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小学校第6学年 社会科学習指導案 「長く続いた戦争と人々の
小学校第6学年 社会科学習指導案 日時:平成22年○月○日○校時 場所:○○小学校 6年○組教室 指導者:○○ ○○ 1 学習名 1.日本の歴史 (9)長く続いた戦争と人々のくらし 2 指導によせて(本単元における活用力を高める手だて) (学級、児童の様子、学習面の課題、指導力点 等 ・・・省略) 本単元は,日中戦争から第二次世界大戦についての学習を通して,各種資料を活用したり,戦争の体験を聞 いたりして,15年にわたる戦争について理解を深めていく。わが国は中国からアジア・太平洋地域に戦場を拡 大して敗れ,国民やアジアの人々が大きな被害を受けたことについても触れ,そして、この戦争が世界に与え た影響について考える。また,修学旅行(広島方面)での平和学習とも関連性を持たせ,世界的な見方と地域 的な見方に立ち,様々な人々の考え方が交錯していたことにも触れる。 戦争を単なる悲惨な出来事という捉え方だけでなく,どうして15年もの間続いたのか,その背景やきっかけ は何だったのか,その間人々の暮らしはどのようなものだったのかといったことや、日本人以外からみた戦争 についての見方・考え方を多角的,多面的に捉えさせたい。そして,児童自身が戦争の歴史から学び,考えた ことを自分の戦争観として語ることができる力につなげていきたい。そのためには,戦争の時代に生きていた 人々の暮らしや思いに焦点をあて,様々な立場があったことを理解させていく。さらに,立場によって暮らし や考え方に違いがあるものの,日本が戦争に勝つために進んでいった背景に迫られるようにしていきたい。戦 争は人々の暮らしや考え方を突然変えるものではなく,変わらざるを得ない状況を生み出すものであり,衣食 は制限され配給制になり,言論が取り締まれ,空襲や疎開が始まる生活に変わっていく。そういった状況を理 解させていくために,戦争経験者の語りや当時使用されていた品物や資料を効果的に使用していく。そして, 広島の平和学習で,『○○小平和の誓い』を唱えたことから、戦争のあやまちについて,何があやまちであっ たかを考え,あやまちを繰り返さないために,自分ができることを考えさせていきたい。 3 単元目標 ・日中戦争から太平洋戦争に至る歴史に関心をもち,身近な戦争体験者から戦時下の国民の人々の生活について 意欲的に聞き取り,調べ,考えようとする。 〔社会的事象への関心・意欲・態度〕 ・戦時中の国民の思いに寄り添ったり,今の生活と比較したりしながら,戦争の実態や平和の尊さについて自分 自身に引き寄せて考えることができる。 〔社会的な思考・判断〕 ・戦争体験者から聞き取ったことや,写真,手記,地図,映像などの各種資料を活用して調べたことを分かりや すくまとめて表現することができる。 〔観察・資料活用の技能・表現〕 ・我が国が戦時体制に移行したことや,敗戦によって国民が大きな被害を受けたことが分かるとともに,アジア・ 太平洋の諸国・諸地域に大きな被害を与えたことが分かる。〔社会的事象についての知識・理解〕 4 評価規準 関心・意欲・態度 戦争の広がりや戦争中 思考・判断 技能・表現 知識・理解 日本国民や当時の日本 日中戦争や太平洋戦争 国を挙げて戦争へと進 の国民生活に関心をもち, 政府,アジアの人々や欧米 について,各種資料を活用 み,それにより,国民やア 意欲的に追求しようとし 諸国の人々など,様々な したり,戦争体験者のイン ジアの人々の生活は大き ている。 人々の立場から、戦争のも タビューを聞き,わかりや な被害を受けた事がわか たらしたものや,平和の尊 すくまとめることができ る。 さについて考えている。 る。 5 指導計画(全9時間) テ ー 学習活動 教師の働きかけ 評価 ○広島での学習や夏休みの課題を振 ・都市別死者数,空襲された都市, ・積極的に課題作りに取り組 り返り,また,資料をみて読み取れ 配給制の様子,戦時中の運動会プ ることを話し合い,戦争について課 ログラムの資料を用い,戦時中の 題をもつ。(1) 様子について時次につながる課題 マ 第一次 をみつけさせ,まとめる。 ○お墓調べを通して,身近な地域から ・戦死者のお墓調べを通して,身近 ・積極的にお墓調べについて も戦争に行った人がいることを理解 な地域からも世界のあちこちに戦 取り組むことができる。関 する。(2) 争に行ってなくなった人がいるこ ・調べたことを地図に表し, ・○○霊園を見学し,身近なとこ 3時間 身近な地域の戦争について知る んでいるか。関 ろから戦争に行った人がどれく らいいたのか調べる。 ・世界地図に表し,視覚的に戦争 の広がりについて学ぶ。 とをおさえる。 ・墓石の表記の違いなどについてあ らかじめ説明を加える。 そ こから 自分の 思ったこ と,感想を言うことができ る。技 ・わからない地域があれば,地図帳 やインターネットなどで調べるよ うに促す。 第二次 ・当時の日本政府が、戦争に勝つた ・戦争がはじまったきっかけ ついて学習する(2) めに強いた生活や時代背景につい や,戦争をはじめざるをえ ・戦争がはじまたきっかけ てふれ,諸外国はこの戦争をどの なかった当時の状況につい ・規制が多かった時代背景 ようにみていたのか,多面的な視 て考えることができる。知 ・諸外国からみた戦争 点から考えさせる。 思 ○戦争中の暮らしについて調べ,今の 5時間 戦争中の人々の暮らしを理解する ○日本が戦争を広げていった様子に ・戦時中の暮らしを想像させる。そ 生活と比較し,戦争が当時の国民に の際,今の生活と比べさせる。 与えた影響についてまとめる。(3) ・集団学童疎開について,資料を活 ・集団疎開とはなんだろう ・ゲストティーチャーに話を聞こう ・どんな学校生活を送っていたのだ 用して調べさせる。 ・当時の学校生活の様子について, 調べたことを交流する。 ろう(本時) 第三次 1時間 自分にできることを考える ○戦争がもたらしたものについて考 ー の 話を 聞く こと ができ る。関 ・当時の生活の様子と今の生 活の様子との違いについて 比較して考えることができ る。思 ・戦争とは何であったかを考えさせ, える。(1) 二度とこのような戦争を起こさな ・15 年にわたる戦争で得たもの いために,今自分にできることを ・平和とは 考える。 ・今自分にできること ・意欲的にゲストティーチャ ・平和について自分の考えを 持つことができる。思 6 本時の目標 ・戦時中の学校生活を知り,戦争が子どもの生活に及ぼしたものを理解するとともに,戦争のあやまちは何 であったかを考える。 7 本時の展開(8/9) 学習活動(予想される子どもの姿・発言) 活用力を高めるための指導(◎)と評価(●) 1.修学旅行で誓った○○小誓いの言葉を思い出す。 「私たち○○○名は,平和を願い,同じあやまちを くりかえさないように、語り継ぐことを誓います」 戦争のあやまちは何だったのだろう 2.既習事項を振り返る。 ○戦争はいつはじまったのか ○戦争は何年間続いたのか ○戦争中人々はどんな暮らしをしていたか ・食べ物や衣料は配給制 ・言いたいことは言えない ・都市部の子どもたちは疎開先から学校に通っ ていた 3.戦時中の授業の様子を視覚的につかむ。 ○今の時間割を振り返る ・学校ではどんな教科を学習しているか振り返 る ○戦時中の時間割を見る ・現在の学校で学習する教科のとの違いについ ◎当時の小学生の時間割と今の時間割を比べる。子ども たちと同じ小学生ということを意識づけながら資料 を見せる。 ◎当時の学校生活の様子を動画や写真で見せる。 ●当時の小学校生活について,想像することができる。 て比べる ・現在にはない教科の内容について知る ・国語,音楽については当時の教科書を見る。 4. 学校で何を学んでいたのか考える。 ◎戦時中の授業の様子を見せ,何を学んでいるのか、何 ・何を学んでいるか のために学んでいるのか考えさせる。また,学習して ・何のために学んでいるか いる子どもの顔の表情にも着目させる。 ・幼稚園の子どもたちが戦争ごっこをして遊んで いる様子を見て,気づいたことを交流する。 ●学校で学んでいることは,戦争のためであることに気 づくことができる。 ●戦争は大人だけでなく,小学生の子どもにまで影響を 及ぼしていたことに気づいた感想を持つことができ る。 5.学校生活におけるあやまちは何であったか考え,交 流する。 ◎今日の学習や,ゲストティーチャーの講話を振り返 り,学校生活でおかしいとおもうところを考えさせ る。 使用した資料の一例 (滋賀県健康福祉政策課 平和祈念館(仮称)開設準備室から借用) 実物資料「臨時召集令状(複写)」 http://www.pref.shiga.jp/heiwa/kashidashi/shiryo.html#shiryo_h3_A 展示パネル「滋賀県と空襲−おもな空襲の被害」 http://www.pref.shiga.jp/heiwa/tenji/map.html (資料) http://www.pref.shiga.jp/heiwa/kashidashi/panel.html 写真パネル「幼稚園児の戦争ごっこ」 戦争ごっこをする石山幼稚園の 子どもたちのようす。 http://www.pref.shiga.jp/heiwa/kashidashi/panel.html (パネル)