、 温 日の発電量は計約2400~3600㌔ 仕 組 み。 現 在、 発 電 機 は 3 台 あ り、 「1 との液体に戻され、再利用されるという は海に流れ る ま ま だ っ た お 湯 を エ ネ ル ギ 団法人・小 浜 温 泉 エ ネ ル ギ ー の 事 務 局 ス ㍗アワー。約120世帯分の電力をまか いわゆる湯あかです。 課題は、温泉水用の熱交換器や送水管 に 詰 ま る ス ケ ー ル。 温 泉 成 分 の 結 晶 で、 なえる見込み」といいます。 タッフの井手大剛さん( )が強調します。 環境省か ら の 委 託 事 業 で プ ロ ジ ェ ク ト が始動し、 そ の 拠 点 が 「 小 浜 温 泉 バ イ ナ 従来の地 熱 発 電 は 、 2 0 0 度 以 上 の 高 温の蒸気が 必 要 で し た 。 温 泉 熱 を 活 用 す 果などを確認しています。同社の担当者 いても抑制のための装置を取り付け、効 大改造を行いました。スケール対策につ リー発電所 」 で す 。 れば、もっ と 低 い 温 度 で も 電 気 が つ く れ 事業化に向け、発電所は昨秋、洸陽電 機(本社・神戸市)が買い取り、設備の るようにな る 、 と い う わ け で す 。 出 力 も よ く な っ た。 (売電先となる)九 州電力の承認が得られれば、この春から によると「結果はまずまずで、発電機の まずは温 泉 の 熱 を 活 用 し た 熱 交 換 器 で 真水を約 度 に 温 め ま す 。 こ の 熱 水 で 沸 でも実用化が可能になる」と予測します。 バ イ ナ リ ー は 英 語 で「 二 つ の 」 という意味。温泉熱で真水を温め、 さらにその熱で、沸点の低い液体 を温めるという二つの熱循環があ る 温 泉 バ イ ナ リ ー 発 電 は、「 進 化 した地熱発電」といえそうです。 で も 地 熱 発 電 の 話 は あ り ま し た が、 「開 ている「湯太夫」の 代目です。それま 代表理事は、源泉所有者の一人、本多 宣 章 さ ん( ) 。 代 々、 温 泉 の 湯 を 守 っ からの見学者の受け入れをしています。 セミナーやイベントなどを計画し、外部 ぐ役目を果たしています。地域活性化の 一般社団法人・小浜温泉エネルギーは、 地元の人々と温泉エネルギー事業をつな 源泉を利用した蒸し 釜=小浜町の 「海鮮 市場 蒸し釜や」 で 発によって温泉が枯れてしまうのでは」 と心配する声がありました。何度も話し 合いを重ね、学習会を開くなどして、住 民と発電事業者が連携して事業を進める ことになりました。 4 5 12 点の低い液 体 を 蒸 発 さ せ 、 蒸 気 の 力 で タ 「ほっとふっと105」で 足湯を楽しむ人々 見学者に発電の仕 組みを説明する井 手大剛さん (右) 74 28 ービンを回 し て 発 電 。 蒸 気 は 凝 縮 器 で も 温泉バイナリー 発電の設備 90 小浜温泉エネルギー 発行の冊子「活用しよ う!温泉エネルギー」 (デザイン・マンガは西 岡由香さん) より 小浜町の小浜歴史資料 館の敷地にある源泉 温泉街にエコヴィレッジを デザイナーの城谷耕生さん エネルギーと食料の 自給がポイント オーガニックベース代表 奥津爾さん 城谷耕生さん(左) と妻で陶芸家の玉 銀喜さん。ショッ プでは玉さんの作 品も並べる 空き家を改装 した刈水庵 空き家を改装 カフェや工房に 「小浜は腰をすえて生きていく地だと 思った」と語るのは、東京都武蔵野市吉 ちかし ) 。昨 祥寺で料理教室などを運営するオーガニ ます。 「エネルギーと食料が自給できるかは 重要なポイントだ」と奥津さんは強調し 浜に引かれた」と言います。 あって、しかも人々の雰囲気が寛容な小 回 っ て 住 む 場 所 を 探 し、 「海や山の幸が らしへと背中を押しました。島原半島を 東日本大震災による原発事故も、田舎暮 在来種の種を守り続ける雲仙市の農家、 岩 崎 政 利 さ ん と 出 会 っ た の が き っ か け。 崎を往来しています。 夏、家族と小浜町に移り住み、東京と長 ックベース代表の奥津 爾 さん( 39 「地域のお年寄りたちの 知恵を生かしたい」 かりみず 湯けむり が 沸 く 小 浜 町 で 、 に わ か に 脚 光を浴びて い る 地 域 が あ り ま す 。 温 泉 街 から歩いて 5 分 ほ ど の 刈 水 地 区 。 地 元 の デザイナー 、 城 谷 耕 生 さ ん ( ) ら が 中 心 と な っ て エ コ ヴ ィ レ ッ ジ 構 想 を 推 進。 過疎地区の 空 き 家 を カ フ ェ や 工 房 に 改 装 して芸術家 や 若 者 た ち を 呼 び 込 ん で い ま す。 東京のデザイン学校を卒業後、イタリ アに渡り、 ミ ラ ノ で 建 築 や デ ザ イ ン の 事 務所に勤務 し て フ リ ー に 。 有 名 デ ザ イ ナ う ち の 一 つ、「 刈 水 庵 」 は 自 ら 運 営 す る 店舗兼カフェです。そのほか陶芸品や雑 ーのエンツ ォ ・ マ ー リ 氏 と 仕 事 を し ま し た。 ケットやワークショップを開いています。 過疎の地と空き家に息を吹き込み、「そ の中に地熱を取り入れたい」と城谷さん。 貨、食材を展示、販売するデザインマー 帰国翌年の2002年、郷里の小浜町 に拠点を構 え ま し た 。 改 め て 故 郷 の 市 街 を発見した 」 と 言 い ま す 。 そ し て 地 域 の た だ し、「 エ ネ ル ギ ー は 風 力 や 水 力 な ど 地 や 農 村 を 歩 き、「 昔 な が ら の 生 活 文 化 お年寄りの 知 恵 を 、 ま ち づ く り に 生 か そ 複数のものを共存させた方がいい」と提 案します。 うと思い立 ち ま し た 。 軒 の 空 き 家 の う 自家採取で在来種、 固定種の野菜を育て る岩崎政利さん 46 ち、すでに 4 軒 を リ ノ ベ ー シ ョ ン 。 そ の 14 6 に生かすライフスタイルを、私たちはス テナイ生活と呼んでいる」と事務局長の 法人「シャプラニール=市民による海外 ナイ生活」を提案しているのが、NPO 使わなくなったモノたちだけど、捨て るのはもったいない――。そこで「ステ 島県いわき市などで被災地復興に力を入 を推進します。東日本大震災以後は、福 困地域で、子どもや女性の生活支援など シャプラニールは1972年に設立さ れ、バングラデシュやネパールなどの貧 「ステナイ生活」 )は説明します。 協力の会」 (東京都新宿区)です。 セレントNPO大賞」( 「エクセレントN 小松豊明さん( 未使用や書き損じのはがき、切手(使 用済みを含む)をはじめ、インクカート PO」をめざそう市民会議主催、毎日新 ◇ ヒ ュ ー マ ン ラ イ ツ・ ナ ウ( ☎ ・ 3835・2110) 。お宝エイドの問い づきます。 くことで、一歩ずつ持続可能な社会に近 不 要 品 の 片 付 け や 処 分 か ら、「 人 権 に やさしい買い物」へと意識をつなげてい るかを考えるきっかけになります」。 場の労働者がどういう状況に置かれてい で 生 産 さ れ る こ と が あ り、「 そ う し た 工 ます。ブランド品は人件費の安い途上国 ら」と事務局長の伊藤和子弁護士は話し 届いた切手を切 りそろえるボラ ンティアら 月には「第3回エク リッジ、パソコン、テレビなどの家電製 聞社共催)の大賞に選ばれました。 ・3202・7863) 。 れています。昨年 品、自転車や楽器など対象は幅広く、そ 月から れぞれ専門業者に売却して南アジアでの 「お宝」が 社会貢献に 「 身 近 に あ る も の を 捨 て ず に 海 外 協 力 教材や文房具類になる」といいます。 円相当)を提供すると、子ども4人分の 金 の ピ ア ス の 片 方( 0・5 ㌘、 1 7 0 0 収 キ ャ ン ペ ー ン を ス タ ー ト。 「例えば はネックレスや指輪などジュエリーの回 支援活動に充てられます。昨年 ◇回収方法は製品の種類によって異な り ま す。 詳 し く は シ ャ プ ラ ニ ー ル( ☎ 46 12 バ ン グ ラ デ シ ュ の 先 住 民 族、サ ン タ ル の 子 ど も た ち。ジ ュ エ リ ーの寄付が教育支援に (シャプ ラニール提供) 「もったいない」で海外協力 片付けたものはリユースや リサイクルルートに寄付することで、 人道支援に協力 入学や就職などで新たな生活のスタートとなる春がもうすぐやってきます。引っ 越しや部屋の模様替えで、身の回りの物を片付けるときこそ、リユースやリサイク 【明珍美紀】 ルを実践するチャンス。家庭で眠っているものをNGOなどに寄付することが、途 3200万円を超えました。 年 末 か ら ス タ ー ト し、 寄 付 金 の 総 額 は 支 援 事 業 の 資 金 に な り ま す。 2 0 0 5 などで実施している学校建設などの教育 の海外や、震災で被災した宮城県石巻市 上国の子どもたちや人権活動のサポートにつながります。 読み終わった本で 学校建設 NPO法人「JEN」(東京都新宿区) で は、 古 本 の 寄 付 プ ロ グ ラ ム 「 ブ ッ ク ・ 東京都千代田区の毎日新聞東京本社1 階にある「MOTTAINAI STA TION&Shop」にはJENの古本 。貴金属やバ 名 付 け て「 お 宝 エ イ ド 」 ッグ、時計、カメラ、骨とう品、趣味で 家に眠るブランド品など「お宝」に目 を向けたのが、NPO法人「ヒューマン 店のブックオフ と 連 携 し 、 読 み 終 わ っ た 回 収 コ ー ナ ー が あ り ま す。 「部屋がすっ 集めた記念コインなど、寄付してもいい ライツ・ナウ」 (東京都台東区)です。 本や聴かなくな っ た C D 、 見 終 わ っ た D き り と 片 付 き、 本 や C D は リ サ イ ク ル。 品物を、ゆうパックの着払いで「おたか %が上 (☎ ヘイトスピーチに反対する フォトキャンペーンで作成 したコラージュ(ヒューマ ンライツ・ナウ提供) ・5719・6665) 。 合 わ せ は「 お た か ら や 目 黒 山 手 通 り 店 」 03 マジック」に力 を 入 れ て い ま す 。 中 古 書 VD(計 点以 上 ) を 段 ボ ー ル に 詰 め て 簡単にできる国際協力です」と担当者は に 郵 送 す る と、 「通常査定額の 年に結成し 「自分が寄付した物がどういう形で再 利用され、どんな人権問題の解決に役立 島の人々の人権状況も追っています。 特定秘密保護法、原発事故で被災した福 内では、ヘイトスピーチ(憎悪表現)や 調査や各国政府への提言などを行い、国 た日本発の国際人権NGO。事実関係の ジャーナリストらが200 ヒューマンライツ・ナウは、世界の人 権 侵 害 の 解 決 を 求 め、 弁 護 士 や 研 究 者、 る」といいます。 乗せされて活動資金として振り込まれ 10 8 9 6 てられるのかに関心も持ってもらえた 03 18 シャプラニールに寄せられた アクセサリーやはがき 話します。 03 03 12 JENに申し込むと、運送会社が集荷(無 ブック・マジックの回収コーナー= 東京都千代田区のMOTTAINAI STAT ION & Shopで 料)し、ブック オ フ が 買 い 取 り ま す 。 そ 提供) らや目黒山手通り店」 (東京都目黒区) たアフガニスタ ン の 学 校(JEN の金額が、アフ ガ ニ ス タ ン や イ ラ ク な ど もとに建てられ 。 ◇JEN(☎ ・5225・9352) 教育支援事業を 30 生産者と市民の「顔」が見える関係づくりが、チョコレートの世 界に広がっています。フェアトレード(公正貿易)を推進する女性 たちが中心となり、原料であるカカオ豆は、どこで誰がどんな風に つくっているのかをパッケージやイベントなどを通じて積極的に伝 えています。「素材を知ってもらおう」と、本格的な手づくりチョ るとチョコレートの香りが漂います。こ てほしい」とAPLAから依頼された出 )が、ワー 張料理人、吉田友則さん( コの講習会も登場しました。 【明珍美紀】 「素材を知ろう」 うした工程を体験する「ホンモノの手作 りチョコレート」と銘打つワークショッ クショップを発案し、2013年に全国 た 」 と 吉 田 さ ん。 「カカオ豆は発酵や乾 になるきっかけづくりになればと思っ ぷ ニューギニア島の西半分を占めるパプ ア(インドネシア領)から、カカオマス 燥を経て出荷される。チョコレートは実 あ キャラバンが始動しました。 ら プを開いているのが、NPO法人「AP やカカオバターなどの素材を 「民衆交易」 は発酵食品なんですよ」 シェフと一緒に ワークショップ で輸入販売するにちなんでスタートした 「 ま ず は 素 材 に 触 っ て も ら う。 カ カ オ のつくり手と消費者が、顔の見える関係 カカオ豆を砕いて皮を取り除いたもの がカカオニブ。それを炒ってすりつぶし 企 画。 「消費者に提案するレシピを考え LA」 (東京都新宿区)です。 たカカオマスに、ミルクや砂糖、カカオ 南米エクアドルの農家や森を守る人々 を 応 援 す る「 ス ロ ー ウ ォ ー タ ー カ フ ェ」 身が講師に加わります。これまで カ所 以上で実施し、約560人が参加。今年 も各地で開催する予定です。 ■ 「チョコレートの成り立ちを知ること で、生産地の人々に思いをはせる。ワー クショップを通して、買い物だけではな いつながりが生まれる。そんなことを期 )は強調します。 待 し て い ま す 」 と A P L A の ス タ ッ フ、 野川未央さん( た粒状のチョコレート。中にはカカオニ ブやホオズキが入っています。 一方、児童労働の問題に取り組むNP エ ー ス 「ショコラティエ O 法 人「 A C E 」 は、 パレドオール」のオーナー、三枝俊介 さんが開発した「プレミアムガトーショ コラ」を紹介。ACEが支援するガーナ・ アシャンティ州の農園で栽培されたカカ オを用いています。 ■ チョコレートを安価に販売するために 「不当に安い価格でカカオを買いたたき、 添加物を入れることも少なくない」とい います。カカオの生産国では、森林の減 少や生物多様性の危機、児童労働、貧困 などが問題視されています。 甘い香りのチョコレート。背景にはさ まざまな問題があります。 ▽ は、 「カカオの魔法」をアイテムに加え 公民館やお寺、民家など開く場所はさ まざま。ワークショップでは吉田さん自 バターを混ぜ合わせ、とろりと練り上げ 類の新フレーバーを発売。カカオ豆は主 カカオマスなど素材も輸入 森林減少や児童労働…… に ボ リ ビ ア の 協 同 組 合「 エ ル・ セ イ ボ 」 ポイ から調達し、チョコを購入した人が、包 み紙に記されたカカオポイントを ント集めて応募すると、同組合に苗木1 カカオにまつわる問題を解決しようと NGOや企業が2010年に結成したの ました。在来のアリバ種のカカオを使っ チョコレートの 背景を知ろう が「 チ ョ コ レ ー ト・ ア ラ イ ア ン ス 」 。今 本が贈られます。 年のバレンタイン・デーに向け、協働団 32 ■チョコレート・アライアンスのコアメンバー 体による新作発表会が、 下 ガーナ・アシャンティ州で収穫作業をする生産者ら ■ (いずれもACE提供) 東京・丸の内の農園カ 上 ACEが支援するカカオ産地の子どもたち ■ 上 とろーりとしたチョコレート。型に入れて冷やす ■ と出来上がり 下 素材からのチョコレートづくりを楽しむ女性たち ■ (いずれもAPLA提供) 10 30 ACE内事務局(☎03・3835・7555) Daichi & ■問い合わせ フェ&バル「 APLA(☎03・5273・8160) 44 (フェアトレードカンパニー) 」(運営・大地を keats 守る会)で行われまし た。 ■ フェアトレードの専 門ブランド「ピープル・ ツリー」では、ショウ ガを素材に取り入れた ー&レモン」など2種 ▽ 熟成すると味がまろやかに NGO、企業などが フェアトレードを推進 発酵、乾燥させたカカオが素材のチョコは チョコレート=Daichi & keatsで チョコレートから 見える 「真実」 新作発表会でお目見えしたフェアトレードの 10 ワークショップを企 画した吉田友則シェ フ(APLA提供) 11 「 ホ ワ イ ト・ ジ ン ジ ャ ACE ピープル・ツリー レード・ジャパン/ APLA オルター・ト スローウォーターカフェ ▽ 食の問題、 貧困、 格差…… ■問い合わせ 愛着あるお布団を ふ ふ わ わ リフレッシュ の伝記」。MOTTAINAIキャンペーン事務局が監修し ました。オールカラーで、2005年の初来日の際に 「も ったいない」に感銘して世界に広め、戦争こそが「最 障害者の自立支援に )は「お布団を が 縁 で 交 友 が 続 い て い ま す。 同 社 長 は と し て 人 気 を 呼 び、 国 内 出 荷 が やりジェルマット」は快眠グッズ 緑 川 清 美 同 協 会 理 事 長( ) 、所長の原 田友章さん( )をはじめ、スタッフら が 「こんにちは」 と笑顔で迎えてくれます。 度前後で 事業所にはコンピューター制御で回転 するタンブラー洗濯機がそろっています。 水温は材質や重さによって、 調整。洗い上がった布団を、今度は回転 する乾燥機にかけて乾燥・殺菌します。 「 回 転 し な が ら 乾 燥 す る の で、 た た き 効果がアップし、羽毛本来のふっくらと した弾力がよみがえります」と原田さん。 「除菌剤やオゾン加工などの薬剤はあえ て使用していません。天然素材の良さを 生かしたい」と、平川専務は語ります。 昨年創業 周年を迎えた東京リハビリ 協会は「障害が重くても、地域で自立生 活ができる」社会の創造を経営理念とし、 東京オリンピック・パラリンピックが開 催された1964年に、前身の三恵中央 センターが設立されました。 パラリンピック選手村の寝具類のリー スとクリーニングの業務契約を結び、以 カバーやシーツの賃 来、病院・福祉施設や官公庁などの布団 貸やクリーニングを 行うリネンサプライ 業務を請け負ってい )が、まだ ます。斎藤公生元理 事長( 珍しかった羽毛を中 国から仕入れていた ) 平川さんの父で創業 しょう いち 者 の 尚 市 社 長( に協力を求めたこと コンピュータ制御の大型洗濯機で羽毛布 団をクリーニング=日の出リハビリで 東京都西多摩郡日の出町に同協会の事 業 所「 日 の 出 リ ハ ビ リ 」 を 訪 ね ま し た。 で手間が要りません。 荷造りキットで手間いらず 同社の「リフレッシュ羽毛布団」は昨 年スタート。布団の中の羽毛からごみや ホコリをきれいに取り除き、新しく質の 良いフランス産の羽毛、ホワイトダック ダウンをたっぷり足して傷んだ布団生地 を新しいものに取り替えるフルリフォー ムサービス。スタンダードコースはシン グ ル 1 万 5 0 0 0 円( 税 抜 き ) 、ダブル 2 万 円( 同 )。 布 団 を 包 む「 が わ 生 地 」 をより肌触りが良いものにし、鳥の胸の 毛「ダウン」の比率をより高くしたプレ ミアムコースはシングル1万8000円 荷やお届けは宅配便で受け渡しも簡単で す。ウェブサイトで発注すると届けられ る「荷造りキット」には、発送用のバッ 2000年から同協会の理事を務めてい 370万枚以上のヒットになりま グや宅配便の送り状も同封されているの ます。 した。電気を使わなくても室温と 同じ温度になるため、体温(約 集め、被災地から「提供してほし 度)との差の分が涼しく感じられ い」との要望がありましたが、同 震災後白河に新工場 福島の雇用促進を願い クリーニングした布団は、ヒラカワC GMに行き、クリーニング後の作業を行 る仕組みです。震災の際に注目を います。CGMは 年に福島県白河市に ダーダックの羽毛に似た新素材「アイダ 方だといいます。同社では最高級のアイ 東京二十三区清掃一部事務組合の調査 ( 年 度 ) に よ る と、 区 内 で 粗 大 ご み ーウォームス」の開発を進めています。 として廃棄された布団は 節約し、環境を保護しながら、ものを長 に上るそうです。 く大切に使うライフスタイルが求められ 平川専務は「羽毛を使い捨てにする時 代は終わり。これからは限りある資源を 羽毛の生産地、中国で国内需要が高ま っているうえ、鳥インフルエンザや円安、 ています」と話します。 タートしました。企業からの協賛や環境にやさしいオリジナル商品の販売、各種イベントなどを通じてキャンペーンを展開し、収益の一部をマータイさんが創設したケニアの 12 植林活動「グリーンベルト運動」に寄付し支援しています。マータイさんは11年9月に亡くなりましたが、マータイさんの遺志を継いでキャンペーンは継続しています。 53 動物愛護の声が高まるなか、世界的な羽 語「MOTTAINAI」とし、地球環境に負担をかけないライフスタイルを広め、持続可能な循環型社会の構築を目指す活動です。ワンガリ・マータイさんが提唱し、2005年にス http://mottainai.info 67 リフレッシュ羽毛布団のウェブサイト http://hirakawa-corporation.com/item/mottainairefresh/index.html 「愛着や思い出のあるお布団を捨てたくない」――。そんなときは、羽毛布団をふわふわにリフレッシュするサ ービスがあります。株式会社ヒラカワコーポレーション(本社・東京都中央区)の事業で、クリーニングに携わる 漫画は学研教育出版の「学研まんが NEW世界 40 76 のは、社会福祉法人東京リハビリ協会の事業所に通っている人たちです。同社の平川和代専務( いま、相次いで発刊されています。 35 ひんやりジェルマットを10 人にプレゼントします。はが きに、郵便番号、住所、氏名、 年齢、電話番号を明 記 し、 〒 100-8051 東京都千代田区 一ツ橋1-1-1毎日新聞社 MOTTAINAIキャンペーン事務 局「ひんやりジェルマット」係 までご応募ください。2月27 日必着。 ( 同 )、 ダ ブ ル 2 万 5 0 0 0 円( 同 ) 。集 大の無駄遣い」と力強く訴える様子が描かれていま 50 リフレッシュすることが、障害を持つ人たちの自立支援にもつながります」と語ります。【山口昭、写真は山田茂雄】 マータイさんの伝記漫画や評伝が没後3年たった 鳥のふわふわの毛 を使ったダウン 万5385枚 23 88 キャンペーン 13 社には在庫がなく、そのこともあ 【MOTTAINAIキャンペーン事務局長・七井辰男】 Reduce (ごみ削減)、Reuse (再利用)、Recycle (再資源化)の3Rと、地球資源に対するRespect (尊敬の念)が込められた言葉「もったいない」を、環境を守る国際 モッタイナイは世界中のアイコトバ。MOTTAINAIキャンペーンの関連情報が満載です 36 設立した自社工場で、いまだ震災の傷跡 き方が再び脚光を集めているのかもしれませんね。 平 川 さ ん は「 『リフレッシ ュ羽毛布団』は、障害を持 つ人たちの自立支援にもつ ながります」と語ります マータイさん評伝 続々刊行 「限りある資源を節約し、長く大切に使うラ イフスタイルが求められる」と話す平川さん 41 って新工場設立の際、同社長は数 紛争や混迷の続く世界で、信念を貫いた彼女の生 リフレッシュされたお布団 MOTTAINAIへ。 (※)MOTTAINAI オフィシャルサイト 13 毛不足が起きており、価格が高騰する一 ひんやりジェルマット を10人に 12 が残る福島県の雇用促進を目指していま な人生の歩みが読み取れる一冊です。 カ所あった候補地から白河を選ん 圧を乗り越えてきたマータイさんの、明るく前向き だ、とのことです。 『MOTTAINAI』で地球を救おう」。差別や政府の弾 す。 評 伝 は 筑 摩 書 房 の「 ワ ン ガ リ・ マ ー タ イ ―― ヒラカワコーポレーションは1989 年に設立。2008年に発売した「ひん す。 良質のフランス産羽毛をたっぷり足し、 ようこそ MOTTAINAIコラム 川里さんの畑で収穫体験をする 会員ら(大地を守る会提供) 大地を守る会 「マイECO」は08年に創刊したフリーペーパーです。隔月刊で、環境に関わる著名人 らのインタビュー、環境活動のリポート、環境保全につながる暮らし方や食、MOTTAI NAIキャンペーン情報などを紹介しながら、環境保全や私たちの生活のあり方について、 読者のみなさんと共に考えます。 発行日:2015年1月31日 編集・発行:毎日新聞社 水と緑の地球環境本部 発行人:斗ヶ沢秀俊 〒100-8051 東京都千代田区一ツ橋1の1の1 ☎ 03・3212・2607 FAX 03・5208・4946 E-mail:[email protected] デザイン:中村千晶、山本幸枝 【表紙:ゴマフアザラシの赤ちゃん】今年は知床半島 の世界自然遺産登録10周年。それらを記念して 「世 界自然遺産 知床の動物たち」の大判ポストカード をつくりました。 ゴマフアザラシをはじめカラフトマスやシマフク ロウなど、知床の海や山で共生する動物たちの写真 が素材です。10枚1組で1080円。売り上げの一部 は「毎日希望奨学金」に寄付。申し込みは毎日新聞富 士山再生キャンペーン事務局(☎03・3212・2314、 平日午前10時~午後5時) 。 収穫体験や講座、 被災地応援ツアーも 冬 場 は ニ ン ジ ン な ど を 収 穫。 「 堆 肥 は、 水と緑の地球環境本部は毎日新聞創刊135年を迎えた2007年に創設されました。それ までに実施してきた環境に関連する各種キャンペーンを総合的に展開し、地域と地球規模 の環境保全に貢献することが設立の目的です。2000年に始めた「富士山再生キャンペー ン」、05年から取り組んでいる「MOTTAINAI(もったいない)キャンペーン」、06 年 からの「My Mai Tree」の植樹活動に加え、09年からは森林保全にも活動の幅を広 げた「つながる森プロジェクト」を開始しました。そのほか、日韓両国の環境活動に取り 組む団体・個人を表彰する「日韓国際環境賞」などが活動の軸になっています。 また、企業の環境担当者と環境NPOの学習交流会「毎日Do!コラボ」の開催など、 環境分野の方々の交流促進を図っています。11年の東日本大震災以降は、環境NPOなど と協力しながら、さまざまな被災地支援を続けています。 生産者との交流図り 「食や自然への理解を」 有機農産物などの宅配を手がける、株 式会社大地を守る会(藤田和芳社長、会 馬事公苑(世田谷区)から馬ふんをもら 毎日新聞 水と緑の地球環境本部 活動紹介 たい ひ 員数約9万人)は、社会的課題を企業と 恒例の収穫交流会には、会員らが子ども 42 ) は 話 し ま す。 連 れ で 畑 を 訪 れ、 川 里 さ ん 父 子 の「 農 」 い、落ち葉やわらを混ぜてつくっている」 が生産者との交流です。会員向けのツア に対する思いに耳を傾けます。 と 長 男 の 賢 太 郎 さ ん( ーやイベントを通じて双方のコミュニケ 農業を継ぐ前に一時、大地を守る会で 働き、配送を担当したという賢太郎さん して解決していく「ソーシャルビジネス」 ーションを図ります。 は「どういう人々がお客さんなのかを知 を 掲 げ て い ま す。 社 会 貢 献 事 業 の 一 つ 東京郊外にある小平市。住宅街の一角 に、 広 々 と し た 畑 が あ り ま し た。「 東 京 る機会になった」と言います。新鮮な野 菜や食材が届いたときに人々が見せる笑 有機クラブ」のメンバーで、江戸時代か 大地を守る会の提携農家(計約2500 顔で「食の大切さを実感した」とも。 35 ら続く農家、川里弘さん( )の農園です。 軒)のうち、一大消費地の東京では川里 東日本大震災後は被災地応援ツアーを 組 み、 料 理 教 室 や 食 に 関 す る 講 座 な ど、 人 が 参 加 し ま し た。 「生産者と顔が見え 培に取り組み、 る関係になることで、食や自然への理解 さんを含め3軒の農家が、無農薬での栽 の受け入れに積 昨年度は 企画が実施され、約2000 極的に応じてい を深めてもらいたい」と大地を守る会の 収穫体験や見学 ます。 広報・国際課主幹の町田正英さんは話し ます。 問い合わせは「大地を守る社会貢献活 動(CSR)をすすめる会」事務局(☎ ・3402・8841) 。 【明珍美紀】 川里さんの農 園では、ルッコ ラやスイス・チ ャードなどの葉 も の が 中 心 で、 03 72 川里賢太郎さん(右)と、畑を訪れ た町田正英さん=東京都小平市で 「雲仙の小浜に引っ越すことに なりました」。東京・吉祥寺で料 理教室などを運営する奥津爾さんから報告を受けた ときは、驚きました。野菜研究家の高橋和也さんと 企画して一昨年の春、吉祥寺で古来種の野菜を集め たマーケット「種市」を初開催し、ゲスト参加した のが、長崎県雲仙市の農家、岩崎政利さん。自家 採取で在来種や固定種の野菜を育てています。「種 が風土を知り尽くしたとき、野菜本来の味が引き 出される」。種を守る人ならではの言葉が心を動か したのでしょうか。「岩崎さんの近くで暮らそう」 と決めて家族と移住した先が小浜温泉街(今号の REPORT参照)のそばでした。ちなみに岩崎さんの 取り組みはマイECO(38号)のFOODで紹介してい ます。 原発事故後、首都圏から地方へと移り住む人が相 次ぎました。新たに農業を始めたり、東京での仕事の 経験を生かして地域活性化のビジネスを始めたり。 すべての人がうまく行っているわけではありません が、農村や漁村、里山には「もう一つの生き方」 がある ように思えます。今年もよろしくお願いします。 (M) 「マイECO」は毎日新聞東京本社1階(東 京メトロ東西線竹橋駅下車)の「MOTTAIN AI STATION」などに置いています。また、 「マイECO」を配布してもらえる市民グルー プや店舗、カフェなどを募集しています。 詳しくは毎日新聞水と緑の地球環境本部(☎ 03・3212・2607)へお問い合わせください。 ホームページ http://mainichi.jp/feature/ecology/ 毎日新聞社は日本の里山を保全・再生する活動を支援しています。 マイECOの用紙代の一部は日本の里山の保全と再生に役立てられます。 14